EF17-40mm F4L USM:キヤノン(canon)

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カメラ: EOS 5D Mark II

レンズ: EF17-40mm F4L USM

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広角&標準ズームレンズの“換え時”を考える:キヤノン EOS 5D Mark II編

ズームレンズの便利さは今さらここに語るまでもないが、焦点域がダブる複数のズームレンズを併用するときに、どちらのレンズで撮ればいいのか判断に苦しむこともある。 

公開日: 2009年12月07日

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EF17-40mm F4L USMのマガジン記事

広角&標準ズームレンズの“換え時”を考える:キヤノン EOS 5D Mark II編

公開日: 2009年12月07日

ズームレンズの便利さは今さらここに語るまでもないが、焦点域がダブる複数のズームレンズを併用するときに、どちらのレンズで撮ればいいのか判断に苦しむこともある。そこで本アカデミーでは、人気のEOS 5D Mark IIを題材に、キヤノンEFレンズを代表する「EF17-40mm F4L USM」(以下「EF17-40mm」)と「EF24-105mm F4L IS USM」(以下「EF24-105mm」)を用いて、2本のレンズを同時使用する場合における“換え時”について考えてみたい。

最高の描写を得るためには、焦点距離が重複する部分をどう使うかが重要

解像力チャート解像力チャート 解像力チャート中心部解像力チャート中心部 各種テストには小山壮二氏作成のデジタルカメラ専用の解像力チャートを使用。その数値を目視で読み解きながら、解像力の変化や各種収差の有無を確認している。  幅広い焦点距離をカバーするズームレンズは、その焦点域の中で使用する焦点距離が変われば描写特性も微妙に変化するので、一部の焦点域だけの印象ではすべてを語れない。特にズーム比が大きくなる(高倍率になる)とその傾向が強くなることが通例であり、ズーミングによる収差変動を低く抑えるために、プロ仕様のズームレンズでは比較的ズーム比を抑え気味に設計することが多い。
 ズームレンズの性能を示す指針として、メーカーが公表しているMTF曲線というものがある。コントラストと解像力の変化を測定し、レンズ中心から画面端までの画質データをグラフ化したものなのだが、ほぼすべてのレンズで広角端と望遠端の性能に少なからず差はあり、レンズ設計の難しさが垣間見られる。レンズ設計では、一般的にはズーム全域で高い性能が発揮されるよう、全体のバランスを見て光学部を設計する。しかし広角域を含むズームレンズの場合には、広角レンズ独特の収差を補正するためにパワーを傾注。さらにF値が変動するタイプでは、明るいF値側での描写特性を維持するために、各光学系の力を最大限に利用する必要があるのだ。これらの要素が複雑に絡み、ズームレンズにおけるクセが生まれてくるわけだ。

 これらの状況はさておき、ズームレンズの使い方そのものにはまったく制約はなく、どのシーンでどの焦点距離を使おうが撮影者の自由。特にそのレンズの“売り”となっている焦点域は積極的に使うべきである。しかし複数のズームレンズを併用すると、焦点域にダブりが発生することも多い。そんなときはどちらを使えばいいのかプロとて迷う。もちろんシーンの連続性や撮影現場における“流れ”を最優先させるべきだが、風景撮影などでレンズのパワーを最大限に引き出したい場合には、各域でのレンズの特性を知っておくと迷うことなくスイッチすることができる。
 今回のテストではこの点に着目。EOS 5D Mark IIユーザーに多い組み合わせ例を題材に、重複する焦点域における解像力、色収差、ゆがみ、ぼけ、逆光耐性をチェックすることで、ズームレンズの使いこなしについて考えていく。季節の味覚に食べごろが存在するように、ズームレンズにおける“旬”を見極めることで、最高の写真をモノにできるのだ。

両レンズの焦点距離

広角ズームレンズの望遠側 VS 標準ズームレンズの広角側のテスト結果

解像力

EF17-40mm F4L USM EF17-40mm F4L USM(焦点距離:24mm/F8)焦点距離:24mm/F8 EF17-40mm F4L USM(焦点距離:40mm/F8)焦点距離:40mm/F8 EF24-105mm F4L IS USM EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:24mm/F8)焦点距離:24mm/F8 EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:40mm/F8)焦点距離:40mm/F8  焦点距離24mm、40mm時のそれぞれの解像力を見ると、その差は少なくない。まず24mmでは、中心部での解像力はともに高いが、周辺部を見ると「EF17-40mm」が有利で、中心部との差も少なく、F8で画面全域がシャープに結像。2,100万画素での分解能の最高値付近である0.9の指標をクリアする。対して「EF24-105mm」は中心部において0.9の指標に達しているものの、周辺部ではF11まで絞り込んでも1.2の指標が限界。これは2,100万画素の最低基準値ギリギリという結果である。
 一方焦点距離40mmでは「EF24-105mm」が逆転。中心部の解像力がピークとなる絞り値では互角に近いものの、「EF24-105mm」は絞り開放から1段絞っただけで0.9の指標までを解像するという安定した実力を見せた。周辺部においても「EF24-105mm」の優位は変わらず、F5.6で2,100万画素の限界値近くまでシャープに写っている。対する「EF17-40mm」はF11が画質ピークとなるが、2,100万画素での平均的理想値よりやや下。最後までココというポイントをつかみにくい。

歪曲収差

 歪曲収差に関しては広角ズームレンズとして高度に設計されている「EF17-40mm」が有利に。特に焦点距離24mmでの差は歴然としたものがあり、「EF24-105mm」が大きく樽型にゆがむのに対して、「EF17-40mm」の描写はパーフェクトに近い。焦点距離40mmに関しては24mmほどの差はなく、ともに安定している。ほんのわずかに糸巻き型の収差は残存するものの実用に影響のない範囲に抑えられていて、40mmのゆがみに関しては両者の差はほぼないといえる結果となった。

色収差

 焦点距離40mmでの結果はともに良好であり、目立つ色収差もほぼなく、安心して使えるレベルにあった。しかし焦点距離24mmの方を比較してみると、比較的安定している「EF17-40mm」に対して、「EF24-105mm」では画面周辺部での色収差がやや目立つ。けい線の内外に赤系と緑系の色ズレが発生し、絞り込んでも大きく改善しないことから、倍率色収差が残存していると見て間違いはない。大切な撮影ではRAW形式で記録し、Digital Photo Professional(DPP)による色収差補正を実施したい。

逆光耐性

EF17-40mm F4L USM(焦点距離:24mm)EF17-40mm F4L USM(焦点距離:24mm) EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:24mm)EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:24mm)  逆光に対しては最も光源の影響を受けやすい広角側(焦点距離24mm)で比較した。画面端に光源があえて入るように撮影して、それらの画像の差を見ている。結果としては写真のように強い耐性を発揮した「EF17-40mm」に対して、「EF24-105mm」では画面全体に薄いフレアがかかり、また広角レンズ特有の数珠状のゴーストが発生している。一般的なレベルで述べれば「EF24-105mm」も平均的といえ、何より「EF17-40mm」の性能がそれを上回っているというべきだろう。

ぼけ

EF17-40mm F4L USM(焦点距離:40mm)EF17-40mm F4L USM(焦点距離:40mm) EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:40mm)EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:40mm)  ぼけを決定する要素としてはレンズの開放F値、焦点距離がその2大要素だ。今回テストするレンズに関しては開放値は同一であり、焦点距離もともに40mmにセット。2つの要素が絡んだ差が出る余地はない。しかし実際に撮影してみると「EF24-105mm」のぼけの方が柔らかい。この原因は球面収差補正の差にあり、球面収差補正を強めにかけている「EF17-40mm」に対して、「EF24-105mm」では球面収差補正が緩やかであることが、この結果につながっているのだろう。「EF24-105mm」の焦点距離40mmでは、もとより球面収差の発生が少ないことは解像力テストでも確認されており、ぼけのきれいさとも合致する。

2本のレンズの差はここにあり!!

焦点距離 レンズ 解像力
(中央部)
解像力
(周辺部)
ゆがみ 色収差 逆光 ぼけ
24mm EF17-40mm ◎ ○ ◎ ○ ◎
EF24-105mm ○ △ △ △ △
40mm EF17-40mm ○ △ ○ ◎ ○
EF24-105mm ◎ ○ ○ ◎ ◎

◎ 文句なく良い/○ 問題なく使える/△ 被写体によっては注意が必要

 焦点距離24mmと40mmにおいて2本のレンズを比較してみたが、結果として24mm時の描写性はトータルで「EF17-40mm」が優れ、40mmにおいては「EF24-105mm」が有利という結論が得られた。特に差が顕著である項目は、24mm時の歪曲収差、逆光耐性、40mm時の周辺解像力とぼけである。これまでの経験則も踏まえて両者を比較すると、「EF17-40mm」は17mm側から24mm付近までが性能のピークと見てよく、対する「EF24-105mm」は尻上がりに性能を上げていくタイプだ。2本のレンズの換え時はまさにここにあるといえ、24mm付近までは「EF17-40mm」で引っ張り、望遠端に近づく40mm前後から「EF24-105mm」にバトンタッチするのが理想的であろう。もちろん撮影環境により、この方法がすべて有効であるとはいえない場合もある。しかしズームレンズを使いこなす上で、この法則を知っておくときっと役に立つときがあるはずだ。標準ズームレンズと望遠ズームレンズでも重複する部分では差が出るはずで、これらの性能差に関しては次回お届けすることとする。

24~40mmの焦点域での使い分け提言

「EF24-105mm」の40mm域の美しいぼけを生かす

カメラ:EOS 5D Mark II/レンズ:EF24-105mm F4L IS USM

カメラ:EOS 5D Mark II/レンズ:EF24-105mm F4L IS USM/露出モード:絞り優先AE/絞り:F4/シャッタースピード:1/30秒/露出補正:+0.3EV/ISO感度:200/WB:オート/ピクチャースタイル:スタンダード/RAW

中間域以降はぼけも考慮に入れた設計になっており、絞りを開けると美しい描写が得られる。たとえ「EF17-40mm」で撮影をしていても、無精をせずにレンズ交換をして正解だ。その場合には絞り開放で使うのが鉄則。

40mm域でカチッと撮るなら「EF24-105mm」のF8だ

カメラ:EOS 5D Mark II/レンズ:EF24-105mm F4L IS USM

カメラ:EOS 5D Mark II/レンズ:EF24-105mm F4L IS USM/露出モード:絞り優先AE/絞り:F8/シャッタースピード:1/1,000秒/ISO感度:200/WB:オート/ピクチャースタイル:スタンダード/RAW

この領域でしっかりと解像力を生かして撮りたい場合には、「EF24-105mm」がおすすめ。40mmならばご覧のようにパースも自然であり、風景写真や建築写真にも最適となろう。石の質感や手前の街灯まで、絵に描いたようにシャープだ。

24mm域は「EF17-40mm」で鉄壁の解像力を生かす

カメラ:EOS 5D Mark II/レンズ:EF17-40mm F4L USM

カメラ:EOS 5D Mark II/レンズ:EF17-40mm F4L USM/露出モード:絞り優先AE/絞り:F8/シャッタースピード:1/100秒/ISO感度:200/WB:太陽光/ピクチャースタイル:スタンダード/RAW

フルサイズでの24mmは構図をまとめるのにも適した焦点距離であり、風景写真でもよく使う。作例のように細かいディテールがびっしりと詰まったシーンでは解像力の高さが何より必要であり、また逆光に対する能力も欲しいところ。迷わず「EF17-40mm」で勝負したい。

ゆがみの少なさを求めるなら「EF17-40mm」の24mmだ

カメラ:EOS 5D Mark II/レンズ:EF17-40mm F4L USM

カメラ:EOS 5D Mark II/レンズ:EF17-40mm F4L USM/露出モード:絞り優先AE/絞り:F8/シャッタースピード:0.3秒/ISO感度:200/WB:オート/ピクチャースタイル:スタンダード/RAW

どんなレンズでもゆがみはあるがズームにより変動し、ピタリとゆがみが収まる部分があるもの。今回比較した組み合わせにおいての24mm域では、「EF17-40mm」の描写が秀逸。縦線・横線が複雑に絡むシーンでも、被写体をゆがませることなく上品に写し出す。この性能はチェックしておきたい。

写真/レポート:高橋良輔(通称・カメ高)

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この記事のURL:https://ganref.jp/items/lens/canon/42#imp_348

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