こんにちは、ゲストさん
ソニーのデジタル一眼カメラの新製品がこの秋一気に4機種発表されたが、「NEX-5N」に続く第2弾は「αシリーズ」の中級機「α77」である。
公開日: 2011年11月28日
公開日: 2011年11月28日
ソニーのデジタル一眼カメラの新製品がこの秋一気に4機種発表されたが、「NEX-5N」に続く第2弾は「αシリーズ」の中級機「α77」である。「αシリーズ」の中級機としては2007年の「α700」以来、実に4年ぶりのニューモデルである。また「α77」は中級機以上では初めて「トランスルーセントミラー・テクノロジー」を採用し、電子ビューファインダーを搭載したモデルとしても注目されている。今回は話題の「α77」のレビューをお届けする。
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今年春のカメラショー「CP+2011」では、ソニーの「トランスルーセントミラー・テクノロジー」を採用した中級機のスケルトンモデルが展示され注目を浴びていたが、「α77」は予想されたとおり、基本的にはほぼそのままのスタイルでリリースされた。スケルトンモデルではわかりにくかったデザインも、本来のボディ色(黒)になったことで、「テンサイル・デザイン」と呼ばれるボディの各部を幕で包み込んだような流体的なデザインが強調され、より本格的で精悍な中級機の装いに仕上げられている。
ボディ材質は前後のフレームがマグネシウム、トップカバーはエンジニアリング・プラスチック製で「α700」と同等以上の強度を確保している。そのため、本体を持ったときの剛性感、シッカリ感からはさすがに中級機の高級感を感じ取ることができた。
また、ボディのスイッチやつなぎ目などの部分すべてにシーリングが施された、防塵・防滴に配慮した設計になっており、シャッター耐久性も約15万回をクリアするなど、上級機にふさわしい堅牢性と耐久性を併せ持つ。ちなみに、同時発売のキットレンズ「DT 16-50mm F2.8 SSM」(レンズ単体では12月9日発売予定)と、外部フラッシュ「HVL-F43AM」も防塵・防滴に配慮した設計になっているので、野外での撮影時も水滴や砂ぼこりなどに神経質になることなく撮影できるので安心だ。
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背面の液晶モニターは3軸チルト可動式になり、より自由なアングルで撮影できるようになっている。従来の下開き方式では、縦位置で手が邪魔になったり、三脚使用時は自由なアングルがとれなかったが、これならどのアングルも問題なく使用できる。
さて、このカメラの最大の特徴はやはり「トランスルーセントミラー・テクノロジー」を中級機で初めて採用した点だろう。これまでの一眼レフカメラは長年親しまれてきた光学ファインダーが大きな特徴であったが、ライブビュー専用機の本機では電子ビューファインダー(EVF)方式を採用している。
他社を含め現行の多くの電子ビューファインダーでは約144万ドット(約48万画素、画面解像度800×600)の液晶パネルを使用しているものがほとんどで、いずれも解像感が十分とはいえず表示の遅れも気になる。しかし、ソニーでは従来のような電子ビューファインダーでは中級機の光学ファインダーに慣れ親しんだハイアマチュアのユーザーを満足させることはできないと考え、新たに236万ドット(約78.6万画素、画面解像度1,024×768)の有機ELパネルを独自に開発し「α77」に搭載してきた。
従来の有機ELパネルはモニター用のため画素サイズが200μm程度と大きく、発光体そのものに色を付けることができたが、微細な画素サイズでは色情報を適切に再現しにくくなる。「α77」に搭載された有機ELパネルは発光部には白色有機EL層を設けて、その上にカラーフィルターを置く方式を採用している。その結果、画素サイズ約9.9μmの微細画素を実現している。
「α77」の電子ビューファインダーを使ってみて受けた印象は、従来よりも格段に高解像度になり、ピントピークが見分けやすくMFがやりやすくなっていることだ。また、表示の遅れがほとんど感じられず、この点では従来の電子ビューファインダーとは別次元の性能を持っている。表示の遅れの少なさは、表示デバイスに使用している有機ELパネルによるところが大きい。
有機ELパネルは、LEDなどと同じ発光体であるため応答性が非常に高く、分子の方向を変化させて輝度を調節する液晶パネルに比べて、表示の遅れが少ない点が大きく寄与している。
また、強力な映像エンジンによる画像処理スピードも表示パネルのリフレッシュレート(60fps前後と想定される)に十分追いついていることも表示の遅れの少なさに貢献しているのだろう。これに加え、電子ビューファインダーでは、ほぼ最終的な仕上がりに近い画像を表示できるので、露出補正やクリエイティブスタイル、WBなどの設定やレンズによるぼけなどが事前に確認できる点も大きなメリットとなる。
ただ、光学ファインダーでは被写体の明るさや明暗比がほぼそのままファインダー像に反映されるのに対して、電子ビューファインダーでは明るさは表示パネルの表示可能な輝度範囲に限られるし、明暗比はかなり強調された感じになる。そのため、野外で明るい被写体にカメラを向けるとファインダー像が暗く感じられ、明るさのバランスも多少の違和感を感じる場合があった。また、高速連写時には表示がコマ速よりも多少間引かれているように見え、カメラを固定している場合は問題ないが、動く被写体を手持ちでファインダー内に収め続けるのは難しく感じられた。このように、現状ではまだ多少の不満点はあるものの、「α77」の電子ビューファインダーは従来のものと比べると格段に進化しており、メリットを考えれば光学ファインダーに十分代替え可能な性能レベルに達していると思われた。
次に、レスポンスの面であるが、まずレリーズタイムラグが約50msと他社フラッグシップ機並みに向上している点が挙げられる。これは、前回レポートした「NEX-5N」(レリーズタイムラグ約20ms)などと同様に電子先幕シャッターの技術を使用しており、絞りの動作時間を加味して約50msとなっている模様だ。これに加えて、連続撮影優先AE時のコマ速が約12コマ/秒に向上している。「トランスルーセントミラー・テクノロジー」では、ミラーで反射した光の成分は位相差AFに利用しているが、ミラーは固定式のため常時位相差AFが可能になっている。そのため、連続撮影優先AE時も動体追従AFが可能だ。連続撮影優先AE時は、絞り値がF3.5より明るいレンズではF3.5固定、F3.5より暗いレンズでは絞り開放で固定となるのは「α55」と変わりないが、ISO感度が自由に設定できるようになったため、シャッタースピードはISO感度で調整できるようになった。
レスポンス面を実際に試してみると、電子ビューファインダーをのぞきながらでもトータルのレリーズタイムラグは一般的な中級機レベルを確保しており、十分シャッターチャンスを追うことができる。速度優先連続撮影時の動体追従AFについても、近づいてくる列車の撮影などでは十分な動体追従能力を備えていた。
ただひとつ気になったのは、操作面でのレスポンスで、上面表示パネルを見ながら露出設定をしようとすると、ダイヤルの操作に比べてパネルの数値表示がやや遅れて表示されるため、素早いダイヤル操作ではうまく設定するのが難しい点だ。表示パネルは本来、露出設定などを素早く行うためにあると思うが、ダイヤルを回しても表示が追いつかないのでは、表示パネルを設ける意味がないと思うので早急な改善を望みたい。
「α77」でもうひとつ注目したいのは、やはりAPS-C機においてベイヤー方式のイメージセンサーでは最多画素数となる2,430万画素のイメージセンサーを搭載していることだろう。解像度の高さが期待されるのはもちろんだが、画素ピッチは約3.9μmといよいよ3μm台に突入し、高感度ノイズなどの画質面も大いに気になるのが正直なところだ。実際の撮影結果を見ると、少なくとも低感度域では2,430万画素の威力が十分に発揮され、APS-C機では最高クラスの解像感が得られていた。ただし、同時にレンズに対する性能の要求度も過去最高レベルであり、より高性能なレンズと組み合わせて使用したい。
「α77」で採用された有効2,430万画素の「Exmor」APS HD CMOSセンサー。ベイヤー方式のAPS-Cサイズセンサーでは、現時点での最多画素を誇る。当然画素ピッチは約3.9μmとAPS-Cサイズセンサーでは最小だが、最高感度はISO 16000まで設定可能だ。
新開発の映像エンジン「BIONZ」。「α55」のものより処理能力が強化され、高感度ノイズも強力に除去する。処理は高速で、電子ビューファインダーの表示に影響が出ることはないが、連続撮影可能枚数はJPEG/X.FINE時で13枚で、連続撮影可能枚数を大幅に伸ばせるほど処理が早いというわけではない。
高感度画質については「NEX-5N」など、有効1,610万画素のイメージセンサーと比べると早めにノイズ感を感じるようになるが、強力なノイズリダクションが行われるためノイズ自体は思ったほど目立たない。しかしその代わりに、シャドー部や輝度変化の少ない場所でのディテールの消失感は大きくなる傾向にある。筆者の感覚では、ISO 800まではまったく問題なく常用可能なレベル。ISO 1600ではシャドー部のノイズ感が出始め、若干のディテール消失も見られるが一般的には常用可能なレベル。ISO 3200では中間調からハイライトにかけてはまったく問題ないが、シャドー部やぼけ部分のディテールの消失感が大きめになるので、そのことを許容するなら十分使用可能な範囲といえる。ISO 6400でも中間調からハイライトにかけては比較的良好だが、ディテールの消失感が大きめになるので絵柄によって使用の可否の判断が割れるだろう。ISO 12800以上はシャドー部がかなり乱れるので、緊急用としておきたい。
総合的に見て「α77」は、ソニー独自の「トランスルーセントミラー・テクノロジー」を足掛かりに最新のテクノロジーを駆使して、高速連写やレスポンスなど中級機でありながら他社のフラッグシップ機も十分視野に入る高機能を実現してきている。特に電子ビューファインダーの出来は、他社の電子ビューファインダーを大きく引き離していて、現時点での技術的なひとつの到達点に達していると思われ、今後の電子ビューファインダーの新基準となるだろう。「α77」は、従来の一眼レフカメラにはない、最先端のカメラ技術の数々を集約した未来派一眼カメラなのである。なお、「α77」は既に発売中であるが、生産を担当するソニーのタイ工場が洪水の影響を受け、品薄状態が続いている。別の地域での代替え生産も検討されていると聞くが、一刻も早い復旧を願うところだ。
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公開日: 2011年08月24日
![]() 「NEX-5N」(シルバー、E 18-55mm F3.5-5.6 OSS装着時) |
![]() 「NEX-7」(E 18-55mm F3.5-5.6 OSS装着時) |
![]() 「α77」(DT 16-50mm F2.8 SSM装着時) |
![]() 「α65」(DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM装着時) |
ソニー株式会社は、8月24日、ミラーレスのデジタル一眼カメラ「NEX-5N」「NEX-7」、および透過ミラーを採用したデジタル一眼カメラ「α77」「α65」の、計4機種を発表した。また、Eマウントレンズ「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」「Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA」「E 50mm F1.8 OSS」、Aマウントレンズ「DT 16-50mm F2.8 SSM」の4本のレンズも同時発表している。
今回発表されたNEXシリーズのデジタル一眼カメラは「NEX-5」の後継となる有効画素数1,610万画素の「NEX-5N」(9月9日発売予定)と、ダイヤルを3つ搭載することでダイレクトな操作性を実現したシリーズ最上位機「NEX-7」(11月11日発売予定)の2機種だ。
「NEX-5N」は、話題となった「NEX-5」のデザインを継承しながら各部の形状に変更が加えられ、さらにスタイリッシュになり、かつ軽量化されている。ボディサイズは約110.8×58.8×38.2mm(W×H×D)で変更はないが、ボディのみの重さが約210gとなり、「NEX-5」よりも19g軽くなっている。またグリップの形状が、握りやすく手になじむよう変更されている。
性能面での進化ではまず、有効画素数が1,610万画素(「NEX-5」は1,420万画素)となり、最高ISO感度が25600(「NEX-5」は12800)となったことや、測光分割が1,200分割(「NEX-5」は49分割)になったことが挙げられる。そのほか、レリーズタイムラグ0.02秒、「速度優先連続撮影機能」使用時のコマ速約10コマ/秒(「NEX-5」は約7コマ/秒)を実現し、あらゆる面での“高速化”が図られている。また、背面液晶モニターをタッチして主要被写体を指定すると自動的にカメラがその被写体を追いかける「追尾フォーカス」や、最大8つまで登録が可能な「個人顔登録」機能、周辺光量、倍率色収差、歪曲収差を撮影後の画像処理で補正する「レンズ収差補正機能」(ソニー製Eマウントレンズ装着時のみ)など、便利な機能も搭載された。
動画機能に関しては、フルHDで60pの撮影に対応していると同時に、映画フィルムと同じフレームレートの24p動画機能も搭載。PASMの各露出モードでも撮影できると同時にピクチャーエフェクトにも対応(「絵画調HDR」など一部除く)しているので、ぼけ表現や明るさなども自在に操ることができる。
背面液晶モニターには静電式タッチパネルを採用。「背景ぼかし」「明るさ」「色合い」「鮮やかさ」「ピクチャーエフェクト」を選択できる「マイフォトスタイル」を、より直感的に操作できるようになった。「ピクチャーエフェクト」は、「NEX-C3」で搭載され、「NEX-5」でもファームウエアアップデートで使用できる、撮影した画像に特殊効果を加える機能だが、「NEX-5N」では「絵画調HDRモード」「ソフトフォーカス」「ミニチュア」「リッチトーンモノクロ」「ソフトハイキー」の5つが追加され、エフェクト機能のバリエーションは計15項目となった。
「スイングパノラマ」「オートHDR」「手持ち夜景モード」といった特徴的な機能も引き続き搭載されている。
カラーは、シルバー、ブラック、ホワイトの3バリエーション。ボディ単体(予想実勢価格:7万円前後)のほか、「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」が付属するズームレンズキット(予想実勢価格:8.5万円前後)、「E 16mm F2.8」と「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」が付属するダブルレンズキット(予想実勢価格:9.5万円前後)、「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」が付属するダブルズームレンズキット(予想実勢価格:11万円前後)が用意される。なお、ボディ単体のカラーはブラックのみ。ダブルズームレンズキットのみ発売予定日は11月11日となっている。また「NEX-C3」に「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」が付属するダブルズームレンズキット(予想実勢価格:9.5万円前後)、および「NEX-C3」のカラーバリエーションにホワイトが追加されることが発表された。
「NEX-7」は、ミラーレスのデジタル一眼カメラとしては最高となる有効画素数2,430万画素のCMOSセンサー(APS-Cサイズ)を搭載した、NEXシリーズ最上位機だ。性能面では「NEX-5N」と同様にレリーズタイムラグ0.02秒、最高約10コマ/秒の高速連写を実現しており、タッチパネルは採用されていないが、「追尾フォーカス」「個人顔登録」機能も搭載されている。動画性能に関しても、フルHDで60pの動画撮影が可能だ。ISO感度は「NEX-5N」とは異なり、ISO 100~16000となっている。
「NEX-7」の最も大きな特徴は、ボディ背面のコントロールホイールに加え、上面に2つのダイヤルが搭載された点だ。これら3つのダイヤルは、直感的な操作性を実現する「Tri-Dial Navi」(トライダイヤルナビ)のためにある。「Tri-Dial Navi」は、あるひとつの設定項目の設定変更操作から微調整までを、3つのダイヤルを使用して同時に行えるシステムだ。設定項目は「露出設定セット」「フォーカスセット」「ホワイトバランスセット」「Dレンジセット」「クリエイティブスタイルセット」「ピクチャーエフェクトセット」の6つのなかから選択。例えば「ホワイトバランスセット」であれば、WBの変更、色温度の調整、カラーフィルター調整の3つが各ダイヤルに割り当てられ、ダイヤル操作で変更する。従来であればメニュー画面に入って設定しなければならなかった各設定項目に関する微調整が、ダイヤル操作のみで行えるようになったわけだ。設定項目の選択は、シャッターボタンの横にある「ナビゲーションボタン」を押すだけなのでスムーズであり、また「カスタムセット」を設定することもできる。ナビゲーションボタンによる設定項目の選択肢として割り当てられるのは「露出設定セット」に加え、任意の設定項目4つの計5つまでだが、これら4つの任意セット枠によく変更する設定項目を割り当てられるほか、順番の入れ替えや、設定をほとんど変更しないという場合は例えば「ホワイトバランスセット」のみにするなど、ひとつしか割り当てないということもできる。
また「NEX-7」には、従来のNEXシリーズには搭載されていなかったファインダー、内蔵フラッシュ、水準器表示機能が搭載された。ファインダーにはソニー独自開発の有機EL(OLED)電子ビューファインダーを搭載。視野率約100%、視野角33.1度を実現している。
ボディデザインに関しても従来のNEXシリーズを踏襲しており、「NEX-7」のレンズキットのみに、単体では発売されていないブラックのレンズが同梱される部分にも、そのこだわりの強さが表れている。
カラーはブラックのみ。ボディ単体(予想実勢価格:13万円前後)のほか、「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」が付属するズームレンズキット(予想実勢価格:14.5万円前後)が用意される。
同日、NEXシリーズ用のアクセサリーが発表されたが、そのなかでも注目なのが外付け電子ビューファインダー「FDA-EV1S」と、マウントアダプター「LA-EA2」だ。
電子ビューファインダー「FDA-EV1S」は有機EL(OLED)が採用されており、総ドット数235.9万ドット、視野率約100%となっている。アイセンサーによる表示切り替えや、上約90度までの角度調節も可能だ。なお「NEX-5」「NEX-3」「NEX-C3」では使用できない。
マウントアダプター「LA-EA2」は、EマウントカメラでAマウントレンズを装着するためのマウントアダプターなのだが、透過ミラーとAFモーターを内蔵しているので、Eマウントカメラで位相差AFによる撮影が可能となる。ファームウェアアップグレードにより「NEX-5」「NEX-3」「NEX-C3」でも使用可能だ。
「α77」と「α65」は、透過ミラー(Translucent Mirror)を搭載したデジタル一眼カメラだ。透過ミラーとは、入射光を透過と反射に分ける効果を持つミラーのことで、透過光はイメージセンサーへ、反射光はAFセンサーへ導かれるので、ミラー動作なしでの撮影が可能、かつ常時位相差検出方式のAFが行える。これにより連写時や動画撮影時でも、デジタル一眼レフカメラのファインダー撮影時と同様のAF方式でピントを合わせることが可能となった。また、「α77」では最高12コマ/秒、「α65」では最高10コマ/秒の高速連写を実現している。
「α77」「α65」ともに、有効画素数2,430万画素のCMOSセンサー(APS-Cサイズ)を搭載。ISO感度の範囲は100~16000となっており、「α77」は拡張設定でISO 50を選択することもできる。動画性能はともにフルHD(60p)に対応している。
AFセンサーは、「α77」は新開発の19点AFセンサー(うちクロスセンサー11点)を搭載。「α65」は15点AFセンサー(うちクロスセンサー3点)が搭載されている。AF機能としては両機種ともに、指定した被写体を追尾する「追尾フォーカス」が搭載されており、動きのある被写体のフォーカシングをサポートしてくれるという。さらに「α77」はレリーズタイムラグ0.05秒を実現し、レスポンスも向上している。
ファインダーはともに有機EL(OLED)電子ビューファインダーを搭載しており、グラフィック表示や水準器表示も可能。加えてファインダーから目を離すことなく撮影画像を確認することができるという、光学式ファインダーにはない利点もある。
背面液晶モニターはともに可動式ではあるが、可動範囲は大幅に異なる。「α77」は3軸チルト可動式となっているので、あらゆるアングルで常にレンズ光軸付近に液晶を配置できる。また三脚や縦位置グリップを取り付けているときも、モニターの位置や向きを自在に変更できる。「α65」はチルト可動式で、手前に約180度チルト、液晶モニターが前方に向いた状態から約270度回転する。
また機能面ではともに周辺光量低下や倍率色収差、歪曲収差を撮影時に自動補正する「レンズ収差補正機能」(ソニー製Aマウントレンズ装着時のみ)や、15項目から選べる「ピクチャーエフェクト」、「スイングパノラマ」などの機能も搭載されている。
ボディサイズは「α77」が約142.6×104×80.9mm(W×H×D)、重さは本体のみで約653g、「α65」が132.1×97.5×80.7mm(W×H×D)、重さは本体のみで約543gとなっている。なお、記録媒体はともにSDメモリーカード(SDHC、SDXC含む)に対応しているが、UHS-Iに対応しているのは「α77」のみになる。
「α77」はボディ単体(予想実勢価格:15万円前後)のほか、同時発表された「DT 16-50mm F2.8 SSM」が付属するズームレンズキット(予想実勢価格:21万円前後)が用意される。「α65」はボディ単体(予想実勢価格:9.5万円前後)のほか、「DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM」が付属するズームレンズキット(予想実勢価格:10万円前後)、「DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM」「DT 55-200mm F4-5.6 SAM」が付属するズームレンズキット(予想実勢価格:12万円前後)が用意される。
今回発表された各製品の発売予定日と価格は下の表のとおりとなっている。
製品名 | 希望小売価格 (予想実勢価格) |
発売予定日 |
---|---|---|
NEX-5N ボディ | オープン価格 (70,000円前後) |
2011年9月9日 |
NEX-5N ズームレンズキット (「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」付属) |
オープン価格 (85,000円前後) |
2011年9月9日 |
NEX-5N ダブルレンズキット (「E 16mm F2.8」「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」付属) |
オープン価格 (95,000円前後) |
2011年9月9日 |
NEX-5N ダブルズームレンズキット (「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」付属) |
オープン価格 (110,000円前後) |
2011年11月11日 |
NEX-7 ボディ | オープン価格 (130,000円前後) |
2011年11月11日 |
NEX-7 ズームレンズキット (「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」付属) |
オープン価格 (145,000円前後) |
2011年11月11日 |
NEX-C3 ダブルズームレンズキット (「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」付属) |
オープン価格 (95,000円前後) |
2011年11月11日 |
製品名 | 希望小売価格 (税込み) |
発売予定日 |
---|---|---|
E 55-210mm F4.5-6.3 OSS | 44,100円 | 2011年10月中旬 |
Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA | 103,950円 | 2011年12月上旬 |
E 50mm F1.8 OSS | 36,750円 | 2011年12月下旬 |
電子ビューファインダー「FDA-EV1S」 | 34,650円 | 2011年9月9日 |
マウントアダプター「LA-EA2」 | 39,900円 | 2011年10月14日 |
製品名 | 希望小売価格 (予想実勢価格) |
発売予定日 |
---|---|---|
α77 ボディ | オープン価格 (150,000円前後) |
2011年10月14日 |
α77 ズームレンズキット (「DT 16-50mm F2.8 SSM」付属) |
オープン価格 (210,000円前後) |
2011年10月中旬 |
α65 ボディ | オープン価格 (95,000円前後) |
2011年11月11日 |
α65 ズームレンズキット (「DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM」付属) |
オープン価格 (100,000円前後) |
2011年11月11日 |
α65 ダブルズームレンズキット (「DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM」「DT 55-200mm F4-5.6 SAM」付属) |
オープン価格 (120,000円前後) |
2011年11月11日 |
製品名 | 希望小売価格 (税込み) |
発売予定日 |
---|---|---|
DT 16-50mm F2.8 SSM | 87,150円 | 2011年12月 |
縦位置グリップ「VG-C77AM」 | 31,500円 | 2011年10月14日 |
フラッシュ「HVL-F43AM」 | 36,750円 | 2011年10月14日 |
※「α65」「DT 16-50mm F2.8 SSM」の発売日が変更になりました。
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