デジタル写真の必修科目・カラーマネージメント講座 特別編

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デジタル写真の必修科目・カラーマネージメント講座 [特別編]デジタルフォト環境をもっと快適にするおすすめ製品

キャリブレーションセンサー内蔵の24型ワイド液晶モニター:ColorEdge CG245W

 高品質液晶モニターの代名詞ともいえる「ColorEdge」シリーズの注目の新製品が発売となった。カラーマネージメントの実践に必須であるキャリブレーションセンサーを内蔵しての登場は、これまでの液晶モニターの概念を打ち破るインパクトがあり、一方で高品質な液晶モニターを長年手がけてきたEIZOブランドだから実現できたアイデアともいえる。「ColorEdge CG245W」は、激戦区となっている24型ワイド、フルHD対応のカテゴリーの製品になる。1台1台出荷前に測定と調整を行い、最大12ビットのLUT(ルックアップテーブル)を採用するなどのColorEdge特有の仕様はそのままに、高品質液晶モニターの未来形を具現化している。

「ColorEdge CG245W」はココがすごい!
  1. キャリブレーションセンサー内蔵で自動キャリブレーション
  2. 多彩なハードウエアキャリブレーション
  3. Adobe RGBカバー率98%の広い色域
  4. 視点移動でも色彩や輝度が変化しにくいIPS液晶採用
  5. デジタルユニフォミティ補正回路で均一な表示
ColorEdge CG245Wならセンサーの取り付け不要&自動でキャリブレーションできる! イメージ

センサーを内蔵した高品質液晶モニターが手の届く存在に!

 「ColorEdge CG245W」(以下CG245W)の表示装置としてのスペックは先行機種の「ColorEdge CG243W」(以下CG243W)とほぼ同じで、視野角による輝度や色彩変化が少ないIPS方式の液晶を採用した、24型ワイド(1,920×1,200、フルHD対応)液晶モニターだ。スタンドには可動範囲が広くコンパクトな、FlexStandを採用し、縦位置も容易に設置できる使い勝手だ。何より大きな特長は、ColorEdgeシリーズで初めて液晶モニター自体にキャリブレーションセンサーを内蔵したことによって、接続したPCが起動していなくても、液晶モニターだけで定期的に測色し経年変化を補正する能力を持っていることだ。この先進モニターの性能を紹介してゆこう。

CG245Wのハードウエアキャリブレーション

 付属ソフトの「ColorNavigater」を使って、内蔵センサーを使ったキャリブレーションだけではなく、従来どおり外付けセンサーによるキャリブレーションも可能だ。内蔵センサーはセルフキャリブレーションに対応しており、液晶モニター単体で自動で定期的なキャリブレーションを行える。CG245Wでは外付けセンサーを基準として、内蔵センサーの特性を調整し、複数モニターの発色を厳密に合わせること(コレレーション)も可能となっている。内蔵センサーの搭載によってユーザーのキャリブレーション作業にかかる負荷が大幅に軽減する。 CG245Wのハードウエアキャリブレーション コレレーション 内蔵センサーによる測定結果を、外付けセンサーの測定結果に一致させる「コレレーション」機能を持つことで、複数台または他機種との色彩一致を容易に可能とする。

内蔵センサーでセルフキャリブレーション

CG245Wの内蔵キャリブレーションセンサー CG245Wの内蔵キャリブレーションセンサーは、通常はモニター上部のベゼルに収納されているが、キャリブレーションのときには自動的にスイングする。 セルフキャリブレーションのスケジュール設定 セルフキャリブレーションのスケジュールは細かく設定できる。PCの電源がオフでも液晶モニター単体でキャリブレーションを実施するからこその特徴だ。  セルフキャリブレーションは、まさに液晶モニター単独で勝手に行ってくれる、賢い機能だ。従来のキャリブレーションを長期間行っていると、そろそろ再キャリブレーションしなくてはと思っても、ついつい機会を逃したり、設定したスケジュールの告知があってもすぐに対応できなかったりと、なかなか面倒なものだったが、スケジュール設定をすれば、時間がたつと勝手に液晶モニター自身が調整を済ませてくれる。作業しない深夜の時間を設定しておけば、再キャリブレーションの時期を心配する必要がなく、使うときはいつでもリフレッシュされた表示が得られる。専属の気がきくアシスタントがついたような感じなのだ。その手順は後ほど紹介しよう。

表示能力は高性能の代名詞「ColorEdge」の遺伝子を受け継ぐ

色域Adobe RGB 色域Adobe RGB Adobe RGBのカバー率が98%だからといって、Adobe RGBより色域が小さいのではない。Adobe RGBの2%だけカバーできていないということであり、Adobe RGB以上に表示する色も多いのだ。特に赤と緑はAdobe RGBを余裕で包括する。  表示能力については、Adobe RGBカバー率98%の広大な色域と、デジタルユニフォミティ補正回路による画面内の均一な表示、IPS液晶による広い視野角と、ハイエンド液晶モニターの基本をしっかり押さえた性能を持っている。表示品質においてはまさにプロ仕様の安心性能だ。改善された輝度ドリフト補正機能によって、立ち上がりから明るさ変化は従来機種よりもさらに少なく、事実上ウォームアップタイムを意識する必要がない点もありがたい。

デジタルユニフォミティ補正回路で全面均質 デジタルユニフォミティ補正回路で全面均質 約80cmの距離からデジタルカメラで撮影しても肉眼でも、どこにも明るさのむらはまったく見えなかった。上部中央の1点を測色する内蔵センサーの精度を支える基本性能だろう。 IPS液晶による広い視野角 IPS液晶による広い視野角 従来、高級機種に限って採用されてきたIPS方式の液晶は、液晶前面を最大とする視点移動による実用視野角では見事に均一であり、上下左右端から端までどこで色彩判断をしても、間違いのない確かな性能だ。

縦位置対応フードと高い自由度のFlexStandで高機能に使いやすさをプラス

モニターフード 縦位置横位置の両方に対応した新設計のモニターフードが付属し、取り付けも簡単にしっかりとできる構造に進化している。 FlexStand 縦位置対応モニターにありがちな、高くはなるが低くできないスタンドではなく、FlexStandでは、机上面いっぱいまで下げて使うこともでき、照明の映り込みさえクリアできれば、視点移動の少ない環境で作業ができる。 操作ボタン 操作ボタンはLED照明でくっきりと文字が浮かび上がり、ボタンガイドで操作しやすい。 2個のDVI-I端子と1個Display Port 接続可能なインターフェースは、2個のDVI-I端子と1個のDisplay Portを持っているシンプルな構成。  高い基本性能と内蔵センサーによるセルフキャリブレーション以外に、プロ仕様としての機能や仕様が多く盛り込まれている。決して盛りだくさんを目指すのではなく、とことん色彩や階調を追い込みたいユーザーの使い勝手を考慮している。

CG245Wのキャリブレーションを行ってみた

セルフキャリブレーション 設定画面1 「ColorNavigator」で調整目標を作成する CG245Wのキャリブレーションでは、CG245WをPCに接続した状態で、付属のキャリブレーションソフト「ColorNavigator」を起動して、調整目標の作成を行おう。デフォルトで2種類の調整目標がプリセットされているが、今回は新規作成する場合のポイントを紹介する。

セルフキャリブレーション 設定画面2 セルフキャリブレーション 設定画面3 「ColorNavigator」で調整目標の新規作成 定評あるハードウエアキャリブレーションのソフトらしく、たとえば「輝度・白色点」の項目では、白色点の輝度と色温度、「ガンマ」の項目では、ガンマ値やグレイバランスとコントラストのどちらを優先するかなど、スライダーや数値などで細かな調整が可能で、調整目標設定の自由度が非常に高い。

セルフキャリブレーション 設定画面4 「ColorNavigator」を使って調整目標を作成したら、次回からはCG245Wの特長のひとつでもあるセルフキャリブレーション機能を使うと便利だ。セルフキャリブレーションによって、キャリブレーションの状態を保つ作業がストレスフリーになるのだ。

セルフキャリブレーション 設定画面5 セルフキャリブレーション 設定画面6 セルフキャリブレーションをどのようなタイミングで行うかは、「ColorNavigator」からでも、液晶モニターのボタンからでも設定が行える。セルフキャリブレーションの実施間隔は月・週・時間のいずれかの単位でも設定でき、曜日や時間まできめ細やかに決められる。深夜などのPCを使わない時間に設定しておけば、自動的に起動・調整・終了してくれるため、キャリブレーションのユーザー負担は実質ゼロになると言っていいだろう。

セルフキャリブレーション 設定画面7 また、液晶モニターの電源が切れている場合でも、セルフキャリブレーションの設定時間になると、数分間「エージング中です。」というメッセージが表示され、液晶モニターの安定を待ってから、自動的に測色を開始し終了してくれる。まさに手放しの状態の便利さになっている。

「ColorEdge CG245W」を実際に使ってみて

 キャリブレーションセンサーを内蔵したモニターの出現は、いつかはあるのだろうと想像していた。実際に使ってみた感想は、内蔵センサーによって容易に安定表示に対する安心感が得られることと、つまり、キャリブレーション実行に費やす手間やコストを省き、液晶モニターの色彩管理の大部分をストレスフリーにすることでクリエイティブな作業に集中できることだ。正しい写真の観察が容易に行えるようになるので、プリントと液晶モニターの色の差や、PCごとの表示色の違いに悩むことがなくなって、自信を持って観察と作業ができるので、必ずや写真が上達すると確信できた。今後ナナオ製のグラフィックス用途に分類されるすべての機種が内蔵センサーを持つことを期待したいほどだ。

この記事で紹介したモニター製品

ColorEdge CG245Wの主な仕様

サイズ 61cm(24.1)型(可視域対角61.1cm)
液晶パネル(カラーTFT)
種類(表面ノングレア仕様) IPS(オーバードライブ回路搭載)
視野角 水平/垂直(コントラスト比10:1時、typ.) 178゜/178゜
最大輝度(typ.) 270cd/m2
コントラスト比(typ.) 850:1
応答速度:黒→白→黒(typ.) 13ms
応答速度:中間階調域 ※1(typ.) 5ms
推奨最大解像度 1,920×1,200
標準表示面積(横×縦) 518.4×324.0mm
画素ピッチ 0.270×0.270mm
最大表示色 DisplayPort:約10億7,374万色:10bit対応(約680億色中/12bit-LUT)、DVI:約1,677万色:8bit対応(約680億色中/12bit-LUT)
表示階調 DisplayPort:1,024階調(4,081階調中)、DVI:256階調(4,081階調中)
広色域表示(typ.) 対応:Adobe RGBカバー率98%、NTSC比102%
入力端子
デジタル DisplayPort×1(HDCP対応 ※3
デジタル・アナログ DVI-I 29ピン×2 ※2(HDCP対応 ※3
電源 AC100-120V/AC200-240V±10%、50/60Hz
外観寸法(幅×高さ×奥行)
標準使用時 本体
(スタンド部含む)
566×396.5~553.5×242~256mm
(フード装着時:574×404~561×379~365.5mm)
縦回転使用時 本体
(スタンド部含む)
382×580.5~638×251~256mm
モニター部 566×382×92.5mm
質量
本体(スタンド部含む) 約10.1kg(フード装着時:約11.1kg)
本体(モニター部のみ) 約7.1kg
  • ※1 0、63、127、191、255階調レベル間の各応答速度の平均値。
  • ※2 DVI-I 29ピンコネクタは、デジタル/アナログ信号入力どちらにも対応可能。
  • ※3 AV機器との接続はサポートしていない。
小山壮二
小山壮二 Souji Koyama
1954年岡山県生まれ。写真家の山本弘之氏に師事し1979年独立、株式会社プロテック代表取締役に2006年に就任。デジタルフォト黎明期より、ポジフィルムとハイエンドスキャナーを使ったデジタル処理に取り組む。1995年プロ用デジタル一眼の導入に伴い、コマーシャルフォトグラファーとして自らのデータに責任を持つ姿勢を目指し、印刷、デザインとの連携を深め、カラーマネージメントの徹底により、いち早く撮影業務のフルデジタル化を完成する。料理、建築等の撮影業務とともに、カメラ雑誌への執筆やデジタルフォトセミナーを精力的に行う。

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