中井精也先生の人気講座がGANREFで特別開講! 写真が絶対うまくなる2つのルール Powered by Nikon College
特別補講 第2回
人気講座がならぶニコンの写真教室「ニコン カレッジ」のなかでも、あっというまに予約で埋まるのが中井精也さんの講座だ。中井さんのソフトな語り口、穏やかな人柄もさることながら、人気の秘密はその内容。写真はなにによって構成されているのか、というそもそもの話から、イメージどおりに作品を撮るための機能、さらには撮影現場での実践テクニックまで網羅されているのだ。GANREFでは、2009年12月に特別講座を実施したが、場所や時間の問題で、受講したいけれど受講できなかった人も多かったのではないだろうか。そこで、「写真が絶対うまくなる2つのルール Powered by Nikon College 特別補講」として教室の内容をGANREFで特別に公開する。前回の構図に続いて、今回は表現方法がテーマ。写真でなにを伝えるのか、という重要な考えと、具体的な方法について説明する。座学と実践のふたつの面から、鉄道写真にとどまらない、上手な写真の撮り方を学んでいこう。
※本記事は「デジタルカメラマガジン2010年2月号」に掲載されたものです
» 特別補講 第1回 テーマ:構図
» 構図の考え方を復習するのに最適! 写真が絶対うまくなる構図のルール
前回は「なにを、どう撮るか?」の「なにを」の部分、つまり写真の主題を決めることを解説しました。今回は「どう撮るか?」についてです。前回は主題を意識した構図の作り方を解説しましたが、じつはその前に「どう撮るか?」を決めなければいけません。これを決めることで光線が決まり、撮り手が立つ位置が決まるのです。そして撮る場所が決まったら、自分の意図に従って、写真の露出や色などを決めていきます。この「光線」「露出」「色」「仕上がり」の4つが写真の印象を変えてくれます。「どう撮るか?」を決めることは、写真の設計図を作るようなもの。基本を押さえて、しっかりした骨組みを作りましょう。
下の写真はすべて同じリンゴを撮影したものですが、「どう撮るか?」を意識しただけで、まったく印象の違う写真になっています。じつはこれらの写真は「光線」「露出」「色」「仕上がり」という4つのテクニックを選択・調整することで作り上げています。今回はこの「どう撮るか?」に役立つ4つのテクニックについて解説します。
「どう撮るか」を勉強するために、とっておきの教材を用意しました。それはこの、なんの変哲もないリンゴ。このリンゴをいろいろな表現で撮ることで、印象を変えていくことができます。
それぞれの光の特徴をつかみましょう!
被写体が決まったら、撮影場所を選びますが、そのときの基準にするのが光線です。それぞれの光線の特性を知り、自分が撮りたい印象に近い光線を、フットワークを活かして選びましょう
思い切って大幅に調整しましょう!
カメラのAEは、誰もがキレイと感じる、平均的な明るさになるようにプログラムされています。まずは露出補正ボタン(左写真の矢印)を押しながらダイヤルを回し、大胆に露出を変えて変化を実感してみましょう
設定と色の関係を把握しましょう!
ホワイトバランスは白いものを白く写すために色を調整する機能です。光源とあえて異なるホワイトバランスを選ぶことで、画面にブルーやアンバーの色をかぶせることができます
シーンに合わせて選びましょう!
スタンダード | バランスの取れた標準的な画像 |
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ニュートラル | 階調や色合いを忠実に再現 |
ビビッド | ほどよく鮮やかに強調した画像 |
モノクローム | 白黒やセピアで表現した画像 |
ポートレート※ | 肌を滑らかかつ立体的に描写 |
風景※ | 多様な景観を生き生きと表現 |
ピクチャーコントロールはフィルムを交換するように写真の調子を設定できるもの。特徴を覚えて、シーンに合わせて選びましょう
※…一部の機種ではオプションピクチャーコントロールとして対応
ここでは光線、露出、色、仕上がりを調整する方法を解説しました。実際にはひとつの調整だけを使うのではなく、そのいくつかを組み合わせることで、自分の理想の写真に近づけていきます。撮影の現場では試してみることも重要ですが、「逆光のときはホワイトバランスを[晴天日陰]にして、マイナス補正でローキーに」といったように、必殺の組み合わせを覚えるといいでしょう。そしてあとから調整できるように、RAWでの撮影がオススメです。次ページでは、実際の撮影現場での活用方法を説明します。