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写真家・川北茂貴のアスカネット「マイブック」レビュー記事

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投稿日:2015/01/21

レビューした機材・用品 アスカネット マイブック  アスカネット マイブック
■マイブックで長年の夢だった自分の写真集作りに挑戦

「自分の写真集を出してみたい」は、カメラを手にした人なら誰もが思う大きな夢。でも現実は、いくら自信作が手元にたくさんあったとしても、商業的な出版物として発売することは難しい。それはプロもアマチュアも同じこと。そこで自費出版という手があるが、誰もが気軽に行えるものではない。写真集は夢物語とあきらめる人が多い中、ネットを介して自分の写真で簡単に「本」を作成できるシステムである「マイブック」を知り、試してみる機会を得たので、さっそく長年の夢だった「自分の写真集」作りに挑戦してみた。しかもこのマイブックの最低印刷部数はなんと1冊から注文できる。必要な部数だけ注文でき、必要ならあとから再注文も可能なのだ。

まずは「マイブック」のサイトを訪れて、編集用のソフトをダウンロードしてみる。サイトはこの記事の中でもリンクが貼られているが、「マイブック」と検索しても簡単にたどり着くことができる。サイト内にマイブック編集用の専用ソフトである無料の「MyBookEditor4」のダウンロードバナーがあるのでそれをクリック。「MyBookEditor4」のダウンロードからインストールに至る流れは、面倒な点は一切ない。インストールが完了すればデスクトップにアイコンを表示させることも可能なので、これをクリックすれば起動の近道になる。これでソフトに関する事前の準備は終了。

■夜景写真の中でも「光跡」にテーマを絞る

さてこのあとは、本題の写真集作成作業に入るわけだが、その前にその写真集の中身を考えなくてはいけない。実はこの作業が写真集作成においてもっとも大切なことなのだ。夜景写真を専門としている私は、当然夜景だけで1冊作りたい。しかし夜景写真というピンポイントの分野でも、一歩中に踏み込めば実はとても広い。都会のビル、山の上からの俯瞰、イルミネーションなど、実にさまざま。その中で私は、長年追い続けている「光跡」で1冊まとめたいと思ったのだ。光跡とは長時間露光の夜景写真でしか表現できない、まさに夜景向きな表現手法。肉眼では絶対に見ることのできない光跡に魅せられて、私はずっと追い続けているのだ。


写真集のテーマは決まった。このあとは撮り溜めた光跡夜景の写真をまとめて見直して、写真集として構成するための掲載順やレイアウトなどを考える作業になる。これはソフト上で作成中に何度も入れ替えたり変更したりは可能なのだが、ある程度の構成は頭の中で考えておいた方がいいだろう。

インストールしておいた「MyBookEditor4」のアイコンをクリックして起動。どのようなソフトなのか、使いこなせるのかと少し不安はあったが、開いてみればそれも解消。どうやら年賀状作成ソフトの拡大版のような感じだろうか。デジカメで写真を撮り、GANREFに写真をアップして楽しんでいるみなさんなら、このソフトが使いこなせない心配はないだろう。しかも豊富なテンプレートもあるので、写真集の構成に迷ったら、それらを利用するのもいいだろう。「MyBookEditor4」を開いたところで最初に設定しなければいけないのが、これから作ろうとする写真集の大まかな種類だ。サイズやページ数、それにハードカバーかソフトカバーかを決めることによって、出来上がりの雰囲気もおおよそ決まってくる。もちろん製作途中でもカバータイプと、大サイズから小サイズへの変更は可能なので(レイアウトが崩れる場合もあるので再配置等が必要な場合もあるが)、この段階でガチガチに決めてしまう必要もない。

ちなみにサイズはCDケースサイズの13cm×13cmから大きな30.5cm×30.5cmの正方形タイプと縦型・横型があり、ページ数は10Pから100Pまで10P単位で選べ、Windows版の「MyBookEditor4」では221種類もの選択肢があるのだ(Mac OS版でも219種類)。それに加えて外観は「ハードカバー」と「ソフトカバー」が選べるので、通常想定しうる写真集の装丁には十分対応できる。むしろ多すぎて悩みどころ満載なのだが、そこは嬉しい検討時間として、大いに悩んでもいいだろう。さてどのような種類の体裁にするか選択肢は多いのだが、私は「Mybook ART」のハードカバーで50ページ、大きさは21.0cm×29.7cmの「290T」という、A4サイズとほぼ同じサイズの縦型タイプを選んでみた。さあいよいよここからが、この「MyBookEditor4」を使っての実際の編集作業の始まり。上手くいくかどうか、ちょっとドキドキ!

「MyBookEditor4」で写真を並べる方法はいくつかあるが、私は写真を集めたフォルダからドラッグ&ドロップで並べてみた。これなら流れ作業的に行えるのでとても簡単。「MyBookEditor4」には自分が選んだページ数+表紙・裏表紙の作業スペースがあるので、各ページに自分の作品を流し込んでいく感じだ。私は今回のフォトブックを「自分の写真集」として考えているので、ページのレイアウトは見開きの裁ち落とし(紙の端まで写真が目いっぱい印刷されている状態)を基本としてガンガン作品を貼り付けていく。印刷の解像度が271dpiなので、トリミングしない写真では見開きを超えた大きさで貼り付けることになるが、これは簡単にレイアウトに合わせて縮小が可能。作業自体は簡単なのでドンドン進んでいくが、ここで編集ソフトの使い勝手とは別の、作品や写真集としての大きな問題が浮上したのだ。

■写真集ならではの見開き・ページの緩急に注意

写真集や写真展は、単写真ではなくて大きな組写真。大きな流れの中で作品の緩急をつけないと、鑑賞者が飽きてしまう。実はこの問題が、最後まで今回のフォトブック作成の上で私を悩ませていたのだ。1枚の作品で勝負するのなら、最高の一瞬をとらえた傑作を発表すればいいのだが、写真集や写真展のような「組写真」系ではそうもいかない。最高の一瞬がずらっと並んだ組み写真は、朝昼晩と豪華な食事をお腹いっぱい食べているのと同じで、見ていて飽きる。私の写真も冷静に見返してみると、どれも1枚の写真としてまとまったものが多く、上手く並べたつもりでも飽きられてしまう可能性は大いにある。ところどころに決めの写真を盛り上げるべく、箸休めとなるゆるい写真を挟み込むことも大切なのだ。その点に注意して写真を並べてみるが、作業自体は簡単な割にはまた別の落とし穴が……。

写真は通常、横位置で撮られることが多い。写真展でパネル貼りにして展示する場合は横位置でもまったく問題ないのだが、写真集などの冊子もので横位置の写真を見開きで貼り付ける場合、主要な被写体が広げた本の中央の綴じ代である「喉」の部分にかからないようにするのが大事。横位置でも被写体が左右のどちらかに寄っていればいいのだが、中央にあれば喉にかかるのでやっかいなのだ。実は今回そのような写真が意外に多く、頭を悩ますこともしばしば。いままであまり深く考えなかったが、デザイナーさんの苦労をここにきて改めて思い知らされた次第。日の丸構図の是非は昔から問われているが、見開きでの横位置写真の場合は、なるべく避けるべきである。今回も「MyBookEditor4」に自分の横位置の写真をドラッグ&ドロップしてみて、主役が喉にかかる写真が多く、我ながらガッカリ。このような場合は見開きではなく、1ページに横位置で配置すれば主役と喉が重なる心配はないのだが、1枚当たりの大きさが小さくなり、上下の余白も多くなるのでなんとなくもったいない気分。そこで私は横位置の主役が喉にかからないように、微妙にドラックしてずらしてみたのだがどうだろうか? また写真によっては、微妙にずらした写真にドロップアンドシャドウで影を付けてみたり、背景の色を変えて変化をつけてみたりしてみた。これらの効果は右クリック→メニューやツールバーにあるアイコンをクリックすることで、簡単に行うことができる。裁ち落としでクライマックスが続く写真が並ぶ中に、このような操作で中央をずらした写真をところどころ挟み込むことで、多少の緩急はつけられたかと思う。「MyBookEditor4」では大きな作業スペースとは別に、ページタブ上ではページ単位のサムネイルを表示できるので、全体の大まかな流れを見るのには便利だ。またその場所のタブを操作することで、テンプレートのイラストや枠、それにレイアウトのひな形が用意されている。今回私は写真集という形で見開き裁ち落としにこだわったので利用しなかったが、たとえば親せきや祖父母に送る子どもの成長記録などを作成する場合には、かわいい素材がたくさん用意されているので、ぜひ使ってみよう。

■「MyBookEditor4」で文字などの修飾を整えれば完成

写真の配置は便利なソフトのおかげで、貼り付ける作業そのものは意外と早く終了した。最後に各写真に文字を入れてみるが、これも実に簡単。まさしく年賀状ソフトのような感覚で入れられる。文字のフォントや大きさは自由に選べるので、写真集と言えども鑑賞者は撮影地ぐらいは知りたいかと、隅に小さく入れてみることにした。しかし隅に小さく入れたつもりが、実物では意外と文字が大きかったかなと反省。こういったものは書籍のデザイナーにはかなわないなあと実感。撮影データも入れてほしいと思う人は多いだろうが、それはまたカメラ関係の書籍で行うとして、今回はあくまでも写真を見ていただきたいので省略してみた。掲載写真の緩急が少ない構成も、今流行の絶景本のような感じもして、それはそれでまあいいかもと。

あとは「仕上がり確認」をクリックしてもう一度全体を細かく見直し、写真の体裁や文字の間違いがないかどうかを確認。最後に右下の「注文」をクリック。その後はお届け先の記入や支払い方法の確認など、通常のネット通販と同様の流れになる。これもネットで買い物をした人なら何ら心配ない操作だ。それらがすべて終了し、注文完了のメールが返送され、約10日間できれいに梱包されて送られてきた。


実物を手にして感じたことは、まさに市販の写真集と遜色ないクオリティに驚くとともに、薄い乳白色のプラスチックケースに入っているので、ちょっとした豪華な本のような感じ。実は今回、本文仕上げを従来の「ニス」に加えて、1/14より新しくラインナップに追加された「ラミつや消し」と「ラミ光沢」でも注文してみた。「ラミつや消し」は「ニス」よりさらに落ち着いた感じだが、「ラミ光沢」はクリスタルプリントのような光沢のきれいな味わい。それぞれの写真の内容によって似合うものを選べばよいのだが、この選択もまた楽しいものだ。自分の写真の雰囲気に応じてさまざまな形で自分だけの「本」が簡単に作れるマイブック。もし作品をまとめて形にしてみたいと思うなら、手軽に作れてしかも経済的なこのマイブックは最適。みなさんにも自信を持ってお勧めしたい。


<<「マイブックギャラリー」で川北茂貴の写真集を見る>>
http://bit.ly/1I1dSQw
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高品質フォトブックは世界が認めたアスカネットのマイブック
http://www.mybook.co.jp/
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GANREF特別企画
写真家3名によるアスカネット「マイブック」レビュー記事
<萩原史郎 編>http://ganref.jp/m/s_hagihara/reviews_and_diaries/review/7786
<佐藤倫子 編>http://ganref.jp/m/rinphoto/reviews_and_diaries/review/7885

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川北茂貴

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プロフィール

近著「デジタルカメラで撮る日本の夜景美」玄光社 http://www.a...

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