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星空の撮り方シリーズ 第五回 「日周運動の撮影 6秒の壁を越えろ!」

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投稿日:2011/10/21

星空の撮り方シリーズ第五回。やっとここまで来ることが出来ました(*^-^*)
これも日頃から星空教室を見て頂いている方々の熱い応援のお陰だと思います!
これからもなにとぞよろしくお願いします(o_ _)

それにしても私、昼間の時間帯がとても眠い日々が続いています。
もしかするとこのまま冬眠出来るのでは!?と思えるほどの眠気です…。
でも、夕暮れ時からは不思議と目が覚めてきます…よくよく考えたのですが、身体が星空撮影の為に夜中起きて昼間寝るというリズムに適応しつつあるのではという事実ついて…ホンマでっか!?という突っ込みが入る前に、ただのお疲れおじさんですね(^^ゞ


【日周運動の撮影】
またまた、話しが大幅にずれました。
今回は、星空固定撮影の中でも星々の光跡を撮影する方法についてレポートさせて頂きます。日周運動…ネットで検索したら色々な説明文が見つかると思いまが、地球の自転により星々が見かけ上の動いて見える現象です。日周運動は人類史が始まった紀元前~現代に至るまで数々の文明で研究され色んな表現がなされてきました。歴史をひもとく程の知識までは私にありませんが、写真撮影において少しでも星の知識等を共有できたら本当に撮影が楽しめると思いますし、本当に素敵な写真が撮られる気がします(*^-^*)

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【日周運動の撮影方法】
■バルブモードを使った10、20分間の長秒時撮影。
■比較明コンポジットを使った連続撮影。

大きく分けると上記の二つの撮影方法があります。
どちらが優れているか撮影が簡単とかは一概に言えませんが特徴を紹介していきます。

【バルブモードを使った10、20、60分間の長秒時撮影】
フィルム時代にはこれしか撮影方法が無かったとも言えますが、バルブモードにカメラを設定しレリーズボタンを使いシャッターを開き続け撮影するスタイルです。デジタル一眼レフでも撮影出来るスタイルですが、フィルムにある相反則不軌(ザックリと長秒時撮影で感度が低下する現象)が起こらないので、撮影時間が長くなると光害等を拾い画面が白く飽和する可能性があります。またノイズ面で長秒時撮影するほどホットピクセル等のノイズが大量に湧いて来るのがネックですが、なによりバッテリーの心配が大きいと思います。カメラの設定で長秒時露光のノイズ低減処理をONにすると露光時間と同等の処理時間を要し、露光20分だと往復40分間の撮影となり、バッテリーの心配が出ますよね。特にこれからの寒い時期だと想像以上にバッテリーは持ちません。
こう言ったデメリットの面から、デジタル一眼レフに移行してからはバルブモードで日周運動撮影をしている方はあまり見かけなくなりました。
ただ、バッテリーとノイズ面の心配を克服できたらこの撮影方法は面白くなります。
バッテリーグリップを別途購入すれば、バッテリーを2個装着できますよね。また、外部電源で駆動できるキットを購入するのもお勧めします。
バルブ撮影に適したシーンでは、流星群や国際宇宙ステーションの光跡、特に【薄曇りの星空】があり、後ほど紹介する比較明コンポジットの最大の弱点「雲」が有る中での撮影に威力を発揮します。比較明コンポジットだと合成時に、雲の流れが不自然に描写されますがバルブ撮影だと、光害の少ない薄曇りなら星の光跡に若干出るだけで済みます。なにより長秒時撮影で写すことが出来る空気感は写真のクオリティーを飛躍的に高めてくれると思います(*^-^*)

下の参考写真を見てみましょう。
北天

写真を拡大する

カメラ:
キヤノン EOS-1D Mark IV
レンズ:
シグマ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
焦点距離:
10.0 mm
フラッシュ:
Off Did not fire
シャッタースピード:
1377秒
絞り数値:
F5.0
ISO感度:
125
ホワイトバランス:
Auto

この日は、雲が撮影中に何度も通過する悪条件でしたが、バルブ撮影を行うことで雲が写らなくて済みました。若干星の光跡が途切れたところが残念です。
ISO100まで下げたらおそらく30分は行けると思います。逆にISOを200や300に設定すると10分程度でこの写真の明るさに写ると思ってください。超広角レンズでこの移動量なので、焦点距離が伸びるにつれて移動量も多くなるので構図しだいで面白い写真が撮られるかもしれません。
もっと具体的なデータがあれば良いのですが…感が頼りの撮影の面が強いので、色々設定を変えながら撮影して下さい。

☆撮影条件として光害が少ない星空、三日月の明かりすら邪魔になるので本撮影の前に一度、テスト撮影を行って露光時間を確認して下さい。また、バッテリーには常に気を配り長秒時露光の補正をONされている場合には往復分のバッテリーがあるかも確認しましょう。
☆バルブモードの撮影設定
撮影モードはバルブ(B)に設定(カメラによりマニュアルモード内にあることも)
シャッター速度 5~20分間
絞り開放~F5前後
ISO400~100
ピクチャースタイルはニュートラル(星をより大きく写せます)
長秒時露光の補正 カメラによると思うのですがEOS-1D Mark IVだと800秒程度ならしなくても良いかなと…特にモノクロ化されるならノイズも絵になるので設定は常時OFFもありです。逆に気温の高い夏場はノイズが酷いので、必ずONをお勧めします。
※キヤノンだけかもしれませんが、カメラ内のミラーにより画面一部がケラレる現象が起こります。カメラでケラレる状況が異なるかもしれませんので、その都度トリミングするのを前提で構図を決めるとよいです。
アップロード画像

写真を拡大する

カメラ:
キヤノン EOS-1D Mark IV
焦点距離:
11.0 mm
フラッシュ:
Off
撮影モード:
Unknown (9)
シャッタースピード:
826秒
絞り数値:
F5.0
ISO感度:
400
ホワイトバランス:
Auto
長秒時露光補正OFF 左側ケラレのためトリミング。

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【比較明コンポジットを使った連続撮影】
20秒×1642枚 総露出時間32840秒

デジタルの時代だからこそ実行出来るようになりました。連続撮影した複数枚の星空写真をパソコンで一枚の写真に合成し、星の光跡を再現する撮影方法です。
ganrefサイトでもおそらく日周運動撮影で最も比較明コンポジットが活用されていると思われます。撮影条件も大変応用に富み、一枚の星もしくは景色も写し込んだ写真を撮ることに注視するだけで済み、以後は連続で撮影した写真をコンポジット(合成)するだけで一時間クラスの日周運動撮影が楽しめたりします。一枚の写真に星や景色が写っていればよいので、月明かりや街明かりがあっても自由なカメラ設定ができるので撮影の問題点は大幅に減らせることから、夜景を絡めた日周運動撮影も可能にさせてくれます。なによりバッテリーが仮に切れても、あくまで一枚の写真を撮っているので被害は最小限で済みますね♪

★良いことだらけですがデメリットもあり、最大の敵【雲】があると一枚一枚の雲の描写が異なり下記の写真のようなまだら模様の雲が写ります。雲のあまり無い星空が条件となるので、意外と撮影日を選びます。

これも問題なのですが、撮影から次の撮影に移るシャッターラグの間に星の光跡に隙間が出来ます。超広角ならそれほど目立ちませんが、広角系のレンズだと目立ってきます。
また、長秒時露光で写すことが出来る独特の世界観は比較明コンポジットではなかなか得られず、厚みのない写真になりがちなのが痛いところです。

☆比較明コンポジットの撮影設定
撮影モードはマニュアルに設定
シャッター速度30秒以内
絞り開放~F5前後
ISO1600~400
ピクチャースタイル ニュートラル(星をより大きく写せます)
撮影モードは連続撮影
長秒時露光の補正はOFFにする。
記録形式は、メモリー容量と後の処理を楽にするにもjpegで保存するのをお勧めします。RAWだと現像するだけで大変な目に遭います(^^ゞ
合成ソフト
●フォトショップ  http://www.adobe.com/jp/products/photoshop.html
●ステライメージ  http://www.astroarts.co.jp/products/stlimg6/index-j.shtml
●SiriusComp(フリー)  http://phaku.net/siriuscomp/
どれが良いかと聞かれると…最終的に極めるなら必ず「ステライメージ」をお勧めします。比較明以外にも天体写真向けの画像処理を深く追求できます。購入金額もかかるので、まずはフリーソフトで初め…何時か必ず越えられない壁に当たるのでその時に購入されるのが良いと思います。

■6秒の壁

【光跡の間隔ともおさらば!?】
比較明コンポジットのデメリットでシャッター間隔、タイムラグにより星の光跡に隙間が生じ、日周運動が点線みたいに描かれる事です。
そこでキヤノンだけの問題かも知れませんが、シャッター速度6秒と8秒ではタイムラグに大きな違いがあります。これはX4やEOS-1D Mark IVでも同じ現象になります。
下記の参考写真を見てください。
EOSKissX4 EF-S10-22mm 10mm F5 シャッター速度6秒 8秒
200%に拡大していますが、8秒の方が光跡に間隔が生じカクカクしたドットに見えます。10mm(Full16mm)の超広角域でもこの差なので、17mm(Full27.2mm)の広角域だとさらに差が出てきます。
もし比較明コンポジットで星の光跡の間隔で悩まれている場合、「シャッター速度を6秒以内」に収まるようにF値やISOを調整してみると良いでしょう。
それだけ、比較明コンポジットでは「6秒の壁」は越えたくない領域です。


【デジタル処理で6秒の壁を越えられる!?】
科学の進歩は凄いですね…「ステライメージステライメージ Ver.6・6.0h」でついに「越えたくなかった6秒の壁」を突破出来そうです。詳しくはこちらに http://www.astroarts.co.jp/news/2011/07/05stlimg60h/index-j.shtml
サンプル写真も掲載します。10mm 8秒で撮影した比較明コンポジット
明るさが異なりますが、背景レベルを減算し忘れたからなので心配する必要はありません。
星の間隔が解消されています。設定次第では色んな撮影条件に応用できますね。


【魔法のソフトフィルター】
それが…サンプル写真がどこかで無くしてしまって(>_<)しかも文字制限が…(^_^;
これは、後日ソフトフィルターの使い方シリーズでまとめさせて頂きます(_ _)

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最後になりましたが、バルブ撮影、比較明コンポジット共通ですが天敵「夜露」の対策は必須でして、最近私が仕入れたモノで「ハクキンカイロ」がありAmazonで購入しました。大阪らしいパッケージが熱い商品ですが、懐炉としても熱くこの前の知床遠征では大活躍しました。もし、夜露対策で商品を探されている方はお勧めしますが…東京旅行で知りましたが機内には一切持ち込めないのね(^_^;…なので、 固形燃料を燃やすハンドウォーマーが遠征時には良さそうです。

この度も最後まで読んで頂きありがとうございます。
疑問点や改善点は何なりとコメントください(*^-^*)


バックナンバー

■星空の撮り方シリーズ 第一回 「星空にふれよう」
http://ganref.jp/m/ari2929/reviews_and_diaries/diary/3438

■星空の撮り方シリーズ 第二回 「撮影装備をチェック!」
http://ganref.jp/m/ari2929/reviews_and_diaries/diary/3454

■星空の撮り方シリーズ 第三回 「ピントの合わせ方・コツ」
http://ganref.jp/m/ari2929/reviews_and_diaries/diary/3519

■星空の撮り方シリーズ 第四回 「秋の連休は星空三昧」
http://ganref.jp/m/ari2929/reviews_and_diaries/diary/3522

コメント(1,000文字以内)

26件中 1〜10件目

としりん
最近、比較明合成をはじめました。とても参考になります。

2016年04月20日 07:30

Jagar39
廣島さんレスありがとうございます。
う・・・見られてましたか、あの恥の歴史を(大汗)
まだまだ修行しなければ。

リンク許可ありがとうございました。さっそく(3)コンポジット編の方からリンクを張らせていただきました。
今後ともまたよろしくお願いします。

2013年02月06日 00:38

廣島 宗毅
Jagar39さん
こんにちは(^_^)
最近、星空写真や撮影記をとても精力的に掲載していたので密かにチェックしていました(^_^;
6秒は超えたくはありませんが、撮影条件等でどうしても超えなくてはいけない場面も多々出てくると思うので、あくまで参考程度で見ていただければと思います。

逆に、回転スピードの緩む北極星周辺ならシャッター速度を気にする必要は減ると思います。


是非、リンクを使ってください(^_^)
使っていただくだけで、嬉しいですしレポートした甲斐があります。

2013年02月05日 15:50

Jagar39
はじめまして。
私も最近コンポジットで星景写真を撮り始めたのですが、私が書いた拙い撮影記に「参考になった」をクリックしていただいてありがとうございます。修行の最中、特にこの6秒の壁の記事なんてどれだけ読み込んだか・・という「大師匠」に参考になった、なんて言われて大汗かいています。

つきましては、私の記事の方から廣島さんの星空教室シリーズにリンクを張らせていただいてよろしいでしょうか?
無断でリンク張るのも失礼だし、と思いながら記事を書いていたので、許可をいただければとても嬉しいです。

2013年02月05日 14:34

廣島 宗毅
kaji1031さん
ありがとうございます。
Macは使ったことがないので…何とも言えませんが下記リンクから対応ソフトが出ているので一度試して見てはいかがでしょうか。
http://www.markus-enzweiler.de/software/software.html

星空撮影は、一人より二人の方が何かとゆとりが生まれるので、とても素敵な写真が沢山撮られそうですね。
掲載写真、楽しみにしています。

2012年05月16日 18:38

kaji1031
ariさん
いつも参考にさせていただいております。
さて今度友人を連れて星を撮りに行く話になっているのですが、
使用PCがMACなんです。
MACのフリーソフトで比較明合成出来る物とかご存知ないでしょうか?

2012年05月15日 22:35

廣島 宗毅
akoさん
面白いノイズ除去ですね!
ソフトフィルター効果がかかったお陰で星の光跡も大きくなり、見栄えが良くなりましたね!私も最近試している方法で、8枚のレイヤーを元写真から複製させ1ピクセル毎に上に右上、右と一枚ごとに移動させて加算平均させてノイズを除去させる方法も試しています(^_^;
初めは大変ですが、PSでアクションとして憶えさせれば以降ボタン一つで出来るのが良いです。でもソフト系と同じ効果になるので初めからソフトを効かせた写真を合成させる方が良さそうですね!
応用次第では、星景写真にも使えそうですね(*^-^*)
後ほど、詳しく試してみたいと思います。
情報提供ありがとうございます♪

2011年11月05日 06:38

ako
ariさん、
いつも興味深いレポートありがとうございます。
実はどこまでコンポジットなしでやれるかを実験したことがあります。
月が落ちてから30分のバルブ撮影を試みて、どこまでノイズが出るかやってみました。
ISO200 F5.6 1801sec  EOS60D
https://picasaweb.google.com/109958211130944106203/DropBox#5671216305795148306

このとおり、結果は惨憺たるもので、即お蔵入りでしたが、この稿を読んでいて思うところがあり、実験的にPSEでソフトフィルターをかけ、元の背景画像と比較*暗*合成してみたところ、ノイズが見事に消えました。

http://www.flickr.com/photos/akocike/6312983604/in/photostream

このレベルなら使えるのではないかと思いましたがいかがでしょう?

2011年11月05日 03:58

廣島 宗毅
きよともさん
写真を見ました。レンズ前にPLフィルターか何かフィルターを付けていないでしょうか…。もしくはPLフィルターの前に重ねづけでフィルターを付けるとモアレが発生する事が経験でありました。
また、噂ではカメラのセンサーとPLフィルターの相性で同じくモアレが発生するとも聞いたことがあります。日中ではそれほど気づかなくても夜だと顕著に見えてくるから困りますよね。
もしPLフィルターを付けているなら一度外して試してください(*^-^*)

PLフィルターの影響で無いなら、もう一度一から行程等を確認していきましょう。

2011年11月02日 07:03

きよとも
いつも丁寧でわかりやすい解説をありがとうございます!!
「6秒の壁」のお話は眼から鱗でした。
いつも何気に10秒を基本単位にしていたので・・・、お恥ずかしいです。
実は、コンポジットはどれもJpeg撮りでそのままSiriuscompに掛けているのですが、出来上がりになぜか四方に引き伸ばしたような、筋が出てくるのですが何が原因かわからず、コンポジットをやりたくない原因になっています。(特に本日UPした「宇宙基地」には顕著に出ています。これってなくならないものなのでしょうか・・・。
もしお解りになるようでしたら教えて頂きたいのですが。
また、ソフトフィルターの回、楽しみにいたしております。
(^^)/

2011年11月02日 00:22

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廣島 宗毅

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