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写真家・佐藤倫子のアスカネット「マイブック」レビュー記事

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投稿日:2015/01/28

レビューした機材・用品 アスカネット マイブック  アスカネット マイブック
■自分で選択してデザインする写真集「マイブック」の面白さ

rin-003.jpg

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カメラ:
ペンタックス PENTAX 645D
焦点距離:
120.0 mm
フラッシュ:
Off Did not fire
撮影モード:
Manual
シャッタースピード:
1/125秒
絞り数値:
F16.0
ISO感度:
200
ホワイトバランス:
Manual

カメラを通すことでそこからすべてが非現実になるのです。そう、そこにあるのはポジティブな世界。シュールでもあり不思議でもあり。今が現実なのかそれともどこか知らないところに立っているのか。とはいえ、現実逃避とはちょっと違う感覚なのです。写真ですから実際に存在するものを被写体に撮っている、がその写真は私が生きてる現実と違う。そしてその空間が心地よいものであることは絶対条件なのです。
色を観ている。光を観ている。そして影を観ている。生き物として機能しているこの視覚に身を任せてわたしにとってとてもシンプルで単純なその機能を写真に写し取っているだけなのです。自然体の計算の中で構図が決まり1枚の写真が出来上がる。そこまでの制作への感覚は何もなく、無であるのです。私自身までも存在しないかの様な錯覚に陥る。

2013年に個展を開催した『HOPSCOTCHINGS』は40点の写真展示でした。ギャラリーも点数も先に決定してからの作品制作。ある程度の展示様子をイメージしながら制作を進めました。東京、大阪、神戸、福岡、台北と5都市をあちこちに飛び回って(HOPSCOTCH)撮影した写真です。それら作品から29点が2014年に写真集になりました。自費出版ではない故の工程。あえて、一度もお会いせずにデザイナーにすべてを任せてみての写真集でした。作品セレクトから順番、レイアウトをまったく知らない方が作るとどうなるのか。出来上がりは自他ともに認めざるを得ないほどのまとめづらいであろうその写真たちをきれいにまとめてくれた写真集だった。作品をなにかしら発表するにジャッジは常に自分でやって来た私にとって、この体験はとても面白いことでした。実際に完成した写真集現物を手にしたときのあの感動は何とも表現できない嬉しさ、そして自分が自分の写真をここまで好きだったのだと少し可笑しくも思えた初めて感じる体験でした。あの感動は多分、今後も忘れることはできないでしょう。

そして今回マイブックでは逆にすべてが自分で選択しデザインする写真集。どんな面白さが、驚きがあるのか!?
なにより私の写真で最も重要視している「色」がどこまで再現できるのか。そこが一番、心配でありワクワクであります。

■写真集はストーリーを感じさせるリズム展開が大切

写真集を観る。観せる。これはどこかの空間にそれら写真を作品として展示をして観せるのとは違い、ページをめくることで写真の流れをストーリーを相手に感じて考えてもらわなければならないのです。表紙から始まり、最後、閉じたところまでを想像しながら構成を考えます。写真集ならではの表現としては、常に左右のページがありそれをめくる、見開く動作によって見る側がその作品を詠んでゆく面白さがります。見開きをどーんっと大きく1枚の写真のみで使うことで、今までめくっていたページのリズムができたりすることは写真集でないとできないことですね。

例1ですと左と右へのバランスを感じつつ作品を鑑賞できます。例2ですと前ページまで左、右へと写真を観ていたリズムがいきなり1枚大きく観せることで見る側はその単調なリズムをさえぎられ、一瞬ストップすることで新しい認識で写真を改めて鑑賞できるのだと思います。

■「MyBookEditor4」のストレスフリーな操作性が創作意欲をかき立てる

マイブックを作るにはまず、専用の無料編集ソフト「MyBookEditor4」をパソコンにダウンロードします。ソフトは使いやすく、レイアウトするのが簡単であるのが何より嬉しかったです。
でなくとも順番やその大きさを考えるのがめいっぱいのときにこれが作成作業まで大変だとげんなりしてしまいます。
その点、この「MyBookEditor4」ではポンポンとテンポよく写真を組み込め、仕上がり確認から一覧で写真の流れを見ることもできますし、またプレビューでは実際見開いたときの画をリアルにイメージすることができるのもこのマイブックならではですね。
写真の大きさを変えるときにどこか1点を引っ張って伸ばしたり縮めたりの作業で写真のゆがみが生じないのは嬉しいこと。
ある意味、驚きです。専用ソフトが使いやすいことによるストレスフリーが、より創作意欲をかき立てるものになるでしょう。

■彩度が高い作品はマイブックでどこまで色が再現される?
アップロード画像

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焦点距離:
6.4 mm
フラッシュ:
Off
撮影モード:
Program AE
シャッタースピード:
1/55秒
絞り数値:
F1.8
露光補正量:
+1EV
ISO感度:
100
ホワイトバランス:
As Shot

今回マイブックを制作するに2種類の作品で構成を考えました。
ひとつは組写真としての『IZU』。これは2014年7月から2015年3月まで伊豆急行の1車両に私の写真を展示するという企画のために撮り下ろした作品です。
伊豆高原を私の視点で撮りました。単純な大きさ、組み合わせだけではなく、間に見開き1カット作品を入れることで作品のリズムを考えて構成しました。
ページを開いたときのそれぞれの作品流れをあまり深く考えず、わりと直感任せで決めましたね。
もう一方は、逆に今まで撮り続けてきたすべての作品をランダムにまとめました。いわゆる、佐藤倫子のポートフォリオです。『PHOTOGRAPHS』『photographs』がこちらです。
写真集、というより私の「BOOK」ですね。
仕上がりは「色」がどの程度まで再現できるのか!? が一番心配でした。
限界があるのは重々承知のことですが、それでもせっかく作るのですから今後色々な場面でこの「BOOK」をお見せできたらな、とも思っておりました。
実際にはちょっと難しかったな……と思う作品もありましたが、全体的に予想以上の出来上がりでした。入稿するときにのデータをある程度想定してデータの制作をする必要はあるのだと思います。

■「ニス」「ラミ光沢」「ラミつや消し」の3種類の仕上げが選べるようになった!
アップロード画像

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カメラ:
オリンパス OLYMPUS OM-D E-M1
焦点距離:
16.0 mm
フラッシュ:
On Did not fire
撮影モード:
Manual
シャッタースピード:
1/40秒
絞り数値:
F6.3
ISO感度:
320
ホワイトバランス:
As Shot

1月14日から、新しくマイブックの本文仕上げが「ニス」「ラミ光沢」「ラミつや消し」の3種類から選べるようになったのは嬉しいですね。私の作品はほとんどがカラーということもあり、仕上げとしては「ニス」がベストでした。モノクロ作品も入れましたがモノクロだから「ラミつや消し」という訳でもないんだな、と実感。
でも今後「ラミつや消し」に合う作品を作りたくなりました。
また「ラミ光沢」での作品は今までにはなかった新たな表現への幅が広がると思いました。

■マイブックは自分で作るからこそ自分の作品と向き合える

今回、マイブックを初めて体験して、その出来上がりを手に取ったときの感動は、たぶん、それがどこかの出版社から出た写真集でもこのマイブックでも、手に取ったときの感動は同じなのだと思います。
テンション上がります! これは作った人でないとわからない感情です。
そして出来上がりをじっくりと見ていると今後の写真制作へ改めて姿勢を正される思いになります。
単に写真集を作るというだけではなく、いったん自分の作品を俯瞰で見つめ直す良いきっかけにもなるのだと思います。
そういった意味でもこのマイブックへのトライはぜひしてみてください。出来上がることで自分自身へ何かの発見があるはずです。

<<「マイブックギャラリー」で佐藤倫子の写真集を見る>>
・IZU
http://bit.ly/15PvBM0
・PHOTOGRAPHS
http://bit.ly/1tOpL1K
・photographs
http://bit.ly/1yhCrAJ
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高品質フォトブックは世界が認めたアスカネットのマイブック
http://www.mybook.co.jp/
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GANREF特別企画
写真家3名によるアスカネット「マイブック」レビュー記事
<萩原史郎 編>http://ganref.jp/m/s_hagihara/reviews_and_diaries/review/7786
<川北茂貴 編>http://ganref.jp/m/kawakita/reviews_and_diaries/review/7849

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佐藤倫子

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プロフィール

http://www.rin-photo.com 東京都出身。東京工芸大...

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