デジカメエキスパート 虎の巻

テクニックを知る ― 写真撮影の基本的な考え方やよりよい写真を撮るためのテクニック

上級テクニック(1)フィルターの効果 2/2

NDフィルター

NDフィルターは、光量を減少させる効果があるフィルターである。光量が多い場所で絞り込みたくないときや、シャッタースピードを遅くしたいときに使用する。
NDフィルターには、その濃度によって号数がつけられている。ND2、ND4、ND8、ND400などがあり、それぞれ1絞り分、2絞り分、3絞り分、9絞り分シャッタースピードが遅くなる。これらはメーカーによっても多少違いがあるが、おおむねその効果は同様だ。光量を減少させるために使うフィルターなので、ぶれには注意が必要。

ND8を装着して撮影

フィルターをつけないで撮影

右の写真はフィルターをつけないで撮影したものだが、スローシャッターで波を雲海のように表現したいので、ND8を装着することにした。そうしてできたのが、左の写真。波の白い残像が雲海のように写った

ハーフNDフィルター

一枚のフィルターで、半分が無色透明、もう半分がNDフィルターの効果をもっているものを「ハーフNDフィルター」という。
画面の明暗差が激しいときに、画面内の明るい部分にフィルターのグレーの部分が当たるように装着して使用する。要するに、NDフィルターの効果を部分的に効かせるということだ。丸形よりも角形が主流で、専用のホルダーに差し込んで使う。

フィルターをつけないで撮影

ハーフNDフィルターを装着して撮影

朝夕では明暗差が激しい状態になることが多い。肉眼では見えている畑の部分も、フィルターをつけないで撮ると黒くつぶれてしまう。それを解消するためにハーフNDフィルターを使用した。フィルターのグレー部分を明るい空に、透明な部分に画面下部の畑が重なるようにセット。そうすると、画面内の露出差が小さくなり、右のように畑のディテールがしっかり出てきた

 

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