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写真家・川北茂貴のEIZO「ColorEdge CS240-CNX3」レビュー記事

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投稿日:2015/08/22

■メインで使っているノートパソコンの液晶は正確か?

デジタル時代に写真を楽しむには、カメラと共に重要なのが、パソコンを含む周辺機器。でもカメラやレンズはあれほど熱心に吟味したのに、パソコン関係はなおざりに済ませていないだろうか。かくいう私も、車中泊しながら車内で現像や原稿書きをすることが多いので、メインのパソコンは据え置き型ではなくノートパソコンを使っている。取材で遠征するたびにパソコンの中身を遠征用に移し換えるのは面倒なので、家でも外でも同じマシンで作業するようにしているのだ。みなさんもノートパソコンで全てを済ませている人は、案外多いのではないだろうか。
私の作業状況では、最も負荷がかかるのが静止画のRAW現像だが、その程度では比較的新しいこのノートパソコンではスペック的に全く問題はなく、作業を進めるうえで困ったことはない。ただ写真やグラフィックに特化したマシンではないので、モニターの表現具合が気になっていた。はたして今見ているこの色味は正確なのかどうかと。キャリブレーションは市販ソフトで定期的に行っているが、不安は多い。そこで今回EIZOのモニター「ColorEdge CS240-CNX3」を試す機会を得たので、ノートパソコンに接続して使ってみた。このモニターは24.1型で、ノートパソコンの17型より一回り大きな感じ。家で使うにはちょうど良い大きさだろう。早速机に並べて使ってみることにしたが、はたしてその結果は?


■カラーマネージメント対応モニターEIZO「ColorEdge CS240-CNX3」

まずは段ボール箱から本体を出したのち、スタンドを付けて据え置くが、パソコンとの接続は極めて簡単で、パソコンのHDMI端子にプラグを差し込むだけ(※後述の付属ソフト「ColorNavigator 6」で色調整を行う場合は別途USB接続も必要。)。パソコンのHDMIから直接モニターのHDMI端子に繋ぐことはできるが、今回は最大値1920×1200の解像度で表示するために、モニターのDVI端子へ変換ケーブルを通して接続することにする。接続はたったこれだけで、あとはモニターの電源を入れればOKだ。

ところで本体のノートパソコンに接続した場合、モニターの表示方法は、
(1)本体のみ表示
(2)本体と同じ内容をモニターにも表示
(3)本体とモニターは別々の画面を表示
(4)モニターのみ表示
の4種類あり、パソコン側の設定で簡単に切り替えることができる。今回のように本体を含めて2台以上のモニターを使う場合、この中で最も使用頻度が高いのが、(3)の「本体とモニターは別々の画面を表示」ではないだろうか。これなら、例えば写真を閲覧する場合、本体はサムネイルを、繋げたモニターには選択した写真を1枚大きく表示させたり、写真の現像と文字原稿の執筆などをそれぞれの画面で行えるので、広い作業面積を有効に活用できて便利だ。私もさっそくこの表示方式を選んでみた。


■付属のソフトと測定器でキャリブレーションも楽々

また今回使う「ColorEdge CS240-CNX3」は画面の色を正確に表現する「ColorNavigator 6」というキャリブレーションソフトと、それに対応した測定器が同梱されているので、それも活用することにする。ノートパソコン側は、これまでも他の市販キャリブレーションソフトにて色味の調整は行っていたが、その重要性は大きい。モニターは製造時にどれだけ正確に調整していても、使用しているうちに色味はどんどん変わっていく。それを定期的に測定器を通して計り、ずれ幅を補正するのがキャリブレーションの役目だ。その調整方法は、まずモニターとパソコンをUSBで繋ぎ、測定器もUSBで繋ぐ。モニターの電源を入れて30分以上経って色味が安定したころに「ColorNavigator 6」を起動し、指示通りに測定器をモニターにあてがい、測定を開始すれば数分で完了。文字で書くとこの程度だが、実際にはあっけなく終了してしまうのだ。この作業を定期的に行うことで、たとえモニターの色味がずれてしまっても、補正で戻すことで安定した色味で作業を行うことができる。その間隔は使用状況などで人それぞれだが、1カ月に一度は行いたいものだ。リマインド機能もあるので、設定した日にちが過ぎれば教えてくれるのもうれしい。なお本モニターには付属の測定器が同梱されていないモデルもあるので、使い慣れたキャリブレーションセンサーがある人は、そちらを選択してもいいだろう。

アップロード画像
カメラ:
キヤノン EOS 5D Mark III

焦点距離:
40.0 mm

フラッシュ:
On

撮影モード:
Aperture-priority AE

シャッタースピード:
1/13秒

絞り数値:
F8.0

露光補正量:
+0.3EV

ISO感度:
1000

ホワイトバランス:
Auto

拡大する


さあ準備はこれで終わった。では懸案だったノートパソコン本体の画面と見比べてみよう。はたして今まで見てきた色味は正しかったのか、気になるけど知るのは怖い気がする……。


■「ColorEdge CS240-CNX3」はAdobe RGBカバー率99%でムラも無い

というわけで2台の画面を並べてみたが、やはりというかやっぱりというか、左右の色は違って見えた。と言っても大きく色調が違ったという訳ではなく、色の深みが違うと表現すればいいだろうか。どちらもキャリブレーションを施されているので、単独で見ている分に不自然さは感じられないが、並べて見比べてみると、「ColorEdge CS240-CNX3」の方が色の階調が深いと感じられた。とくにトワイライト夜景の空の、夕焼けの残照の赤い空が「ColorEdge CS240-CNX3」の方が深い色なのだ。これがいわゆる広色域表示Adobe RGBカバー率99%の実感なのだろうか。ノートパソコンの画面は薄味なのだが、「ColorEdge CS240-CNX3」はこってりと濃い味付けといった感じ。同じ写真でも、これまで実感できなかった色味情報が隠されていたことは、予想はしていたが現実を突きつけられると驚きを隠せない。また画面の明るさのムラが無いことにも驚かされた。ノートパソコンの画面は、わずかだが実感できる明るさのムラがあり、現像時にはそれを意識しておかないと、仕上げる写真にも影響が出てくるが、そのような心配をしなくても済むのがうれしい。

またこのモニター用に作成したプロファイルでプリントしてみたが、こちらもモニター画面の色合いを反映して、いい感じに仕上がっている。モニターで見るRGBの光の三原色と、プリントするCMYKのインクの色を合わせるのは難しいのだが、十分納得のできる結果だ。


■EIZO「ColorEdge CS240-CNX3」は写真家・川北茂貴もおすすめ

さて結果はご覧のとおり、想像していたように明らかなものとなった。これは私だけでなく、ノートパソコンだけで写真を楽しんでいるみなさんにも当てはまることだが、優秀な外部モニターを接続するだけで、簡単に写真の真の姿を実感できることを、あらためてお伝えしたい。もちろんノートパソコンの手軽さは据え置き型にはない長所なので、たとえば家で作業をする時には外部モニターを繋ぎ、出先や他の部屋ではノートパソコンだけという使い方もあるだろう。
最後にコスト面だが、最新型のカメラやレンズと比べて、この値段でAdobe RGBカバー率99%を実感できると思えば、十分検討の余地はあると思うがいかがだろうか。まもなく紅葉の季節がやって来るが、カラフルに色づいた葉を是非みなさんにこのモニターで眺めていただきたいと、私は自信を持ってお勧めする。

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EIZO「ColorEdge CS240-CNX3」の詳細情報
http://www.eizo.co.jp/products/ce/cs240/
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川北茂貴

メインカメラ
EOS 5Ds R

プロフィール

近著「デジタルカメラで撮る日本の夜景美」玄光社 http://www.a...

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