EOS 90D
EF300mm F2.8L IS II USM
+EXTENDER EF2×III- 撮影情報
カメラメーカー:キヤノン
カメラ:EOS 90D
レンズメーカー:キヤノン
レンズ:EF300mm F2.8L IS II USM+EXTENDER EF2×III
焦点距離:600.0 mm
シャッタースピード:1/1600秒
絞り数値:10
露光補正量:-2/3EV
ISO感度:200
ホワイトバランス:Manual
撮影日時:2019/7/26 18:04
「ヒコーキ」を撮影するうえでの「一眼レフカメラ」の魅力と優位性
チャーリィ私の場合、ヒコーキ撮影はやっぱり光学ファインダーの一眼レフで撮影することがほとんどです。電子ビューファインダー(EVF)を採用したミラーレスカメラにはまだ馴染めていないのと、戦闘機を撮る場合はわずかでもファインダー像が遅れると、狙ったイメージからだいぶずれてしまうので・・・・・・。さて、同じくヒコーキを撮っている皆さんは最新の一眼レフカメラ「EOS 90D」を使ってみてどう感じましたか?
ともよん僕はミラーレスカメラのEOS Rを2台使っています。動きものを撮るときは、やはり光学ファインダー搭載の一眼レフが撮りやすさを感じました。ヒコーキ以外でも、頼まれて少年サッカーの撮影をしますが、やはり動く被写体のときは一眼レフだと心強さを感じます。
チャーリィヒコーキは、旅客機でも至近距離になると相当な速さになりますよね。EOS 90Dの光学ファインダーには満足できましたか?
ともよんはい、EOS 7D Mark IIと比べても遜色なく撮影できました。視野率約100%、倍率約0.95倍と十分なスペックなので見やすかったです。
moon star光学ファインダーでしっかり追えて、フルサイズより大きくヒコーキが写るところがいいですよね。
チャーリィそう、EOS 90DはAPS-Cサイズセンサーを搭載しているところもポイント。同じ焦点距離のレンズでもフルサイズより約1.6倍望遠の画角になるのでヒコーキ撮影に強い。遠くの被写体を写すのが当たり前のヒコーキ撮影で、APS-Cサイズの一眼レフが外せない理由です。
ayu私も、解像感が欲しくてフルサイズのEOS 5D Mark IIIを普段は使っていますが、やっぱり望遠に強いAPS-Cサイズがあるとヒコーキを大きく写せるのでうれしいです。
チャーリィayuさんは僕がおすすめしたら直ぐに「EF300mm F2.8L IS II USM」を買ってしまうくらいですからね。ヒコーキ撮影をよく分かっていらっしゃる(笑)
ayu今回はお借りした「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」をEOS 90Dに付けて撮り比べしてみたのですが、ズームであることと、APS-Cサイズなら640mm相当の望遠レンズになるのが便利で、このレンズいいなぁと思いました。やっぱりAPS-Cサイズと望遠の組み合わせはヒコーキ撮影では正攻法ですね。
「EOS 90D」の驚きのスペック進化について
チャーリィ皆さんがEOS 90Dで撮影した作品を拝見すると、かなりISO感度を上げて撮影した写真が多かった印象です。
ケン私は高感度にうるさい方ですけど(笑) 従来のAPS-Cサイズは個人的にちょっと画質が厳しいと感じていました。でもEOS 90DならISO 3200やISO 6400でも普通に使えることに驚きました。嬉しくてついつい高感度の撮影が増えてしまったのかもしれません。
チャーリィうん、僕も同じことを感じました。いままでのAPS-Cサイズだと、ISO 6400を使うかどうか迷うシーンでも、EOS 90DならさらにISO 12800やISO 25600も使えてしまう。フルサイズに比べてAPS-Cサイズは高感度が弱いというイメージをEOS 90Dが克服してくれました。
kiyottiその通りですね。これまで私は高感度撮影ではAPS-Cサイズのノイズの多さが気になっていて、暗いシーンの撮影は全部フルサイズに任せなければならないかと考えていたところ、EOS 90Dというすごいカメラが出てしまって! もうこれからの機材選択をどうしよう? という感じです(笑)
チャーリィところで、EOS 90DはAF性能も上がっているなと感じませんでしたか?
moon starあっ、それ思いました。私はエクステンダーを介して「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」を使うことが多かったのですが、EOS 7D Mark IIだと中央1点のAFですが、EOS 90Dなら27点の広い範囲でF8対応の測距をしてくれます。
kiyottiAFと言えば、動体の撮影能力がかなり高くなっていて、高速で通り過ぎたり、遠くから間近に近づいてきたりするヒコーキも、ほぼ完璧に捕捉し続けてくれました。
チャーリィああ、今日は関西の人が多いから、有名な千里川の土手で撮影する機会も多いですよね。あそこは、本当に至近でヒコーキを撮れるから、動体捕捉性能が重要になりますね。
ケン液晶モニターを使ったライブビュー撮影でもEOS 90Dは活躍してくれて、画面の隅にいるヒコーキでもAFが効きますし、そのレスポンスも速いからローアングル撮影をするときは非常に快適さを感じました。
チャーリィライブビューでのAFエリア任意選択時は最大5,481ポジションでAFフレーム位置を指定できるから、構図づくりの自由度が高いですよね。EOS 90Dは光学ファインダーが売りの一眼レフだけど、加えてライブビューの快適さも捨てがたい魅力だと思います。キヤノン独自のデュアルピクセルCMOS AFも進化しているなと思いましたね。
Nikonova私はヒコーキも好きですけど、花やポートレートの撮影も好きで、ローアングル撮影だけでなくハイアングルでの撮影もよくするんです。だから今使っているEOS 60Dと同じくバリアングル液晶がEOS 90Dにも採用されていて、そのうえライブビュー時のAF性能が比べ物にならないくらい進化しているのが嬉しかったです。
チャーリィEOS 60Dをお使いですか? 名機を大切に使われているのですね。
Nikonovaはい、使い倒しているから最近はシャッターがそろそろ限界で(笑)。今回、EOS 90Dを使わせてもらい、自分が思っていた以上に進化していたので、本当に驚いてしまいました。これはいいタイミングだと思って注文しちゃいました。
チャーリィお。それではこれからもEOS 90Dでの撮影が楽しみですね。
ケンライブビュー撮影時は連写速度が最高約11コマ/秒まで行けるのもいいですよね。ファインダー撮影のメカシャッター使用でも10コマ/秒と上位機並み。私が今使っているEOS 80Dとの差がかなり開いちゃいました……。
ともよんよく行く千里川の土手では真上を通り過ぎるヒコーキを撮るのが定番のひとつなので、この高速撮影はありがたい。
Nikonovaそれだけハイスペックなのに、女性の手でも操作しやすくボディが小さいところも嬉しいです。
ayu軽いですよね。「EF70-300mm F4-5.6 IS II USM」や「EF70-200mm F4L IS II USM」のようなヒコーキ撮影御用達のレンズともマッチしています。
ともよん「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」もコンパクトなのに写りが非常によかったですよ。
チャーリィそうそう、ハイスペックなのに小型・軽量というのは僕みたいな仕事をしている身としては本当にありがたいことです。飛行機に乗るときは荷物の重さに制限があるので、用意する機材の重さにはいつも苦労していますから。
実際に使ってみた「EOS 90D」の魅力とは?
チャーリィそれでは皆さんの作品を見ながら、EOS 90Dの使用感を聞いていこうと思います。moon starさんの作品は広島空港の展望広場から撮られたものですね。
moon starそうです、高台になっているので飛行機が撮りやすい。EOS 90Dにはマルチコントローラー2が新搭載されたおかげで非常にAFフレームの移動がしやすく、飛んでくる飛行機を追いながらでもピント位置を細かく調整できたのが印象的でした。「EF70-300mm F4-5.6L IS USM」との組み合わせが軽く、僕のフットワークがよくなったのも良かったです。
チャーリィチャンスを逃さず撮り切ったところが素晴らしいですね。ともよん@奈良さんは伊丹空港で…・・・。お! この正面からのカット、とても良いですね。
ともよんありがとうございます。EOS 90Dがどれくらいヒコーキを正確に捕捉してくれるか楽しみで朝早く出かけて撮りました。「EF70-200mm F2.8L IS III USM」と「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」に、エクステンダーを利用したりして色々な撮影をしましたが、いずれの場合でも思ったよりずっとAFが効き続けてくれたので驚きでした。
チャーリィ伊丹空港らしい良い写真ですね、すごいなあ。次のayuさんの作品も伊丹空港で撮られたものですね。
ayuはい、私はメジャーで大きなヒコーキよりも、小さくてカワイイのを流して撮るのが好きで、この写真もサンニッパを付けて、頑張って何度もチャレンジしたものです。EOS 90Dの一眼レフらしいレスポンスの良さに助けられて納得のいく写真が撮れました。解像感もすごくて、拡大するとヒコーキの窓の向こうにいる人の表情まで分かってしまうほどです。
チャーリィサンニッパ付けた手持ち撮影で流し撮りを成功させるとは、いくらレンズやカメラの性能が高いとは言ってもこれまた驚きですね。では、Nikonovaさんの作品ですが、変わった写り方をしていますね。どうやって撮られたのですか。
Nikonovaこれはクリエイティブフィルターの「ジオラマ風」を使っています。私はEOS 90Dにどんな機能があるのか興味があったので、積極的に表現系の機能を使ってみました。別の写真で、いつも逆光の影で機体が真っ黒になるのに悩んでいた小牧空港(県営名古屋空港)のシーンで、スペシャルシーンの「HDR逆光補正」を使ったら、見事にきれいに写ったので感激してしまいました。EOS 60Dにはなかった機能ですからね。
チャーリィおお! HDR逆光補正ってこんなにすごい機能だったんだ。僕も参考にさせてもらいます。望遠での撮影が優勢な中、kiyottiさんは「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」のワイド端を上手く使って作品をモノにしています。
kiyotti有名な千里川の土手での撮影だったのですが、他とは違う表現をしてみたくて、バリアングルのタッチパネル機能を利用しローアングルで撮影しました。軽いのでこうした撮影も楽にできますね。EOS 90Dでの撮影が楽しくて、夜の望遠撮影にも挑戦していますけど、高感度性能の良さとスピード性能の良さで、タイミングが難しい練炭ジェット(条件によってエンジンが赤く加熱する現象)も上手く撮れて嬉しかったです。
チャーリィうーん、ここまできれいに練炭を捉えられるとは、kiyottiさんの撮影技術もさることながら、APS-Cサイズも本当に進化したなぁと思います。最後に☆ケン☆さんは、同じく千里川の土手から夜のヒコーキを狙ったもの。いいシーンを捉えましたね、すごい迫力です。
ケン急にヒコーキが表れて飛び去って行くような場所ですので、シャッターチャンスは1秒もないような状況でしたが、確実にAFで機体を捕捉して、ベストなタイミングをとらえてくれました。もちろん、AF性能以外にも、EOS 90Dの連写性能と高感度性能があってのことです。光条を出すために、あえて絞りをF6.3として、その分ISOを25600まで上げています。それでもノイズが目立たず、黒はしっかりしまり、必要な部分は階調豊かに描き出してくれています。APS-Cサイズ一眼レフとして、EOS 90Dは圧倒的な性能をもっていると確信した瞬間でした。
チャーリィいやいや本当に素晴らしい。皆さん、ヒコーキについても、EOS 90Dの最新性能についても、しっかり理解して撮影に役立てていらっしゃる。カメラが進化するということは、今まで撮れなかった世界が撮れるようになるということに他なりません。ぜひ、この新しい一眼レフの力を最大限に発揮させて、これからも一緒に新しいヒコーキ撮影を楽しんでいきましょう。
ヒコーキ写真ユーザー座談会で特に盛り上がった「EOS 90D」のポイント
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POINT 1
ヒコーキ撮影には必須の進化した動体撮影能力
今回の座談会で特に話題に上がったのが、突然現れて高速で飛び去って行ったり、遠くから迫ってくるところを連続して追い続けたりする、ヒコーキ撮影の難しさ。カメラの動体撮影能力がダイレクトに試される瞬間とも言えますが、EOS 90DはAFの速さ・精度、さらには追従性能のどれをとっても満足できるレベルにありました。遅延なく見える光学ファインダーでの撮影でも、アングルの自由度が高いバリアングル液晶でのライブビュー撮影でも、従来機を圧倒して上位機に迫る性能です。動く被写体を撮る場合に、いまだ優位性を譲ることのない一眼レフにとって、優れた動体撮影能力の確保は必須とも言えるでしょう。
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POINT 2
夜のヒコーキも美しく描き出す圧倒的な高画質
APS-Cサイズセンサーを搭載した従来のカメラは、厳しい条件で撮影に臨むヒコーキ写真家にとって、完全に満足のいく画質ではなかったようです。しかし、EOS 90Dは約3,250万画素のCMOSセンサーと、最新の画像処理エンジンDIGIC 8を搭載したことで、APS-Cサイズの一眼レフとしてトップクラスの解像感と階調性を手に入れました。また、高画素化したにもかかわらず高感度特性も大きく向上しているため、闇夜に浮かぶヒコーキの機体を美しく描き出します。ISO感度を高くしてもディテールが破綻しないため、幅広い条件下で進化した高速連写を活用できることも大きなメリットです。
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POINT 3
遠くの被写体も大きく写せるAPS-Cならではの引き寄せ効果
レンズの実際の焦点距離に対し、約1.6倍相当の望遠の画角が得られるところがAPS-Cサイズの特長です。今回も多くのユーザーが、遠くのヒコーキを大きく写したいという欲求から「なるべく長焦点の望遠レンズ」を望んでいました。単に望遠に強いというだけでヒコーキを撮るのは難しかったのですが、EOS 90Dは描写性能に優れた望遠レンズのポテンシャルを十分に引き出せるだけのカメラ性能を備えています。単体使用はもちろん、フルサイズカメラとの併用を考えるユーザーも多く、EOS 90Dの活躍の場は多いようです。
[まとめ] 写真家・チャーリィ古庄さんがヒコーキ撮影におすすめするのは「EOS 90D」だ!
座談会でも何度か話題に上ったとおり、望遠に強いAPS-Cサイズ一眼レフは、ヒコーキ撮影において外すことができない重要なポジションにあります。しかしながら、APS-Cサイズはフルサイズに比べて画質や操作性などが一世代前に取り残されたままになっていたのが実際のところ。そんな不満を払拭するかのように登場したEOS 90Dは、大幅に機能と堅牢性を強化しながら、EOS 2桁機のコンパクト性を維持しており、しばらく使ってみるうちに、これがヒコーキ撮影に最適なカメラであると確信しました。徹底的に省電力性を見直すことで、驚くほど長くなったバッテリーライフは、ミラーレスカメラに対する絶対的なアドバンテージ。最近は「EOS 90Dはどうですか?」と聞かれることが多いのですが、僕は「すでにEOS 7D Mark IIより出番が多くなっています」と即答しています。
座談会参加のGANREFメンバーの皆さん、企画にご協力いただきありがとうございました。