デジカメエキスパート 虎の巻

テクニックを知る ― 写真撮影の基本的な考え方やよりよい写真を撮るためのテクニック

風景を撮る 2/2

被写界深度と焦点距離・撮影距離

被写界深度は、レンズの焦点距離や被写体との距離によっても違ってくる。
焦点距離の短いレンズほど被写界深度が深く、焦点距離が長いレンズほど被写界深度は浅くなる。つまり広角レンズは被写界深度が深く、望遠レンズは被写界深度が浅いわけだ。
また被写体との距離(撮影距離)が遠いほど被写界深度は深くなり、近いほど浅くなる。
つまり、遠くにある被写体を広角レンズでとらえるとき、絞りを開けてもぼけの効果はあまり望めない。また逆に、近いところにある被写体を望遠レンズで撮影するとき、絞り込んでも背景はぼけるということだ。
そのため、望遠レンズでの撮影など被写界深度が浅くなってしまう条件で撮影するときは、ピントを合わせたい部分を、できるだけカメラの撮像素子と平行にするといった工夫が必要になってくる。

被写界深度が深い広角レンズ 12~24mmレンズで撮影。広角レンズは被写界深度が深くなるので、絞りF8で手前のパラソルから水平線までシャープに写る

被写界深度が浅い望遠レンズで撮影 200mmのレンズを使い、絞りF2.8で撮影。望遠レンズは被写界深度が浅いので、背景が大きくぼける。背景をすっきりさせ、主題を浮き上がらせたいときに効果的だ。遠近感や立体感が強調される

パンフォーカスに撮る

「パンフォーカス」というのは、画面の手前から奥までピントが合っているように見えるという意味。近景から遠景までシャープに見せたいときに使われる手法。焦点距離の短いレンズの被写界深度の深さを利用して撮影される。

パンフォーカスに撮影 この写真は広角ズームレンズの16mm(35mm判換算24mm相当)を使い、池に浮いている蓮の葉(手前に近い場所)にピントを合わせて撮影した。絞りはF8。手前から奥までしっかりシャープに描かれ、パンフォーカスで撮影ができた

Note 絞りすぎに注意

F値を大きくする、つまり絞り込むときに注意すべきことに「回折」という現象がある。絞り込むということは、光が小さな穴を通ってくるということだが、そうした場合に、光が絞り羽根の周辺に回り込む現象をいう。これにより、画像のシャープさが落ちることにつながる。必要以上の絞り込みは避けたい。

POINT

  1. F値を大きくすると(絞り込むと)被写界深度は深くなる
  2. F値を小さくすると(絞りを開けると)被写界深度は浅くなる
  3. 被写界深度はピントを合わせた手前に浅く、奥に深い