「柔らかい風」
担当 足の表情が愛らしくてかわいいですね。
広田 いいですねぇ。しかも男の子らしく外が気になっている。たとえば音楽の予習をするとして、まじめな女の子なら集中して外は見ないけど、多くの男の子は違うんです。外界や遊んでいる仲間などが気になって、机にのぼってまで外を見る。じつはこれ大事なことで、自然科学に対する興味や社会性を身に備える始まりなんですよ。ガリ勉でバラとチューリップの区別がつかないような子に、これからの日本を任せられると思いますか。社会性あってこそ、世界が見え、ビジネスの展開や家族のあり方などの考えも充実してくるはずです。短文で誤解も生じましょうが、子どもと世界の将来を感じさせる作品でしたので、あえて……。
「バトル」
広田 写真は瞬間芸といわれますが、いい瞬間をとらえました。
担当 にらみ合っている時間は長くても接近戦はすばやいですよね。だからよく撮ったと思います。
広田 ストレートにねらっているところがいい。しかも、この作品からは現代の国際社会が見えてくるようです。人間は動物と異なって理性を備えています。むだな争いを避け、地球規模での平和の促進を願う気持ちが湧いてきます。
「優しい雪の夜……」
担当 静かな光景ですね。
広田 そして女性らしいやさしいまなざしが特徴的でステキです。少しさびしげな光景のなかに、祈りが感じられるような気がします。まずは家族に対する思いでしょうか、事故や病で欠けることなく、平穏で無事な生活への願いが感じられます。選者は、写真のさびしさから、2007年に多かった弱者切り捨てと思われる政策や「偽」という文字が踊る事件など、未来への不安も感じとってしまいました。
「日曜日のデート」
担当 カーナビの東京のタイトルもそうですが、東京代表のひとつがこの提灯です。
広田 よく出てきますねぇ。でもこの作品は新鮮です。ポピュラーなものを自分の感性でとらえています。現代を表現しているところも見逃せません。
担当 現代……そうか、携帯だけではなく男性の髪型からも、ですね。
「夜の竹林」
担当 なんかこう、ちょっと違うような……不思議な感じです。
広田 昼の光景ではなく夜景、しかも夜なのに昼のように描写している。ちょっとしたマジックですよね。
担当 なるほど、そのギャップが不思議な感覚として表れてきているんですね。
広田 写真って、執念と工夫も大事ですね。
「早朝の舞い」
担当 キレイですね。神々しささえあります。
広田 本当ですね。じつに伸びやかなシーンを非現実の光景に演出しています。
担当 パソコンで?
広田 ほとんど撮影時に決めたものでしょう。降るような暖かな色彩は太陽のゴーストだと思います。嫌われ者のゴーストも、使いようによってはこんなに作品を魅力的にしてくれるんです。写真の常識と非常識を見直しましょう。
「瞬間」
担当 すっごい瞬間ですね。
広田 すげぇ。600mm近い望遠で流し撮りしながら反対から来る機体もとらえるというのは神業に近いですよ。まさに一瞬。
担当 ファインダーに入ったときは……。
広田 もう遅い。耳や勘を働かせても、シロートではこうはいかない。おみごとです。
「群衆」
担当 運動会の子どもたちです。
広田 模様みたいでおもしろい。運動会というとお定まりのかけっこ、騎馬戦などの写真が多いですが、俯瞰大ロングがむしろ新鮮です。運動会に望遠レンズという組み合わせは常識的ですが、使い方が変わっていて目を引きました。
「風邪の日」
担当 唇が乾いていて、熱っぽそうです。
広田 不安げでうつろな子どもの表情がよくとらえられています。このままでもいいのですが、コントラストを下げて顔の表情をもう少し見えるようにしたら、さらによかったと思います。なによりねらいがいい。
「Tinker Bell」
担当 イチョウの葉がきらきら舞っています。秋ですねぇ。
広田 キレイですね。そして家族の幸せなひとときが、何気ない雰囲気で描写されています。さりげなさがポイントですが、一見簡単に撮れそうですが、なかなか。
「夕闇に光る」
広田 恐竜の卵みたいですね、いやぁUFOかしら……。
担当 生暖かい風? で、樹木も適当に揺らいで怪しげでもありますね。
広田 周囲のお膳立ては整っているのに、肝心の卵が真っ白で健康的。やっぱ、作者はまじめなんだ。
「銀杏ガール」
広田 現実的光景ですよ。でもなんか、ふんわりとロマンチックな作品です。
担当 やっぱりモデルさんの演技によるのかしら。
広田 演技もさることながら、人柄とコミュニケーションだね、撮影者との……。
「迫る迫力」
担当 特等席での撮影ですね。コンサートならSS席。
広田 いやぁよく撮りました。このままでもいいのですが、左と下をトリミングすると、さらにさらに迫力が出たのにと惜しまれます。しかし、興奮のワンショットです。
「女の子と新型バイク」
担当 おっ、カワサキのZZR1400だ。
広田 素敵なバイクですね、私はくわしくありませんが機械としての魅力を感じます。そのバイクにライドした女の子の表情がいいですねぇ。誇らしげでうれしそうで、将来ライダーかなぁ。
「ついてこい、若造!」
担当 いいなぁ、この作品。
広田 なんともいえない味がありますね。後ろ向きですが、表情まで想像してしまいます。そしてタイトルが秀逸! いい作品を創る人って、タイトルが上手です。
「エレクトリカル集団」
広田 これは変わったというか、アヒルをかたどった照明器具ですね。いろいろ撮影して並べたものですが、おもしろいじゃないですか。並べ方も妙にリアルではなく、ちょっと芝居がかっていて眼を引きますね。
担当 パッチワークみたいでおもしろいです。
「太鼓の競演」
広田 いや、かっこいいですね。
担当 写真用にポーズをとったところかしら。
広田 かもしれませんね。できることならワイドで接近したかったですね、あと2、3歩。そうしたら迫力出たけどなぁ。縄張りなどがあって無理だったかなぁ……。
「大鳥居の下で舞う」
広田 対象物があると、その大きさがわかりますね。宮島の鳥居、私は見たことありませんでしたが、大きいものなんですね。
担当 そりゃ大きいですよ、僕も旅行で行きました。
広田 撮影時のフレーミングが上手ですね。写真も文章も俳句も、大事な基本はどこを活かし、どこを切るかというフレーミングです。
「定刻」
担当 北陸本線のデカメ、でしたっけ? かわいい電車ですね。
広田 本当だ。原型で大きなヘッドライト! まだあったんだぁ。で、この作品、ローアングルでいい感じにとらえました。最近は女性車掌さんも増えて、みなさんかっこいいんですよ。かっこいい車掌さんを、かっこよく写しました。
「あがった……かな?」
担当 雨が降っていたんですね。
広田 家の近所で撮影したようですが、なにげないスナップなのに、惹かれるものがあります。そうした魅力っていいですね。交響曲ではなく、ピアノの小品といった感じで、軽いタッチが心に残ります。
「でぇ~っかい恐竜と僕」
担当 タイトルの“僕”は、撮影者ではなく子どものことでしょうね。
広田 そうかもしれませんね。写真は類型的ではなく、ユニークなもののほうが歓迎されます。その意味で抜群の左右比です。既成概念にとらわれないことが、ものを制作する人の第一歩です。
「おはよう!!」
担当 どこかのローカル線ですか。
広田 最近のJRローカル線は、車両が画一化してどこの路線か判断しかねます。それはさておき、これはまさに被写体と撮影者のコミュニケーションから生まれた作品です。タイトル、いいですよ。
「撮影会」
担当 私も撮影会によく立ち会いますが、撮影者を見ているようで見ていません。だからとても興味深く拝見しました。
広田 なるほど、逆光で+0.5EV補正、それでみなさんの表情が浮き出てきました。ねらいと合致した手なれたところがみごとです。
「秋の夜長の煌めく姿」
担当 今月は飛行機の作品、多かったですね。広田 空が澄みわたった秋ですから。でもこの作品は夜ねらいでひと味変わっていました。テイクオフのいい瞬間をつかんでいますが、思い切ってもう一段遅いシャッターだと、さらに美しく煌びやかだったことでしょう。またトライしてください。
「ピッチャー」
担当 投げ方を心得ています。ちゃんと左足が上がっていますよ。
広田 子どもは天才、モデルとしても最高。撮影場所は駐車場のようですが、バックをぼかして子どもを引き立てた手腕はみごとです。シャッターチャンスもいいですよ。
「旅立ち」
担当 熱気球だけでもドラマチックなのに、なにやら“ねっき”を感じます。
広田 ドラマ撮影かしら、たしかに熱気ある光景です。手前の人物がシルエットだけに想像が膨らみます。しかし動画は大掛かりですね。そこにいくと写真は個人で手軽に楽しめるところに長所がありますね。
「ニアーミス」
担当 まさに、ヒヤッとした瞬間ですね。
広田 どのスポーツも危険がつきまといますが、サーフィンも例外ではないようです。うまくすり抜けてことなきを得たようで幸いでした。しかしこの作品、どんな場所から撮影しているのでしょう。高い位置なので堤防とか灯台とかの構築物からかもしれません。危険でなければいい位置です。
「上を見てごらん。」
担当 いい家族写真ですね、幸せそうで。
広田 だいたい写真を趣味にしていると、自分の写真はないものです。チャンスをみてミラーを利用するのは頭がいいですね。担当がいうように、幸せが写っています。いいなぁ。
「金魚」
広田 いやぁ、こういうキャラの金魚もいるんですねぇ、たまげた。
担当 スイホウガン(水泡眼)だそうです。
広田 これはもうストレートねらいしかないという感じで、なになにISO 1600に増感? 水槽は暗いんですね、しかし荒れていませんねぇ……。
「妖艶」
担当 シャボン玉ですね。
広田 そうですね、その美しさがねらいでしょう。モデルのライトが当たっていない側を画面に取り入れたことは、シャボン玉の輝きを活かすための配慮です。心憎い、ベテランにしてはじめてできる構成で、ムードある作品に仕上がっています。
「帰ろうよぉ~」
担当 チャーミングです。
広田 ハイキーにして女性の優しさを醸し出しています。露出を+0.7EVと設定しているあたり、心得ていますね。ヘアで目を隠しぎみにして、口元で感情を表現させたところも巧みです。
「賑やかな店」
広田 すごいね。入ってみたくなりそうだけど、この店知っていた?。
担当 出張で大阪に行くことしばしばありますが、この店かどうか、同じような店で飲んだことあります。
広田 品書きから価格まで読める先鋭度がまたすごい。店の魅力は描写力にあり!
「燃ゆるEXE」
担当 小田急の特急30000系ですね。
広田 そうです。この1年ですっかり鉄道ファンになりましたね。
担当 それくらいわかりますよ、EXEのデビュー当初から。
広田 斜めの構図がユニークだね。
「富士夕景」
担当 太陽が3つ!
広田 この光景を発見したとき、やったと思ったでしょうね。この光景、誰かに伝えたいという気持ちもあったと思うのですが、作品の場合、伝えたいのは場所の情景ではなく、作者の気持ちだと思うんです。驚きや感動が3つの太陽なら、そこを強調する工夫をしましょう。富士は添え物で結構。あなたならできると思います。
「視線」
担当 かわいらしいポートレートです。
広田 無表情というのが目を引きますね。室内撮影の小道具にカーテンが使われることがしばしばあるようですが、もっとも手っ取り早く家庭とか安心という雰囲気を出しやすく、いいですね。われわれの子ども時代は雨戸で、カーテンのある家に憧れていました。
「激突!」
担当 写真っておもしろいですね。肉眼では見えない光景が記録され、しかも瞬間が永遠に継続しているようにも見えて……。
広田 予期せぬ表情!
担当 ひょっとして、マサイ族の方なら見えたてりして……。
広田 彼らの獲物を追う眼力は、すごいものがありますからね。マサイ族にも勝る、シャッタースピードの選択が功を奏しました。
「お話しよっ!!」
担当 女性らしいやさしい作品、やさしいタイトル……。
広田 心が和みますね、とてもいい作品です。写真って幅が広いんです。人の数ほど(あるいはそれ以上)の幅です。しかもこうでなければという規定はありません。自分を信じ、自分の写真をこれからも撮り続けてください。
「MOTHER EARTH DNA」
担当 アメリカのアンテロープキャニオンだそうです。
広田 同じ場所で撮影した作品が何点か寄せられましたが、いずれも見ごたえがありました。色彩と質感から太古の地球を感じさせ、目にしたら忘れられないインパクトがありました。しっかり絞り込んで撮影している態度も、確かな作品にした要素のひとつでしょう。
「紅におおわれて」
担当 アップと全体、どちらも迫力ありますね。紅葉の応募はたくさんありましたが、なぜこの2点なのでしょう。
広田 たくさんあって、正直迷いました。しかしこの2点が究極です。自分のねらいを明確に打ち出している、そこがよかったのです。藤本さんの仰角の作品は住宅地近くにもかかわらず樹木の全体を取り入れて成功しました。武藤さんのアップの作品はぼけがキレイ。いずれも赤がとりわけみごとです。品がよいですね。
「玉ボケ万歳!」
担当 アップと全体、どちらも迫力ありますね。紅葉の応募はたくさんありましたが、なぜこの2点なのでしょう。
広田 たくさんあって、正直迷いました。しかしこの2点が究極です。自分のねらいを明確に打ち出している、そこがよかったのです。藤本さんの仰角の作品は住宅地近くにもかかわらず樹木の全体を取り入れて成功しました。武藤さんのアップの作品はぼけがキレイ。いずれも赤がとりわけみごとです。品がよいですね。
「妻とボク」
やわらかな階調と色彩、シンプルな背景と白い帽子に当たる日差しなど、すべてがやさしく柔和な印象を高めていますが、なんといっても奥様の表情が味わい深く、家族の前でしか見せないやさしさにあふれた素の姿が気負いなく写しとめられた一枚です。写真は強烈さと瞬間の感動が主題になるものもあれば、この作品のように、見つめているとゆっくり染み込むように味わいが増してくる「スローフード」のような作品もあります。撮り手との精神的な同期によって生まれた、自分をも含めた空気がよく伝わってきます。題名から奥様に対する愛情を強く感じました。
「最高潮」
2台の「ちょうさ」が並んでいちばんかっこよいポーズを決めた瞬間を、派手な色彩と青空が演出しています。祭りの写真といえば、動的で力強い激しい音など、写真から見えてくる場合が多いのですが、この作品はこのまま静止しているかのような錯覚を覚えます。すべてが計算されつくされた構成でまとまりすぎているのかと思いきや、強い存在感を感じて作品に見入ってしまいました。「わー、おー」という激しい雄叫びがピークに達したとき、一瞬時が止まり静まりかえったような、圧倒的な存在感とどこか絵空事のような非現実との境目をさまようような不思議な一枚だと感じました。
「肖像」
まるで黒バックのスタジオでシカを撮影したかのような、まさに「肖像」と呼ぶにふさわしい作品です。みごとな撮影技術によって一瞬、ハクセイ? と思いましたが、目が活き活きと命の輝きを放っていますね。生き物をここまで端正に描写すること自体、相当な実力を感じるのですが、作者の思いをもう少し込めてほしいと思いました。シカの口元や目元などに幾ばくかの動作が感じられれば、シカをひとつの個性としてとらえることができるでしょう。
「何処へ…」
すばらしいのひとことです。飛び立つ瞬間の絶妙のタイミング、ごく浅い最適なピント位置、やわらかで美しい色彩のグラデーションなど、じつにみごとな仕上がりだと思います。背景は単焦点レンズらしくキレイにぼけており、テントウムシの周囲の広がりを感じるには的確な画面構成です。じっと見ていると擬人化された昆虫の世界に引き込まれ、ついなにか台詞をつけてしまいたくなりました。「撮ることが困難な写真=価値ある写真」ではなく、クローズアップにしない写真表現としてのフレーミングは、図鑑写真では表せないやさしい心を感じさせ、好感をもちました。
「空へ」
影は少し変な形になって、本体より偉そうな顔をすることがあります。でも、陽が陰るとアッサリといなくなり、切なくなったりします。電柱の影を撮ることが好きな作者の気持ちが写真によく表れ、単にデザインとしてとらえるだけではない思いを感じます。壁の色や空の濃い青と白い雲はあくまで背景であり、電柱そのものと多くの電線が主役なのですが、堂々と直立する影にこそ大きな存在感を感じます。今度は影と実体が共存した作品や、影のある実体に迫った作品などに取り組んでみてはいかがでしょう。
「SAYAKA」
肌以外は落ち着いた色調でまとまり、モデルさんの意味ありげな表情と強い視線がうまく調和した作品です。所属写団の撮影会での作品とのことですが、じっくりと腰を据えた撮影現場が想像できる、みごとな仕上がりです。やや気になるのは、背景の緑やコートのファー、髪の毛の茶色など、色彩が浮いていて画像処理の行き過ぎを感じます。ここまで色彩を出そうとせず肌色はそのままにして、ほかは大きく彩度を抑えてもよいでしょう。逆に表情がもっと際立ってくるはずです。
「夕焼けデート」
夕暮れどきの遊園地で高台から眺める景色は、昼間の喧騒から静寂への狭間のときのように見えました。ジェットコースターがまるで生き物のようです。画面上部の木の葉も効果的で、意識をジェットコースターに引き寄せる役割をしています。もう少しワイドで撮影できれば、のぞき見たような閉塞感がなくなり、「高台、夕日、遊園地」という要素がストレートに伝わるでしょう。マット紙のため黒の階調がつぶれてしまっていますね。光沢紙を使って暗部の階調がしっかり再現されると、さらに味わいが増すでしょう。また、夕日の色彩はもう少し濃厚で鮮やかでもよいかもしれませんね。
「雨の事始め」
全員が雨のなかをほぼ同じ色彩の着物を着て、赤いそろいの傘を持ち、挨拶まわりに出かける姿が、石畳と彩度をなくした雨のなかで花開いていますね。全体にやや青傾向のWBと、ほかの色彩が抑えられて赤と無彩色の対比のように見える画面構成によって、しっとりとしたなかに華やかさが演出されていますが、やや散漫で単に色彩によるデザインのようにも見え、画面内で意識の中心が見えません。少し人数を減らすようにもう一歩踏み込むか、異なるタイミングの撮影を考慮してはどうでしょう。ひとりひとりの表情にもう少し動きがあれば、臨場感がさらに増すことでしょう。
「白の投影」
水滴を帯びた白いバラの花がクローズアップされ、淡くやわらかな色彩で表現されています。フレーミング自体が非常に個性的で、構図こそが意味をもった作品といえます。花の写真でもなく、クローズアップで切り取るおもしろさが出ています。デザインとしての写真として完成され、しっかりと作者の表現になっている点はみごとです。白い背景に白い花だけに限らず、赤い背景に赤い花など、こうしたシリーズで続けてみると、まとまりとして違った意味合いが追加され、「植物」としての本質を感じさせる味わい深い作品群ができあがるでしょう。
「そろそろ帰るか」
望遠レンズで遠近感を圧縮し、夕日で黄金色に照らされたウエットスーツのシルエット姿に力強い足どりを感じます。やや過剰とも思える輪廓強調処理も、この作品では功を奏し、日差しの強さと波打ち際の質感描写に貢献しています。題名から感じる印象と合わせると、もう少し広いフレーミングでもよかったのではないでしょうか。渚の広がりを強く感じさせることで、雄大さが作品に加わり、帰路につこうとするサーファーの存在もより明確に伝わってくるでしょう。主題をあえて画面の端に位置させるなどして、逆に存在をアピールできる場合もあるので、一度試してみてください。
「水面のような」
ひと目見て、天地が判然としない不思議な印象をもつ作品ですが、実際には題名からわかるように、空と雲で、天地が掲載とは逆の向きのようです。日没後の赤い地平線から天頂の紺色へとダイナミックに変化する色彩に、美しい造形の雲が重なって、絵画の味わいをもつすばらしい作品に仕上がっています。色彩もあえて抑え、ダークな印象とし、天地を逆転させたことで、摩訶不思議な印象を演出することに成功しました。しかし、天空へと広がるスケール感は逆に失われてしまいました。作者も迷われたと推測しますが、私はノーマルな天地のほうが好きです。
「塀」
素人仕事とひと目でわかってしまうトタン塀に絡まる緑の植物が、生命感にあふれ、中望遠レンズのやわらかなぼけと、全体を構成しているダークな色調がさらに緑を引き立てています。通りすがりにふと目にとまった世界なのでしょうが、意味もなくうれしくなるような、ストレートで気負いがないシンプルな感動が伝わってきます。植物の姿も吊り物の生け花のように、非常にバランスのよい形で、自然の姿の美しさを感じさせてくれます。雨のためしっとりとした階調で、少しだけ青傾向のカラーバランスが自然な空気を感じさせる、なに気ないやさしさが漂う作品です。
「ライン」
土砂降りの最終コーナーに残るライン取りの跡は個性的で、モーターサイクルの醍醐味を感じさせてくれます。渋くて濃い青一色の画面に、唯一ストップランプの赤が印象的で画面の傾きもドラマチックに感じます。また、画面上部のゼブラ状のエリアもコーナーであることを意識させるのに非常に効果的です。とかく車の性能などハード面に注目しがちな世界ですが、ストップランプも含め、ドライバーという人の意識を感じさせてくれる一枚です。
「夕紋」
まるで年輪のように広がる波紋が印象的でやさしく、夕方のやわらかい色彩が、なだらかなグラデーションを作って全体を暖かく構成しています。静の世界に小魚を捕る小さな波紋が動きを追加し、写真全体を活き活きとさせています。最初から白サギを主役と考えるだけなく、波紋が作る世界を意識して中央からサギをずらし、サギの大きさを抑えた画面構成はじつに巧みです。主題と全体を構成する雰囲気が巧みに融合した日本画の世界を感じさせてくれる作品です。
「物体」
波打ち際に打ち上げられて貼り付いている布、砂の一粒一粒の感触、強風に吹き飛ばされる砂と水しぶき、そして遠くに見える波頭と空の調和から生まれる緊張感が、この写真を現代アート作品へ昇華させています。見る人はこのスケール感のある作品から、さまざまな感覚を感じ取ることができます。引き締まったブラックの調子とグラデーションの美しいプリントの調子も申し分なく、インパクトの強い作品に仕上がっています。
「暮色」
夕暮れどきの空におおらかに弧を描く橋と、なめらかなシャドウ部分のグラデーションに吸い込まれるような気持ちがする、たいへん美しい作品です。この作品を典型的表現から逸脱させているのは、近くの建物から反射した光が、橋脚をドラマチックに演出している点です。作者のセンシティブで美的なものの見方を感じさせる、魅力的な作品です。やわらかいテクスチャのある厚手のペーパーを使っているのも、この作品の表現をユニークなものにしています。
「路面電車のある町」
路面電車の通る、東欧の街のひとコマです。この作品の第一の魅力は、街並みと路面電車が望遠レンズで圧縮されて平面的になっているため、リアリティの描写性が希薄になり、リトグラフ(石版画)に近いような表現になっているところです。左右に行き交う電線や歩行者も、リトグラフのように平板になっているところがおもしろい。なめらかで豊かな階調性がもうひとつの大きな魅力で、ビルのハイライトとシャドウ部のコントラストがとても美しく表現されています。時間を忘れて細部までのぞき込んでしまう作品です。
「秋景」
秋の夕陽を感じ、思わず立ち止まった道端の風景。カーブミラーに映る秋の夕陽に、白く光るガードレールと背景がデフォルメされています。ミラーのなかにはミラーそのものの影も映っている。そのまわりには逆光に光るススキの穂。このふたつの風景の対比から、鏡のなかから誰かがのぞいているような気配がします。光が交錯する不思議な魅力をもつ、刺激的な作品です。
「線路は続くよどこまでも」
しゅっしゅっぽっぽ……。子どもたちがどこまでも続く線路を地面に描き続けています。描いている子どもたちも、列車に乗ってどんどん遠くへと行きます。よく見ると、自分たちの姿を描いた絵もあるようです。3人の子どもたちの頭のなかでは、それぞれの夢の旅がすでにはじまっているのでしょう。そんな写真を見ている私も、いつの間にか子どもたちといっしょに旅をしはじめています。子どもたちがくるくると回りながら夢中で線路を描いている「命の一瞬」をみごとにとらえた作品です。
「古道」
草木が生い茂った山道を日傘をさしながら歩いている女性。生のままの自然と、小さく表現された現代的な女性の対比に興味がひかれる作品です。作者のコメントから、和歌山県の熊野古道で撮影した作品であることがわかりました。時間のトンネルのなかを通過していく生命の感覚が、どことなく感じられる作品です。
「ガラスの向こうの誰か」
これはどのような状況でとらえられた影なのか……。一瞬、レタッチで合成された画像かと思いましたが、作者のコメントによるとガラスに映った作者自身の影を撮影したものとのことです。撮影時に作者が創造した合成画像ですね。見ていると、半透明の足が動き出して、メルヘンの世界に入っていってしまいそうに思える空想的でユニークな作品です。さて、この物語の展開は?
「HAND」
フラメンコを踊るような手のしぐさを、影とともにとらえた作品です。背景の光の調子がおもしろいので、作者の心の動きを表面化して訴求ポイントを明確にすると、さらに印象的な作品になるように感じます。近代写真の父と呼ばれるアルフレッド・スティーグリッツは、妻ジョージア・オキーフの手の作品を何枚も残しています。ストレートで官能的な彼の作品の表現は、一見の価値があると思います。
「利き手」
野球の練習中、ネット裏に干してあるTシャツ。利き手の袖が乾くように並べてあるところをとらえたようですが、この写真の魅力はそのシャツの形がネットの模様と重なって表現されているおもしろさと、シャツのイヌの絵柄が階段状のネットの糸とパンツに重なっているところを、作者によって「デザイン」されたところだと思いました。ユーモアのある楽しい作品です。
「白い樹」
作者は民家の壁に立てかけられたミツマタの木に、異様な存在感を感じたとコメントしています。暗い民家の壁を背景に浮き上がる白い木からは、切り取られたあとでもそれ自体が力強く美しい生命力を放出し続けているように感じます。プリントの階調やコントラストも自然で美しく、ダイナミックレンジを目いっぱい使った仕上がりになっている質の高いものです。
「朝の光」
斜光線が描き出したテーブルと床。そのテクスチャと影を、作者の創造的なビジョンで抽象的にとらえて表現した魅力的な作品です。影は複雑に入り組んでいながらも、全体としての調和が存在していて、現代的な新鮮さが感じられる味わいのある作品です。
「秋の一片」
逆光でとらえたススキの穂。そのゆらゆらと揺れ動く姿は、誰でも作品にしたくなります。が、あまりにも見慣れた対象ですので、典型表現から抜け出すのがたいへんむずかしいものです。この作品は、黒く締まった背景に逆光に浮かび上がる穂が美しく、また、ひとつだけ穂が開いて輝いているのがアクセントになっています。光り輝くたくさんの穂の表現をもう少し工夫すると、作者が目指す「幽玄の世界」がさらに印象づけられるように思います。
「ドール」
現代の日本社会には幼児性と猥雑な世俗性が交錯していますが、この作品はそのような一面を作者の鋭い目でとらえて表現しているようにみえます。くしゃくしゃになって捨てられているドールの無邪気な表情と、その汚れた姿をとらえたこの写真から強いメッセージが伝わってくるように思えるのは私だけでしょうか。
「雨の日」
雨の日にふと発見した路上のモミジの葉が、道路のテクスチャとともに表現されたシンプルで美しい作品です。いま散って落ちたばかりの葉と、ちぎれて朽ちていく葉が、デザインされたように抽象化されて配置されており、ユニークで新鮮に感じます。トーンを前面に押し出さず、抑えぎみにしているところにこの作品の味わい深さがあります。和紙などを使って表現してみるのもおもしろいかもしれません。
「心眼」
いままでの応募作品にはなかった組み方なので、非常に新鮮で、迷いなく優秀賞に選びました。組み方、構図、ライティングなど、すべてにおもしろさを感じます。片目を隠しているところや、おもちゃっぽくない妙に機能的なおしゃぶり、左下部分のディテールも、写真を魅力的に見せるうえでの効果を発揮しています。2枚の構図はまったく同じなのですが、目を閉じている写真からはやさしさややすらぎ、目を開けている写真からは力という、静と動のふたつの相反するイメージが伝わってきます。赤ちゃんを被写体にしたときに陥りがちな、かわいいだけの記念写真にならず、ふたつのイメージを表現するためのアートになっているのです。顔だけを浮かび上がらせるような処理や、プリント用紙の選択、プリント技術なども完璧といえるでしょう。ここまでできて、コンテストに応募するのはこれが初めてというのだから驚きです。もっとほかの作品も見てみたいと思わせる作品ですね。
「瞬間の輝き」
こちらも優秀賞と同じく、新鮮さを感じました。人物の写真を撮る場合、どうしても型にはまったような撮り方になってしまいがちななかで、このシャドウを落とすという手法は、非常におもしろい表現方法で、パッと見たときのインパクトがあります。写真は、描き込んでいく絵画と違って、自分がなにを見て、それをどのようにして表現するのかを考え、いろいろなものを省略していく作業が必要です。その点でこの作品は成功している好例で、おもしろさを感じながら撮っていて、そのおもしろさが写真から伝わってきます。被写体をどのように表現すれば、作品の意図を見る者に伝えることができるかを考えながら撮っているからこそ、こういった作品を撮ることができるのでしょう。
「夢」
なんていうことない被写体を絵画的に撮ることができている作品です。橋本さんの作品は1年間毎月見てきましたが、どれもテイストが同じながら、題材はまったく違うものであるため異なった印象を与えられるというところに実力を感じます。それだけものを見る力に優れていて、同時に光の使い方、切り取り方がうまいということでしょう。とくに光の使い方に関しては、時間を選ばなければならないものを、いちばんいい時間に撮っているのがすごいです。もともとうまさを感じさせましたが、回を重ねるごとにどんどん上達しているので、今後がさらに楽しみです。
「窓」
よくこんなところを探し出しましたね。窓にこんなにいろいろなものを貼っている家は見たことがありません。これは住んでいる人のセンスと、これらの写真を選んで組写真にした人のセンスがうまくかみ合った作品といえます。このような写真が100枚集まったらどうなるんだろうとか、カラーだったらどんな感じなんだろうとか、いろいろと興味をそそられ、もっと見てみたいと思わせるところがいいですね。こういった窓を撮ることをライフワークにして、時間や季節を変えながら色や光の異なる写真を撮り集め、写真集や個展などでまとめて発表してもおもしろいと思います。
「静寂の朝」
工事現場というのは、こんなに色があってキレイなものだったんですね。朝の光も含めて配色がみごとで、パッと見、着物の柄のようにも見えます。フレーミングもうまく、気持ちのいい配置になっています。誰もが見過ごしてしまうような場所に目を向けて、朝方の人がいない時間帯に撮ればキレイに撮れるということに気づいて撮影したことが、勝利の要因といえるでしょう。
「戸川公園逆像」
映り込みの写真だけで組み合わせることで統一感をもたせた、組写真の利点を活かした作品です。なかでも1枚目の橋の写真が効果的で、こういった大きいものの映り込みを撮ることで目を引きますし、ほかの2枚の写真も引き立ってきます。もし1枚目の写真がなかったら、これほどキレイな印象を与える作品にはならなかったでしょう。大きいものから徐々に小さいものになっていくという順番もよかったと思います。
「光と影と三日月と。」
旅行に行ったときのスナップとのことですが、本当にいい風景を焼き付けてきましたね。特別なものが写っているわけではないのですが、写真のなかからいいイメージが湧き上がってきます。とくに2枚目の光と影のバランス、3枚目のアングルや構図に秀逸さを感じます。また、まったく異なる被写体ながら、写真のトーンが共通しているので、3枚がバラバラになることなく、気持ちよく見ることができます。
「逆さ富士が撮りたくて」
なんてことはない富士山の写真なのですが(失礼!)、作者は画面の隅々にまで気を配り、撮影されていますね。じっくりと時間をかけて撮影されたようですが、待った甲斐がありました。じつに雄大でスケール感のある作品に仕上がっていると思います。作者はこの作品以外にも富士山を撮られていましたが、富士山という被写体に向ける作者の情熱がこの一枚に凝縮されている気がします。無駄のないフレーミングにくわえて、この色彩感覚がすばらしいと思いました。右端に浮かぶボートもとてもよいアクセントになっています。ひとつの被写体を一生懸命に撮り続けた、作者の根気が生んだ傑作ではないでしょうか。
「皆見上げる」
飛行機の迫力もさることながら、それを見上げる人々の配置が絶妙ですね。偶然とはいえ、すごい! のひとことです。飛行機という動く被写体と、それを見上げる人間をこういったかたちでうまく画面内に収めるのは、至難のワザだと思います。「ここで撮ればこんな写真ができあがる」と頭のなかに思い描いてから撮影されたのであれば、作者のセンスに敬服します。とてもインパクトの強い作品ですね。
「人馬一体」
疾走する馬と矢を放つ人との呼吸がみごとに一致した、すばらしい瞬間を押さえましたね。流鏑馬の迫力がひしひしと伝わってきます。左端に観客を入れたことで、緊張感ある現場の空気感もよく表現できています。ただ、むずかしいことを承知でいわせてもらえば、背景の白いクルマが、せっかくの作品を台なしにしている気がします。いっそのこと、背景に観客がくるようなアングルで撮られたほうが、よりいっそう緊張感の伝わる作品になったのではないでしょうか。その点だけが残念でした。
「残照の中で」
撮り方ひとつで被写体がこんなにも変わるのか……といった感じですね。造船所の大型クレーンを夕日が沈む残照のなかで撮影したことで、とても雰囲気のある作品になりました。作者のセンスのよさを感じます。この作品以外にも、作者は独特のカメラアイで、光をうまく読んだ作品を多く撮られていました。これからもこの調子でたくさんシャッターを切っていってください。期待しています。
「出ちゃうんだよね」
フレンチブルドッグの独特の顔をおもしろく見せている点に魅かれました。この作品はアングルのよさがすべてですね。背景に余計なものが入っていないうえ、黒い背景ですので、この白い顔がいっそう引き立ちました。ただ、いつも舌を出しているフレンチブルドッグのかわいさを表現するのであれば、舌先まできちんと入っていたほうがよかったと思います。
「先行争い」
競馬のスタート直後の作品ですが、動きのある被写体をいい構図でとらえていますね。観客席から撮ったようですが、プロ並みに撮れているんじゃないでしょうか? 背景を見てもきちんと平行で撮れていることがわかりますし、馬の入れ方もじつに絶妙です。ここまでいくと、競馬雑誌に掲載されてもいいのでは?(笑)。いつもよく行かれる競馬場のようですので、今度は競馬のいちばんの醍醐味である、ゴールの瞬間をねらってみてください。
「初雪の滝」
現場の空気感がとてもよく伝わってきます。雪の舞い散る竜頭の滝の静けさを表現するためにモノクロ化されたそうですが、それが非常によかったと思います。冬の滝の寒々しさを上手に表現されていますね。余計なものを入れずに大胆に切り取ることで、竜頭の滝の迫力が増し、幻想的なすばらしい作品になりました。
「sexy night」
ユリの花をとても艶っぽく撮りましたね。花びらに水滴がつくことによって、印象度がかなりアップしています。背景もシンプルでいいですね。ユリの花がとてもお好きなようですが、どのように見せればユリの花を魅力的に表現できるのか、そこをよくわかって撮影されている気がします。
「見惚れるほど」
この視線の先にはなにがあるのかな? と想像力がかきたてられる点がいいですね。視線の先にあるなにかに夢中なのが手にとるようにわかるというところが、この作品の最大の魅力だと思います。シンプルな構図も、よりいっそう作品のよさを引き出しました。
「時空の狭間で」
お子さんの何気ないショットですが、カメラアングルがとてもいいですね。遊び疲れてしまったのでしょうか……。お子さんの自然な表情と構図のよさに惹かれました。コンパクトカメラは身軽に持ち運べるのが最大の魅力です。これからもお子さんの成長を独自の目線で追い続けてみてください。
「We are No.1!!」
胴上げの瞬間をいいアングルでとらえていますね。私も胴上げはよく撮影しますが、胴上げの瞬間をうまく押さえるのはかなりむずかしいので、この写真は本当にうまく撮れていると思います。表情もいいですし、指を高く上げているところもいいです。ただ、手前に写っている子どもたちの帽子はトリミングしたほうがよかったかもしれません。
「light purpleな食卓」
構図や色構成など、すべてをきちんと考えて撮影されていることがよくわかります。背景も花も紫色で統一することで、とてもやわらかい感じのするステキな作品になりました。上に空間をもたせたこともよかったと思います。こういった作品は、空間の使い方ひとつで作品の印象が変わるので、その点も評価しました。
「思慮の道」
この作品を見ていると、思わずシャッターを切りたくなる気持ちがよくわかります。整然と並んだ木々がここまできれいに色づいていると、どうしてもカメラを向けたくなりますよね。画面の隅々まできちんと気を使って撮影されている点もいいです。ここに鳥が1羽でもいると、もう少し味が出ておもしろかったかも?と思いました。
「白く咲く」
ツバキの花の魅力を存分に見せている画面構成ですね。ツバキの花ってこんなにステキだったかな? と思ってしまいました。空間と色構成が絶妙で、見ていてとても落ち着く作品です。今回は1枚だけの応募でしたが、もっといろいろな作品を見てみたい作者ですね。