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写真家・長根広和のアスカネット「マイブック」レビュー記事

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投稿日:2015/04/18

レビューした機材・用品 アスカネット マイブック  アスカネット マイブック
■写真撮影の最終形はプリントまたは写真集(フォトブック)


写真がデジタル化してから、撮影した写真をパソコンで鑑賞しておしまいという写真愛好家が増えていると感じる。確かに、「撮る」という行為に全力を尽くし、撮れた写真に満足できればOKという気持ちもよくわかる。ただ、写真を「作品」という最終形にするための、さらにもう一歩先の楽しみを忘れてはいないだろうか。
それはプリントすることや写真集(フォトブック)にまとめるということである。プリントするということはもっともわかりやすい作業。プリントといってもペーパーの種類、顔料または染料というインクの種類などによって、同じ写真でも無限のバリエーションで表現することができる。その中から作者の理想通りの1枚に仕上げてようやく作品として完成する。また、そのプリントの集大成として写真展へとつながっていくわけだ。
写真展というとプロでもそう気軽にはできないものだが、一方で写真集にまとめようと思っても、こちらもこれまでは自費出版的なものしか存在せず、多額の費用がかかるハードルの高いものであった。そのハードルをグンと下げてくれるのがアスカネットの「マイブック」。マイブックとは、1冊の中で写真展を開催する……そんな感覚といえばわかりやすいだろう。
一般にフォトブックとひとくくりにされるが、印刷の美しさ、品質、満足感などすべての指標において、わたしがフォトブック界でトップだと思うのが「マイブック」。ページ数も10ページから100ページまで10ページ単位で細やかに対応しており、価格もハードカバータイプが2,268円程度からと良心的。そして、もっともうれしいのが制作数は1冊からでも対応してくれるということだ。ここが自費出版とは大きな違いで、気軽に高品質な写真集を制作できるのが最大のメリットである。この気軽さに乗って、わたしはかなり多くの写真集を制作したことはいうまでもない。


■無料ダウンロードの専用ソフトでとりあえず編集してみよう

マイブックを制作するにあたって、まずマイブックのウェブページから編集ソフト「MyBookEditor4」をダウンロードする。初心者でも直感的に作業できるソフトなので安心。MyBookEditor4はもちろん無料でダウンロードすることができて、何度でも編集のやり直しができるし途中保存もできる。まずは編集作業だけでも楽しんでみてはいかがだろうか。
この編集作業という工程は、いままで撮りためた作品を見つめ直すよい機会となり、後ほど解説するが、今後撮影するテーマの発見や、構図の撮り方にも大きく影響してくるはずだ。


■編集は流れるような起承転結とメリハリが大切

 写真展でもマイブックでも、お気に入りの傑作を並べればよいというものではない。記録という意味ではそれでもよいかもしれないが、それだけでは自身のテーマに対する気持ちを第三者に伝えるのは難しいだろう。文章と同じく起承転結という流れ、そして時の流れをページに表現すると同時に、写真にメリハリをつけることが大切だ。メリハリというのは写真の大小はもちろん、サブの写真も効果的に使用して、メインの写真を引き立てるという意味だ。以前わたしが制作した「いろのみち」「夢の登山鉄道」をご覧いただければ感じ取っていただけるだろう。

「いろのみち」
http://bit.ly/TbWukt

「夢の登山鉄道」
http://bit.ly/UaRFt3


■編集をしているうちに反省点と課題が出てくる

MyBookEditor4にて編集作業を進めると、自身の心が盛り上がってくることをすぐ感じることだろう。そう、とても楽しい作業なのである。盛り上がってくるというのは、「ああいう写真を入れたい」「この写真を引き立てるサブカットが欲しい」というような欲求があふれてくるのだ。また、「写真の収まりが悪いから、ああ撮っておけばよかった」「あのときあの写真を撮っておけばよかった」などという反省点も見えてくる。これが自身の写真技術のレベルアップにすごく繋がっていくのである。
マイブックを制作するための編集作業のはずが、実は無意識のうちに写真の勉強そのものをしていることになっているのだ。


■「ノド」といわれるページの境目を意識する

本を広げたときに左ページと右ページの境目がくぼんでしまうことは当然のこと。その部分を「ノド」といい、そこに写真のメインとなるものが食い込んでしまわないようにレイアウトする工夫が大切だ。ノドに食い込んでしまう場合は、レイアウトで写真を左右にずらして対応するようにしたい。わたしは雑誌などでも、どうせ掲載されるならば見開きで大きくという欲望でいつもいっぱいだ。それゆえ、常にノドに当たる画面のセンターに列車(わたしの専門、鉄道写真の場合は列車がメイン)を置かないという構図を心掛けている。
主題、副題が明確で、メリハリをつけた安定した構図で撮影してれば、決してメインとなるものはセンター配置されず、このような心配をすることはないのだ。つまり、マイブックの編集においてノドの問題に悩まされるということは、撮影する際のフレーミングが甘いということを教えてくれているようなものである。


■「鉄道瞬景」というテーマでまとめてみた

鉄道写真というのは列車がやってきたときがシャッターチャンスである。列車が来るまでに目の前に絶景が展開されたとしても、鉄道写真としては成立しない。もちろん、駅やレールなどの鉄道施設と絶景を絡めることはあるが、列車との融合はとてもハードルが高い。
自然が創り出すほんの一瞬の絶景に、列車が通過する一瞬を融合させたものを、わたしは「鉄道瞬景」と呼んでいる。この「瞬」と「瞬」との融合は、いくら全国の鉄道を撮りまくっていたとしても、年に数回しか訪れない奇跡のようなものだ。

「鉄道瞬景」
http://bit.ly/1ENsL8O


■文字で説明はせず、写真だけで伝えたい

「夢の登山鉄道」では、ユングフラウ鉄道開業100周年を記念したプロジェクトの一環だったので、各写真にキャプションを付けた。記録を兼ねた写真集であるからだ。今回の「鉄道瞬景」では、一切のキャプションを付けず、写真だけで勝負をしてみた。というか、年に数回しか訪れない一瞬に、キャプションなんて必要はないだろう。
作品集としてまとめる場合、わたしはキャプションなどを極力載せないほうが良いと思っている。これは、文字で説明しなくても伝わる写真を撮らなくてはならないのだが、もし気持ちが伝わらないのであれば写真がまだまだ未熟なわけで、さらなる精進をしなくてはならぬと自身を鼓舞することができるのだ。
文字を挿入する場合でも、仕上がり確認でちょうどいいと感じた文字サイズより、ひと回りかふた回り小さな文字サイズをチョイスするのがコツだ。100%表示で確認したとしても、出来上がりが手元に届くと想像よりも文字が大きいと感じることが多く、わたしは過去に何度も失敗をしてしまった。ぜひ失敗しないよう、参考にしていただければ幸いだ。
もうひとつ注意点として、マイブックに貼り込む写真データの色空間は「sRGB」であること。マイブックは「Adobe RGB」には対応していないので、その場合は事前に必ず写真をデータを「sRGB」に変換してから編集しよう。


■イメージに近い「本文仕上げ」をチョイスしよう

プリントの際、ペーパーの種類やインクによって無限のバリエーションで表現できると前述した。
マイブックに代表されるフォトブックならサイズや装丁はもちろんのことだが、フォトブックもプリントのひとつである以上、仕上がりタイプが選べるかかどうかは、表現のバリエーションという点においてかなり違ってくる。
うれしいニュースだが、マイブックの本文仕上げには、従来の「ニス」に加えて「ラミ光沢」、「ラミつや消し」が新しく登場している。プリントでいえばペーパーが3種類に増えたようなイメージだ。マイブックで選べる3種類の本文仕上げを簡単にいうと、「ラミ光沢」は鏡面のような超光沢、「ニス」は半光沢、「ラミつや消し」は無光沢(マット)といった感じだ。写真集のテーマに合わせた仕上がりを選ぶことで、さらに作品性がアップすることは間違いないだろう。


■まずは1冊制作してみよう!

今回制作した「鉄道瞬景」は、「MyBook ART 290T」の50ページタイプ。料金は1冊9,936円。約1万円という金額に「高い」と感じる方は、ぜひ少ないページの安価なもので一度制作してみてほしい。印刷のクオリティ、製本のクオリティのすごさを一度見てしまえば、50ページの写真集で1万円というのは「安い!」と感じるに違いない。そもそも、今までハードルが高く憧れであった写真集が、この料金で1冊から制作できるという、まさに夢をかなえてくれたのがアスカネットのマイブックなのである。写真を作品としてまとめ上げる喜びをぜひマイブックを作ることで感じてもらえればと思う。


マイブックの魅力について語っているこちらの動画も見てくださいね!

<<「マイブックギャラリー」で長根広和の写真集を見る>>
・いろのみち
http://bit.ly/TbWukt

・夢の登山鉄道
http://bit.ly/UaRFt3

・鉄道瞬景
http://bit.ly/1ENsL8O
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高品質フォトブックは世界が認めたアスカネットのマイブック
http://www.mybook.co.jp/
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写真家によるアスカネット「マイブック」レビュー記事
<萩原史郎 編>http://ganref.jp/m/s_hagihara/reviews_and_diaries/review/7786
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プロフィール

 1974年、横浜市生まれ。武蔵工業大学(現 東京都市大学)工学部卒業後、...

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