GANREF特別企画 アイソン彗星撮影術&おすすめアイテム
おすすめアイテムコレクション~ニコン双眼鏡編~
ニコンの双眼鏡は、機能や品質には定評があり、業務でも使われるプロ仕様の製品も多数取りそろえているのが特徴だ。ここではアイソン彗星を観察・撮影するときにぜひ使用をおすすめしたい双眼鏡の選び方・使い方を解説しよう。
メーカー希望小売価格:
MONARCH 7 8x42:57,750円(税込)
MONARCH 5 8x42:43,050円(税込)
MONARCH 5 16x56:69,300円(税込)
MONARCH 5 20x56:73,500円(税込)
アイソン彗星の撮影に出かける際には、ぜひとも双眼鏡を持っていってほしい。アイソン彗星の発見に役立つだけでなく、肉眼に比べはるかに多くの光を集めることができるので、彗星の尾の淡い所までよりハッキリと見ることができるからだ。彗星がそれほど明るくない時期でも、双眼鏡ならいち早く見つけることができるし、明るくなってくれば、尾の中の流線模様も見えるかもしれない。また、遠ざかって徐々に暗くなっていく時期も、長く彗星を楽しむことができる。
光学性能を極めたもの、業務用の頑丈なプロ仕様、超小型の軽量機まで多彩な双眼鏡がラインアップされているニコンの双眼鏡だが、「MONARCH」シリーズはスタンダード機に位置づけられているダハプリズムタイプのスタイリッシュな機種。スタンダード機とはいえ光学性能はかなりハイレベルで、視野のコントラストは良く、点光源である星を見ても視野のかなり周辺近くまで良像を保っていて、星空を気持ちよく楽しむことができる。
それは、EDガラスを採用して色収差を補正し、すべてのレンズに多層膜コーティング、高反射誘電体多層膜を採用した補助プリズム、位相差補正コーティングを施したダハプリズムなどが採用されて、月や星などの収差が目立ちやすい厳しい対象でもスッキリと明るく自然な視野を実現してくれるのである。しかも窒素ガスを充填した本格防水仕様。夜間撮影時に放置して、うっかり夜露にぬらしてしまうようなことがあっても安心だ。
アイソン彗星の接近に備えて、しっかり作られた双眼鏡を1台手元に置くことを強くおすすめしたい。もちろんアイソン彗星が去った後にも、長く星空撮影の良き相棒になってくれることだろう。
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「MONARCH 7 8×42」倍率8倍・口径42mmの広視界タイプ。見かけ視界(双眼鏡をのぞいたときの視野角)58.4°の広々とした視野で、開放感のある星空が楽しい。実視界8°で、対象天体を視野にとらえやすい使いやすさと、広視界の気持ちよさが本機の魅力。8×42というスペックは、星ばかりでなく幅広い用途に対応できる万能機だ。
「MONARCH 5 8×42」「MONARCH 7」と同じく倍率8倍・口径42mmだが、見かけ視界47.5°、実視界6.3°の標準視界タイプ。グラスファイバー入りポリカーボネイト樹脂を使用した軽量ボディは、手に持ったときのバランスが実にいい。「MONARCH」シリーズ共通のヌケの良い視野は周辺部までシャープ。「MONARCH 7」に比べて低廉なところも大きな魅力だ。
「MONARCH 5 16×56」「MONARCH 5 20×56」大口径56mmの高倍率タイプ双眼鏡。16倍は見かけ視界59,6°、20倍は59.9°と、どちらも広視界タイプで、大変迫力のある天体像が堪能できる。手持ちでの使用も可能だが、できれば三脚に搭載して高倍率の視野をじっくり楽しみたいところ。そのためにカメラ三脚用アダプター「TRA-3」が標準付属している。
双眼鏡を手持ちで使用するときは、イスに座るなどして体を安定させて脇を引き締めるのが、視野のぶれを抑えるコツ。高倍率機だけでなく、7~8倍程度の倍率でも三脚を使用すると、対象の細部まで格段とハッキリ見えてくる。彗星や天体を観察するときはできるだけ三脚を使用したい。アイソン彗星の見える高度は低いので、三脚に載せても楽な姿勢で観察できるだろう。
「MONARCH」の56mmシリーズは高倍率なため、中心軸前端にねじ込んで使用する三脚アダプターが付属している。このタイプの三脚アダプターを使用する双眼鏡は多く、ほかの双眼鏡にも適合する場合が多い。三脚はもちろんカメラ用でOK。星の撮影ほどがっちり固定する必要がないので、軽量な三脚でもいいだろう。ただし暗い中で引っ掛けて倒すことがないように反射テープを貼ったり、小さなLEDランプを下げておくなどしたいところ。
「MONARCH」シリーズの接眼目当ては、使いやすいクリック付きのターンスライド方式。眼鏡を使用する人は縮めて、裸眼の人は引き出して使用する。接眼レンズはどの機種もハイアイポイント設計で、眼鏡使用者でも見やすく快適に使用できる。対物レンズのキャップは紛失を防ぐフリップダウン式。
人間の目は左右で視力が違うこともよくあるので、双眼鏡にはどれも左右の視度調節機構がある。この視度調節は忘れられがちだが、双眼鏡の性能をフルに発揮するために必ず自分の目に合わせて調節しよう。その方法は、まず中央のピント合わせダイヤルで左目のピントを合わせてから、次に右目のピントを右の接眼レンズに備えられた視度調節リングを回して合わせる。一度左右の視度差を合わせたら、その後は中央のダイヤルだけで対象の距離に応じてピント調節するだけでいい。
倍率 | 8倍 |
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対物レンズ 有効径 | 42mm |
実視界 | 8.0° |
見掛視界 | 58.4° |
1,000mにおける視界 | 140m |
ひとみ径 | 5.3mm |
明るさ | 28.1 |
アイレリーフ | 17.1mm |
最短合焦距離 | 2.5m |
重さ | 650g |
高さ | 142mm |
幅 | 130mm |
眼幅調整範囲 | 56~72mm |
倍率 | 8倍 |
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対物レンズ 有効径 | 42mm |
実視界 | 6.3° |
見掛視界 | 47.5° |
1,000mにおける視界 | 110m |
ひとみ径 | 5.3mm |
明るさ | 28.1 |
アイレリーフ | 19.5mm |
最短合焦距離 | 2.5m |
重さ | 590g |
高さ | 145mm |
幅 | 129mm |
眼幅調整範囲 | 56~72mm |
倍率 | 16倍/20倍 |
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対物レンズ 有効径 | 56mm |
実視界 | 4.1°/3.3° |
見掛視界 | 59.6°/59.9° |
1,000mにおける視界 | 72m/58m |
ひとみ径 | 3.5mm/2.8mm |
明るさ | 12.3/7.8 |
アイレリーフ | 16.4mm |
最短合焦距離 | 5.0m |
重さ | 1,230g/1,235g |
高さ | 199mm |
幅 | 146mm |
眼幅調整範囲 | 60~72mm |