4K 27型カラーマネージメントディスプレイで自分が撮影した写真を見た感想は? スナップ撮影会レポート Featuring BenQ SW271

セミナー内容&参加者の声

BenQ SW271

BenQ SW271
価格:オープン
メーカーサイト

BenQの新製品「SW271」は、フォトグラファー向けに開発された27型4Kディスプレイ。GANREFでは写真家・鈴木知子先生から撮影の極意を学びながら、この最新ディスプレイを体験できてしまうという、大変贅沢なスナップ撮影会を開催した。このページでは、鈴木先生の講義内容のほか、「SW271」の魅力を参加者の声とともにお届けする。
(本企画についての詳細は、こちらをご覧ください)

写真・レポート:曽根原 昇

鈴木知子先生のスナップ撮影会&セミナーレポート

11:00「SW271」が写真愛好家にオススメの理由とは?

洞口 寛氏

洞口 寛氏(ベンキュージャパン株式会社 プロダクト&マーケティング部 部長)

Chris Bai氏

Chris Bai氏(BenQ Corporation Senior Color Scientist & Manager)

「SW271」の日本での発売は12月21日。今回はそれに先立って製品を体験できるという企画だ。当日は撮影会の前に、ベンキュージャパンの洞口 寛氏(プロダクト&マーケティング部 部長)からプロフェッショナル向けの写真用ディスプレイにも力を入れるBenQのグローバル事業について、台湾本社から来日したChris Bai氏(Senior Color Scientist & Manager)からディスプレイのキャリブレーションの重要性など「SW271」について丁寧な説明がされた。その内容は、写真のディスプレイ表示に悩んでいる人はもちろん、ディスプレイ環境が写真の見え方に影響することを知らなかった人にとっても、大変有意義な話であった。説明された「SW271」の主な特長は次の通り。

  • Adobe RGBカバー率99%で色再現能力が高く写真の色彩をリアルに描写可能
  • 4K ultra HD resolution(4K UHD)で微細なディテールまで桁違いの鮮明さを実現
  • 高度なIPSパネル技術による広い視野角と厳密な色再現性を実現
  • 高精度なハードウェアキャリブレーションに対応
  • 操作性に優れた独立したOSDコントローラーを搭載
  • モノクロモード、HDRモードなどオリジナル機能を搭載
  • 異なる色空間のコンテンツを横に並べて同時に表示できるGamutDuo機能搭載
  • 横位置と縦位置をスムーズに変更可能
  • 縦位置にも対応する遮光フードを標準搭載

なお、当日会場に用意された「SW271」はBenQの協力で1台1台が厳密にキャリブレーションされた状態となっていた。

12:00色や細部にこだわるための撮影時の設定とディスプレイの選び方

鈴木知子先生は「色にこだわる」ことなどを解説

鈴木知子先生は「色にこだわる」ことなどを解説

直感的な操作が可能なOSDコントローラー

直感的な操作が可能なOSDコントローラー

製品の説明を受けた後は鈴木先生によるスナップ撮影講座である。今回は晩秋の撮影会ということでスナップ撮影ながら「紅葉」を主なテーマとしている。

まず初めのポイントとして説明されたのが「色にこだわる」ということ。そのためには、カメラにプリセットされた色彩モードを自分の好みに合わせて選択し、さらにシャープネスや彩度などの詳細設定を微調整していくことが大切だという。「『SW271』はAdobe RGBカバー率99%の高い色再現性とハードウェアキャリブレーションによる忠実な色合いで見ることができます。色にこだわって撮った写真を大画面で鑑賞・確認するには最適ですね」と鈴木先生。

そして次に説明されたのが「モノクロ」での撮影ポイント。モノクロの写真は光と影が明確になり形をストレートに再現できるため、被写体の質感が強調されテーマが伝わりやすくなる、といった内容だった。「また、モノクロなどのモード切り替えが簡単にできるOSDコントローラーを搭載していますので、カラーの写真をすぐにモノクロ写真としてシミュレーションできるなど、作業効率をアップできることも『SW271』の長所です」。そのほかにも、「主役を明確にしてストーリー性を意識する」「リフレクション(水面の映り込み)を意識する」「被写体をシルエットで表現する」といった、スナップ撮影における大切なコツが説明された。

13:30小石川後楽園で思い思いに撮影を楽しむ

同じ場所で撮影しても、目を付けるポイントは人ぞれぞれだ

同じ場所で撮影しても、目を付けるポイントは人ぞれぞれだ

いよいよ撮影実習の開始である。この日の撮影地は水戸徳川家ゆかりの回遊式築山泉水庭園で有名な小石川後楽園。実習とは言っても、集合時間まで自由行動が基本だったので、深みを増した紅葉や池に集まる水鳥など、参加者は思い思いに撮影を楽しんでいた。もちろん、先に説明のあった鈴木先生の話を聞いたばかりなので、いつもとはひと味違った視点で撮影に臨むことができたことと思う。

16:0027型4K UHDの高精細な表示に驚きの声

高精細な大画面ディスプレイで見ると、普段見えていなかった部分にも気付きやすくなることもあり、写真セレクトにもより力が入る

高精細な大画面ディスプレイで見ると、普段見えていなかった部分にも気付きやすくなることもあり、写真セレクトにもより力が入る

スナップ実習から戻るとすぐにメモリーカードからPCに画像を転送。「SW271」はSDカードスロットを搭載しているので、こうした作業も非常にスムーズだ。

画像の転送が完了したら、次は講評会に向けて、気に入った2枚の写真を選ぶ作業となるのだが、ここでディスプレイに撮影した写真を映し出した参加者から「あ、すごくきれい!」「家で見るときの印象と全然違う!」といった声が上がった。「SW271」は色再現性に優れているだけではなく、27型4K UHD(3,840×2,160)の高解像なので、表示された写真の精細感は格段に高い。また、ワークスペースも広くなるため画面上でのセレクト作業もしやすくなる。参加者の感想は、こうした「SW271」の特長を、ひと目見ただけで実感できたことから出た言葉なのだろう。もちろん標準装備の遮光フードも、写真の見やすさにひと役買っているはずだ。ディスプレイの表示品質に驚いたからだろうか、皆さん食い入るように真剣な眼差しで写真をセレクトしている姿が印象的だった。

2枚の写真のセレクトし終えたところで、全員で1台の「SW271」を囲んで講評会が始まった。端のほうに座った人は見えづらいのではないかとスタッフが気にするなか、「皆さんちゃんと写真が見えていますか?」という鈴木先生の問いに、満場一致で「大丈夫! ちゃんとよく見えます」との答え。視野角の広いIPSパネルはこういった場でも有効だ。

1枚1枚を見ながら丁寧に進む鈴木先生の評に、写真を撮った本人も周りの人も「なるほど」と頷きつつ、ときには笑いも起こるという、和やかで、ためになる講評会となった。取材をしながら興味深かったのは、ディスプレイに表示された画像であるにもかかわらず、まるで高品質なプリントを見ているかのように、写真談議に花が咲いていたことだった。

「SW271」で自分の写真を見た参加者の感想は?

かずひさん

27型の液晶ディスプレイを所有しているのですが、その表示品質が当たり前だと思っていました。しかし、今日「SW271」で写真を見たら色もコントラストも階調もまったく別次元で驚きました。きちんとキャリブレーションした4Kモニターがこんなにすごいとは……。また、ディスプレイとプリントの色の違いにも悩んでいましたので、きちんと色を調整できる「SW271」のスペックにはとても興味が持てました。鈴木先生の講座はとても分かりやすく、講評も非常にポイントを押さえてお話しいただけたのでうれしかったです。ぜひ今後の撮影に役立てていきたいと思います。

わったさん

普段は27型ディスプレイをノートPCにつないで使っていますが、単に画面の作業領域が広くなるという理由だけで選んだもので、色や解像性能は気にしていませんでした。でも、今日「SW271」を体験させてもらったことで、本物の色とはこういうものなのかと納得できました。ディスプレイにもお金を掛けねば(笑)。鈴木先生の講座がとても分かりやすく、実習では教わったことを思い返しながら実践することができました。いつもRAWデータで撮って後で画像処理をしていましたが、先生のお話を伺って、撮影段階で仕上がりを予想しながらカメラ設定を決めていく大切さも分かりました。

まがたさん

どちらかというと写真やカメラは初心者なので、ディスプレイのことを知りたくて参加させてもらいました。普段すべての作業をノートPCでやっていますので、例えばSNSに写真をアップすると、これはほかの人には違って見えているのではないか、という不安がありました。今日体験会に参加して高性能なディスプレイのすごさが分かったので、これは欲しいと思いました。特にモノクロモードには感動しました。BenQにはほかにも高性能なディスプレイがラインアップされているようですので、これからどれにしようか選ぶのが楽しみです。鈴木先生のスナップ講座も興味があって参加しましたので、一緒にいろいろ教えてもらえて、とても有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございます!

ぺんごっちさん

今回この体験会に申し込んだ理由は、カメラやレンズはそれなりにそろった段階で、ちゃんとしたディスプレイが欲しいなと思っていたからです。今日が初めて立派なディスプレイで確認できる機会だったのですが、自分の写真って本当はこんなにきれいだったのかとびっくりしました。写真ライフを損していたことに気付いてしまいましたので、次に買う機材はディスプレイに決定です! 鈴木先生の講座をお聞きして、まずはテーマをきちんと決めることが大切で、それを撮るために必要なレンズなどを選ぶことが重要なんだと気付かされました。また、自分の写真はもちろんですけど、ほかの方にされていた的確なアドバイスも大変参考になりました。

モノクロ。さん

もともとBenQの「SW2700PT」に興味を持っていたところ、よりハイスペックな「SW271」が登場し、良い機会だったので今回の体験会に応募しました。他社製のディスプレイを使っていますが遮光フードがなく、「SW271」の遮光フードを使いその大切さを知りました。標準で装備されているのは羨ましいですね。また「SW271」の階調再現性の良さにも感激しました。買いたい気持ちがどんどん高まっています(笑)。撮影は、私も“RAWで撮って後処理派”だったのですが、撮影時に仕上がりを想像しながらきちんとカメラの設定をすることの大切さを知りました。

S.Hさん

「SW271」はとにかく色が良いので感動しました。自宅でも別のBenQ製ディスプレイを使っていますが、5年前の製品で劣化していたのと、性能も上がったのとで、買い替え時が来たのかと思わされました。プリントとの色の違いも気になっていたので、ハードウェアキャリブレーション機能があるBenQディスプレイが気になります。自分もRAWで撮って後から画像調整すればいいと漠然と考えていましたが、きちんとカメラ設定を追い込めばJPEGでも作品になるという鈴木先生のお話はとても勉強になりました。

ゆりにゃん♪さん

いつもは14型のノートPCで完結させていてプリントもあまりしないほうで、正直今まではハイスペックなディスプレイの必要性は感じていませんでした。でも最近、まわりの写真仲間が高性能なディスプレイを導入し出したことに触発されて、今回の体験会に参加しました。参加した感想は何といっても「欲しい!」です。撮影については、鈴木先生のレクチャーが本当に分かりやすく、写真を撮るときはテーマ性やストーリー性を持つようにというお話がとても印象的で、それを頭に入れて臨んだ撮影実習はとても楽しく、ためになりました。参加できて良かったと心から思いました。

伊集院 万作さん

写真のレタッチに興味があったので、フォトグラファー向けのディスプレイにも興味が強かったです。どこかでしっかり勉強したいという思いから参加したところ、始めにBenQの専門家の方から詳しいお話を聞けて大変満足できました。「SW271」は基本性能だけでなく、モノクロモードの搭載や遮光フードの標準装備もかなり魅力的ですね。鈴木先生のお話では「色を意識する」「光と影を意識する」という内容がとても参考になり、それを実際に意識しながら写真を撮って、さらにそれをきちんとしたディスプレイで見られるという流れでいろいろ体験できて、非常に勉強になりました。また、先生の写真に対する姿勢にも感銘を受けました。

Mar5Rockさん

写真を始めてまだ1年で、ディスプレイの性能で写真の表示能力が違うということさえ、最近知ったくらいです。そんな日々の中で「スナップって何? どんなジャンル?」ということが知りたくて参加しました。正直言うとディスプレイの性能や撮り方ひとつで、そんなに写真が変わるとは考えてもいませんでした。でも、BenQさんのお話や、皆さんの写真、鈴木先生のアドバイスを聞くほどに、その違いを明確に理解でき、とてもとても良い経験をすることができたと感謝しています。写歴こそ1年の経験ではありますけど、今日知ることができた新しい世界を大切にして、写真を始めた頃のワクワクした初心に戻ってこれからも写真を楽しんでいきたいと思います。
DAIV-NG5720 機材協力:マウスコンピューター http://www.mouse-jp.co.jp/

「スナップ撮影会 Featuring BenQ SW271」では、マウスコンピューターのクリエーター向け高性能ノートPC「DAIV-NG5720」を使用しました。

製品情報

BenQ SW271

BenQ SW271
価格:オープン
メーカーサイト

筐体色
筐体色 グレー
画面
サイズ 27型ワイド
アスペクト比 16:9
パネル/バックライト IPS / LED
解像度 3,840 × 2,160 (4K UHD)
画素ピッチ(mm) 0.1544
視野角(左右/上下) (CR>=10) 178°/178°
表示色 フルカラー約10億7000万色
表示サイズ 608.8 × 355.3 mm
輝度 350 cd/㎡
応答速度 12ms (GTG 5ms)
コントラスト比 1000:1 (DCR 2000万:1)
走査周波数 水平周波数(KHz):27-140 / 垂直周波数(Hz):24-75
入出力端子
入出力端子 HDMI2.0 × 2、DisplayPort 1.4 × 1、USB Type C × 1(電源供給はなし)、ヘッドフォンジャック × 1
USB USB3.1:(Gen1) 2 downstream, 2 upstream (USB Type C × 1, Type B × 1)
スピーカー
電源
電源 内蔵
消費電力(最大/標準/エコ) 90W / 31W (Adobe RGB時)/ -
待機時消費電力 0.5W以下
寸法
外形寸法(WxHxD) 613.8 × 504.49~610.95 × 213.43 mm
本体重量 約9.3kg (約10.5kg 遮光フードあり)
キャリブレーション
Support_OS Windows 7以降、Mac OS 10.6.8以降
対応キャリブレーションツール X-Rite i1 Display Pro/i1 Pro/i1 Pro 2、Datacolor Spyder 4
主な特徴
AMA
フリッカーフリーテクノロジー
ティルト角度 -5°/20°
高さ調整
スウィーベル 45°/45°
HDCP対応
VESAマウント
Gamut Duo
Hardware_Calibration
3D_LUT 14 bits 3D LUT
deltae ≦2 (avg)
規格
TCO
その他
主な付属品 ドライバーDVD (マニュアル・クイックスタートガイドなど) 、電源ケーブル(約1.8m)、HDMIケーブル(約1.8m)、miniDP to DPケーブル(約1.8m)、USBケーブル(約1.8m)、USB Type-Cケーブル(約1m)、OSDコントローラー、遮光フード、保証書
保証期間 3年保証(パネル、バックライト含む)