三脚はぶれを防ぐだけじゃない! feat.ベルボン

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買ってから後悔しないための三脚選びの基本

 三脚にはとても多くの種類の製品があり、安定性に特に優れたものや携行性を重視したものなど、それぞれに特徴があります。ここでは被写体や撮影の状況に合わせた三脚の選び方を考えてみましょう。

 スタジオでの静物撮影やモデル撮影など、移動が少ない撮影では、重くてがっしりとした三脚が安定性も高くおすすめです。ただし、しっかりとした三脚は重量もかなりのものになりますので、屋外で持ち歩いての使用にはあまり向かないでしょう。
 旅行や山登りなど、できるだけ持ち物を軽くしたい撮影の場合は、いくら安定性が高いといっても大きくて重い三脚を持ち歩くのは大変。三脚を持ち歩くだけで疲れてしまい撮影に集中できないのでは本末転倒というものです。そのような場合は軽さを追求した三脚を選ぶと良いでしょう。ただし軽いだけの三脚はおすすめできません。軽量ながら強度の高いカーボン素材のモデルがおすすめです。

 持ち運びのことを考えるときは、収納時の長さ(縮長)もチェックしましょう。同じ全高の三脚でも脚部の段数が多いと縮長は短く、逆に段数が少ないと縮長は長くなります。一般的に段数が少ないものの方が安定性は上となり、持ち運び時のサイズは大きくなります。
 また三脚の機能としてローアングル撮影に対応したモデルも用意されています。脚部のストッパーを解除して通常以上に脚を広げることで、花や昆虫の撮影に適したローアングルポジションをとることができるのです。最低高はモデルによって異なります。

 このように三脚は、撮影するシーンや被写体に合わせて選択することが大事です。安定感を得るための大型三脚と軽快なフットワークを生かせる軽量三脚の両方をそろえて、シーンに合わせて使い分けるのが理想です。上質な三脚は一度購入すれば長期にわたって使用することができます。カメラ・レンズと同様に三脚にもこだわってみてはいかがでしょうか。

ジオ・カルマーニュEシリーズとジオ・カルマーニュNシリーズのロック機構の違い

Nシリーズのロック機構Nシリーズのロック機構 Eシリーズのロック機構Eシリーズのロック機構  ベルボンのカーボン製三脚「ジオ・カルマーニュ」シリーズには、脚部のロックがレバー式になっている「ジオ・カルマーニュE」シリーズと、回転式のロックナットになっている「ジオ・カルマーニュN」シリーズの2種類があります。レバー式ロックはクイックな操作が行えるのが魅力です。一方、回転式ロックは長期間使用していても緩みが出にくいといった長所があります。それぞれ方式は異なりますがロック強度はどちらも同じですので、好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

重視するポイント別・オススメ三脚

三脚スペックの意味

全高(EV含む)
全高(EV含む) すべての脚を伸ばし、エレベーターを上げた際の高さ。雲台がセットの製品は雲台の高さも含む。
全高
全高 すべての脚を伸ばし、エレベーターを下げた際の高さ。雲台がセットの製品は雲台の高さも含む。
最低高
最低高 ローアングルポジションにして、最も低くした際の高さ。雲台がセットの製品は雲台の高さも含む。
縮長
縮長 脚をすべて縮めて折り畳んだ状態(収納時)の長さ。雲台がセットの製品は雲台の長さも含む。
重さ
三脚の質量。雲台がセットの製品は雲台の重さも含む。
段数
三脚を収納する際の脚の段数。
脚径
脚パイプの直径。
推奨積載質量
機能的かつ快適に撮影を行える、メーカーが推奨する質量の上限。物理的な限界とは異なる。

とにかく安定性を重視したい

ベルボン
マーク-7B

ベルボン マーク-7B
実勢価格:
45,800円前後(GANREF調査)

望遠レンズでの撮影や大判カメラでの撮影にも対応できる大型三脚。ずっしりとくる金属製パイプ採用で安定感も抜群。7kgまでの機材を載せられるので、プロ機+大口径超望遠レンズの組み合わせでも問題ない。雲台は別売り。

筆者の評価(最高★5つ)
剛性・安定性★★★★★
積載質量★★★★★
軽さ
携行性
ローアングル
マーク-7B スペック
全高(EV含む・雲台含まず)1,655mm
全高(雲台含まず)1,445mm
最低高(雲台含まず)455mm
縮長(雲台含まず)675mm
重さ(雲台含まず)3,500g
段数3段
脚径32mm
推奨積載質量7kg

ベルボン
ジオ・カルマーニュ E730

ベルボン ジオ・カルマーニュ E730
実勢価格:
68,400円前後(GANREF調査)

ベルボン
ジオ・カルマーニュ N730

ベルボン ジオ・カルマーニュ N730
実勢価格:
68,400円前後(GANREF調査)

全高(EV含む)1,910mmの大型三脚でありながら、カーボン製脚パイプ採用で驚くほどに軽量。推奨積載質量は7kgまでと、プロ・ハイアマチュアの要望にも十分に応えられる能力を持つ。雲台は別売り。

筆者の評価(最高★5つ)
剛性・安定性★★★★★
積載質量★★★★★
軽さ★★
携行性★★★
ローアングル★★★
ジオ・カルマーニュ E730 スペック
全高(EV含む・雲台含まず)1,910mm
全高(雲台含まず)1,550mm
最低高(雲台含まず)165mm
縮長(雲台含まず)700mm
重さ(雲台含まず)2,350g
段数3段
脚径32mm
推奨積載質量7kg
ジオ・カルマーニュ N730 スペック
全高(EV含む・雲台含まず)1,910mm
全高(雲台含まず)1,550mm
最低高(雲台含まず)167mm
縮長(雲台含まず)700mm
重さ(雲台含まず)2,490g
段数3段
脚径32mm
推奨積載質量7kg

安定性と携行性のバランス重視

ベルボン
ジオ・カルマーニュ E645

ベルボン ジオ・カルマーニュ E645
実勢価格:
53,800円前後(GANREF調査)

ベルボン
ジオ・カルマーニュ N645

ベルボン ジオ・カルマーニュ N645
実勢価格:
53,800円前後(GANREF調査)

約1,700mmの全高(EV含む)を保ちながら、4段とすることで縮長を抑えた中型三脚。イージーロックレバーの採用で、素早いセンターポールの上げ下げが可能。雲台PHD-61Q付属。

筆者の評価(最高★5つ)
剛性・安定性★★★★
積載質量★★★★
軽さ★★★
携行性★★★★
ローアングル★★★★
ジオ・カルマーニュ E645 スペック
全高(EV含む)1,690mm
全高1,365mm
最低高243mm
縮長574mm
重さ2,370g
段数4段
脚径28mm
推奨積載質量4kg
ジオ・カルマーニュ N645 スペック
全高(EV含む)1,700mm
全高1,375mm
最低高246mm
縮長589mm
重さ2,500g
段数4段
脚径28mm
推奨積載質量4kg

ベルボン
ジオ・カルマーニュ E535

ジオ・カルマーニュ E535
実勢価格:
45,800円前後(GANREF調査)

ベルボン
ジオ・カルマーニュ N535

ベルボン ジオ・カルマーニュ N535
実勢価格:
45,800円前後(GANREF調査)

脚径を抑えることで、軽量化しながら約1,700mmの全高(EV含む)を実現。収納時はとてもスリムで、軽さとあわせ携行性が高い。ローアングル撮影にも対応しており常用三脚として最適だ。雲台PHD-51Q付属。

筆者の評価(最高★5つ)
剛性・安定性★★★
積載質量★★★
軽さ★★★★
携行性★★★★
ローアングル★★★
ジオ・カルマーニュ E535 スペック
全高(EV含む)1,690mm
全高1,310mm
最低高286mm
縮長630mm
重さ1,960g
段数3段
脚径25mm
推奨積載質量3kg
ジオ・カルマーニュ N535 スペック
全高(EV含む)1,720mm
全高1,340mm
最低高288mm
縮長645mm
重さ2,050g
段数3段
脚径25mm
推奨積載質量3kg

携行性を最重要視

ベルボン
ジオ・カルマーニュ E445L

ベルボン ジオ・カルマーニュ E445L
実勢価格:
34,000円前後(GANREF調査)

22mm径脚パイプ採用で重さを1,560gに抑えた小型軽量カーボン三脚。それでいて全高1,660mm(EV含む)と目線の高さまで上がる。高い携行性と実用性を兼ね備えたモデルだ。雲台PHD-41Q付属。

筆者の評価(最高★5つ)
剛性・安定性★★★
積載質量★★
軽さ★★★★
携行性★★★★
ローアングル★★★★
ジオ・カルマーニュ E445L スペック
全高(EV含む)1,660mm
全高1,412mm
最低高212mm
縮長509mm
重さ1,560g
段数4段
脚径22mm
推奨積載質量2.5kg

ベルボン
ジオ・カルマーニュ E335

ベルボン ジオ・カルマーニュ E335
実勢価格:
26,800円前後(GANREF調査)

重さ1,050gという超軽量小型カーボン三脚。機材を最小限に抑えたい旅行や登山などに最適。全高1,460mm(EV含む)も実用的サイズ。最低高200mmはローアングル撮影にも便利。雲台PHD-31Q付属。

筆者の評価(最高★5つ)
剛性・安定性★★★
積載質量★★
軽さ★★★★★
携行性★★★★★
ローアングル★★★★★
ジオ・カルマーニュ E335 スペック
全高(EV含む)1,460mm
全高1,110mm
最低高200mm
縮長488mm
重さ1,050g
段数3段
脚径19mm
推奨積載質量2kg

三脚の安定性をより高める方法を覚えておこう!
ストーンバッグ&エンドフックの使い方

 一般的に三脚は重量が大きいほど安定性は増しますが、持ち歩くことを考えるとカーボン三脚など軽量な三脚の方が扱いやすくなります。ただしその特徴でもある軽さにより、強い風などの影響を受けやすいのも事実です。そこで三脚をより安定させるためにストーンバッグやエンドフックを使用して、重しを追加してあげると安定性を増すことができます。

ストーンバッグ
ストーンバッグ ストーンバッグ

三脚の3本の脚に固定用のひもを取り付け、そこに付属のストーンバッグを開いて取り付けます。開いたストーンバッグの中に石や中身の入ったペットボトルなど重りとなるものを入れるだけで、安定性が高まります。

エンドフック
エンドフック エンドフック

三脚のセンターポール下部に付属のエンドフックを取り付けます。そこに中身の入ったカメラバッグなどをつり下げることで安定性を高めることができます。この場合、バッグが揺れていると振動が伝わってしまうので注意しましょう。

撮影/レポート:礒村浩一
協力:ベルボン株式会社

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Velbon Geo
デジカメエキスパート虎の巻