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PENTAX 645Dレビュー:杉本流レンズシステム構築計画・実写編

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公開日2010年06月14日

 「杉本流レンズシステム構築計画・購入編」で入手した中古のペンタックス645交換レンズを実戦投入してみた。現行FAレンズ3本とMF時代のAレンズ3本の計6本だがそれぞれの描写性は気になるところだ。また、レンズの構築計画によって構成したレンズシステムが実際の撮影ではどのように感じられたかもレポートしておこう。

杉本利彦
杉本利彦
最近では主にカメラ雑誌・書籍などで写真家、カメラ評論家として活動。GANREFでは性能テスト、新機種の実写レポートなどを担当する。ペンタックスの645シリーズはアマチュアの風景写真家に圧倒的支持を得たカメラシステムであり、満を持して登場した「645D」には、アマチュアの世界にかつてない高画質をもたらす実力機として大きな期待を寄せている。

「PENTAX 645D」実写画像

作例画像をクリックすると15~51MBの画像を開きます
撮影データは撮影時のものです

A645 35mmF3.5A645 35mmF3.5

「PENTAX 645D」+「A645 35mmF3.5」作例

カメラ:PENTAX 645D/レンズ:A645 35mmF3.5/露出モード:絞り優先AE/絞り:F14/シャッタースピード:1/15秒/ISO感度:200/WB:太陽光/カスタムイメージ:鮮やか/RAW(DNG/Adobe Camera Rawにて現像)
今回の試写では「FA645 35mmF3.5AL[IF]」も使用した。結果としては逆光特性や色収差の面ではわずかながら「FA645 35mmF3.5AL[IF]」が有利と判断したが、周辺での解像感は「A645 35mmF3.5」がやや上回ると感じられ、トータルの描写では「A645 35mmF3.5」は勝りこそすれ決して負けていないと思われた。「FA645 35mmF3.5AL[IF]」とはだいぶ描写性に開きがあるのではないかと考えていたのでこれは意外な結果であった。

FA645 45-85mmF4.5FA645 45-85mmF4.5

「PENTAX 645D」+「FA645 45-85mmF4.5」作例

カメラ:PENTAX 645D/レンズ:FA645 45-85mmF4.5(70mmで使用)/露出モード:絞り優先AE/絞り:F16/シャッタースピード:1/4秒/露出補正:-0.7EV/ISO感度:200/WB:太陽光/カスタムイメージ:鮮やか/RAW(DNG/Adobe Camera Rawにて現像)
どの焦点域でも非常に優秀な描写が得られており、このレンズの選択は正解であった。実際の撮影時の使用頻度も80~160mmと並ぶほどで、645Dと組み合わせるのに最適な標準ズームと考えてよいだろう。645D用交換レンズの最初の1本としてはいち押しである。中古で入手した個体だが描写性はまったく問題なく、良い買い物であった。

A645 80-160mmF4.5A645 80-160mmF4.5

「PENTAX 645D」+「A645 80-160mmF4.5」作例

カメラ:PENTAX 645D/レンズ:A645 80-160mmF4.5(160mmで使用)/露出モード:絞り優先AE/絞り:F16/シャッタースピード:1/25秒/ISO感度:100(拡張感度)/WB:太陽光/カスタムイメージ:鮮やか/RAW(DNG/Adobe Camera Rawにて現像)
絞り開放付近ではやや描写に甘さも見られたが、F8以上に絞り込むと十分な画質が得られる。MFのためフォーカシングとズーミングの2つの操作が必要でやや面倒だが、これは慣れの問題だ。この個体ではズームリングがやや固かったが、持ち運びの際に自重で鏡筒が伸びてしまうようなことはなかった。鏡筒のガタツキは皆無で機械精度は非常に高く、その点での信頼感はかえって高い。中古市場では格安で売られているが程度の良いものなら十分使用可能と判断した。

A645 200mmF4A645 200mmF4

「PENTAX 645D」+「A645 200mmF4」作例

カメラ:PENTAX 645D/レンズ:A645 200mmF4/露出モード:絞り優先AE/絞り:F8/シャッタースピード:1/100秒/露出補正:-0.3EV/ISO感度:200/WB:太陽光/カスタムイメージ:鮮やか/RAW(DNG/Adobe Camera Rawにて現像)
破格の値段で入手した割には、描写はまずまずといったところ。アウトフォーカス部分での色収差がやや目立つが、ピントの合った部分の描写は良好だ。35mm判換算で約160mmの焦点距離はあまり登場の機会はなかったが、小型軽量なので荷物としてもそれほど気にならなかった。望遠でのピント合わせもフォーカスエイドが働くためまったく問題ない。ただ、ズーミングで構図の微調整をしたい焦点域なのでやはり「FA645 150-300mmF5.6ED[IF]」が欲しいと感じたのも事実だ。

FA645 300mmF5.6ED[IF]FA645 300mmF5.6ED[IF]

「PENTAX 645D」+「FA645 300mmF5.6ED[IF]」作例

カメラ:PENTAX 645D/レンズ:FA645 300mmF5.6ED[IF]/露出モード:絞り優先AE/絞り:F16/シャッタースピード:1/125秒/露出補正:-0.7EV/ISO感度:400/WB:太陽光/カスタムイメージ:リバーサルフィルム/JPEG(L/画質 スーパーファイン)
35mm判換算で約240mm相当であるから、一般の被写体よりも遠景や朝夕の太陽などの被写体が多くなるため、描写性の判断はしにくいが、実用上は十分な画質が得られているといえるだろう。また、日光が画面内に入るような場合や作例のようにゴーストが発生しやすい条件でも逆光特性は極めて優れていた。このあたりはさすがに単焦点レンズならではのメリットだろう。

FA645 マクロ 120mmF4FA645 マクロ 120mmF4

「PENTAX 645D」+「FA645 マクロ 120mmF4」作例

カメラ:PENTAX 645D/レンズ:FA645 マクロ 120mmF4/露出モード:絞り優先AE/絞り:F16/シャッタースピード:1/50秒/ISO感度:200/WB:太陽光/カスタムイメージ:鮮やか/RAW(DNG/Adobe Camera Rawにて現像)
このレンズは645D実写レポートの詳細レビュー編でも作例を使用したが、極めてシャープな描写が得られており、この個体での描写性はまったく問題ないといえる。ただ、このレンズの傾向としては前後のぼけ部分で二線ぼけ傾向がかなり強めに出ていたので、作例のようにマクロ域よりもやや距離を置いた中距離でのぼけ味を生かした撮影では、あまりきれいなぼけは得られないかもしれない。

 今回の中古レンズ購入体験を通していえることは、購入した645用レンズは6本とも性能面で問題は見られず、どのレンズも個体差が少なく非常に優秀な描写結果が得られたことだ。中古レンズの場合、どのような使い方をされたかはわからないのでコンディションの部分で不安な面があるのに加え、レンズ自体の個体差も考えられるので、ある程度のリスクは考慮しておかなければいけないが、幸い今回購入したレンズには不具合は見られず、十分実用に耐えるものばかりであった。これは、ペンタックス645用レンズでは基本的に個体差が少なく、そしてユーザーもカメラ慣れしたユーザーが多く、コンディションが比較的良好に保たれていたからではないかと想像される。
 マニュアルフォーカス時代のAレンズについても、コーティングなどの面で最新のFAレンズには及ばないものの、鏡筒の機械精度としては逆に安心感が高く、トータルの画質面では十分使用に耐える性能を持つことがわかった。また、当然ながら最新のFAレンズなら機能面を含めまったく問題なく使用できることも確認できた。この結果から、従来からのペンタックス645シリーズのユーザーであればボディを購入するだけですぐにでも645Dに移行できるといえる。

 筆者が考えたレンズ構成については、広角側を35mm単焦点と45~85mmズームとしたのは画質面を考えるとおそらく最善の選択であり正解であったといえるが、さらに広角側にもう1本欲しいと感じた。この部分は広角単焦点のD FAレンズがリリース予定とされているので、早期発売を期待したいところだ。また80~160mmズームよりも望遠側を単焦点レンズで構成したことについては、画角調整の自由度や使い勝手の面で筆者的にはやや不満を感じた。そのためゆくゆくはこの焦点域もズーム化を考えていきたいと思う。
 総じて645Dと組み合わせるレンズとしては、機能面も含めて考えれば現行FAレンズが最適であるが、MF方式のAレンズでも十分な画質が得られることがわかった。また、すべてのケースで当てはまるとはいえないが、中古レンズでも程度の良いものを選ぶ限り、十分な性能を期待できる場合が多いこともわかった。今回の「PENTAX 645D」関連のレポートでは、新しい切り口でお送りしたが、「PENTAX 645D」を導入しようとお考えの方々に少しでも参考になれば幸いだ。

各レンズのPENTAX 645D装着時の外観写真

PENTAX 645D + A645 35mm F3.5

PENTAX 645D

A645 35mm F3.5

PENTAX 645D + FA645 45-85mmF4.5

PENTAX 645D

FA645 45-85mmF4.5

PENTAX 645D + A645 80-160mm F4.5

PENTAX 645D

A645 80-160mm F4.5

PENTAX 645D + A645 200mm F4

PENTAX 645D

A645 200mm F4

PENTAX 645D + FA645 300mmF5.6ED[IF]

PENTAX 645D

FA645 300mmF5.6ED[IF]

PENTAX 645D + FA645 マクロ 120mmF4

PENTAX 645D

FA645 マクロ 120mmF4

» 杉本利彦氏がどんな理由でこれらのレンズを購入したかについてはこちら
  PENTAX 645Dレビュー:杉本流レンズシステム構築計画・購入編

撮影/レポート:杉本利彦

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