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公開日2010年05月14日
44×33mmサイズ・4,000万画素の大型CCDイメージセンサーを搭載した中判デジタル一眼レフカメラ「PENTAX 645D」(以下「645D」)がいよいよデビューするが、新しいシステムを導入するにはレンズ構成をどう組むかが悩ましくも楽しい。カメラの本体価格は85万円前後とアマチュア写真家でもなんとか手にすることができる範囲だが、新規にレンズもそろえるとなるとかなりの予算を組まないといけない。そこで、「645D」で使用可能な最新のD FAレンズ、現行のFAレンズ、旧型のAレンズを中古市場も含めてどのように組み合わせるかを発売前の段階で筆者なりに検討してみることにした。
| レンズ名 | 35mm判換算 | 希望小売価格・税込み (予想実勢価格) |
|
|---|---|---|---|
| 広角ズーム | FA645 33-55mmF4.5AL | 26~43.5mm | 294,000円 |
| 標準ズーム | FA645 45-85mmF4.5 | 35.5~67mm | 262,500円 |
| FA645 55-110mmF5.6 | 43.5~86.5mm | 189,000円 | |
| 望遠ズーム | FA645 80-160mmF4.5 | 63~126mm | 231,000円 |
| FA645 150-300mmF5.6ED[IF] | 118~236mm | 294,000円 | |
| 広角レンズ | FA645 35mmF3.5AL[IF] | 27.5mm | 178,500円 |
| FA645 45mmF2.8 | 35.5mm | 120,750円 | |
| 標準レンズ | D FA645 55mmF2.8 AL[IF] SDM AW New! | 43.5mm | オープン価格 (100,000円前後) |
| FA645 75mmF2.8 | 59mm | 73,500円 | |
| 望遠レンズ | FA645 150mmF2.8[IF] | 118mm | 147,000円 |
| FA645 200mmF4[IF] | 157mm | 115,500円 | |
| FA★645 300mmF4ED[IF] | 236mm | 525,000円 | |
| FA645 300mmF5.6ED[IF] | 236mm | 262,500円 | |
| 超望遠レンズ | FA645 400mmF5.6ED[IF] | 315mm | 315,000円 |
| A★645 600mmF5.6ED[IF] (受注生産) |
472mm | 892,500円 | |
| マクロレンズ | FA645 マクロ 120mmF4 | 94.5mm | 157,500円 |
| その他 | リアコンバーターA645 1.4× | ‐ | 78,750円 |
| リアコンバーターA645 2× | ‐ | 89,250円 |
「PENTAX 645D」と同時発売される予定の「D FA645 55mmF2.8 AL[IF] SDM AW」
「645D」のフォーマットサイズは44×33mmなので、交換レンズの焦点距離換算は645判フルサイズの約1.3倍、35mm判換算で約0.79倍となる。一般的には35mm判に換算するときは0.8倍くらいを目安にするとわかりやすいだろう。
「645D」には交換レンズとしてデジタル対応で防塵・防滴性能のある新開発のD FA645レンズ、現行のFA645レンズシリーズ、そしてMF時代のA645レンズシリーズがあるが、645D用に開発されたD FA645レンズは、発売時に用意されるのは標準レンズの「D FA645 55mmF2.8 AL[IF] SDM AW」の1本のみで、今後の発売予定もCP+で参考出品されていた超広角の単焦点レンズが1本あるだけだ。そのため当面は現行のFAレンズが交換レンズの中心となる。
FA645シリーズはもともとフィルムカメラ用に開発されたもので、75mmが標準レンズとなる645判フルサイズに最適化された焦点距離構成をとっている。FA645レンズのラインアップとしてはズームレンズ5本、単焦点レンズ9本(A★645 600mmF5.6 ED[IF]を除く)と中判カメラとしては充実しており、いずれも「645D」の機能にフル対応している。
このほかにも「645D」にはマニュアルフォーカス時代のA645シリーズも装着可能で、AFは動作しないがフォーカスエイドは働く。その上、自動絞りが使用可能で露出機能はフルに使用できるで、実用上の問題はない。ただしA645レンズはレンズ情報を持たないため、EXIFデータに焦点距離情報が残らないのと、レンズ収差の補正機能などは使用できないという制約がある。
さて、ペンタックス645用の交換レンズといえば、1984年の登場当初からその高性能ぶりが評判で、その実力については当時のハッセルブラッド用交換レンズに勝るとも劣らない性能であることを筆者は内々に画質評価の専門家から聞いていた。その後もAF化されるなど多少の変化はあるが、光学設計の基本姿勢は変わらず、最新のものはコーティングなどの技術面が進化しているはずなので描写性は大いに期待できると考えている。
そのため潤沢な予算があるならば、最新のD FAレンズやFAレンズですべてそろえるのがベストだろう。しかしズームレンズは希望小売価格ベースで1本当たり18.9~29.4万円、単焦点レンズでも1本当たり7~89万円と比較的高価であるから、必要な交換レンズをすべて新品でそろえるとなるとかなりの予算が必要になってしまう。そこで、将来的には今後リリースされるであろうD FAレンズを中心に順次更新するとしても、とりあえず当面は現行のFAレンズやMF時代のAレンズを、価格が非常にリーズナブルな中古市場から調達することで、低予算で必要な交換レンズを組んでみることにした。
現状の中古市場でのペンタックス645シリーズ用の交換レンズは、最新のFAズームなどの人気レンズは比較的高価であるが、同じFAレンズでも数の多いズームレンズや単焦点レンズは比較的低価格で手に入るし、MF時代のAレンズはズーム、単焦点ともに格安で手に入る場合が多いので安価にレンズシステムをそろえたい場合にはおすすめなのだ。
ペンタックス645シリーズのフィルムカメラの最新機種「645NII」
ペンタックス645シリーズといえば、プロアマを通じて風景写真家から幅広く支持を集め、現在でもフィルムで風景撮影を行う写真家の中心的なカメラとなっている。初代「645」の登場は1984年であったがその当時はマニュアルフォーカス式の高性能な交換レンズシステム「A645レンズシリーズ」が話題となり本格的な645システムカメラとして大いに注目された。その後1997年には中判カメラとして初めてAF化に成功。「645N」とAF交換レンズの「FA645レンズシリーズ」を発売し、他社の645カメラのAF化に大きな影響を与える。2000年には645Nの改良判の「645NII」をリリースするなど、その後も交換レンズの拡充を含め順次システムを拡張してきたが、2009年にフィルムカメラの製造販売の終了とともにその進化はいったん終えた。しかし、2010年にかねてから開発中であった中判デジタル一眼レフ「645D」として再びよみがえり現在に至る。
中古レンズは以前は最寄りの中古カメラ店に足を運んで購入するのが普通であったが、最近ではネットオークションや通信販売でも盛んに取引されている。
さて、中古でレンズを購入する際の注意点は、まず写りに直接影響する光学系にカビや曇りがないか、鏡筒やマウント部分などに不自然なガタやゆるみがないかなどをチェックする。カビや曇りのチェックはお店の蛍光灯ではわかりにくい場合もあるので、小型の懐中電灯などを持参してチェックするといいだろう。ゴミの混入は少量なら問題ないが、あまりに多ければ写りに影響する場合もあるので、清掃のための修理コストなども考慮して価格を判断する。外観や細かな傷はあまり気にする必要はないが、使い込まれたものはガタやゆるみが生じている場合が多く、大きな傷やへこみのあるものは強いショックを受けているのでなるべく避けるようにする。リセールを考える場合はやはり外観の程度の良いものを選んでおくといいだろう。
ネットオークションや通販の場合は外観以外の点がチェックできないので、不明点は出品者や販売者に事前に必ず質問しておくことをおすすめする。中古カメラ店で購入する場合は上記の点をよくチェックし、試写が可能であれば実際に撮影してみるのがベストだ。また中古カメラ店では保証をつけてくれる場合が多いので、万一のときも安心だ。購入後、明らかにオークションでの説明やお店での説明になかった重大な不具合がわかった場合は遠慮せず速やかに販売者に相談することも大切である。
A645 35mmF3.5 |
FA645 45-85mmF4.5 |
A645 80-160mmF4.5 |
A645 200mmF4 |
FA645 300mmF5.6ED[IF] |
FA645 マクロ 120mmF4 |
それでは実際に645D用の交換レンズを検討してみよう。交換レンズを選択する場合、画質を優先するなら単焦点レンズでそろえるのに越したことがないことは承知しているが、実際の撮影での利便性や正確なフレーミングを考えるとズームレンズの方が使いやすく感じられることだろう。幸いペンタックスの645用ズームレンズは画質優先でズーム倍率は2倍以内に抑えられているので、画質的には大きな問題はないと思われ、まずはズームを中心に交換レンズを組むことを考えた。
筆者の場合は風景撮影で35mm判カメラでは70~200mmズームを使う機会が多いので、まずこの焦点域をカバーするレンズとして80~160mmズームを候補に挙げてみる。80~160mmズームを中心に考えると望遠側は150~300mmズーム、広角側は33~55mmズームと45~85mmズームが候補に挙がる。また、近接撮影のためには必須となる120mmマクロレンズも候補に挙げておきたい。
この時点で一度中古カメラ店に視察を兼ねて足を運んでみた。すると、まず程度の良い「FA645 マクロ 120mmF4」が3万円台前半の価格で売られていたのでこれをまず確保した。「FA645 80-160mmF4.5」は希望の程度のものがなかったが、光学系の程度が良いMFの「A645 80-160mmF4.5」が1万円台後半の格安価格で売られていたので、とりあえず旧レンズのテストの意味も兼ねてその場で購入することにした。
広角側ズームは33~55mmと45~85mmで迷った。2本とも購入するのは重複する焦点域も多く無駄なのでどちらかになるが、33~55mmの場合は80~160mmまでの間につなぎとして75mmレンズなどの単焦点レンズか55~110mmで補う必要があり、45~85mmを選択した場合は広角レンズとして35mmの単焦点が必要になる。そこで画質面を考えた場合、Aレンズ時代からの実績があり、より無理のない設計と思われる45~85mmの方がベターであると考えられるし、33~55mmの広角端の周辺が気になるとの評価も耳にしていたので、最終的には45~85mmと単焦点35mmの組み合わせを選択した。一方望遠側は、150~300mmとするか、単焦点レンズで刻むかだが、150~300mmは発売が比較的最近で人気があり価格も高めで、思ったほどコンパクトでないところが気掛かりであった。
ここで再び中古カメラ店に足を運んでみたところ、非常に程度の良い「FA645 45-85mmF4.5」がリーズナブルな価格(4万円台後半)で出ていたのでこれをまずゲット。35mmは一般的な価格(4万円台前半)のAレンズしか在庫がなかったため、より高性能と聞いているFA35mmを別ルートで探すことも考えたが、入手困難であることと価格はAレンズの2倍前後になることから、早期入手とコスト面を優先して「A645 35mmF3.5」を購入した。望遠は最後まで150~300mmにするか迷っていたが、同じ店にあった「FA645 300mmF5.6ED[IF]」を手にしてみると非常に軽量であることがわかり、価格もそれほど高価でなかった(5万円台前半)ためこのレンズに決め、同時に格安(1万円弱)で販売されていた「A645 200mmF4」を購入した。また別の店で、2倍のリアコンバーターを安めの価格(1万円台半ば)で見つけたのでこれも合わせて購入した。
これにより、広角35mmから300mmまでをカバーする、「A645 35mmF3.5」「FA645 45-85mmF4.5」「A645 80-160mmF4.5」「A645 200mmF4」「FA645 300mmF5.6ED[IF]」「FA645 マクロ 120mmF4」の計6本と、リアコンバーター「A645 2X」を20万円を少し超える程度の低予算で確保できた。とりあえずこれでひと通りのレンズはそろったので当座の撮影には困らないが、実写結果や使い勝手を見ながら広角レンズを追加したり、AレンズをFAレンズに置き換えるなどのアップグレードを考えていきたいと思っている。
※本文中に記載されている価格は筆者が購入したときのものです。中古レンズの価格は変動します。
レンズの描写などについては「PENTAX 645Dレビュー:杉本流レンズシステム構築計画・実写編」にてお届けする予定です。お楽しみに!
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