GANREF特別企画 ポートレート撮影おすすめアイテム ~カールツァイス編~

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GANREF特別企画 ポートレート撮影おすすめアイテム

レポート:礒村浩一/モデル:夏弥

~カールツァイス編~

「ZEISS Touit」は、ソニーEマウントとフジフイルムXマウントに対応したレンズシリーズだ。これらは両マウントの最新のカメラの描写力を引き出し、撮影者の表現力を高めてくれるレンズといえよう。ここではその中からシリーズ最新の「Touit 2.8/50M」をレポートする。

製品画像Touit 2.8/50M

メーカー希望小売価格:115,560円(税込)

 ポートレートでは人物の表情やしぐさ、構図や背景の雰囲気、光の当たり方など、さまざまな条件を一度に見極めて写真に納めていく必要がある。それと同時にポートレートに最適なカメラの設定や明るさ、色みなども判断しなければいけない。このようなことを常日頃から考えていると、より高画質で、また高感度に強くノイズが少ない最新式のカメラを使いたくなるというものだ。しかしここで思い出してほしいのが、レンズによって写真は大きく変わるということだ。どんなにカメラが高画質でも、光を取り込むレンズの能力によってはハイクオリティな画像を得ることはできない。また人物の魅力を最大限に引き出すためには、ぼけ味やコントラストなどにもこだわりたいところだ。これらの要求を満たすためには高品位なレンズを選択する目を養う必要がある。幸いにも現在はさまざまなメーカーから高い性能のレンズが出ており、われわれはそれを選ぶことができる。
 ドイツの老舗レンズメーカー「カールツァイス」のレンズもそのひとつだ。カールツァイスのレンズはポートレート撮影の描写に定評があり、人気も高い。そのカールツァイスがミラーレス用に開発したレンズが「Touit 2.8/50M」である。このレンズはAPS-Cセンサーのサイズに合わせて作られたレンズで、AF撮影も可能だ。開放絞り値はF2.8、最短撮影距離は0.15mで、つまり35mm判換算で75mm相当のF2.8となる中望遠マクロレンズとして使用できるのだ。これはポートレート撮影においても目元のクローズアップからバストアップ、全身撮影と幅広く撮影することができる。またF2.8の浅い被写界深度を生かすことで人物をぼけた背景に浮き上がらせるといった撮影も可能だ。解像力も高くフォーカスの合った箇所はくっきりと、そこから外れていくに従って滑らかで自然なぼけへと遷移していく。高い解像力を持つレンズであるからこそ、その前後のぼけがより魅力的となるのだ。

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メーカーサイト

作例

森の中でとらえたポートレート。木々に注ぐ日の光で若葉が輝く。人物の左目にのみフォーカスを合わせて撮影。

カメラ:FUJIFILM X-T1/レンズ:Touit 2.8/50M/露出モード:絞り優先AE/絞り:F2.8/シャッタースピード:1/340秒/露出補正:+0.3EV/ISO 200

作例

古い町並みを背景にしたポートレート。中望遠の画角となる「Touit 2.8/50M」は撮影者と被写体、そして背景との関係を程よい距離に収めることができる。

カメラ:FUJIFILM X-T1/レンズ:Touit 2.8/50M/露出モード:絞り優先AE/絞り:F2.8/シャッタースピード:1/350秒/ISO 200

作例

人物の目元にぐっと寄ったクローズアップ撮影。高い解像力を誇りながらも肌のトーン描写は穏やか。緩さはなく、かといって硬すぎない。絶妙な味付けのレンズだ。

カメラ:FUJIFILM X-T1/レンズ:Touit 2.8/50M/露出モード:絞り優先AE/絞り:F2.8/シャッタースピード:1/70秒/ISO 200

作例

明るい日差しにあふれた午後。石造りの洋館にも穏やかな時間が流れる。細身の「Touit 2.8/50M」を包み込むようにして、人物から少し離れた位置より静かにシャッターを切る。F5.6まで絞り込むことで得られる均質な描写が緩やかなひとときをとらえる。

カメラ:FUJIFILM X-T1/レンズ:Touit 2.8/50M/露出モード:絞り優先AE/絞り:F5.6/シャッタースピード:1/160秒/露出補正:+0.3EV/ISO 200

作例

窓外から入ってくる明かりが白い部屋の中を駆け巡り柔らかな雰囲気の写真としてくれる。逆光にも強くコントラストの低下もない。柔らかな光に包まれながらもメリハリのある写真とすることができる。カールツァイスが得意とする描写だ。

カメラ:FUJIFILM X-T1/レンズ:Touit 2.8/50M/露出モード:絞り優先AE/絞り:F2.8/シャッタースピード:1/55秒/露出補正:+1.3EV/ISO 400

撮影風景

今回の撮影では「Touit 2.8/50M」はXマウント用を使用した。「FUJIFILM X-T1」との相性も良く、またリング式の絞り環も直感的に使用することができた。見た目もクラシカルで好感が持てる。

Touit 2.8/50M
対応マウント ソニーE、FUJIFILM X
対応センサーサイズ APS-C
焦点距離 50mm
絞り値 F2.8~F22
レンズ構成 11群14枚
最短撮影距離 0.15m
最大径×長さ Φ65×104mm(Eマウント)、Φ65×108mm(Xマウント)
フィルター径 52mm
重さ 290g