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おすすめアイテムコレクション~ケンコー・トキナー編~

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レポート:萩原俊哉

光学製品からユニークなアイテムまで、多彩な製品を取りそろえているケンコー・トキナー。ここではF2の明るさを実現した新レンズ「トキナー AT-X 14-20 F2 PRO DX」、シンプル装備で使いやすい中型カーボン三脚「ライトカーボンE83」を紹介する。

製品画像トキナー AT-X 14-20 F2 PRO DX

メーカー希望小売価格:129,600円(税込)

滝や渓流でワイド感あふれる表現に欠かせないレンズが超広角ズームレンズだ。「トキナー AT-X 14-20 F2 PRO DX」はAPS-Cサイズ専用の超広角ズームレンズで、キヤノンEFマウントで約22.4~32mm相当、ニコンFマウントで21~30mm相当の焦点距離となる。なんといってもズーム全域で開放F値F2を達成していることが大きな特徴だ。しかも、レンズ性能を開放絞りからいかんなく発揮できるよう、無理のない設計がされているようで、F2選択時であってもピント位置のシャープ感は良好だ。むろん大口径レンズなので、とかく薄暗くなりがちな渓流や滝であっても、光学ファインダーの視認性は良好に保てる。また、マウントの外周部にゴムシーリングが施されており、レンズ装着部からの水滴などの侵入に配慮されていることも、滝や渓流での撮影ではありがたい。

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作例

広角端で撮影したもの。四隅を見ても画像が流れて見えることもなくしっかりと描写されていることがわかる。また画像の中心はもちろん、周辺部にいたるまでしっかりとした解像感が得られている。
カメラ:ニコン D7200/焦点距離:14mm/露出モード:絞り優先AE/絞り:F8/シャッタースピード:1/8秒/露出補正:+0.3EV/ISO感度:100/WB:太陽光

作例

滝の手前を流れる渓流に立ち込み撮影したもの。フレーミングを整えるために17mmを選択しているが、このような限られた場所ではズームレンズは重宝する。かなり低い位置にカメラを設置しているが水滴に配慮されているのは心強い。
カメラ:ニコン D7200/焦点距離:17mm/露出モード:絞り優先AE/絞り:F11/シャッタースピード:1/4秒/ISO感度:100/WB:太陽光

作例

滝の脇に立つ樹のたくましさに惹かれて撮影したもの。手前の幹にピントを合わせて開放絞りのF2で撮影している。ピント位置のシャープ感はもちろんのこと、背景の柔らかなボケ味が心地よい。
カメラ:ニコン D7200/焦点距離:17mm/露出モード:絞り優先AE/絞り:F2/シャッタースピード:1/500秒/ISO感度:100/WB:太陽光/ND16フィルター使用

滝・渓流撮影で重宝する、撥水機能を備えた「PRO1D LotusNDフィルター」

滝や渓流での撮影で欠かせないのがNDフィルターだ。だが、滝や渓流の落ち込みに近寄って撮影するようなシーンでは、飛沫などの水滴がフィルターに付着してしまうことがある。むろん、そのまま撮影すれば解像感が得られなかったり水滴が画面に映り込んでしまう恐れがある。その場合、ふき取りが必要になってくるが、よく乾いた布などで念入りにふき取らなければならない。しかし「PRO1D LotusNDフィルター」は、撥水・撥油コーティングが施されており、水滴などを強力にはじいてくれる。ブロアで空気を吹き付けるだけでもかんたんに水滴を除去できるので、撮影のテンポを崩されることなく撮影に集中できるのだ。また硬質アルマイト加工がフィルター枠に施されて強度もアップしている点もありがたい。フィルターねじ部には潤滑塗装が施されているので取り付け、取り外しも容易に行うことができる。濃度に応じてND4~ND32までラインアップされているが、滝や渓流ではND16またはND32あたりが扱いやすいだろう。

水滴を強力にはじく「PRO1D LotusNDフィルター」
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製品画像スリック ライトカーボンE83

メーカー希望小売価格:64,800円(税込)

シンプルな装備とカーボン製法の工夫により、リーズナブルな価格を実現した3段タイプの中型カーボン三脚だ。開脚角度は3段階に調整可能で、ローポジションや傾斜地の撮影でも自在に立てることができる。脚を伸縮させるロックナットは、サイズと形状に工夫が施されており、2つのナット(4段は3つまで)を同時に握ることができる。そのため、三脚の脚を伸ばす際に、ひとつひとつのロックナットを緩めて一本一本伸ばす必要がなく、瞬時に脚を伸ばすことができる。例えば、虹が出ている、あるいは光芒が出現しているといった絶好のチャンスであっても素早く撮影体勢に入ることができるのだ。

雲台は2ハンドル3ウェイ雲台の「エイブル 300 DX N雲台」を搭載。クイックシューは縦横どちらにも装着することができるスグレモノで、自在にカメラを取り付けることが可能だ。

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写真

複数のナット(3段は2つ、4段は3つ)を同時に操作することができる。これぞシャッターチャンス、というシーンに出会ったとき三脚のナットをひとつずつ緩めて脚を伸ばすもどかしさから解放される。

写真写真

通常、3ウェイ雲台でカメラを縦位置に倒したいとき、左側に回転させる。しかし、手前に流れを入れたいときや、撮影ポジションの右側に柵があるときなど、ほんのわずかな差で右側に倒したいときがある。そのようなときは、取り付けたときに手前にくるレバーが左側になるよう、カメラを90°回転させて再装着したうえでカメラを右側に倒す手間が発生するが、この縦向きと横向きのどちらにも対応しているクイックシューなら、簡単に装着しなおして、すぐに右側に倒すことができる。

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収納すると675mmほど、重量は2,075gで中級デジタルカメラに対応する。3段カーボンタイプの三脚としては標準的なサイズだ。また、脚の1本にはウレタングリップが装備されており、冬の撮影でも持ちやすい。

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最低高は33cm。ハイ、ミドル、ローの3段階で開脚することができる。3本の開き角度を別々に調整することもできるので、滝や渓流の岩場で三脚を立てる場所を選ばず、自由に立てることができるのでありがたい。

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脚だけを伸ばした状態で、雲台がほぼ筆者の目の高さとなる。展望台などの平坦な場所では完全に脚をのばしきるだけですぐに撮影体勢に入れる。またエレベーターを伸ばせば、全高は179.5cmとなる。

作例
駐車場脇にある展望台から撮影したもの。筆者にとって最適な高さの脚の長さと、ロックナットの工夫により、すぐに三脚を立てることができた。光芒が出ているシーンなどで素早く立てたいときにも重宝するだろう。
トキナー AT-X 14-20 F2 PRO DX
焦点距離 14-20mm
明るさ F2
対応フォーマット デジタル専用 APS-Cサイズ
最小絞り F22
レンズ構成 11群-13枚
コーティング 多層膜コーティング
画角 91.68°-70.75°
フィルターサイズ 82mm
最短撮影距離 0.28m
マクロ最大倍率 1:8.36
フォーカス方式 インターナルフォーカス
絞り羽根枚数 9枚(円形)
最大径×全長 Φ89×106mm
重量 735g
フード(付属) BH-823
対応マウント ニコンマウント、キヤノンマウント
スリック ライトカーボンE83
エレベーター下げ全高 147.5cm
全高 179.5cm
地上最低高 33cm
縮長 67.5cm
脚段数 3段
最大搭載荷重 5kg
重量 2,075g
雲台の種類 3ウェイ雲台