誰にとっても、カメラを向ける機会がいちばん多い被写体は、人間ではないだろうか。ここでは、表情をしっかりと写真に残し、よりすてきな一枚を仕上げるためのハウツーを解説していこう。
大切な思い出を記録しておくために、旅先や会合などではきれいな記念写真を撮っておきたいもの。
しかし、どんなにいいシーンに巡り合えても、ピントがしっかりと合っていない写真では台なしだ。とくに、画面の中心が空いている構図で撮影するときは要注意。そんなときによくある失敗が「ピントの中抜け」である。多くのオートフォーカス機構は、基本的に画面中央でピントを合わせるようにできている。ピントを合わせたい対象が画面の中心にないときは「AFロック」を使おう。ピントを合わせたい部分を画面の中心においてシャッターボタンを半分押し込む。するとピントが合った時点でロックされる。この状態(半押し)で、ピント位置がロックされることやその方法を「AFロック」という。あとは構図を決めて、最後までシャッターボタンを押せばいい。
子どもは動きが速く、その動きを予想できないので、撮影しにくいもの。子どもに限ったことではないが、動いているものにピントを合わせるとき、オートフォーカスが追いつかないことがよくある。そんなときは「置きピン」といわれる方法が便利だ。
オートフォーカスをマニュアルフォーカスに切り替え、ピント位置を一定の距離に決めておく。あとはそのまま、設定したピントの位置に子どもが入ってくるのを待って、シャッターボタンを押せばいい。この方法が「置きピン」である。
また、子どもの動きと同じようにカメラも動かしながら撮影したり、シャッター速度優先AEモードで1/15秒くらいに設定して撮影したりすると、動きのある楽しい写真ができる。