デジカメエキスパート 虎の巻

メカニズムを知る ― デジタルカメラやレンズのメカニズム、デジタル画像の知識を深める

ピント 2/2

多点測距

初期のオートフォーカスカメラは、画面の中央でしかピントを合わせることができなかったが、現在のデジタル一眼レフカメラでは中央を含む複数のAFエリアを搭載している。これにより、画面の中央に被写体がない場合でもカメラの位置を変更することなくAFによるピント合わせが可能となっている。
AFエリアの選択は、撮影者が任意の一点を指定することもできるし、カメラが被写体を自動判別してAFエリアを選ぶこともできる。また、複数の測距エリアを使い、動いている被写体を追い続けることも可能となっている。
ただし、中央の測距エリアには、センサーが十字になった「クロスセンサー」が採用されることが多く、ほかのエリアに比べて測距性能が高い。

5点のフォーカスエリア 5点のフォーカスエリア

11点のフォーカスエリア 11点のフォーカスエリア

フォーカスモード

コンパクトデジタルカメラの一部のモデルやデジタル一眼レフカメラでは、AF動作のモード設定を行うことができる。これは、シャッターボタンを半押しにした際、AFがそこで固定されるか、それともAFを動作させつづけるかを決められるモードである。
「シングルAF(ワンショットAF)」では、シャッターボタンを半押しにしつづける限りピント位置が固定される。つまり、ピントを合わせたあと構図を変更しても、はじめにピントを合わせた距離にピントが固定されているのである。また、完全にピントが合うまではシャッターが切れないので、静止した被写体であれば、ピンぼけの失敗が防げるというメリットもある。
また、「コンティニュアスAF」は、シャッターボタンを半押しにしている間、つねにAFを動作させているモードだ。これはおもに動いている被写体にピントを合わせるのに便利なモードである。さらに、一度AFエリアで被写体をとらえれば、そのAFエリアから被写体が外れてしまってもほかのAFエリアが追従してくれる機能を搭載するカメラもある。これならば、カメラと被写体の動きが多少ずれてもピンぼけにならず、正確なピント合わせが可能となるのだ。
コンティニュアスAFの付加機能として、被写体の動きに対するピント合わせのタイミングと、実際にシャッターが切れる時間差のずれによるピンぼけが起きないように、被写体の動きの速度を予測してより正確にピント合わせを行う「動体予測AF」機能を搭載するモデルもある。

Note フォーカスモードの自動切替え

シングルAF(ワンショットAF)とコンティニュアスAFの2種類のフォーカスモードを搭載しているカメラでも、基本的にはこのどちらかのモードを撮影者があらかじめ選んでおかなければならない。だが、デジタル一眼レフカメラのエントリーモデルのなかにはこれを自動的に切り替えてくれるカメラもある。
たとえば、ニコンのD50ではAF-Aというモードが初期設定となっており、止まっている被写体に対してはシングルAFモードでピント合わせを行う。しかし、目的の被写体が動いていることをカメラが認識すると、自動的にコンティニュアスAFに切り替わるのである。このモードなら、シングルAFとコンティニュアスAFを切り替えることなく、どのような被写体にも対応することができる。ただし、被写体の動きがゆっくりであったり、微妙な動きであるとカメラが動きを認識できず、モードが切り替わらないこともあるので注意が必要だ。

 

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