EOS 90D
EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM- 撮影情報
カメラ:キヤノン EOS 90D
レンズ:キヤノン EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM
焦点距離:42.0mm
シャッタースピード:1/50秒
絞り数値:F8.0
露光補正量:0EV
ISO感度:200
ホワイトバランス:AWB
撮影日時:2019年9月28日 14:30:32
「鉄道」を撮影するうえでの「一眼レフカメラ」の魅力と優位性
結解EOS 90Dはデジタル一眼レフカメラなので光学ファインダーを搭載していますね。僕としてはフィルム時代から一眼レフに馴染んでいるし、光学ファインダーと撮影機構のタイムラグの少なさもあって、EOS 90Dで鉄道を撮影すると、やっぱり自然でシックリくるという感じがあります。
そして、EOS 90Dは、高性能なデジタル一眼レフカメラなのにとても軽く仕上がったことも評価したいです。鉄道写真を撮るときは重い機材を背負って歩き回るのが常ですが、EOS 90Dは軽くて撮影が随分楽になりました。
buzzそうですよね! 先生のおっしゃる通り本当に軽いですよね。私は普段EOS 7D Mark IIを使っていますが、EOS 90DはEOS Kissシリーズを彷彿とさせるくらいに軽くて驚いてしまいました。「えっ? 軽!」というのが第一印象でした。
結解上位機種のずっしり感が良いという人もいますが、やはり軽さが利点になるシーンは多いですよね。
alpha.330女性の視点から見ても、これまでの高機能な一眼レフはどうしても重くて、本格的な撮影以外では持ち出すのが億劫になっていました。私はEOS 6D Mark IIを使っていますが、撮影のときはヒールやスカートで気軽に! とは行けなくて・・・・・・。でもEOS 90Dの軽さならスナップ撮影などにも気軽に持ち出せそうで、それが嬉しくて、このカメラが欲しいなって思っちゃいました。
結解Westie.Mさんはいかがでしたか?
Westie.M最近ミラーレスカメラも使うようになっていたのですが、今回EOS 90Dを使ってみて、やはり一眼レフならではのタイムラグの少なさに改めて感心しました。EOS 90Dは、一眼レフにとって重要なファインダー視野率が100%であることもたいへん好印象です。EOS 90Dの見やすいファインダーで新幹線も快適に撮影できました。グリップ性能もいいから、大型の望遠レンズで鉄道を狙うシーンでも、すべての指でしっかり握れてバランスがよかったです。
Bin私も同じです。今回はEOS 90Dに「EF70-200mm F2.8L IS III USM」を装着することが多かったのですが、重いレンズを付けていても疲れることなく撮影を続けられました。それとEOS 90Dはバッテリーの持ちが想定以上によくて、ミラーレスカメラはもちろん、他の一眼レフと比べてもかなり優秀だと感じました。朝から夕方まで撮ってもバッテリーが半分以上は残っていたので、安心感がありますね。
結解なるほど、皆さんEOS 90Dの軽くてホールドしやすいボディ、気持ちよく動体撮影ができる光学ファインダーのアドバンテージに気づかれたようですね。ところで、APS-Cサイズと併せてフルサイズカメラをお持ちの方もいらっしゃいますが、使い分けはどうされていますか?
ちびべぇ私は普段フルサイズのEOS 5D IIIと、APS-CサイズのEOS 7D Mark IIの2台を両方持っていくことが多いです。
結解被写体やシーンによって使い分けるようなことはありますか?
ちびべぇ手持ちの望遠レンズでもっと引き寄せた写真を狙いたい場合は、APS-CサイズのEOS 7D Mark IIを使います。フルサイズに比べて1.6倍相当の画角になるので、望遠レンズを使うときにはとても重宝します。EOS 90Dも望遠撮影では特に活躍してくれました。
alpha.330そうですよね。私はフルサイズのEOS 6D Mark IIをメイン機にしていますが、APS-Cサイズはスナップ用のミラーレスカメラしか持っていません。運動会で子どもを撮るときなどは、動く被写体も撮りやすく同じレンズでも遠くを写しやすいので、本格的なAPS-Cサイズの一眼レフが欲しいなと思っていました。
結解そこでEOS 90Dが欲しいと?
alpha.330その通りです(笑)
Westie.Mレンズをシャッフルして画角を変えられるから、フルサイズとAPS-Cサイズの共用はやっぱり便利ですよね。特にEOS 90Dは動体撮影能力が高く、望遠に強いAPS-Cサイズの利点がさらに増幅されると思います。
結解APS-Cサイズは望遠に強い! 皆さん特性をよく分かってらっしゃいますね。付け加えるなら、同じ画角であればAPS-Cサイズの方が被写界深度が深くなることも大きな利点です。長い車両編成の鉄道を撮る場合などに非常に有利に働いてくれます。APS-Cサイズというと、かつてはフルサイズに比べて画質が劣るというイメージもありましたが、今は壁一面まで写真を引き伸ばすようなことでもしなければ、画質もまったく問題のないレベルになっています。
「EOS 90D」の驚きのスペック進化について
結解画質と言えば、皆さんEOS 90Dの画質については納得なり満足なりできましたか?
ちびべぇ今回はLレンズの「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」を使って、EOS 7D Mark IIとの違いを撮り比べてみたのですが、画質も使い心地もまったく問題なく満足できました。EOS 90Dは、画素数が約3,250万画素になってトリミング耐性が向上したので、手持ちで撮影して少し斜めに写ってしまった場合でも、広めに撮っておけば後から修正できるし、実用上、画質の低下も気になりませんでした。
結解手持ちだと、斜めになってしまうのはありますよね。私もたまにやってしまいますけど、EOS 90Dだとそのあたりも安心感がありますね。
ちびべぇ画素数が増えた分、ピントもシビアになるだろうから、サーボAFでしっかり電車を追ってくれるかどうか心配しましたけど、そちらもまったく問題ありませんでした。ファインダー撮影でもライブビュー撮影でもEOS 7D Mark II同等の性能を見せてくれたのがすごい。
結解alpha.330さんは工場夜景なども撮られているとのことですが、今回EOS 90Dで夜のシーンは撮影しましたか?
alpha.330はい、ノイズが少ないという評判だったので敢えて感度を上げた写真を撮ってみました。暗くなったシーンの中で動く鉄道を撮れるか不安だったのですが、被写体をうまく捉えてくれただけでなく、高感度でもきれいに写ってくれたんです。画素数が上がったのに高感度の性能もよくなっていることに感動しました。
結解僕も、今回はEOS 90Dで夜の撮影を行いましたが、いままでだとノイズで形が崩れる細部までキチンと写してくれたので驚きましたね。これは使えるぞ、と。
Westie.M最近登場したキヤノンのデジタルカメラは、ISO感度を上げてもノイズの増え方が実に穏やかですね。おかげで相当に感度を上げても以前なら消えてしまっていたディテールが最後までよく残ってくれるイメージです。そうした好ましい傾向が、DIGIC 8を搭載した最新機種のEOS 90Dにもよく受け継がれている。RAW現像で追い込めば、さらに自分好みの画作りができますよ。
結解Westie.Mさんの撮影した暗所での写真は、そうした画質向上の傾向がよく出ていますね。かなりの高感度なのに、ノイズも抑えられてきれいだし、空のグラデーションもよく表現されている。
Westie.M連写速度が最高約10コマ/秒に引き上げられたことで、すれ違う新幹線を狙った通りのタイミングで写し止めることもできました。鉄道写真において自由度を広げてくれるカメラだと思います。
結解Binさんの写真もかなりの高感度で撮影されたようですけど、非常にきれいに撮れていますね。
Binこれは電車のLED表示を全部写すためにシャッター速度優先1/100秒で撮影したものです。結果的に絞りは開放で、ISO感度も高くなりましたが、仕上がりに満足しています。
結解buzzさんは江ノ電(江ノ島電鉄)で撮影された写真ですね。旧型の鉄製車両の一部を切り撮るとは、鉄道ファンとしてよく分かってらっしゃる。
buzzありがとうございます。踏切でずっと電車を待っていたのですが、良いタイミングで良い車両が撮れたのはEOS 90Dの瞬発力あってこそだと思います。この写真はちょっとハイキーですが、それでも旧型車両の味わい深い質感を残しながら、幻想的なイメージを演出できたと思います。
結解うん、とても素晴らしい作品になっていますよ。先にもお話ししましたが、APS-Cサイズだから画質が劣るなどと言うのは過去の話で、EOS 90Dはこうしたハイキーの写真でもちゃんと必要な質感を再現してくれますね。
実際に使ってみた「EOS 90D」の魅力とは?
結解先ほどからちょくちょく話に出ていますけど、皆さん、EOS 90Dの使い勝手の良さには十分気に入ってくれたようですね。カメラはいくらスペックが高くても、使い勝手が悪ければ意味がないですものね。
Westie.Mライブビュー撮影で高速で動く被写体である鉄道がキチンと撮れることが確認できてよかったです。使用するレンズにもよりますが、測距エリアも広がったことで、構図の決定が非常に楽になりました。ファインダー撮影時のAF性能も素晴らしいのですが、ここまでよくなると、ファインダー内でライブビューの状況が分かるような機能が欲しい、なんて欲が出てしまいます。
Binそう、ライブビュー撮影でもファインダー撮影でも鉄道写真が高性能で撮りやすいからこそ、もっとこうだったらなと思う部分が出てしまいますね。例えば、電車がこちらに向かってくるシーンで、もっと遠くから補足できたらもっと使いやすいだろうな、とか。
alpha.330今回私が使った「EF70-300mm F4-5.6 IS II USM」がEOS 90Dの軽さととてもマッチして気持ちよく撮影できました。バリアングルモニターでハイアングルやローアングルの撮影をしても違和感なく撮影できます。Westie.Mさんと同じく、こうしたEOS 90Dにピッタリなレンズがもっと出てくれたらな、と欲が出てしまいます(笑)
ちびべぇやっぱりライブビュー撮影の性能が良いから使い勝手もグッとよくなりましたよね。いまはミラーレスカメラに注目が集まっている時期ですけれど、両方の良さをもったEOS 90Dだからこそ、一眼レフの良さを再認識させてくれます。あと、使い勝手というなら、マルチコントローラーを装備してくれたことが大きい。EOS 7D Mark IIなどに装備されていて慣れていたので、これがないと使い辛さを感じてしまいそう。マルチコントローラーがあるからEOS 90Dが欲しい、とも言えます。
buzz本当に軽くて軽快に撮ることのできるカメラですよね。Binさんもおっしゃっていましたが、鉄道写真だと朝から夜まで撮り続けることも多いので、この軽快な操作性は心強い限りです。欲を言うならファインダー撮影時の測距エリアがもっと広くなってくれればと思います。車両を画面の隅に置いた構図を作りたいことも割とありますので。
結解皆さんから多くの要望がでましたね。これもEOS 90Dの使い勝手を気に入ったからこそということでしょう(笑) EOS 90DはEOS 7D Mark IIユーザーでも違和感なく使えるだけの性能がありますし、上位機種では選択肢に入らなかった小柄なレンズとの組み合わせで気軽な撮影にも対応する、実に懐の広いカメラになっていると僕自身も思っています。メイン機としてサブ機として、今回に限らずこれからもどんどん鉄道写真に活用していってください。
鉄道写真ユーザー座談会で特に盛り上がった「EOS 90D」のポイント
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POINT 1
上位機並みのハイスペックにして驚くほどコンパクト
EOS 90Dを手にして構えたとき、まず驚いたのがとても軽く小さいこと。手持ち撮影でも安定して被写体を追うことができ、一日中移動を繰り返すことの多い鉄道写真で、機材を軽量化できるのはとても助かります。小型・軽量といえばミラーレスカメラが話題ですが、やっぱり鉄道写真は慣れ親しんだ一眼レフで撮りたい。それでいて、上位機並みに各機能が進化していて、剛性感もアップしているから安心感が高く、撮影していて不安になるようなことはありませんでした。豊富なレンズラインナップの中から好みのレンズを自由に選んで使えるところも良いですね。
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POINT 2
マルチコントローラー搭載による操作性の向上
EOS 80Dまではサブ電子ダイヤル内に1つ搭載されていたマルチコントローラーがEOS 90Dでは追加されて2つになりました。EOS 7D Mark IIなどの上位機種に搭載されているマルチコントローラーと同じタイプで、右手親指がかかりやすいちょうど良い位置にあります。構図によってピント位置を変更することの多い鉄道写真ですが、ファインダーを覗きながらでもスムーズにAFフレームを移動できます。一度慣れてしまうとマルチコントロ―ラーのないカメラを使ったときに違和感を覚えてしまうほど。もはや必須の機能といってもいいくらいで、これがあるからEOS 90Dが欲しいという意見にも納得。
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POINT 3
高画素化しながらも優れた階調性と高感度耐性
搭載するAPS-CサイズCMOSセンサーが約3,250万画素になり、トリミング耐性が大きく向上しました。もともとの解像感は素晴らしく高く、階調性も非常に豊かなので、今までは難しかった電車表面の輝きや質感を見事に表現してくれます。さすがに高感度耐性は苦手かと思いきや、実際にはそんなことは全然なく、高ISO感度であっても被写体のディテールがつぶれてしまうようなことなくきれいに写せました。DIGIC 8の画像処理能力によって、APS-Cサイズのカメラの中でも間違いなくトップクラスの画質です。
[まとめ] 写真家・結解学さんが鉄道撮影におすすめするのは「EOS 90D」だ!
望遠レンズ使用時の画角が大きくできるAPS-Cサイズは、こと鉄道写真の分野で出番が多く、プロの鉄道写真家にとってもありがたい存在です。かつてはなかなか満足できなかったAPS-Cサイズの画質も大きく進化しました。特に、新しく登場したEOS 90Dの画質は素晴らしいの一言で、これなら書籍の見開きやカレンダーなどの写真にもまったく問題なく使うことができます。すでに多くの撮影をこのカメラでこなしていますが、ボディの剛性感や使い心地、レスポンス、スピード性能なども十分であることを実感しています。EOS 90Dは鉄道写真に必要な機能がすべて盛り込まれた一台。ミラーレスカメラが人気の今の時代に、キヤノンからこんなに優れた一眼レフが登場したことを、本当に嬉しく思います。
座談会参加のGANREFメンバーの皆さん、企画にご協力いただきありがとうございました。