GANREF特別企画 撮り方からスポットまで詳しく解説 滝・渓流撮影地ガイド&おすすめアイテム

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レポート:萩原俊哉(撮影テクニック解説・撮影地ガイド)、西川貴之(撮影地ガイド)

滝・渓流は人気の被写体のひとつ。夏の緑との相性が良いと同時に、現場では心地よい涼感を味わうこともできるので、これからの季節にはぜひ訪れたい撮影スポットだ。ここでは、滝・渓流を美しく写し取るための基本テクニックから、全国各地の20カ所の撮影スポット、さらに滝の撮影で重宝するアイテムを紹介しているので、これらを参考にして、とっておきの1枚を残そう。

滝・渓流撮影おすすめアイテムコレクション

滝・渓流撮影で注意すべきこと

滝や渓流の撮影は、なんといっても危険が潜む自然が相手なので、十分な装備が必須となる。特に足元は重要で、装備をしっかり整えておきたい。例えば水の中に入るための長靴に関しては、ゴム底のものだと濡れた岩場やぬめりのある水底ではとてもすべりやすい。釣具店で購入できるスパイク付きの長靴やフェルト底のウェーダーを選ぶとよいだろう。

撮影現場では天候の変化にも十分な注意が必要だ。特に降雨による水量の変化には敏感になっておきたい。以前、滝の撮影で中洲に入ったとき、上流で降雨があって増水し中洲に取り残されそうになったことがある。そのときは増水していることに気がついて難を逃れたが、一歩間違えれば事故につながっていたかもしれない。撮影している現場が晴天であっても、上流が土砂降りの雨になっている場合があることをしっかりと認識しておこう。ゲリラ豪雨や台風などによる災害の発生の可能性もあるので、事前に天気予報などで情報を把握しておき、少しでも危険性がある場合は撮影の延期や取りやめなどの判断も必要だ。くれぐれも無理のない計画で撮影を楽しんでいただきたい。

滝・渓流の撮り方の基本

使用するレンズと被写体との距離感によって滝や渓流の表情は大きく変化する。望遠レンズで遠望して撮影するのと、広角レンズで近寄って撮影するのとではフォルムが大きく変化するのだ。

展望台などから遠望する滝や渓流では、切り取り方がポイントとなる。滝の全容を素直に写してもオリジナリティの感じられない説明写真になってしまうことが多いからだ。例えば、新緑や岩壁など周囲の状況を見い出して取り込む、あるいはごく一部分だけを象徴的に抽出するといった、自分の発見や視点を生かした切り取り方を心がけたい。

近くに寄れる滝や渓流では、前景の取り込み方やアングルを意識するとよいだろう。広角レンズを装着して、ローアングルから主役や前景に近寄り遠近感を強調すれば、とてもダイナミックなイメージが得られること請け合いだ。

いわずもがなのことだが、水がらみの撮影では、水を静止させる、あるいはぶらして柔らかく表現するために、シャッタースピードの選択は重要な要素となる。中途半端なシャッタースピードは避け、静止させるためにはISO感度を上げて1/1,000秒以上を、ぶらすためには1/8秒以下のシャッタースピードを選ぶと良い結果が得られる。思い通りの遅いシャッタースピードが得られないシチュエーションでは、減光効果のあるNDフィルターを使うと良い。

光芒や虹など光を使ったドラマチックな表現をしたい場合は、太陽の光が差し込む条件が有利だ。一方、岩肌や周囲の木々、あるいは水流の質感などのディテールを余すことなく表現したいケースでは曇天などのフラットな光のほうが向いている。ある特定の表現を求めるのではなく、天候に応じたさまざまな表現方法を頭に入れておけば、滝・渓流撮影を存分に楽しむことができるだろう。

作例
自由にアプローチできる滝や渓流では積極的に撮影ポジションを探すとよいだろう。広角レンズでローアングルから被写体に近づくと、アイレベルで標準レンズで被写体に対峙するのとは異なり、よりいっそう遠近感が増してダイナミックな印象が得られる。

カメラ:FUJIFILM X-T1/焦点距離:10mm/露出モード:絞り優先AE/絞り:F8/シャッタースピード:1.2秒/露出補正:-1EV/ISO感度:200/WB:太陽光/撮影地:群馬県中之条町 黄金の滝

作例
展望台や渓流にかかる橋といった高台からは、渓流や滝を俯瞰してみることができる。アイレベルとは異なりとても大きな風景が広がっている場合が多い。しかしその風景の全容をとらえようとしては散漫な絵柄に陥りやすい。ポイントを見極めて切り取るようにしよう。

カメラ:ニコン D7200/焦点距離:42mm/露出モード:絞り優先AE/絞り:F16/シャッタースピード:1/15秒/露出補正:-0.3EV/ISO感度:100/WB:太陽光/ND16フィルター使用/撮影地:長野県茅野市 王滝(横谷観音展望台)

作例
滝や渓流の撮影では、必ずしもその全容を取り込む必要はない。被写体のごく一部分を象徴的に切り取ることで、ぐっとイメージ寄りの表現にすることができる。しかし、ただ闇雲に切り取っても効果的ではない。ポイントとなる部分を抑え、水の流れの向きを考慮して画面を構成すると良いだろう。どの部分を抽出するかは撮影者の感性によるところが大きい。それが個性や視点につながるといえるのだ。

カメラ:FUJIFILM X-T1/焦点距離:50mm/露出モード:絞り優先AE/絞り:F11/シャッタースピード:1/2秒/ISO感度:200/WB:太陽光/撮影地長野県茅野市 蓼科大滝

滝・渓流撮影おすすめアイテム

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萩原俊哉氏おすすめ
滝・渓流撮影地10選 東日本編

萩原俊哉萩原俊哉 (はぎはら としや)
1964年山梨県甲府市生まれ。広告代理店退社後、フリーのカメラマンに転向。浅間山北麓の広大な風景に魅せられて、2009年に本格的に嬬恋村に移住。現在自然風景を中心に撮影、写真雑誌等で執筆活動中。カメラグランプリ選考委員、日本風景写真家協会(JSPA)。主な著書に『世界一わかりやすいデジタル一眼レフカメラと写真の教科書 四季の風景編』(インプレス)
作例 華厳の滝
日本の三名瀑のひとつで、「日本の滝100選」の滝でもある。中禅寺湖から流れ出る水が轟音とともに落下する迫力のある姿がたまらない魅力だ。駐車場からエレベーターでアクセスできる観瀑台からは、左岸側の迫力のある柱状節理を画面に取り込むことができる。また、虹を狙うのならよく晴れた夏の午前中に訪ねるとよいだろう。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:17mm)

栃木県日光市
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  • 白髭の滝

    作例
    丘の町、美瑛町から南西に向かって約20kmの距離の白金温泉にある滝。コバルトブルーの水と幾筋ものラインが美しいハーモニーを奏でる滝だ。美瑛川に架かる橋の上から撮影することができる。富良野・美瑛の丘の撮影に来たらぜひ足を伸ばしたい。駐車場から徒歩約3分。(APS-Cモデル使用/焦点距離:45mm)

    北海道上川郡美瑛町
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  • 奥入瀬渓流

    作例
    日本の数ある渓流の中でも屈指の美しさを誇る渓流のひとつ。渓流沿いに遊歩道が通っており、近づきやすく自由なアングルで撮影を楽しむことができる。三乱の流れや阿修羅の流れなどの渓流はもちろんのこと、銚子の滝や双竜の滝、雲井の滝など数々の滝が落ちており、一日中楽しめる。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:24mm)

    青森県十和田市
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  • 元滝伏流水

    作例
    鳥海山からの豊かな伏流水がこんこんと湧き、美しい苔をはぐくみ独特の景観を作りだしている。途中の渓流では周囲の緑が水面に反射し、美しい映り込みを狙うこともできる。この下流には奈曽の白滝が流れているほか、鳥海まりもで知られる獅子ヶ鼻湿原やあがりこ大王のある中島台レクリエーションの森にも近い。駐車場から徒歩10分。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:16mm)

    秋田県にかほ市
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  • 二の滝

    作例
    月光(がっこう)川の支流にかかる落差25mほどの滝で、水量も多く迫力がある。県道60号線の終点にある一の滝駐車場から、一の滝経由で徒歩約20分で到着する。前景に手前の流れを入れることができるほか、タイミングが合えば光芒を組み合わせることもできる。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:66mm)

    山形県飽海郡遊佐町
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  • 秋保大滝

    作例
    「日本の滝100選」の滝。落差55mの威風堂々とした姿は見る者を魅了する。激しく流れ落ちる水が飛沫となり、光が当たって光芒を作り出すこともある。駐車場から徒歩約10分で川岸に降りることができ、そこから正面に滝を望むことができる。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:66mm)

    宮城県仙台市
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  • 嫗仙の滝

    作例
    不気味なまでのフォルムがとても印象的な滝だ。滝の中ほどに大きな穴が開いており、独特の色合いと相まっていっそうの不気味さを醸し出している。駐車場から急坂を下ること徒歩約20分で到着するが、帰りは急な上り坂となるため30分は見ておいたほうがよい。川は浅いので長靴があれば便利だ。(APS-Cモデル使用/焦点距離:11mm)

    群馬県吾妻郡草津町
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  • 苗名滝

    作例
    新潟県と長野県の境に位置する「日本の滝100選」の滝で、別名地震滝とも呼ばれる迫力のある滝だ。水量は豊富で、特に春先の雪解けの時期は流れ落ちる姿に激しさが増す。飛沫を静止させて激しさを表現するもよし、ぶらして流麗に表現するもよし、さまざまな表現を楽しみたい滝だ。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:38mm)

    新潟県妙高市
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  • 阿寺渓谷

    作例
    木曽川の支流、阿寺渓谷の水の美しさは筆舌に尽くしがたいものがある。犬帰りの淵、狸ケ淵などポイントとなる場所も多い。阿寺川沿いに林道が通っており、要所には駐車スペースもある。阿寺渓谷の美しい水の透明感を出すためにはPLフィルターは必須。近くには柿其渓谷や赤沢渓谷もあり、一日では回りきれないほどに撮影スポットが豊富だ。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:45mm)

    長野県木曽郡大桑村
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  • 河津七滝(初景滝)

    作例
    伊豆半島の南に位置する河津川に7つの滝がかかっており、河津七滝(かわずななだる)と呼ばれている。落差30mほどの大滝をはじめ、出合滝、かに滝、初景滝、蛇滝、えび滝そして最上流部には釜滝など、それぞれ個性のある滝撮影を楽しむことができる。このカットは初景滝で駐車場から徒歩15分ほどでアクセスできる。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:20mm)

    静岡県賀茂郡河津町
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西川貴之氏おすすめ
滝・渓流撮影地10選 西日本編

西川貴之西川貴之 (にしかわ たかし)
1965年奈良県斑鳩町生まれ。大阪写真専門学校(現 ビジュアルアートカレッジ)放送映画科卒。学生時代は16ミリやビデオを専攻。のちに、独学で写真を学ぶ。卒業後、コマーシャルビデオ制作会社、プロラボ等を経てフリーに転向。地元近畿地方を中心に、日本全国の四季の花風景や滝・里・棚田など、多岐に渡り撮影している。奈良県美術人協会会員、日本風景写真協会会員。
作例 白谷雲水峡
白谷雲水峡は、世界遺産の屋久島北部にある。撮影は小雨の日が最良であり、苔に覆われた杉や岩肌は、雨に濡れいっそう輝きを増す。トレッキングツアーもあるが、遊歩道はよく整備されており、アクセスもよいので、個人で訪れ、納得がいくまで撮影したい。白谷雲水峡を簡単に一周すると約3時間だが、屋久杉など魅力的な写材にあふれており、撮影には半日以上は見ておくとよい。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:25mm )

鹿児島県熊毛郡屋久島町
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  • 霧降の滝

    作例
    流れ落ちる水が、岩肌に当たり、霧状になって降り注ぐことから名付けられた霧降の滝。周囲の新緑が美しく、見る角度によって表情を変えるのが魅力的なところ。駐車場からは約10分ほどと近く、滝までのアクセスもよいが、その割にはあまり知られていない穴場である。丹後半島周辺には撮影ポイントが多いので、撮影行にはもってこいの滝といえる。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:24mm)

    京都府京丹後市
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  • 桑ノ木の滝

    作例
    美しい沢沿いの遊歩道を歩くこと約15分で、「日本の滝100選」に選ばれた桑ノ木谷にある直瀑、桑ノ木の滝に到着する。苔の緑に赤い岩ツツジの花が映えるのは6月下旬頃で、タイミングが合えばワンポイントとして作画に加えたい。滝周辺は、足場がほとんどなく、岩の上では自由度がないうえ滑りやすいので、長靴を持参して、沢に入っての撮影がおすすめである。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:29mm)

    和歌山県新宮市
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  • 神庭の滝

    作例
    「日本の滝100選」「日本百景」「国指定名勝」に選ばれた神庭の滝(かんばのたき)は、高さ110mの中国地方随一のスケールを誇る名瀑。神庭の滝自然公園として管理されており、午前8時30分~午後5時15分の間しか立ち入れないので注意したい。整備された遊歩道を歩くこと約10分で滝に到着するが、途中の渓流もとても美しく絵になるポイントが多い。滝直下は水しぶきが激しく撮影は困難。少し離れた場所から全体を望遠で切り取るほうが、スケール感が出るのでおすすめである。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:90mm)

    岡山県真庭市
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  • 三段峡の三ツ滝

    作例
    全長16キロメートルの渓谷「三段峡」は、「日本百景」「国の特別名勝」に指定されている。三段峡の五大壮観のひとつである三ツ滝は、畳岩と呼ばれる巨岩に挟まれた三曲五段の滝で、全体の高さは約31mある。「三段峡」は、かなり広く、入り口は4カ所もあるが、三ツ滝に向かうには聖湖畔からの遊歩道が便利で、約10分で到着する。滝壺には近づけないので遊歩道からの撮影になるが、滝だけではおもしろみに欠けるので、前景を取り入れるなどの工夫をしたい。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:70mm)

    広島県山県郡北広島町・安芸太田町(三ツ滝は北広島町)
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  • 雨滝

    作例
    柱状節理の玄武岩でできた断崖絶壁から、轟音を発して滝壷に落水する大迫力の雨滝は、「日本の滝100選」に選定されている。古来より霊場として修行・信仰の場となっていたという。駐車場からは5分ほどとアクセスがよく、周囲には筥滝(はこだき)や布引滝など絵になる滝が多い。展望台をはじめ、数カ所からのぞむことができるが、フレーミングはややまとめにくい滝である。作例では、新緑の木の枝を大胆に取り込みアクセントとした。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:70mm)

    鳥取県鳥取市
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  • 面河渓の五色河原

    作例
    石鎚山の南麓に位置する面河渓(おもごけい)は、面河川の上流約10kmの渓谷であり、「国指定名勝」となっている。散策ルートは複数あり、数多くの奇岩・渓流・滝などの景観を楽しむことができる。面河渓の中心地である五色河原は、滑らかな広い川床が、水の青、苔の黒、岩の白、藻の緑に秋の紅葉の赤を加えた五色で彩られることから名付けられた。作例は、偏光フィルターで水面の反射を抑え、川床の美しい色合いを引き出し、新緑と対比させている。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:59mm)

    愛媛県上浮穴郡久万高原町
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  • 轟の滝

    作例
    落差82メートルを3段に分かれて落下する轟の滝(とどろのたき)は「日本の滝100選」に選定されている。駐車場から展望台まではわずか5分ほどで、豪快な滝を一望することができる。青く輝く3段の滝壺には玉織姫にまつわる平家伝説があり、滝の周辺は桜・新緑・紅葉の美しい景勝地として知られている。作例では、遠景の藤の花をアクセントにして、右上のスペースに前景を取り入れ、変化をつけてみた。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:35mm)

    高知県香美市
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  • 見帰りの滝

    作例
    落差100mを誇る見帰りの滝は「日本の滝100選」に選定されている。滝と下流の周辺に植えられた40種約4万株のアジサイは、初夏の6月に可憐な花々を咲かせる。駐車場から滝まではわずか5分ほどで、周辺は開けており、見る角度によって表情を変える魅力的な滝である。全体を入れるのもよいが、作例のように屈折した流れの一部分を切り撮り、濃淡のある緑と合わせて構成してもおもしろい。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:50mm)

    佐賀県唐津市
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  • 関之尾の滝

    作例
    大滝、男滝、女滝の3つからなる関之尾の滝は「日本の滝100選」に選定されている。幅40m、高さ18mの大滝の上流の川床には、数千個の甌穴群があり、世界有数の規模といわれている。駐車場から滝まではわずか5分ほどで、遊歩道を1周しても20分程度。展望台からの眺めも良いが、吊り橋からは迫力のある姿をまじかにのぞむことができる。吊り橋上は人が通ると揺れるので、注意が必要となる。また通行の邪魔にならないように気を付けたい。(35mm判フルサイズモデル使用/焦点距離:45mm)

    宮崎県都城市
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滝・渓流撮影おすすめアイテムコレクション

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