GANREF特別企画 夏の星空撮影術&おすすめアイテム
おすすめアイテムコレクション~ニコンビジョン編~
ニコンビジョンは、ニコングループで双眼鏡や望遠鏡をはじめとしたさまざまな製品の製品開発・設計・製造を行うメーカーです。機能や品質には定評があり、業務でも使われるプロ仕様の製品も多数取りそろえています。
画面中央の明るい部分は、その形から「バンビの横顔」などと天文愛好家に呼ばれている「M24」というナンバーのついた「スタークラウド(Star Cloud)」です。左上の赤い天体は「M17・オメガ星雲」。このあたりは双眼鏡で見ると実に美しいところで、微光星や暗黒星雲の入り乱れた様子には、何度見てもため息が漏れるほど。よく晴れた晩には、ぜひ双眼鏡でも天の川を楽しんでみてください。
※この写真は双眼鏡を使用して撮影したものではありません
双眼鏡はスポーツ観戦や自然観察などでなじみの深い光学機器ですが、星の観察や撮影に役立つことは意外と知られていないようです。双眼鏡は2つの望遠鏡を平行に並べて両目で見るようにしたものです。対物レンズで多くの光を集めて拡大してくれますから、淡い天体のような暗い観察対象でも、明るく大きくして見やすくなるのです。しかも両目でのぞきますから、自然で快適な使い心地で美しい星空が楽しめます。また、撮影対象の天体を見るばかりでなく、星景写真の撮影でも、暗くて判別しにくい地上の風景を確認するのに役立ちます。意外なところに電柱や電線、無粋な看板などがあることに気づかず、撮ってみてガッカリ……などということもよくありますから。
星や夜間の地上など、光量の少ないものを観察するときは、口径が大きく倍率が低めの双眼鏡が適しています。おもに手持ちで使用するので、口径は大きくても50mmくらい、倍率は6〜8倍くらいのものがオススメです。双眼鏡の本体には「7×50・7.3°」とか「8×30・8.8°」などと記されていますが、これはそれぞれ「倍率7倍・口径50mm・実視界7.3度」「倍率8倍・口径30mm・実視界8.8度」という双眼鏡の基本スペックを表しています。
接眼レンズから目を離したときに、接眼レンズの中に明るい円が見えますが、この円を「射出ひとみ」といい、その直径を「ひとみ径」といいます。射出ひとみから出る光が目に入って像が見えるのですが、人間の瞳孔は暗い場所で最大7mmくらいまで開くので、ひとみ径がこれに近いサイズの双眼鏡ほど視野が明るく見えることになります。
ひとみ径は「対物レンズ口径÷倍率」で計算できます。7×50の双眼鏡だと、50÷7で、ひとみ径は約7.1mm。天体観察や夜間の使用には、ひとみ径が5〜7mmあるものを選択しましょう。7×50という双眼鏡は、暗所での観察や航海の監視など、プロの現場で最も広く使われている双眼鏡です。
メーカー希望小売価格:99,750円(税込)
航海などで使用されるプロ仕様防水双眼鏡の光学系をグレードアップし、点光源である星の観察でも視野周辺までシャープな星像が見られるようにした、高性能でタフなモデルです。手持ちで長時間使うには少々重たいのですが、これで眺める天の川の微光星は、まさに絶品です。
メーカー希望小売価格:57,750円(税込)
ダハプリズム採用のスタイリッシュな軽量広視界モデルです。EDガラスを採用して色収差を補正し、広々とした視界で快適な星の観察ができます。
どちらも窒素ガス封入の防水仕様で、夜露に濡れてしまうことの多い天体観察や星の撮影現場でも安心です。
7×50SPは「単独繰出し(IF:Individual Focus)式」の接眼レンズで、左右片方ずつ回してピント合わせをするタイプです。精度や耐久性、気密性に優れた方式で、航海や監視の業務用・天体観測用のものに多く採用されています。
接眼レンズの中に明るく見える円が射出ひとみです。この機種の場合、直径は7.1mm。この直径が大きいほど視野の明るい双眼鏡ということです。ひとみの周囲を見ると鏡筒の内面反射も少なく、コントラストのよい視野であることがわかります。
基本的に手持ちで使用するのが双眼鏡ですが、対象をはっきりと見るには、いかにぶれを防ぐかが重要になります。それには両手でやんわりと持ち、脇を締めて重量を支えるのがコツ。双眼鏡をカメラ三脚に取り付けるためのアダプターも用意されています。低倍率の双眼鏡でも、三脚に固定すれば天体の細部や微光星まで驚くほどくっきりと見ることができるので、オススメです。
倍率 | 7倍 |
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対物レンズ 有効径 | 50mm |
実視界 | 7.3° |
見掛視界 | 48.1° |
1,000mにおける視界 | 128m |
ひとみ径 | 7.1mm |
明るさ | 50.4 |
アイレリーフ | 16.2mm |
最短合焦距離 | 12.4m |
重さ | 1,485g |
高さ | 217mm |
幅 | 210mm |
眼幅調整範囲 | 56~72mm |
倍率 | 8倍 |
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対物レンズ 有効径 | 42mm |
実視界 | 8.0° |
見掛視界 | 58.4° |
1,000mにおける視界 | 140m |
ひとみ径 | 5.3mm |
明るさ | 28.1 |
アイレリーフ | 17.1mm |
最短合焦距離 | 2.5m |
重さ | 650g |
高さ | 142mm |
幅 | 130mm |
眼幅調整範囲 | 56~72mm |