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【赤外撮影記第3回】赤外線写真を撮ってみよう!(白黒赤外編)

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投稿日:2011/05/31


( 今回は内容が被りますので、既報の記事を再編集してお届けします。2/11/7/10更新 )

今回は実際に白黒の赤外線写真を撮影してみましょう。
使用するカメラは、私の所有する中では最もイマドキなカメラ「OLYMPUS E-P2」です。

まずはカラー撮影で撮ってみます。今回は新宿御苑に来ました。



【 1. 準備 】

まずは赤外線写真撮影に必要なものを用意しましょう。

① IRフィルター

一般的にデジタルカメラを使った赤外線写真撮影では、720nmよりも長い波長のフィルターを使用します。
IRカットフィルターの内蔵されているカメラの場合、720nmよりも短い波長のフィルターでは赤外線の光量が不足し、可視光の最長波長である「赤」と帯域が被るので赤外効果がほとんど出ません。
このカットする波長は長いほど可視光がカットされて暗くなり赤外効果がどんどん増していきますので、カメラの赤外感度やレンズの明るさなどを念頭に、仕上がりを考慮して選択しましょう。
前回ご紹介したkenkoの「PRO1D R72」は720nmの波長しかありません。
他の帯域のフィルターが欲しい場合は、ネットなどで購入するか富士フィルムのゼラチンフィルターを活用するといいでしょう。最近はオークションやネットショップなどで色々な帯域のIRフィルターが入手しやすくなっています。
富士フィルムのゼラチンフィルターは、通常は専用のホルダーでレンズに付けて使用しますが、薄いシート状で大変加工しやすくなっていますので自作するのもいいかもしれません。
不要なフィルターをガラスと枠と留め具に分解し、ガラスで型取って円形状に切り抜いて使います。
また、同径のプロテクトフィルターを2つ使ってはさみ込めば簡単に出来上がります。
フィルター枠を使う場合は、留め具がねじ込み式になっているものを使うと加工が楽でしょう。
また、Canonから専用のゼラチンフィルターホルダーが出ています。これは上記作業のフィルター枠とねじ込み式の留め具がセットになったものです。
ゼラチンフィルターはカメラ量販店などで購入でき、種類も豊富で価格もお手頃なのでお勧めです。

② 三脚

長秒露光で撮影するので必須です。
バルブを開ける場合はレリーズやリモコンもあると便利です。

今回、私が撮影に使用したレンズとフィルターです。

アップロード画像

写真を拡大する

カメラ:
ペンタックス *ist DS
焦点距離:
0.0 mm
フラッシュ:
Off
撮影モード:
Manual
シャッタースピード:
1/400秒
絞り数値:
F0.0
ISO感度:
400
ホワイトバランス:
Auto

LENS : SMC TAKUMAR 28mm F3.5
FILTER : IRフィルター 720nm

TAKUMARはM42マウントのオールドレンズです。そのままではE-P2には付きませんのでマウントアダプタを使用しています。
レンズ交換式カメラの場合は、なるべく「赤外指標」の付いたレンズを使うといいでしょう。

[ 赤外指標とピント合わせ ]
スナップマークの左の赤い線が「赤外指標」

アップロード画像

写真を拡大する

カメラ:
ペンタックス *ist DS
焦点距離:
0.0 mm
フラッシュ:
Off
撮影モード:
Manual
シャッタースピード:
1/4000秒
絞り数値:
F0.0
ISO感度:
400
ホワイトバランス:
Auto

赤外線写真撮影では通常の撮影とはピント位置が異なります。
これは色収差(軸上色収差)と呼ばれる現象で、波長の長さによって結像点が異なるといったものです。
例えば波長の短い青と波長の長い赤では、レンズの屈折率が異なるため結像点に微妙なずれが生じます。
赤外線の場合は赤よりも更にずっと長い波長になりますので、通常の可視光とは結像点が大きくずれてしまうのです。
その補正のために、マニュアルでフォーカスを合わせる必要のあるオールドレンズには「赤外指標」と呼ばれるマークが付いていました。
補正量は同じ赤外線でも波長によって、また焦点距離によっても異なりますので「指標」となっているのでしょう。波長が長いほど、また焦点距離が短いほどこの補正量は大きくなっていきます。この補正量はわりとアバウトなものです。
赤外指標はレンズのオートフォーカス化と共に消えていきましたので、最近のレンズには付いていません。
これにはフィルムとは異なる、デジタルカメラの「事情」が影響しているように思います。
デジタルカメラには赤外線に感度の高いシリコンが映像素子に使われています。赤外線の影響を受けないためにIRカットフィルターをカメラに内蔵させるという対策を取りましたが、これによって結果的に赤外撮影は「想定外の使用」となってしまったのです。デジタルカメラでは赤外撮影は想定されていませんので、レンズからも赤外指標が消えていった、という「事情」です。
そんな影響もあってか、最近のレンズは可視光域の色収差はレンズやローパスフィルターなどで補正されていますが、赤外域までは補正されていません。
600nm~640nmあたりの可視光に近い帯域で赤外撮影を行う場合は通常のピント合わせが可能の場合がありますが、それ以上の波長になると補正が必要になります。

【 2. 撮影 】

さて、準備も整いました。いよいよ撮影に入りましょう。
マニュアルモードで「仕上がり」を「モノトーン」に設定します。後処理を考えて可能ならばRAWで撮影しましょう。
三脚を立てて、IRフィルターをレンズに付けます。
E-P2はライブビューで撮影できますので、液晶画面を見ながらピントを合わせ赤外指標までずらして補正します。
ライブビューのない一眼レフなどの場合は、ピントを合わせて補正してからIRフィルターを付けるといいでしょう。
今回は720nmのフィルターを使用していますのでライブビューが可能ですが、光線状況が悪い場合や濃いフィルターを使う場合は真っ暗でピント合わせが行えないことがあります。その場合も先にピントを合わせて補正を行ってからフィルターを付けましょう。
厳密なピント合わせは出来ませんので、ある程度は絞ったほうがいいかもしれません。
またいずれの場合もカメラ内蔵の露出計は使えませんので、段階露出を行うなどして撮影画像を見ながら補正していきましょう。

さて、どんな写真が撮れたでしょうか。こちらが撮って出しの写真です。


絞りはF8、シャッター速度は8秒の露光です。
木の葉が白く萌えて赤外効果が現れていますね。
デジタルカメラの赤外線写真はコントラストが低くなりがちです。
現像処理で仕上げていきましょう。

【 3. 現像 】


OLYMPUS Viewerで現像します。
今回はせっかくE-P2で撮影したので、アートフィルターを使ってみました。
ファンタジックフォーカスで赤外線写真の幻想的な雰囲気を強調します。
露出補正、トーン補正、トーンカーブ調整をして現像します。
その写真が今回の記事の表示になっている写真です。

今回は、白黒の赤外線写真を撮影してみました。
もしかしたら、みなさんが今お使いカメラも赤外線写真撮影ができるかもしれません。
興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。
次回は、可視光と赤外光の混在した世界「カラー赤外線写真」をご紹介します。

コメント(1,000文字以内)

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堀内 健
CANYON CROWさん
私もIRカットフィルターが付いたカメラで撮影を行うと円形状ではありませんが、露出ムラのようなものがたまに出ます。
またフィルターに適合画角があれば、広角ほど影響が出やすいかもしれません。
なるべく撮影段階で解決したいところですね。

2011年06月02日 22:33

CANYON CROW
堀内 健さん、
周辺減光というより、日の丸に近いですね。境界はボケでますが。形状は常に円形です。今は、仕上げのレタッチで消去してますが、これがなかなか難儀で。。R72フィルターとレンズの距離は、目測で概ね1cm強といったところです。IRカットフィルター除去改造はハードル高そうですが、R72フィルター取り付け位置なら工夫してテストできそうですね。アドバイスどうもありがとうございます!

2011年06月02日 21:48

堀内 健
CANYON CROWさん
周辺減光したような状態でしょうか。
(フィルター径ではなく)フィルターの適合した焦点距離でも現象は出ますか?
常に丸い形状であればフィルターとレンズやCCDの距離に関係しているようにも思えます。またIRカットフィルターの影響も大きそうです。

2011年06月02日 01:00

CANYON CROW
堀内 健さん、お返事ありがとうございます。
ホットスポット。撮ってだしの状態では、中心部が丸い形状で周りより露出が多いように見えます。この後、モノクロ仕上げする場合はあまり目立たないのですが、カラースワップをすると中心部がマゼンダかぶりのような感じになる現象です。堀内 健さんの撮影記の作例を見る限り、そのような現象は無いように見えます。機材に依存する現象なのかもしれませんね。。

2011年06月01日 23:53

堀内 健
CANYON CROWさん、こんにちは。
赤外線写真拝見しました。淡いトーンの素敵な写真を撮られてますね。
ホットスポットとはどのようなものでしょうか?

2011年06月01日 23:34

CANYON CROW
堀内 健さん、こんばんわ。
最近赤外写真にはまりかけているので、レビューを興味深く読ませていただきました。僕は無改造のGRD3にケンコーのR72をつけているのですが、カラースワップ後にホットスポットが目立ってしまって、コレ消すのに苦労してます。何か良い方法がありましたらご教示いただきたく。。m(_ _)m

2011年06月01日 22:43

堀内 健
ホルスの目さん、こんにちは。
カラースワッピングはフォトショップなどでRGB3原色の特定の色を置き換える処理です。
今度撮影記を少し整理して、この辺りも順を追ってご紹介していきましょう。

2011年06月01日 21:55

信。
E-P2でのレビューありがとうございます。m(_ _)m
カラースワッピングというのは、どうやるのですか?

2011年06月01日 05:01

8件中 1〜8件目

SILVER 1

堀内 健

GANREF Point
10165
Next Point
1835
メインカメラ
LUMIX DMC-GH1

プロフィール

2006年より赤外線写真をメインに撮影。 現在、赤外線写真による現代の東...

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