デジカメエキスパート 虎の巻

メカニズムを知る ― デジタルカメラやレンズのメカニズム、デジタル画像の知識を深める

シャッターの役割と効果

シャッターは撮像素子にどの程度光を取り入れるかを調節するための機構。シャッタースピードが速くなるほど、光は短い時間だけ取り入れられることになる。シャッタースピードが変わると、動いている被写体の描写が変化することを知っておこう。

機械式シャッター

デジタル一眼レフカメラなどで採用するシャッター機構で、撮像素子の前にシャッターユニットを装備する。機械式シャッターには、「フォーカルプレーンシャッター」や「レンズシャッター」などいくつかの種類が存在するが、現在のデジタル一眼レフカメラに採用されているのは、すべてフォーカルプレーンのタイプだ。これは、先幕と後幕の2種類の幕を用いて、ふたつの幕の動作に時差をもたせるもの。そうすることでふたつの隙間から光を通すというものだ。シャッターが閉じている間は物理的に光をさえぎっているため、撮像素子には光が届かないのが特徴である。また、現在発売されているデジタル一眼レフカメラはすべて機械式シャッターを搭載しているが、一部のモデルでは撮像素子を電気的にオン・オフすることでシャッターの役割を果たす「CCDシャッター」を併用するものもある。

CCDシャッター

CCDシャッターは、撮像素子であるCCDに当たる光を電気的にコントロールする機構で、機械式シャッターのような物理的な機構を必要としない。現在発売されているほとんどのコンパクトデジタルカメラの多くは、このCCDシャッターを搭載している。機械式シャッターに比べ、撮像素子周りの構造を簡略化できるのが特徴だ。また、電気的にシャッタースピードを調整するため、比較的高速なシャッターを作りやすいメリットもある。さらに、ストロボのシンクロ速度を高速化しやすいという優位性もある。ただし、CCDシャッターのみを搭載するカメラは、機械的に光をさえぎる機構をもたないため、シャッターを切ったあともCCDに光が当たり続けている。このため、CCDに強い光が当たるとCCDやその転送経路などから電荷があふれ出てしまう「スミア」や「ブルーミング」が発生することがある。これらが発生すると写真に白い縦筋が現れてしまうのだ。最近のCCDシャッターはかなりスミアやブルーミングの発生を抑えるように作られているが、それでも太陽などを直接撮影したときに発生してしまうことがあるので注意が必要だ。

機械式シャッターのユニット 機械式シャッターのユニット

シャッタースピードの比較

下の写真は、シャッタースピードを1/1,000秒から1/8秒まで1段ずつ変更しながら噴水を撮影したものだ。もっとも高速シャッターとなる1/1,000秒では水の流れが完全に止まっており、水滴もシャープに写し止められている。これに対し、1/8秒の写真では、水の流れが糸のように写っている。このように動いているものを撮るときにシャッタースピードを変更すると、まったく別の描写になるのである。

1/1,000秒 1/1,000秒

1/500秒 1/500秒

1/250秒 1/250秒

1/125秒 1/125秒

1/60秒 1/60秒

1/30秒 1/30秒

1/15秒 1/15秒

1/8秒 1/8秒

Note レリーズタイムラグ

シャッターボタンを押してから実際にシャッターが作動するまでには、わずかだが時差が生じる。この時差のことを「レリーズタイムラグ」という。通常はあまり気にならないレリーズタイムラグだが、スポーツ撮影などの決定的な瞬間を撮るときには、あらかじめ時差を考慮してシャッターボタンを押すことが必要になるのだ。一般的にレリーズタイムラグは、デジタル一眼レフカメラのほうがコンパクトデジタルカメラよりも少ないため、スポーツ撮影なども快適に行えるのだ。

POINT

  1. シャッタースピードとはどれだけの時間、光を撮像素子に当てるかを決定する機構
  2. シャッタースピードを変えると、動いている被写体の写り方に変化が出る

 

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