ソニー α230/α330/α380レビュー:ボディデザインと基本性能

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公開日2009年06月19日

 ソニー株式会社はデジタル一眼レフ・エントリー機のラインアップを一新し、α230、α330、α380の3機種を6月25日から発売すると発表した。これらはそれぞれα200、α300、α350の後継機となるが、いずれも外観デザインによりソニーらしいデザインテイストを取り入れて全面改良し、大幅な小型軽量化を実現したのをはじめ、初心者にもわかりやすいシンプルな操作体系を採用することで、時代に合わせた使いやすさを追求したモデルとしているのが大きな特長だ。

α380正面

α380正面

α330正面

α330正面

α230正面

α230正面

α380背面

α380背面

α330背面

α330背面

α230背面

α230背面

α380上面

α380上面

α330上面

α330上面

α230上面

α230上面

ソニーらしい独自のデザイン

 今回のモデルチェンジで最大の変更点となるのは、やはり外観デザインだろう。これまでのαシリーズはソニーへの移行期ということもあって、少なからずコニカミノルタ時代のデザインの流れを感じたが、今回の3機種では、ふくよかな曲線をモチーフにしたソニーらしい独自のデザインを採用、かなりあか抜けたイメージとなった。基本デザインは3機種ともほぼ共通で、ライブビュー機能のないα230は全体が黒、ライブビュー機能のあるα330、α380はシャッターボタンやダイヤル類のある上面操作部のカバーがダークシルバーに色分けされ、シャッターボタンの左側にはライブビューとファインダー撮影の切り替えスイッチを備えている。ボディサイズは幅と高さについては3機種ともまったく同じで、α330、α380は可動式液晶モニターを装備するため奥行のみ若干大きくなっている。いずれも従来機に比べてひと回り小さくなり、かなりコンパクトになった印象を受ける。
 グリップの形状も3機種で共通しているが、α330のみラバー素材の質感が布地のような編み目模様となっている点が異なっている。グリップの握りは、前部分が細めでやや小さく感じられる一方、背面の親指の掛かりが非常によく、コンパクトな機種としてはまずまずのグリップを確保している。筆者的にはもう少ししっかりとしたグリップを好むが、グリップのサイズはボディサイズとのトレードオフともなるので、コンパクトな機種でグリップがある程度小さめになるのは致し方ないところだろう。また重量についてはα230が約450g、α330とα380が約490g(いずれも本体のみ)と、従来比約15%の軽量化を実現している。

α380のグリップ

α380のグリップ

α330のグリップ

α330のグリップ

α230のグリップ

α230のグリップ

 背面液晶モニターは3機種とも2.7型・23万ドットのクリアフォト液晶を採用。α230は固定式となるが、α330とα380ではローアングルとハイアングルの撮影を容易にするチルト可動式を採用しており、ライブビュー撮影時の使い勝手を大きく向上させている。また、αの特徴であるファインダー下に配置されたアイセンサーが全機種に装備されており、アイスタートAFを可能にしているのは、いかにもソニーらしい。

ローアングル撮影時

ローアングル撮影時

ハイアングル撮影時

ハイアングル撮影時

側面のインターフェイス(α380)側面のインターフェイス(α380) その他、バッテリーはハンディカムシリーズでも使用されている小型のNP-FH50(900mAh)を採用、ボディの小型化に貢献しているほか、メモリーカードスロットはこれまでのCFカードスロットから、純正のメモリースティックPRO DUOとSDメモリーカードのダブルスロットに変更され、シェアの高いSDメモリーカードが初採用されたのが注目される。また、ビデオ出力方式も専用コードを介したRCA端子出力(NTSC/PAL)から、HDMI端子出力に変更されている。

シンプルでわかりやすくなった操作体系

背面右上部(α380)背面右上部(α380) 次に大きく変更されているのは操作体系だ。Fn(ファンクション)ボタンを要にしたシンプルな操作体系を基本にしているのは従来と同様だが、操作ボタン類は大幅に整理統合され、3機種とも共通で初心者によりわかりやすく使いやすい操作体系を採用している。まず、Fnボタンでは従来どおりオートフォーカスモード、フォーカスエリア、測光モード、D-レンジオプティマイザー、ホワイトバランスの各項目の設定を行うが、フラッシュモードが外され、新たにクリエイティブスタイルが加わった。また、これまでは専用ボタンがあったISO感度、ドライブモード、DISP(表示切り替え)の各ボタンと、フラッシュモードについては十字キーがその機能を兼ねるように変更されている。さらに、使用頻度の高いMENUボタンと露出補正/拡大縮小ボタンは上面から背面へ移行する肩の部分に配置され、α330、α380では上面にスマートテレコンバータボタンが残された。

 従来のソニー機では操作ボタン類が比較的多く、直感的に操作が可能であった半面、初心者にはやや操作が煩雑に感じられる面もあった。しかし、今回ボタン類が十字キーなどを利用して整理統合されたことで、操作ボタンの位置関係がつかみやすく操作感がよりシンプルでわかりやすくなった。従来の操作に慣れているユーザーには多少の違和感があるかもしれないが、慣れれば設定ごとにボタンを探す必要がなく、操作しやすく感じるはずだ。

グラフィック表示が初期画面となった画面表示

 画面表示については、まず撮影情報画面がシャッタースピードと絞り値をイメージ化して初心者にもわかりやすくしたグラフィック表示が初期画面となったのが印象的だ。もちろんDISPボタンを押せば従来と同様の標準表示にすることもできる。また、テーマカラーを選択できるようになり、初期設定のホワイトのほか、ブラック、ブラウン、ピンクから選択できるようになった。メニュー画面の表示は従来から大きな変更はない。

グラフィック表示

グラフィック表示

標準表示

標準表示

主流とは異なる方式のクイックAFライブビュー

 α330、α380では、α300/α350と同様のクイックAFライブビュー機能を備えている。クイックAFライブビューは、一眼レフのファインダースクリーンをファインダー内に内蔵した専用の撮像系で撮影し、背面液晶モニターに表示するライブビュー方式だ。この方式のメリットはファインダー撮影時と同じ位相差AF方式の高速なAFが利用可能で、動体追随AFも可能にしている点だ。最近他社では撮像素子からの映像を直接取り込むライブビュー方式が主流でコントラストAFも盛んになっているが、コントラストAFの動作がまだまだ十分でなく、動体追随ができない機種も多い。その点、クイックAFライブビューでは軽快なAF動作が可能で、かえって新鮮に感じられる。α330、α380では可動式液晶モニターを搭載しているので、特にローアングルやハイアングル時に威力を発揮する。

イメージセンサーと画像処理エンジン

 イメージセンサーはα230とα330ではAPS-Cサイズ・1,020万画素、α380ではAPS-Cサイズ・1,420万画素のいずれもCCDイメージセンサーを採用している。かつてはイメージセンサーといえば圧倒的にCCDが主流であったが、最近のデジタル一眼レフでは機能面からCMOSイメージセンサーを採用する機種が多くなり、CCDイメージセンサーを採用する機種はソニーのこの3機種と、他社に数機種を残すのみとなってしまった。画質面では、低感度域でのCCDの素性の良い絵作りは現在でも十分魅力的である。画像処理エンジン「BIONZ(ビオンズ)」を採用。各機種とも約2.5コマ/秒(ライブビュー時は最高2コマ/秒)の連続撮影に対応する。

基本となる部分は共通しているメカニズム

 メカニズム部分では9点測距のAFシステム、40分割ハニカムパターン測光、最高1/4,000秒のシャッターユニット、シャッタースピード約2.5~3.5段分に相当するセンサーシフト式の手ぶれ補正機構、イメージセンサーのゴミ対策であるアンチダスト機構など、基本となるメカニズムはすべて共通している。唯一ファインダーは視野率が約95%で共通しているものの、ファインダー倍率はライブビュー機能のないα230が約0.83倍と大きく、α330とα380ではライブビュー機能の関係でファインダー倍率が約0.74倍に抑えられている部分が異なっている。

まとめ

 今回α230、α330、α380の3機種を使用してみてまず気がつくことは、デザインや基本機能が3機種ともほぼ共通でエントリー機のカテゴリーにあるが、イメージセンサーは1,020万画素と1,420万画素の2種類から選択でき、機能面ではライブビュー機能の有無を選択できるようになっていることだ。つまりこれはパソコンのBTO(Build to Order)のような感覚で、ユーザーが好みや予算に応じて機能を選べるようになっているのと感覚的にかなり近く、よりユーザーのニーズに合わせたラインアップに向けた新しい試みとして注目される。
 使用感については、さくさくと動作するAFやシャッターのフィーリングが小気味よく、エントリー機として十分な動作性能を備えているのに加え、クイックAFライブビュー時の軽快なAF動作がかえって新鮮に感じられた。また画質面でも実績のあるCCDイメージセンサーによる描写はさすがに秀逸で、完成度の高い絵作りが行われている。そのため、いずれの機種も一見デザインに目を向けがちであるが、エントリー機としての基本機能はしっかりと押さえられており、しかも完成度の高い絵作りが得られるとあって、使い込むほどにその良さが実感できるエントリー機であるとの印象を持った。

撮影/レポート:杉本利彦

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