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【赤外撮影記第4回】赤外線写真を撮ってみよう!(カラー赤外編)

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投稿日:2011/09/02


今回はカラー赤外線写真のご紹介をします。
カラー赤外線写真は、可視光と赤外の混在した世界を撮影した写真です。
一般的に可視光とされる領域はおよそ400nm~700nm前後となりますが、例えば600nmよりも短い波長をカットする富士フィルムのゼラチンシートフィルター「SC-60」は、「白黒撮影用の赤外近似効果を得るフィルター」とされています。
そしてSC-60、SC-62、SC-64と号数が進み740nmより短い波長をカットする「SC-74」が最大号数となり、76以上のフィルターには「SC (Sharp Cut) 」ではなく「IR (Infra Red) 」という型番が付されています。
カラー赤外線写真撮影では、可視光と赤外の混在するこの600nmから760nmまでのいわばグレーゾンともいえる領域の光を使って撮影することになります。

また、白黒の赤外線写真と比べて撮影よりも現像・レタッチの占めるウエイトが大きくなります。
準備から撮影までは白黒の赤外線写真と大きく変わりませんので、前回記事の「【赤外撮影記第3回】赤外線写真を撮ってみよう!(白黒赤外編)」をご覧ください。

今回は撮影後の現像処理からの手順を見ていきましょう。

【 3. 現像 】

さて、現像処理です。
写真は前回と同じものを使用します。
カラー赤外線写真はレタッチを行いますので、RAWで撮影しましょう。
カメラはOLYMPUS PEN E-P2、レンズはPENTAX SMC TAKUMAR 28mm F3.5をマウントアダプタ経由で使用しています。
こちらが撮って出しの写真です。赤が飽和したような状態ですね。
OLYMPUS Viewerで現像していきましょう。


( 撮影データ )
フィルター:IR 720
撮影モード:マニュアル
シャッター速度:8秒
絞り値:F8
ホワイトバランス:オート
ISO感度:100

カラー赤外線写真撮影に使用するフィルターは、720nmを基準にカメラの赤外適正、現場の光量、被写体の赤外反射率を考慮して選択しましょう。可視光と赤外の光量のバランスがポイントです。
ホワイトバランスはオートで撮影しています。
RAWで撮影していますので、まずはホワイトバランスの調整を行います。

① ホワイトバランスの調整

グレー点でポイント指定しましょう。
右メニュー「編集パレット」の「ホワイトバランス」から「グレー点指定」を選択、右のスポイトアイコンをクリックします。
写真上のグレーに近い場所探して色を採ります。
RAW撮影のできないカメラの場合は、撮影時にマニュアルでホワイトバランスを採りましょう。


色が出てきましたね。
それでは現像処理を仕上げていきます。

② アートフィルターの適用と現像処理

今回は前回同様、アートフィルターを活用しましょう。
まずは「編集パレット」の「アートフィルター」から「ファンタジックフォーカス」を選択します。
露出が変わりますので、「露出補正」で適正露出に補正しましょう。
「編集」タブから「トリミング」と選択し、構図を切り抜きます。
最後に上メニュー「ファイル」から「名前を付けて保存」を選択し、「フォーマット」は「TIFF」を選んで保存してください。


これで現像処理は終了です。次はレタッチに入りましょう。

【 4. レタッチ 】

レタッチにはPhotoshopを使用します。
現状で色が出ていますが、「チャンネルミキサー」を使用して色を置き換えてみましょう。
これを「カラースワップ」と呼びます。
今回は「RGBカラーモード」で処理を行っていきます。

① カラースワッピング処理

RGBカラーモードでは、色は光の3原色「赤(Red)」「緑(Green)」「青(Blue)」で表示されます。
チャンネルミキサーは、この赤、緑、青、各色の出力(%)が調整できます。
デフォルトの状態はソースチャンネルと出力先チャンネルの色が同じで「100%」となった状態です。
カラースワッピングは、このソースチャンネルと出力先チャンネルの出力を置き換えます。

( デフォルトの状態 )
■ 出力先チャンネル:Red(赤)
チャンネル:ソースチャンネル
Red(赤):100%
Green(緑):0%
Blue(青):0%
■ 出力先チャンネル:Green(緑)
チャンネル:ソースチャンネル
Red(赤):0%
Green(緑):100%
Blue(青):0%
■ 出力先チャンネル:Blue(青)
チャンネル:ソースチャンネル
Red(赤):0%
Green(緑):0%
Blue(青):100%

絵の具で考えて見ましょう。
手元のパレットには絵の具を入れる3つの容器があります。
「Red(赤)」という容器(出力先チャンネル)には「100%赤い絵の具」(ソースチャンネル)が入った状態です。
他の容器も同様に、「Green(緑)」の容器には「100%緑の絵の具」、「Blue(青)」の容器には「100%青い絵の具」が入っています。
「Red(赤)」の容器から絵の具を取れば、「100%赤い絵の具」の色がキャンパスに描かれます。

( スワッピング処理 赤⇔青 )
■ 出力先チャンネル:Red(赤)
チャンネル:ソースチャンネル
Red(赤):0%
Green(緑):0%
Blue(青):100%
■ 出力先チャンネル:Green(緑)
チャンネル:ソースチャンネル
Red(赤):0%
Green(緑):100%
Blue(青):0%
■ 出力先チャンネル:Blue(青)
チャンネル:ソースチャンネル
Red(赤):100%
Green(緑):0%
Blue(青):0%

スワッピングを行いました。赤と青を置き換えています。
今度は絵の具を「Red(赤)」と「Blue(青)」の容器(出力先チャンネル)を間違えて逆に入れてしまいました。
いつもは「100%赤い絵の具」を入れていた容器に「100%青い絵の具」を入れてしまい、「100%青い絵の具」を入れていた容器に「100%赤い絵の具」が入ってしまった状態です。
緑の容器にはいつも通り「100%緑の絵の具」を入れています。
さて、キャンパスに青い空を描きましょう。
間違いに気づかずにいつも通り青い容器から絵の具を取ると、キャンパスの空は真っ赤に染まってしまいました。

長くなりましたが、これがカラースワップのイメージです。
それでは実際に処理に入りましょう。
今回はRed(赤)とBlue(青)をスワッピングします。


上メニューから「イメージ」→「色調補正」→「チャンネルミキサー」を選択します。

①「出力先チャンネル」の「レッド」の調整
「ソースチャンネル」の「レッド(R)」が100%になっていますが、これを0%にします。
次に同じ「ソースチャンネル」の「ブルー(B)」が0%になっているのを100%にします。
②「出力先チャンネル」の「ブルー」の調整
「ソースチャンネル」の「ブルー(B)」が100%になっていますが、これを0%にします。
次に同じ「ソースチャンネル」の「レッド(R)」が0%になっているのを100%にします。

これで赤と青の色が置き換わりました。
「グリーン(G)」のチャンネルは触らずに「OK」をクリックしてください。
空の色が青く、木の色が黄色になりました。
これでカラースワッピング処理は終了です。

最後にレタッチ処理をして完了です。

② レタッチ処理

レベル補正、トーンカーブの調整を行います。
ファンタジックフォーカスで現像していますので、コントラストは控えめに処理して完成です。


表題の写真もスワップ処理の一例です。
このようにカラー赤外線写真は、ホワイトバランスの調整とカラースワップ処理で色を追い込んでいくことになります。
処理自体は単純なものですが、思い通りの色を出すのはフィルター、カメラ、撮影条件など色々な要素が影響してきます。
みなさんもぜひチャレンジしてみてください。


コメント(1,000文字以内)

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堀内 健
そうですね。ピント合わせはカメラ、フィルター、焦点距離、絞りなどによっても変わってきますので何枚か撮っておくのがいいと思います。デジタルはその場で確認できるのでフィルムよりも楽ですね。デジタルの場合はローパスの薄い(効果の弱い)カメラのほうが向いているかもしれません。

2011年09月06日 22:39

島本
ピント補正が必要ということは、
望遠レンズを使ったり、
近いものを撮るのは気を使いますよね。

昔は普通MFだったから、ピント合わせ後、赤点までピントをずらせばよかったけど、
普通AFの今では、なかなかテクニックがいりますね。

2011年09月06日 06:32

堀内 健
BS21さん、こんにちは。
通常のデジタルカメラではピント補正は必要になると思います。
フィルムよりも解像が増していますので、よりシビアかもしれませんね。

2011年09月05日 23:16

島本
フィルム時代は、赤外線写真をたくさん撮りましたが、
デジタルでもこうすれば、
類似の写真が出来るのですね。

フィルム時代は、レンズに赤外線フィルム用のピント位置があったのですが、
デジタルにはそれが無いので、大丈夫なのでしょうか?

2011年09月05日 21:48

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SILVER 1

堀内 健

GANREF Point
10165
Next Point
1835
メインカメラ
LUMIX DMC-GH1

プロフィール

2006年より赤外線写真をメインに撮影。 現在、赤外線写真による現代の東...

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