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写真家・佐々木啓太のフォトブック「デパ帳」レビュー記事

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投稿日:2014/09/08

■フォトブック「デパ帳」の仕上りの感想

「デパ帳」の特徴はCanon製の最新型フォトプリンター「ドリームラボ」使った最高品質の写真画質でフォトブックができることです。ドリームラボでは印刷の基本色CMYKに加えて、PC(フォトシアン)、PM(フォトマゼンタ)、Gray(灰色)の3色を追加した合計7色のインクを採用しています。この結果、ハイライトの諧調表現が滑らかになり、グレーインク効果でカラーバランスのずれも抑えられています。

実際の仕上りを見ると、今回表紙に使ったアジサイの葉っぱの緑も光の当たっている場所だけでなく影の部分に色の濁りがなく鮮やかに再現されていました。実は撮影時にホワイトバランスを補正して少し青緑に近くなるように設定していましたが、微調整の結果もしっかりと再現されていたのでレタッチをした場合も安心できます。緑にこだわるのは、この色がフィルム時代から再現の難しい色の代名詞だったからです。その他の色も赤のような強い色だけでなく、夕暮れ時の空の色など、微妙な色合いもイメージ通りに仕上げてくれるのが「ドリームラボ」を使った印刷の強みだと感じました。

これまでのフォトブックから商業印刷、それも高精細と呼ばれる高品位の印刷に近づいた印象があります。印刷用紙には、サテン(マット)とラスター(半光沢)がありますが、どちらも細かい描写や階調表現に優れています。

「サテン」は、印刷面が少し落ち着いた印象で触ったときの風合いもしっとりしています。「ラスター」は、印刷面のメリハリが分かりやすく、紙の厚さも少し厚くなっているので触ったときも、サテンと比較するとしっかりとした印象があります。トーンや雰囲気を活かした作品には「サテン」。鮮やかさや強さを強調したい作品には「ラスター」という使い分けをしても面白いと感じました。ハードブックはしっかりとした製本で、中身が分かる乳白色のケースに入っているので持ち歩いて人に見せたくなります。


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※フレームが表示されたら[full screen]をクリックしてご覧ください。
http://ganref.jp/common/monitor/nagatomo/depacyo/review.html#gallery

▲表紙は光沢のあるコートがしてあり、1冊ずつフォトブックより一回り大きな箱(左の写真一番下の茶色い箱)に梱包されて送られてくる。右下はサテンとラスターの違いが分かりやすいように光を反射させている。サテンは、マット調で用紙全体に光が反射しているが、フォトブックを見ているときはこの反射は気にならない。ラスターは、半光沢で細かな凹凸が特徴的。

■フォトブックの基本

フォトブックにまとめるときは気負わないのが大切です。いきなり自分の集大成を作ろうとしても難しいので、まず肩の力を抜いてやってみるのがオススメです。「デパ帳」では、「Depa Editor」(Windows専用・以下エディター)を使って簡単に写真を並べられるます。やってみるとフォトブックのイメージが掴みやすいはずです。今回、13インチのノートパソコンでエディターを使いましたが、初めてでも操作しやすく、作業領域も十分な広さがありました。フォトブック作りは、経験上、2、3冊作ると自分なりの並べ方のコツがつかめるようになってきます。

■フォトブックの種類

フォトブックには大きく分けると「アルバムのような記録」と「写真集のような作品をまとめたもの」の2種類があります。アルバムのような記録としてのフォトブックは、旅やお子さんの成長記録のように時系列で並べるだけでも十分です。使いたい写真を選んで、エディターの写真自動配置機能を使えば簡単に作れます。フィルム時代に手札やLサイズのプリントを並べたアルバムを作ったことがあれば、それと同じようなイメージなので始めやすいはずです。写真集のように作品をまとめるフォトブックにはちょっとしたコツがあるので、今回は写真集のようなフォトブックの作り方を中心に解説します。

■まとめるときのポイント

まとめるときは、フォトブックの種類にかかわらず時系列で並べるのが基本です。例えば、撮影年月日や時間順で並べるとそれだけで大まかな流れができます。さらに、編集的な要素を加えると完成です。編集というと敷居が高い。と、感じるかもしれませんが、ポイントになるのは「統一感」と「変化」です。

■統一感は「テーマ」

このテーマを難しく考えすぎるとそこで止まってなかなかフォトブックに進まなくなります。今まで撮りためたものの中からざっくりと、場所(街や地域など)や被写体(花や動物など)でまとめたり、撮影旅行を1冊にまとめるだけで十分です。今回の私のテーマは、「高倍率ズームレンズで撮影した1日」です。マイクロフォーサーズ用の14-150mmを使って1日で撮影した写真をまとめました。高倍率ズームレンズはズームレンジの広さを活かして変化に飛んだ写真を撮りやすいので、短時間でフォトブックにまとめるための作品を撮るのにあっています。

■変化は「バリエーション」

名作ばかりを並べると、せっかくの1枚1枚の良さが弱くなります。テレビドラマや映画で主役と脇役があるように、写真にもそれぞれの役割があります。並べた写真で物語を作るようなイメージが、作品をまとめるフォトブックには合っています。自分が気に入っている写真はここぞというところで使って、そのインパクトを強めたほうが流れに強弱がつきます。このためには撮影時に変化を残しておく必要があります。最高のフレーミングを決めるのも大切ですが、タテヨコの変化から始まり、少し崩した雰囲気も撮っておくと変化がつけやすくなります。変化があれば、フォトブック全体の物語が広がりを持ちやすくなります。

では、ここからはもう少し具体的な内容で「組の作り方」を解説します。組作りをシンプルに考えると次のスリーステップになります。

■「集める」「選択する」「整理する」のスリーステップでまとめる

【1】集める

どんな写真を集めるかはテーマで決まります。はじめはテーマに合わせて大まかに写真を選びます。選んだ写真をオリジナルとは別のフォルダにコピーすると整理しやすいはずです。これを「荒より」と、いいます。この荒よりでは、同一シーンをタテヨコで撮ったものや、少しバランスを変えたものを選びます。特に自分の使いたいシーンはバリエーションを多くしておけば使える可能性が増えます。


▲左側の写真選択画面の一番上には表紙に使ったアジサイのカットがタテ位置とヨコ位置で入れてある。タテ位置がヨコで表示されても、エディター上で回転して写真の向きを直すことができる。

【2】選択する

何を使うか選ぶときに、自分の好きな写真や使いたい写真から選ぶことがあります。気持ちは分かりますが、それらの写真にこだわり過ぎると、組み合わせの流れが作りづらくなることがあります。フォトブックでは流れが一番大切になります。いきなりたくさんの写真で流れを作るのは大変なので、相性の良い写真を組み合わせることから始めます。写真のイメージや撮影場所に合わせて大まかなグループに分けて、その中でさらに相性の良い2枚でペアを作っていきます。これは見開き単位で考えるやり方です。写真の相性をみるときはプリントで並べると分かりやすいはずです。2枚の写真が向き合っているような感じにするのが相性の良いペアを作るポイントです。2枚組ができたら、その2枚をペアにして4枚の組み合わせを作ります。少しずつ組み合わせる数を増やしていくとフォトブックに使う写真が選択できます。


▲あらかじめ豊富なレイアウトが準備されている(画面左 レイアウト)のもエディターの特徴。配置した写真のサイズや位置は任意に変更できる。

【3】整理する

見開きで2枚ずつの写真を並べていると単調になるので、数を減らして見開きで写真1枚を見せるページを作ります。ここでも全体の流れを重視して自分が好きな1枚であっても減らすことがあります。どうしても減らせないときは、数枚を組み合わせたレイアウトにします。写真のサイズを変えたり入れ替えると印象が変わって流れが良くなることがあります。整理の作業は文字で細かく説明するより自分の写真を並べてるほうが分かりやすいはずです。エディターでは、任意で写真のサイズを変えて余白に文字を入れることもできます。


▲余白に文字を入れると印象が変わるので、フォトブックの流れを変えやすい。


▲写真点数を減らせないときは同じイメージの写真を複数並べる方法もある。

■最後に

まとめた後はすぐに注文しないで、少し時間をおいて見直してみてください。作業をしているときは集中しているので冷静な判断ができないことがあります。ひと晩ぐらいおくと細かいバランスを確認できます。ぜひ、フォトブック「デパ帳」を体験してみることをおすすめします!

「デパ帳」
http://www.depacyo.com/depacyo/

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連動記事/写真家・福田幸広のフォトブック「デパ帳」レビュー記事
http://ganref.jp/m/topoutimages/reviews_and_diaries/diary/8551
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写真の感動をはっきりと伝える最高品質のフォトブック
注目製品レビュー~ナガトモ デパ帳編~
http://ganref.jp/common/monitor/nagatomo/depacyo/
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コメント(1,000文字以内)

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佐々木啓太
ブルプロさん:ごめんなさい。

2014年10月08日 10:23

佐々木啓太
ブロプロさん:ありがとうございます。考えれば、考えるほどハードルは上がるので、やってみるのがいいと思いますよ。レビュアーの募集もやっているみたいですし、とりあえずどうでしょう(笑)?

2014年09月15日 12:42

ブルプロ
なかなか組み写真、フォトブックってハードルが高そうなので、とても参考になりました。

2014年09月15日 05:09

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佐々木啓太

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