顔料も染料も選べる!! 創作意欲が湧き上がる!! 最新A3ノビプリンター キヤノンPIXUS PRO-10S/100S わたしが選ぶならこっち!! ~GANREFユーザー藤川清誠さんの場合~
キヤノンのインクジェットプリンター PIXUS PRO LINEの新商品として、A3ノビ対応モデル「PIXUS PRO-10S」「PIXUS PRO-100S」の2機種が発売された。「顔料」「染料」どちらのインクを採用するかがプリンターの特性を決めるといってもよいが、 PIXUS PRO LINEはどちらも選べるラインアップを誇る。ではどちらを選ぶか?がカギになる。デジタルカメラマガジン記事と連動したこの記事では、実際にGANREFユーザーにPIXUS PRO LINEを集中使用してもらい、ユーザーが感じたリアルな評価を写真家・小澤太一がインタビューして浮き彫りにしたい。
わたしが選んだのはこれ!
キヤノン PIXUS PRO-10S
>>製品詳細ページ
プリントするためにPrint Studio Proにプラグイン印刷で持っていったときに、最後に画面で確認しながら明るさやコントラストなどを微調整ができるのは便利ですね。わたしの場合、暗い画像が多いので、暗部がつぶれて見えやすいんです。黒がつぶれているプリントはあまり好きではないので、実際の画面で変化量を見ながら暗部を持ち上げるように調整することも多いですよね。だいたい半分くらいの割合でプリントのときに使っている機能です。また、モノクロ画像を扱うのですが、カラーバランスの項目を調整して、セピアっぽく仕上げたりすることもできるんです。Print Studio Proは、かなり使いやすいです。
Print Studio Proでは、画像の調整の方向性を探るために、パターン印刷ができるのは便利ですよね。一度でいくつかのパターンを見ることができれば、ある程度目安をつけやすくなります。これをすることで、失敗が少なくなるはずです。紙やインクも安いものではないですから……。実際にはパターンの大きさも変化量も、「中」ぐらいが一番使いやすいです。一度試しに刷ったもので、一番最適と思われるものの写真の下の数字を設定するだけなので、非常に直感的でわかりやすいです。わたしのような個性的な紙をよく使う人や、モノクロの人でも活用しやすい機能なので、おすすめですよ。
ボディ上面にある、後トレイからのプリント以外に、厚手の紙などをプリントするときによく使う、背面給紙がとても優秀ですね。背面給紙は1枚ずつ用紙を差し込むのですが、ほぼすんなり入ってくれます。今まで使っていた機種ではなかなかこうもいかなくて……。高い紙ですんなり入らずに、そのまま角が曲がってしまったりなんてことも(涙)。でもPRO-10Sではそういうことはなかったです。ストレスなくプリントができたのが楽で良かったですよね。
最高解像度 | 横4,800×縦2,400dpi |
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インク滴サイズ | 全弾4pl |
インク色数 | 顔料10色(C/M/Y/PC/PM/R/MBK/PBK/GY/CO) |
使用可能用紙サイズ | A3ノビ、A3、A4、2L判、L判ほか多数 |
外形寸法 | 約689×385×215(mm) |
質量 | 約20.0kg |
顔料インクは用紙の表面にインクがとどまることで着色され、染み込んで広がらないため、耐水性に優れ、にじみにくいです。ただ、こすれ、はがれに弱い、という面も出てきます。顔料インクは高階調・高精細に色を表現することができ、重厚感のある写真を制作するのにも向いていますが、染料インクに比べると発色は落ち着いて見えるのも特徴です。つまりメリット・デメリット、好き・嫌いがある、というのがインク選びと言えますね。
このようにインクの種類によって、プリンターを選択できるのがキヤノンのプリンターラインナップのいいところなのです。それぞれいいところがあるから、2機種持つことも意味がある。
上記の特徴以外に、わたしが顔料インクのプリンターを使うもうひとつの理由が、画像の耐候性のことです。どうしても作家活動をしていく上で作品を販売したりする場合、染料インクが耐候性が強くなってきたとはいえ、まだまだ顔料インクの方が強いものです。長い時間、画像が劣化しないようにする、という責任を持つためにも、作品を販売する場合には、顔料インクのプリンターを使うことがほとんどなのです。
10色の顔料インクを搭載しているPRO-10Sは、微妙な階調表現や被写体の質感、奥行きを精緻に描くのに向いています。同社フラッグシップモデルであるPRO-1に匹敵する再現力を備えていて、こだわりのカラープリントを作りたい人にも安心しておすすめできます。また、マットブラック、フォトブラック、グレーの3色黒系インクを備えていることで、こだわりモノクロプリントの人も、ハイクオリティな写真を作り出すことができるのです。
10色インクのなかには、透明インクであるクロマオプティマイザーを搭載しているのが、PRO-100Sとの大きな違いです。このインクを使うことで、特に光沢紙にプリントするときに、光沢の均一性が高まって、表面を滑らかに仕上げることができます。これまで光沢と顔料の組み合わせで気になりがちだった光沢のムラも抑制することにつながっています。またこのインクは暗部が引き締まることで黒濃度も向上し、より深みのあるプリントを制作することもできます。
プラグインソフトのPrint Studio Proと、RAW現像ソフトDigital Photo Professionalとの連携がより強化され、モニター上で出力後の色みを確認できる「ソフトプルーフ」の機能が追加されました。出力する紙や設定を選択することで、実際にできあがるイメージを視覚的に確認できるようになりました。難しい紙を使いたい人は、これまで何度もプリントを試さないといけなかったのが、最初から完成イメージが見えることで、より効率的に作業を進められるようになりました。
PRO-10Sはまずはモノクロプリントにこだわりたい人におすすめです。カラープリントの人にとっても、顔料インクは紙に染み込まないことで、紙の種類によってインクの見え方にブレが出ない……つまりいろんな種類の紙も試しやすい、という特徴もあるんです。落ちついた色彩の写真というのも、パッと見は地味に見えてしまいがちですが、長く見ていられるプリントになることも多いです。また写真を販売したり、とにかく長く保存することにこだわる人にとっても、PRO-10Sを選ぶといいでしょう!!
キヤノン PIXUS PRO-1
キヤノンPIXUS PRO LINEの最上位機種。顔料系12色インク搭載のA3ノビ対応インクジェットプリンター。5色の黒系インクの組み合わせによる高画質モノクロプリントも魅力。
» PIXUS PRO-1製品紹介ページ
キヤノン PIXUS PRO-10S
キヤノンPIXUS PRO LINEの顔料系10色インク搭載のA3ノビ対応インクジェットプリンター。「クロマオプティマイザー」による光沢均一性/黒濃度の向上が魅力。
» PIXUS PRO-10S製品紹介ページ
キヤノン PIXUS PRO-100S
キヤノンPIXUS PRO LINEの染料系8色インク搭載のA3ノビ対応インクジェットプリンター。染料系インクならではの高発色・高光沢と暗部の色再現性の向上が魅力。
» PIXUS PRO-100S製品紹介ページ
デジタルカメラマガジン2015年4月号(3/20発売)には藤川清誠さんも登場するキヤノン PIXUS PRO-10S/100Sの連動記事が掲載されている。人気写真家が顔料10S・染料100Sをそれぞれが選んだ理由を徹底解説。またフォトコン選者の岡嶋和幸先生によるプリントアドバイスなど盛りだくさんな内容。要チェック!
» https://ganref.jp/dcm/