顔料も染料も選べる!! 創作意欲が湧き上がる!! 最新A3ノビプリンター キヤノンPIXUS PRO-10S/100S わたしが選ぶならこっち!! ~GANREFユーザー廣島宗毅さんの場合~
キヤノンのインクジェットプリンター PIXUS PRO LINEの新商品として、A3ノビ対応モデル「PIXUS PRO-10S」「PIXUS PRO-100S」の2機種が発売された。「顔料」「染料」どちらのインクを採用するかがプリンターの特性を決めるといってもよいが、 PIXUS PRO LINEはどちらも選べるラインアップを誇る。ではどちらを選ぶか?がカギになる。デジタルカメラマガジン記事と連動したこの記事では、実際にGANREFユーザーにPIXUS PRO LINEを集中使用してもらい、ユーザーが感じたリアルな評価を写真家・小澤太一がインタビューして浮き彫りにしたい。
わたしが選んだのはこれ!
キヤノン PIXUS PRO-100S
>>製品詳細ページ
PRO-100Sはやっぱり染料インク独特の鮮やかな発色を楽しむことができますね。わたしは、写真を見てくれた人が「わー、すごい!」と喜んでもらえるぐらい鮮やかな、記憶しているイメージに近い色でプリントするように心がけているので、PRO-100Sは思い通りの色を出すことができます。
特に北海道の風景写真でよく使う青や緑の色が、目が冴えるような発色なのが気に入っています。皆さんも試してみたら絶対感動すると思いますよ。紅葉の時期の、赤からオレンジにかけての微妙なグラデーションもうまく再現することができますね。PRO-100Sはまさに風景写真に最適なプリンターだと言えます。
わたしはカメラ、レンズ、プリンターとすべてキヤノンなので、現像ソフトは純正のDigital Photo Professional 4を使うようにしています。この組み合わせはやっぱりつながりがいいんですよね。作業の流れ的にもストレスがありません。デジタルレンズオプティマイザなど、純正ならではの機能も使えたりもしますし。いまはすべてDigital Photo Professional 4で現像しています。
RAWを現像してからプリントする場合、やはりPIXUS PROのソフトPrint Studio Proを使います。4分割してプリントしたり、フチのあり・なし、余白の幅など、Print Studio Proだと操作も簡単です。余白部分を黒くする機能もよく使います。そうそう、カメラやレンズ名、撮影データなどをプリントに印刷する機能も重宝していますよ。特に誰かに写真を見せるときにも、風景写真の場合は撮影日時がプリントされていると参考になると思うんですよね。
北海道の写真というと、広大な大地の風景というイメージがあると思います。その写真を楽しむには、やっぱり大きい紙で見るのが一番かなと思います。だって、A4は意外と小さく感じちゃいませんか(笑)。特に最近はカメラの解像度もかなり上がってきているので、せっかくの写真を活かすなら大きいプリントが楽しめるのかなぁと思います。写真を展示をする場合でも、A3ノビだと遠くからでも目につきやすいし、伝わりやすいですしね。だから、自分の中でもっとも印刷頻度が高い紙になっているのがA3ノビで、A4よりも多いぐらいです。
A3ノビに印刷すると、当然、作品としてすごく見応えや迫力を感じますが、大きく伸ばしたから気づく撮影のミスや、ごみやブレの存在にも気がつくことも多いです。きっとそれは、写真のスキル向上に役立つ部分ではないかとも思っています。
最高解像度 | 横4,800×縦2,400dpi |
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インク滴サイズ | 全弾4pl |
インク色数 | 顔料10色(C/M/Y/PC/PM/R/MBK/PBK/GY/CO) |
使用可能用紙サイズ | A3ノビ、A3、A4、2L判、L判ほか多数 |
外形寸法 | 約689×385×215(mm) |
質量 | 約20.0kg |
最高解像度 | 横4,800×縦2,400dpi |
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インク滴サイズ | 全弾3pl |
インク色数 | 染料8色(C/M/Y/PC/PM/BK/GY/LGY) |
使用可能用紙サイズ | A3ノビ、A3、A4、2L判、L判ほか多数 |
外形寸法 | 約689×385×215(mm) |
質量 | 約19.7kg |
カラフルで派手さが大事なプリントを作りたい場合は、染料インクのPRO-100Sのほうが得意なのは間違いありません。ビビッドな色味のあるプリントが出来あがった瞬間の、独特のパンチ力は、やっぱり一度ハマったらやめられない魅惑的な描写です。この場合、紙はもちろんプラチナグレードが最適。紙自体がとても白く輝いているので、色の強さがダイレクトに伝わってくるはずです。僕がもっとも好むタイプのプリンターと紙の組み合わせが、これです。
良質なモノクロプリントを作りたい場合は、顔料インクのPRO-10Sを選択するとよいでしょう。3色の黒インク系を含む、10色ものインクを使うことで、モノクロの色のブレも少なく、ワンランク上のモノクロプリントを作ることができます。キヤノン純正紙の中でモノクロとの相性がいいと感じているのはラスター。ハイライトからシャドーまで、再現域が広く、扱いやすい紙です。モノクロプリントを始めてみたい人から、こだわりの人まで、多くの人を満足させてくれる組み合わせでしょう。
ちょっと変わったプリントの雰囲気を楽しみたいのなら、まずはマットの紙を使ってみるのが最初の一歩です。光沢のキラキラした紙とも、半光沢のしっとりした紙とも違う、マット紙ならではともいえるドライな雰囲気の紙は、写真の内容とうまく組み合わせることができれば、オンリーワンなプリントを仕上げることもできます。顔料インクの10Sを選択すれば、紙にインクが染み込まないので、紙による色の見え方の変化の違いが少ないです。できあがりを想像しやすく扱いやすいでしょう。
最近のマイブームがこの組み合わせ。染料インクならではの派手さのある発色と、局紙バライタが持っている、落ちついた中に高級感のある表面の見え具合……これを組み合わせることでしか表現できない世界があるなぁと感じています。写真展で生のプリントを見てもらうときにも最適で、僕にとっては「写真展用プリント制作組み合わせ」のひとつです。紙自体の値段は少し高めですが、扱いは比較的簡単なので、一度チャレンジしてみるのも面白いと思いますよ。
顔料インクのPRO-10Sと染料インクのPRO-100S……どちらがいいのか? この問いに対する正解は、「どちらもそれぞれいい」のだと感じています。特徴が違い、どちらか一方だけですべてをカバーすることはできないんです。だから迷ってしまいますよね(笑)。でも、顔料か染料かで迷うことができるのも、キヤノンのプリンターラインナップの良さでもあると思うのです。GANREFに掲載した第1回~第3回の記事を何度も読みながら、自分がやりたい写真表現が出てくる方のプリンターを、まずは手に入れてみるのがいいでしょう。
写真は撮影するだけではなく、プリントすることでもっとうまくなります。これは間違いない事実。シャッターを切るときにできる表現と、プリントを作る過程でできる表現を組み合わせることで、より様々なことができることに気がつくはずです。そして、これらの制作過程を楽しむことこそ、プリントの醍醐味だと言えます。プリントはやればやるだけうまくなりますから! 楽しみながら、長くやり続けてみてくださいね。
キヤノン PIXUS PRO-1
キヤノンPIXUS PRO LINEの最上位機種。顔料系12色インク搭載のA3ノビ対応インクジェットプリンター。5色の黒系インクの組み合わせによる高画質モノクロプリントも魅力。
» PIXUS PRO-1製品紹介ページ
キヤノン PIXUS PRO-10S
キヤノンPIXUS PRO LINEの顔料系10色インク搭載のA3ノビ対応インクジェットプリンター。「クロマオプティマイザー」による光沢均一性/黒濃度の向上が魅力。
» PIXUS PRO-10S製品紹介ページ
キヤノン PIXUS PRO-100S
キヤノンPIXUS PRO LINEの染料系8色インク搭載のA3ノビ対応インクジェットプリンター。染料系インクならではの高発色・高光沢と暗部の色再現性の向上が魅力。
» PIXUS PRO-100S製品紹介ページ
デジタルカメラマガジン2015年5月号(4/20発売)には廣島宗毅さんも登場するキヤノン PIXUS PRO-10S/100Sの連動記事が掲載されている。人気写真家が顔料10S・染料100Sをそれぞれが選んだ理由を徹底解説。またフォトコン選者の岡嶋和幸先生によるプリントアドバイスなど盛りだくさんな内容。要チェック!
» https://ganref.jp/dcm/