初めてでも大丈夫!
富士フイルム PREMIUM PRINTで
楽々高品質プリント

第1回 富士フイルム PREMIUM PRINTってなに?

富士フイルム PREMIUM PRINTサービスの登場

 大型のインクジェットプリンターを持っていて、思い通りのプリントを作ることができる人でも、いざコンテストに応募したり、あるいは個展を開いたり、グループ展に参加する、という場合には、いわゆる「プロラボ」に依頼するというケースが多いようです。
 プロラボで写真をプリントしてもらうと、インクジェットとはひと味違う仕上がりや質感を感じます。その理由は大きく2つ。1つは、プロラボのスタッフがユーザーの要望に沿って的確な画像調整を行ってくれること。もう1つは、滑らかな階調と深い黒の表現ができる「銀写真プリント」であること。
 実はお店プリントでも、セルフプリント以外のプリントは、銀塩方式のプリンターを利用しているケースがほとんどです。ただ、画像調整は機械による自動補正のため、きれいには仕上がりますが、撮影者のイメージが反映されるとは限りません。その点プロラボでは、熟練のプリントマンが撮影者の意図やイメージを直接お伺いし、画像調整に反映してプリントしてくれます。それがプロラボの大きなメリットと言えます。ただ、そうしたプロラボの軒数はそう多くなく、また少々敷居が高く感じるかもしれません。
 そのような背景において、富士フイルムが2018年10月にサービスを開始したのがPREMIUM PRINT(プレミアムプリント)です。銀塩方式でありながら気軽にネット注文でき、希望すればプリントマン(プリントマイスター)が撮影者の意図を汲んで写真がより映えるように画像調整もしてくれます。対応可能なサイズやペーパー(面種)が豊富であるのも、PREMIUM PRINTの特長です。
 PREMIUM PRINTは、サービス開始から1年ちょっと経ちますが、繰り返しプリントを注文するユーザーも多いのだとか。それだけPREMIUM PRINTの品質やサービスに満足しているということでしょう。サービス開始当初はネット注文だけでしたが、その後、写真専門店でも受け付け可能になり、PREMIUM PRINTの受け付け窓口は広がっています。

富士フイルム PREMIUM PRINTのサービス概要
サイズ 30種類(89mmスクエア 〜 B0(1030mm×1456mm))
面種 10種類(グロッシー、ラスター、クリスタルなど)
画像調整 3種類(なし、分割指示、お任せ)
後加工 なし、または3種類(裏打ち、平滑パネル、超平滑パネル)から選択

富士フイルム PREMIUM PRINTの特長①
銀写真プリントであるということ

 PREMIUM PRINTの特長の1つはなんといっても銀塩方式のプリントであること、と言えるでしょう。銀塩方式では、1ドットでフルカラーの1677万色を表現します。そのため、非常に豊かで滑らかな階調表現が可能です。インクジェット方式でも作品として仕上げられるほどの高品質なプリントを得ることができますが、階調表現の点では銀塩方式が優位と言えるでしょう。また、色鮮やかであることも銀写真プリントの特徴です。
 ところで、モニターでは見えているはずのシャドウ部分の階調が、プリントするとつぶれて平坦になってしまう、という経験をしたことはありませんか。それは、プリントすると濃度の表現幅が狭くなるためですが、PREMIUM PRINTでは、シャドウ階調の表現も十分に再現します。特にグレードの高いプロフェッショナルペーパーである「MAXIMA」シリーズと組み合わせれば、より深い黒を表現することができ、濃いシャドウ部の陰影さえも描き出すことができます。

シャドウ部の陰影も表現できる

  • シャドウ部の陰影も表現できる
    一般的なプリントだとつぶれてしまうようなシャドウ部も、特にMAXIMAシリーズのペーパーを使うと、シャドウ部の陰影も再現しやすくなる(画像はイメージ)

富士フイルム PREMIUM PRINTの特長②
「ラボお任せ仕上げ」

 PREMIUM PRINTサービスの要とも言えるのが「ラボお任せ仕上げ」です。これは、何千枚、何万枚という写真を見てきた「プリントマイスター」が、その写真表現の意図を汲みながら最適な画像調整を行いプリントに仕上げるというもの。撮影者の思いをプリントすることは写真表現の醍醐味でもあるわけですが、実際には難しいプリントを撮影者に代わって仕上げてくれる、それが「ラボお任せ仕上げ」です。
 「お任せ」でどのように仕上がるか不安に思うかもしれませんが、このサービスを利用したほとんどの人が期待通り、あるいは期待以上の仕上がりに満足しているらしく、リピート率も高いのだとか。そして特筆すべきは、このサービスはプリント代に含まれており、別料金が発生しないということ。「プロラボ並み」とまでは言わないものの、それでもプリントマイスターが1枚1枚の写真を理解した上で画像調整を行ってくれるのですから頼りになるはずです。思ったようにプリントできないなど、プリントの仕上げに悩んでいる方は、試してみる価値はあるでしょう。
 一方、自身で調整し仕上げた写真であれば、調整をせずにそのままプリントする「ストレート仕上げ」を選ぶこともできます。ほかに、写真を2分割、または9分割して、それぞれの箇所に濃度や色味、コントラストなどを指定できる「選択仕上げ」もあります。

3つから選ぶ画像調整の選択画面

  • 3つから選ぶ画像調整の選択画面
    画像調整の種類は3種類。そのままプリントする「ストレート仕上げ」、画像を2分割か9分割し、各箇所ごとに指定ができる「選択仕上げ」、画像全体をお任せで仕上げてもらう「ラボお任せ仕上げ」がある

PREMIUM PRINTの特長③
多彩な面種(用紙種類)

 プリント用紙には光沢やマットなどがありますが、富士フイルムではそのような用紙の種類を「面種」と呼んでいます。この面種ですがPREMIUM PRINTでは10種類が用意されています。人気があるのは光沢の「グロッシー」や反射率が高く超光沢の「クリスタル」。また、プロフェッショナルペーパーの「MAXIMAグロッシー」や「MAXIMAマット」もより高い濃度と色鮮やかさを求めるユーザーに人気です。他にも無光沢の「ディープマット」や半光沢の「ラスター」、真珠のような輝きを放つ「パール」、さらに表面が凸凹の「キャンバスグロッシー」「リネン」「レザー」が用意されています。
 10種類の面種を確認するには、PREMIUM PRINTを受け付けている写真専門店に用意されている面種見本帳で確認するか、もしくはwebの「FUJIFILM Print & Gift」の注文ページから面種見本帳を440円(税込)で購入することができます。

10種類の面種の違い

  • 左からMAXIMAグロッシー、MAXIMAマット、グロッシー、クリスタル、ラスター
    左からMAXIMAグロッシー、MAXIMAマット、グロッシー、クリスタル、ラスター
    左からパール、ディープマット、キャンバスグロッシー、リネン、レザー
    左からパール、ディープマット、キャンバスグロッシー、リネン、レザー

面種見本帳

  • 流氷が写された10種の見本帳と、夕景の比較用はMAXIMAグロッシーとグロッシーの2枚。
    流氷が写された10種の見本帳と、夕景の比較用はMAXIMAグロッシーとグロッシーの2枚

面種の見本帳は、FUJIFILM Print & Giftから購入できる。
1冊440円(税込み、送料別)。
購入ページはこちら

富士フイルム PREMIUM PRINTの特長④
豊富なプリントサイズ

 プリントサイズが30種類と豊富であることも、PREMIUM PRINTの使い勝手を大きく広げてくれます。一番小さな89×89mm スクエアから、L判、2L判、六切、A4、四切はもとより、A3やB3、全紙、大全紙に止まらず、全倍、A1、B1、A0、そして最大B0(1030×1456mm)でプリントすることができます。デスクの上に飾るようなサイズのプリントから、見る人を圧倒するような超大判サイズプリントまで、さまざまな用途に応じてサイズを選ぶことができます。
※サイズによっては、選べない面種があります。

シチュエーションで確認できるサイズ選択画面

  • シチュエーションで確認できるサイズ選択画面
    サイズを選ぶ画面では、ギャラリーやリビングなどに飾った際に、どの程度の大きさで見えるかをシミュレートしてくれる。図は「A2(420×594mm)」および「ダイニング」を選んだところ

富士フイルム PREMIUM PRINTの特長⑤
裏打ちや台座付きパネル加工にも対応

 高品質なPREMIUM PRINTは、自宅や写真展の会場に「飾る」のにも最適です。そのような場合は額装することになりますが、PREMIUM PRINTではオプションの後加工で裏打ちしたり、2種類のパネル加工を施すことも可能です。
 「裏打ちシート」は、プリントの裏にポリエチレンシートを貼ることでたわみを防ぎ、平滑性を保ちます。ご自身で額装する場合には便利なサービスです。自分で行うとなると失敗することもある裏打ちですが、そんな心配も無用です。
 パネル加工は「ミュージアム加工」と呼ばれ、台座付きのパネルに写真が貼られているので、届いた写真をそのまますぐに飾ることができます。平滑性の違いによって、スタンダードな「平滑パネル」と、平滑性を究極まで追求した「超平滑パネル」の2つから選ぶことができます。

裏打ち加工

  • 「裏打ち加工」されたペーパー(下)と後加工されていないペーパー(上)を重ねた写真
    「裏打ち加工」されたペーパー(下)と後加工されていないペーパー(上)を重ねた写真。裏打ちされたペーパーは、厚みがあって曲がりにくく、湿気にも強い。

平滑パネル加工

  • 「平滑パネル」や「超平滑パネル」の加工を依頼すると、写真のように台座が付けられる。
    「平滑パネル」や「超平滑パネル」の加工を依頼すると、写真のように台座が付けられる。写真は「平滑パネル」のもので、台座とアルミ板はマジックテープで止められ、脱着可能となっている。「超平滑パネル」は、究極の平滑性を保つために台座は固定式

富士フイルム PREMIUM PRINTの特長⑥
作品を守る丁寧な梱包

 「手元に届くまでがプリント品質」と考えるPREMIUM PRINTは、作品が傷まないようにベストな状態で梱包され届けられます。後加工のないプリントのみの場合は、厚紙をあてがって曲がったり折れたりすることがないようにしたり、後加工したものはカドを潰さないように念入りに梱包されたりしています。
 PREMIUM PRINTのサービス開始前、特に入念にチェックしたのが梱包の状態で、輸送テストや落下テストを何度も繰り返したそうです。輸送途中に痛んだりしたら、いくら高品質なプリントでもその価値は失われてしまいます。写真がユーザーの手元に届くまでをサービスと考えるのは、写真にこだわる富士フイルムだからこそ。大事な作品も安心して注文することができます。
 ちなみに、写真の受け取り方法は、ポスト投函のメール便(A4サイズまで)や直接手渡しの宅配便(サイズ制限なし)、写真専門店での店頭受け取り(サイズ制限なし)、セブン-イレブンでの店頭受け取り(A3サイズ以下)があります。

梱包例1

  • プリントのみでは、ボール紙で当て紙され、写真の段ボールに梱包される
    プリントのみでは、ボール紙で当て紙され、写真の段ボールに梱包される

梱包例2

  • 「平滑パネル」では、このようにジャストサイズの段ボールに梱包される
    「平滑パネル」では、このようにジャストサイズの段ボールに梱包される

梱包例3

  • カドがつぶれないように緩衝材が当てられた状態 二重の段ボールに梱包され、段ボールの内側にも緩衝材が入っていた
    「超平滑パネル」では、カドがつぶれないように緩衝材が当てられた状態で、二重の段ボールに梱包され、段ボールの内側にも緩衝材が入っていた

写真の梱包は一例であり、注文する内容によって多少異なります。

試してみよう! 富士フイルム PREMIUM PRINT!!

 写真愛好家であれば、注目必至のPREMIUM PRINT。ですが、いきなり大きなサイズやパネル加工などを注文するのは気が引ける……という方もいることでしょう。でしたらまずは、少し小さめのサイズでお試し的にプリントをしてみてはいかがでしょうか。
 たとえばサイズは「六切ワイド」、面種は「グロッシー」、「後加工なし」で価格は1,430円(税込)。他に送料がかかりますが、ポスト投函のメール便(A4まで)は今なら(2020年3月現在)送料無料です。またセブン-イレブンや写真専門店での受け取りも送料はかかりません。
 撮影時の思いが美しく高品質な写真作品として形になる。PREMIUM PRINTの実力をぜひとも味わってみてください。

浮遊感や立体感を感じさせる写真展示

  • 浮遊感や立体感を感じさせる写真展示
    台座付きの「平滑パネル」や「超平滑パネル」を飾ると壁から浮いたように見えるために、写真がひときわ際だって見える。高級感のある仕上がりだ。後加工までワンストップで注文できるのでぜひ試してほしい

富士フイルム PREMIUM PRINTを注文できる写真専門店

店舗リストWebページ

富士フイルム PREMIUM PRINTを注文できる写真専門店では、サイズや面種、画像調整などを相談することもできます。全国に34店舗を展開していますが(2020年3月現在)、さらに注文受け付け店を増やし合計100店を目指す予定とのこと。
店舗リストはこちら

石川 力さん
富士フイルム イメージングシステムズ(株)
営業推進部 フォトイメージング戦略企画部
需要創造・フォトプリントグループ
課長
石川 力さん

記事をまとめるにあたり、お話を伺った石川さん。熟練のプリントマイスターを擁し、高品質な匠の技を誇るPREMIUM PRINTゆえに「プリントの画作りは任せていただき、お客様には撮影に集中、専念していただきたいと思います」と、頼もしい言葉をいただいた。