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おすすめアイテムコレクション~富士フイルム編~

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レポート:萩原俊哉

フィルムで色づくりを研究し尽くしてきたからこその色再現性や、フィルムを選ぶように仕上がりの設定をすることができるフィルムシミュレーションが人気の富士フイルムのXシリーズ。今回は、滝・渓流撮影で重宝するチルト式液晶モニター、防塵防滴性能を備えた「FUJIFILM X-T1」を紹介する

製品画像FUJIFILM X-T1

メーカー希望小売価格:オープン

「FUJIFILM X-T1」が発売されたのは2014年の2月のこと。以来、その魅力の虜となった風景写真家たちがこのカメラで作品を創り続けていることは周知のとおりだ。なんといっても「X-T1」から生み出される画像の鮮やかな色再現性や豊かな立体感は、長きにわたり色づくりを極めてきたフィルムメーカーならでは。PROVIA、Velvia、ASTIA、そしてクラシッククロームなどフィルムシミュレーションによって得られるイメージは、滝や渓流などの風景をより昇華させてくれるのだ。

メカニカルな操作系を持つ外観は「X-T1」の特徴のひとつでもある。マニュアルライクなダイヤル操作系は、カチリカチリとノッチごとに決まって小気味よい。最近のデジタルカメラではもの足りない、道具としてのカメラの操作感がたまらないのだ。このメカニカルなダイヤルはデザインに貢献しているだけではなく、電源オフ状態であってもISO感度や露出補正値などの設定状態を把握できるというメリットがある。とかくデジタルカメラは電源をオンにしないとカメラ設定がどのような状態であるかを把握できない機種が多い。しかし「X-T1」なら、ザックからカメラを取り出した瞬間から状態を把握することができるので、雲台にカメラをセットしながら滝や渓流の状態に応じた設定に変更できる。素早く撮影することができるため、テンポよく撮影できるうえにシャッターチャンスを逃しにくいともいえるだろう。

ところで、滝や渓流の撮影では飛沫が飛んできたり、水面すれすれにカメラをセットして撮影したいこともあるだろう。「X-T1」は、カメラボディが防塵防滴仕様であることはもちろん、モニターが上下方向に動かすことができるため、滝や渓流に積極的なアプローチを試みることができる。滝や渓流で、よりアクティブな撮影を存分に楽しめるカメラなのだ。

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メーカーサイト

PROVIA
作例
Velvia
作例
ASTIA
作例
クラシッククローム
作例

富士フイルムらしい色づくりの要であるフィルムシミュレーション。PROVIA、Velvia、ASTIA、そしてファームウエアVer.3.00で採用されたクラシッククロームで撮影したものだ。緑や青空を色鮮やかに再現するならVelvia、岩肌をシックに表現したいならクラシッククローム、自然な色合いを表現するならPROVIA、水流を柔らかく表現したいならASTIAなど、表現に応じて選ぶと良いだろう。
カメラ:FUJIFILM X-T1/レンズ:XF16-55mmF2.8 R LM WR/焦点距離:55mm(35mm換算:83mm)/露出モード:絞り優先AE/絞り:F8/シャッタースピード:1/3秒/露出補正:-0.3EV)/ISO感度:200/WB:太陽光/ND8フィルター使用
作例
写真

渓流や滝の流れに近づけば遠近感が強調されて迫力が増す。防塵防滴仕様の「X-T1」なら躊躇なくローアングルで被写体にアプローチすることができる。むろん、チルト式液晶ならこのような水場でのローポジション撮影でも無理な体制を強いられることなく快適に撮影することが可能だ。
カメラ:FUJIFILM X-T1/レンズ:XF16-55mmF2.8 R LM WR/焦点距離:16mm/露出モード:絞り優先AE/絞り:F11/シャッタースピード:1秒/露出補正:-1EV/ISO感度:200/WB:太陽光/フィルムシミュレーション:Velvia

作例
写真

左右の流れを高速シャッタースピードで表現したいと考え、三脚を立てられない低い位置から手持ちで撮影したものだ。このような手持ちでなければ撮影できないシーンではファインダーによる撮影が必須となるが、ファインダー倍率0.77倍、水平視野角31度の高精細有機EL電子ビューファインダーを搭載する「X-T1」なら快適だ。
カメラ:FUJIFILM X-T1/レンズ:XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR/焦点距離:140mm/露出モード:絞り優先AE/絞り:F4/シャッタースピード:1/2,500秒)/ISO感度:200/WB:太陽光/フィルムシミュレーション:クラシッククローム

作例
写真

大判カメラ用レンズも制作していたFUJINONの名を冠するXシリーズのレンズ群。そのクオリティはいわずもがなのことである。細部に至るまでの精細感はご覧のとおり。画像の中心部分はもちろん、周辺にいたるまでピリッと高い解像感が得られている。
カメラ:FUJIFILM X-T1/レンズ:XF10-24mmF4 R OIS/焦点距離:12.6mm/露出モード:絞り優先AE/絞り:F8/シャッタースピード:1/8秒/露出補正:-0.3EV/ISO感度:200/WB:太陽光/フィルムシミュレーション:Velvia

FUJIFILM X-T1
有効画素数 1,630万画素
撮像素子 23.6×15.6mm(APS-Cサイズ) X-Trans CMOS IIセンサー、原色フィルター採用
総画素数1,670万画素
レンズマウント FUJIFILM Xマウント
撮影感度 感度設定
AUTO(ISO 6400まで設定可能)
ISO 200~6400(1/3ステップ)(標準出力感度)
拡張感度設定
ISO 100/12800/25600/51200
ファインダー 電子ビューファインダー
0.5型 有機ELファインダー 約236万ドット 視野率約100%
アイポイント:約23mm(接眼レンズ最後尾から)
ファインダー倍率: 0.77倍
対角視野 約38度(水平視野 約31度)
液晶モニター 3.0型 3:2アスペクト チルト式TFTカラー液晶モニター 約104万ドット
フィルムシミュレーションモード 11モード(PROVIA/スタンダード、Velvia/ビビッド、ASTIA/ソフト、クラシッククローム(ファームウエアVer.3.00以上)、PRO Neg.Hi、PRO Neg.Std、モノクロ、モノクロ+Yeフィルター、モノクロ+Rフィルター、モノクロ+Gフィルター、セピア)
サイズ W129.0×H89.8×D46.7mm
重さ 約440g(付属バッテリー、メモリーカード含む)
約390g(バッテリー、メモリーカード含まず)
動作環境 温度
-10℃~+40℃
湿度
10%~80%(結露しないこと)