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コシナ NOKTON 25mm F0.95 実写レポート

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公開日2010年09月03日

 趣味性の高い魅力的な交換レンズを多数リリースしているコシナから、マイクロフォーサーズ用単焦点レンズ「フォクトレンダー NOKTON 25mm F0.95」の発売が発表された。マイクロフォーサーズ規格初のサードパーティ製レンズであり、またそれが通をうならせるレンズメーカーであるコシナ製であるがゆえ楽しみは尽きない。今回は筆者が所有する「オリンパス・ペン E-P2」に本レンズを装着し、夏の余韻が残る神戸をスナップしてみた。

緻密で上品なタッチのピントリングを持つマニュアルフォーカス専用レンズ

「オリンパス・ペン E-P2」に「ノクトン 25mm F0.95」を装着筆者の「オリンパス・ペン E-P2」に「ノクトン 25mm F0.95」を装着。金属のボディ同士が響き合いなかなかいいムードだ。フィルターサイズは52mmと小径で、小型なPENシリーズのスタイルともぴったりマッチしている。 「ノクトン 25mm F0.95」絞りリングはレンズ先端部にあり、半段クリックで確実に操作できる。カメラ本体と情報通信していないため、ファインダー内の表示部にも絞り値は表示されない。被写体を見て撮影意図を決め、必要とする絞り値を自身の考えで入力していく。  まず「フォクトレンダー NOKTON 25mm F0.95」(以下「ノクトン 25mm F0.95」)のアウトラインを簡単に説明したい。「ノクトン 25mm F0.95」はマイクロフォーサーズ規格に準拠する単焦点標準レンズだ。最大の特長はF0.95という開放値にあり、また対角線画角は47.3度でナチュラルな視野角が得られる。“ノクトン”とはフォクトレンダーブランドにおけるレンズ名称で、夜を意味するNoct (Nokt)がその語源。フォクトレンダーでは開放値が明るいレンズシリーズにこの名称を用いるのが通例であり、夜間や暗い室内でも撮影可能であることを示している。同様のコンセプトを持つレンズとしては、絶版となり久しいニコンの「Ai-S Nikkor 58mm F1.2 Noct」も有名だが、今回の「ノクトン 25mm F0.95」の開放値はさらに明るい。
 さて「ノクトン 25mm F0.95」は、コシナ製らしくマニュアルフォーカス専用レンズだ。本体は金属製の筐体で構成されており、しっかりとグリスアップされたピントリングのタッチは緻密で上品。また電子接点を廃したシンプルな構造を採用。カメラ本体とレンズはいっさい情報交換を行わず、絞りリングはカメラと連動せず独立で動作し、撮影は実絞りで行う。したがって例えばF5.6を選択すれば、絞り込まれた状態でファインダーに画像が映るわけだ。一般的な一眼レフカメラであればファインダー像が暗くなってしまうのだが、マイクロフォーサーズ機は背面液晶モニターやEVFをファインダーとして使用するため、実絞りであってもファインダー像は暗くならず撮影そのものに支障は生じない。
 それでは「オリンパス・ペン E-P2」で撮影した実写画像を見てみよう。なお実写画像は、絞り開放から徐々に絞っていくとどうなるかを、絞り値ごとに順を追ってご覧いただきたい。

「NOKTON 25mm F0.95」実写画像

画像をクリックすると等倍サイズの画像(3.6~7MB)を開きます。

F0.95

「NOKTON 25mm F0.95」実写画像:1/7

カメラ:E-P2/レンズ:NOKTON 25mm F0.95/露出モード:絞り優先AE/絞り:F0.95/シャッタースピード:1/20秒/露出補正:-1EV/ISO感度:100/WB:オート/仕上がり:NATURAL/JPEG(L/画質 SF)
絞り開放での被写界深度の浅さもさることながら、しっとりとした、丸みを帯びた革グローブの質感表現に目を見張るものがある。かなり暗い室内での撮影だったが、ISO 100の低感度で撮影することができたのも、レンズの明るさによるところが大きい。

F0.95

「NOKTON 25mm F0.95」実写画像:2/7

カメラ:E-P2/レンズ:NOKTON 25mm F0.95/露出モード:絞り優先AE/絞り:F0.95/シャッタースピード:1/250秒/露出補正:+2.3EV/ISO感度:100/WB:オート/仕上がり:NATURAL/JPEG(L/画質 SF)
絞り開放時には、軽微だが球面収差によるハロ(収差フレア)が発生。浅い被写界深度によるぼけと呼応して、このレンズ独特の描写が楽しめる。極めて慎重なピント合わせが必要ではあるが、カメラの拡大表示機能を使えば難なく撮影することができる。

F0.95

「NOKTON 25mm F0.95」実写画像:3/7

カメラ:E-P2/レンズ:NOKTON 25mm F0.95/露出モード:絞り優先AE/絞り:F0.95/シャッタースピード:1/125秒/ISO感度:200/WB:オート/仕上がり:NATURAL/JPEG(L/画質 SF)
ピントを合わせた位置のすぐ前後から大きなぼけが発生。主題を明確に表現することができる。マイクロフォーサーズ規格はセンサーサイズの関係から相対的にぼけにくい性質があるが、F0.95の明るさがあれば大きなぼけが発生。今までとは違う表現ができる。

F0.95

「NOKTON 25mm F0.95」実写画像:4/7

カメラ:E-P2/レンズ:NOKTON 25mm F0.95/露出モード:絞り優先AE/絞り:F0.95/シャッタースピード:1/60秒/ISO感度:200/WB:オート/仕上がり:NATURAL/JPEG(L/画質 SF)
ほんの数cm奥(手前)でもぼけのエリアに入っている。大口径レンズらしくぼけが大きく、また浅い被写界深度と軽微なハロによって神秘的な描写となった。ガラスや金属質の被写体ではシャープな部分とぼけが同居。一層ファンタジックな表現になる。

F2

「NOKTON 25mm F0.95」実写画像:5/7

カメラ:E-P2/レンズ:NOKTON 25mm F0.95/露出モード:絞り優先AE/絞り:F2/シャッタースピード:1/100秒/露出補正:-0.3EV/ISO感度:250/WB:オート/仕上がり:NATURAL/JPEG(L/画質 SF)
F2まで絞ると一気にシャープネスが上がり、繊細で高い解像感が得られる。それでも独特の柔らかさは依然保たれており、線が細く極めて上品なテイストに仕上がっている。このレンズの表現性の高さには驚くばかりだ。

F2.8

「NOKTON 25mm F0.95」実写画像:6/7

カメラ:E-P2/レンズ:NOKTON 25mm F0.95/露出モード:絞り優先AE/絞り:F2.8/シャッタースピード:1/200秒/露出補正:-1EV/ISO感度:100/WB:オート/仕上がり:NATURAL/JPEG(L/画質 SF)
F2.8では解像感がさらに向上、塗装の風合いや金属パーツの質感までしっかりととらえることができた。実絞りでの撮影では収差の変化が手に取るようにわかるので、ライブビュー画像を見ながら被写体やテーマに沿って最終的な撮影絞り値を決定していけばいいだろう。

F4

「NOKTON 25mm F0.95」実写画像:7/7

カメラ:E-P2/レンズ:NOKTON 25mm F0.95/露出モード:絞り優先AE/絞り:F4/シャッタースピード:1/2.5秒/ISO感度:100/WB:オート/仕上がり:VIVID/JPEG(L/画質 SF)
F4まで絞って撮影をするとご覧のようにパンフォーカスとなり、細部までしっかりとピントが合ったシャープな写真を撮ることができる。画像の隅々まで見てもこれ以上絞る必要はないことがわかる。この絞り値でこれだけの画質を得られるということは、低感度を保ったままの理想的な環境での撮影が可能だ。

 

絞り値を変えると被写界深度だけではなく、雰囲気までも微妙に変化していく

 実際に「ノクトン 25mm F0.95」を使ってみると、ほかのフォクトレンダーブランドの単焦点レンズと共通する特長が見出せた。なかでも画質に対して絞り値が担う役割が大きいことが共通点といえ、絞り値を変えると被写界深度の変化とともに雰囲気も微妙に変化し、それが絞り値ごとの独特の味わいを演出する。まず開放では、被写界深度によるぼけと開放時に発生する球面収差類が絶妙にブレンドされて、被写体をファンタジックに表現。「ノクトン 25mm F0.95」の真骨頂というべき画質が生まれる。絞り込んでいくと背景のぼけが減少していくのと同時に、開放時に発生していた各収差が収まっていき、F2.8付近で極めてシャープに解像。一般的なレンズの描写と同じになる。同様の描写傾向は開放値が明るいガウスタイプの単焦点レンズにも見られるが、この「ノクトン 25mm F0.95」は収差が収まるポイントが比較的はっきりとしており、そのポイントを頭に入れておけば確信を持って絞り値を決定することができる。
 フォーカスのタッチは極めてスムーズであり、トルクそのものは想像していたより軽い。個々の製品においては内部のグリス量で最終的なトルク感が変化することも考えられるが、今回使用したβ版に触れた限りでは操作性は極めて良好だ。ピント合わせのしやすさについては、装着カメラの機能や性能に左右されるため断言はできないものの、「オリンパス・ペン E-P2」では背面液晶モニター上で的確にピントを合わせることができる。またEVFでも映像を拡大表示させることで容易にピントが追い込めたが、解像力がやや低いEVFファインダーでは、操作性と安心感がやや低くなることを承知しておきたい。
 実絞りによる撮影となるため、撮影モードは絞り優先AEやマニュアルが適している。実絞りであってもレンズを通過した光が測光センサーに入射。ファインダー上に映し出されたスルー画の明るさを目安にして撮影することができる。純正メーカーのレンズにはないクセがこのレンズの味わいであり、いつもの風景をガラリと変化させる力を秘めている。マイクロフォーサーズ機のユーザーにとっては、この秋一番のプレゼントとなるであろう。

撮影/レポート:高橋良輔

※この記事はβ版を使用しています。そのため、実際の製品とは外観、画質、仕様などで結果が異なる場合がある点はご了承ください。

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