Please wait... loading

写真家・萩原史郎のアスカネット「マイブック」レビュー記事~前編~

現在表示しているページ
ホーム > 萩原史郎さんのページ > 機材レビュー・撮影記一覧 > 2015年1月 > 写真家・萩原史郎のアスカネット「マイブック」レビュー記事~前編~

投稿日:2015/01/14

レビューした機材・用品 アスカネット マイブック  アスカネット マイブック
■写真集制作のススメ

 GANREFを楽しんでいる皆さんなら、一度は写真集を作ってみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。熱心に撮影した成果をまとめたい。誰かに見てほしい。高品質な印刷物として残しておきたい。そんな欲求は当たり前のようにあるはずです。しかし写真集というと、どうしても敷居が高くて自分には無理だとあきらめている方もいらっしゃるかもしれません。確かに出版社を通して一般的な流通に乗せる写真集を作るのはプロ写真家でさえ容易には実現しない現実があります。でも、今はそんな高い敷居を超えることなく簡単に、そして自分の思い通りに写真集を作ることができる時代になっています。現在、フォトブックのサービスは数多くありますが、今回私は株式会社アスカネットの「マイブック」にトライしました。その結果、誰もが簡単に美しい写真集を手にすることができる優れたサービスであることを体験しました。そこで、その着手から完成までのレポートをご覧いただくことで、「マイブック」による写真集制作を疑似体験し、ご自分の写真集を作るきっかけとしてほしいと思ったのです。

■「マイブック」とは何か

 では、まず「マイブック」とは何かということから始めましょう。「マイブック」は株式会社アスカネットが提供するオリジナル写真集作成のためのサービスです。その仕組みはいたって簡単。無料でダウンロードできる専用ソフトを使い、撮影した画像を思い通りにレイアウトし、そして注文するだけです。およそ10日後(注文をした翌営業日から起算し6営業日目に工場から出荷)には美しい写真集が手元に届きます。

 一般的なWEBサービスと同様に、最初はユーザー登録を行います。次に専用ソフト「MyBookEditor4」をダウンロードしたら、その瞬間から編集作業を開始できます。「編集作業」などというと、経験のない方はちょっと尻込みするかもしれませんね。でも、ご安心を。「MyBookEditor4」は初心者でも直感的に作業ができるように開発されているため、高度なデザインソフトを操るような専門知識や経験を必要としません。とりあえず使ってみる、これが近道のひとつです。とはいえ、少し勉強しておけば効率は格段に上がります。下記のアドレスには「マイブック」の作り方が掲載されています。ここに、ソフトのダウンロードから注文までの流れが、動画も交えながらわかりやすく解説されていますので、一度見ておくことをおススメします。

<MyBookEditor4の詳細はこちら>
http://www.mybook.co.jp/mb_editor/

■写真の並べ方

 さて「マイブック」は「専用ソフトのダウンロード」→「編集」→「注文」という流れで作っていきますが、そのうちもっとも大事なのは言うまでもなく「編集」です。「編集」のうち、専用ソフト「MyBookEditor4」を“操作”することは、先にも述べたようにそれほど難しいことではありません。問題は「写真」を“並べる”作業です。写真集は並べ方次第で人を感動させることもできれば、逆に写真の真価を発揮し切れないで終わることもあります。「編集」では並べ方に全力を傾けましょう。

 そこで、写真の並べ方のコツをお話してみようと思います。私はかつて写真専門誌の発行や編集に携わっていましたが、そのときギャラリーページや記事ページを組みながら学んだことがいくつもあり、それが今回の写真集制作において生きることとなりました。

■写真の並べ方~テーマを決める

 ひとつ目はテーマを決めること。編集者時代にギャラリーページを組む相手はプロ写真家なので、当然テーマがあるわけです。そのテーマに沿って編集をすると、ギャラリーページの意味や内容が読者にしっかり伝わります。このテーマこそが、写真集作りの大前提となります。ですから、皆さんも写真集を組む場合、まずテーマを設定してください。とはいえ難しく考える必要はありません。たとえばよく通っている「○○高原の四季」というようなテーマでいいのです。あるいは「桜」や「冬」といったテーマでもかまいません。テーマはシンプルであるほど内容を伝えやすいとも言えますから、最初は凝ったものにする必要はありません。今、もっとも熱中して撮影している被写体をテーマとすることが一番だと思います。

<<「テーマ」のヒント>>
・地域(みちのく、上高地、四万十川など)
・季節(春、夏、秋、冬、四季など)
・イメージ(色、言葉、形、和など)
・被写体(桜、富士山、滝など)
・天候(霧、雨、晴天、光など)

アップロード画像

写真を拡大する

カメラ:
ソニー α55
焦点距離:
135.0 mm
フラッシュ:
Off
撮影モード:
Aperture-priority AE
シャッタースピード:
1/250秒
絞り数値:
F4.5
ISO感度:
200
ホワイトバランス:
As Shot

・私は「色」をテーマの1つとして撮影しています。この写真は鮮烈な赤を表現したものですが、秋の匂いを強く感じてほしいという狙いを持っています。今回作成したマイブックの表紙にも使っています。

■写真の並べ方~「起承転結」が大事

 ふたつ目は「起承転結」を作ることです。「物語を作る」、あるいは「流れを作る」と言い換えても良いでしょう。つまり、冒頭の写真から結末の写真まで、ひとつの話が流れるような並べ方を意識するということです。たとえば写真コンテストでは単写真を競う部門がありますが、そこに応募される写真は、いわば単語の力が試されると解釈して良いと思います。一方、写真コンテストでも組写真部門で評価されるのは、文章力。もっと言えば、小説を書き上げるような力が試されるのです。ページをめくると次にどんな写真が見られるのだろう、そんな期待感を持たせることができれば大成功です。

■写真の並べ方~プリントを使って並べよう

 3つ目はパソコンの画面で写真の並びを決めないということです。「え? どういうこと?」と思うかもしれませんね。少し詳しく説明しましょう。「MyBookEditor4」は、あらかじめ画像を格納したフォルダを開き、そこにある画像を先頭ページから順番にレイアウトにはめ込むという流れが一般的な編集方法です。ですから「MyBookEditor4」を操作しながら画像の並びを決めることは可能です。ただ、こういう方法では写真集全体のイメージが掴みにくく、また写真の並びを変更するのにも少し手間がかかります。

 編集者時代はギャラリーページを組む場合、ふたつの大きなライトボックスを用意し、左のライトボックスには預かったすべてのリバーサルフィルム(当時はフィルムの時代でした)を並べ、その中から選んだカットを右のライトボックスに並べながら編集を進めました。こういう方法なので、写真の並べ替えはとても簡単です。相性の良い写真同士を組み合わせて見開きページの候補を作っておくこともできます。写真集の編集は、何度も何度も写真の並べ替えをしながら最高の「起承転結(物語)」を作る作業なので、並べ替えがしやすく、全体を俯瞰して見ることができる環境が理想なのです。

 そんな経験を踏まえて今回私がとった方法は次のとおりです。まず写真集用に多めにセレクトした画像すべてをL判サイズにプリントします。それを机の上に並べ、あらかじめ写真集の並びを決定してから「MyBookEditor4」の作業に入るというものです。せっかくのデジタルデータをデジタル的に編集できるのに、わざわざアナログ作業をしなくても……と思うかもしれませんが、この方法はしっかりと思考を反映できるうえに作業効率も良いので、自信をもっておススメできます。納得がいくまで並びを追い込んだら、画像のファイル名に「01-○○○○.JPG」という具合に先頭からの数字を入れておけば、「MyBookEditor4」で画像フォルダを開いたときに順番に並んでいるので、編集作業の効率がさらにアップします。

アップロード画像

写真を拡大する

カメラ:
オリンパス OLYMPUS OM-D E-M1
焦点距離:
18.0 mm
フラッシュ:
Auto Did not fire
撮影モード:
Aperture-priority AE
シャッタースピード:
1/15秒
絞り数値:
F5.6
ISO感度:
3200
ホワイトバランス:
As Shot

・机の右側にプリントを並べ、左側で編集の作業をしている実際の場面です。このような形で編集を進めれば、写真の入れ替えも素早くできます。納得がいくまで何度も入れ替え作業をするには、アナログ的ではありますが、この形がもっとも効率が良いのではないかと感じています。

<<効率よく写真を並べるためのコツ>>
・制作する写真集のページ数の約3倍を目安に候補となる画像を選んでおく
・セレクトした画像すべてをL判サイズにプリントする
・プリントを使って写真集の並びを決定しておく
・画像のファイル名に数字を入れる

■写真の並べ方~重複は避けること

 4つ目は、並べ方の具体的な方法です。大前提として「起承転結」を意識して並べるわけですが、その上で心がけてほしいのはイメージの重複を避けることです。たとえ写真1枚1枚の力は強くても、同じような印象の写真が並んでいると飽きてしまいます。たとえば青空の写真ばかりだったり、遠景風景が続いたり、あるいは横位置の構図だけというのもマイナス要因です。バラエティ豊かなイメージや距離感、縦構図と横構図の組み合わせを心がけてください。

 加えて、見開きに対する配慮も大切です。写真集を開けば必ず右ページと左ページが対になって目に飛び込んできます。そういう意味では写真集を構成する最小単位は見開きです。その見開きに鑑賞者を惹きつける魅力を持たせるため、見開き単位での完成度にも力を注ぎましょう。

 以上の4つに注意しながら、編集上最大のポイントとなる写真の並びを楽しんでみてください。

>>写真家・萩原史郎のアスカネット「マイブック」レビュー記事【後編】に続く
http://ganref.jp/m/s_hagihara/reviews_and_diaries/review/7787

<<「マイブックギャラリー」で萩原史郎の写真集を見る>>
・正方形バージョン
http://bit.ly/1Begnx1
・横長バージョン
http://bit.ly/1zxdIeK
--------------------
高品質フォトブックは世界が認めたアスカネットのマイブック
http://www.mybook.co.jp/

--------------------
GANREF特別企画
写真家3名によるアスカネット「マイブック」レビュー記事
<川北茂貴 編>http://ganref.jp/m/kawakita/reviews_and_diaries/review/7849
<佐藤倫子 編>http://ganref.jp/m/rinphoto/reviews_and_diaries/review/7885

レビューした用品

コメント(1,000文字以内)

2件中 1〜2件目

萩原史郎
★青空が好きさん

早速ご覧いただき、ありがとうございます。
すでにご存知のことばかりかもしれませんが、1つでも参考になることがあれば嬉しいです。

2015年01月18日 10:10

青空が好き
萩原史郎先生、ノウハウが沢山詰まったレビュー有難うございます^^。
写真集の効率的な作り方は必見ですね。
以前に作成した時は写真選びには凄く時間がかかりましたので。
史郎先生が制作された写真集も素敵です♪

2015年01月15日 01:07

2件中 1〜2件目

萩原史郎

メインカメラ
-

プロフィール

★Facebookはじめました。 http://facebook.com...

↑ページの先頭へ