EF85mm F1.8 USM:キヤノン(canon)

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EF85mm F1.8 USMのレビュー・撮影記

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桜子

カメラ: EOS 5D Mark II

レンズ: EF85mm F1.8 USM

EF85mm F1.8 USMのGANREFマガジン最新記事

標準~中望遠単焦点&マクロレンズの「ぼけ」大全:キヤノン EFマウント編

レンズの性格を表現する言葉として「ぼけ」はあまりにも有名だ。英語圏に住む海外のカメラファンの間でも、原語に近い発音である「Bokeh」という言葉が広く使われている。 

公開日: 2010年03月05日

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EF85mm F1.8 USMの新着写真

EF85mm F1.8 USMのマガジン記事

標準~中望遠単焦点&マクロレンズの「ぼけ」大全:キヤノン EFマウント編

公開日: 2010年03月05日

イメージ  レンズの性格を表現する言葉として「ぼけ」はあまりにも有名だ。英語圏に住む海外のカメラファンの間でも、原語に近い発音である「Bokeh」という言葉が広く使われている。さてレンズにおけるぼけの定義にはさまざまな解釈があり、ぼけの感じ方も十人十色だ。光学的にはピントが合っている部分以外のすべての描写がぼけの対象となるが、一般的には主要被写体に対して最も大きくぼけている部分を「ぼけ」とする場合が多い。またぼけの発生についてのメカニズムも複雑であり、単に絞り値が小さいからといってすべてのレンズが美しいぼけを表現できるとは限らない。今回はそれらの現象を実際に目視できるよう、描写テストを実施。絞りによって変化するぼけの様子や、レンズごとに異なるぼけのテイストを探ってみることにした。使用カメラはAPS-C機専用レンズ:EOS 7D、フルサイズ対応レンズ:EOS 5D Mark II。絞り優先AEを使用し、1/3EVステップで、1クリックずつ絞り込みながら撮影した。

どこをどう見れば良いかを理解しよう

イメージ  ひとくちでぼけを見るといっても、ぼけのどの部分を見ればいいのかベテランでも迷うことだろう。ぼけにはその描写性によってさまざまな尺度が存在。ぼけそのものの大きさから、ぼけの形や周囲とのなじみ方までが評価基準となる。ぼけについてはMTF特性図のように性能を示すグラフはないが、光学設計時にはぼけの良しあしを判断できる光路図があり、そのグラフを見れば専門家であればぼけの性質を理解できる。しかしこれらのデータはメーカー門外不出であり、われわれは実写画像からぼけの性質を読み解くしかない。以下はぼけを評価する上で代表的な項目であるが、これですべてが決定されるわけではない。あくまでぼけの良しあしを判断する上でのアウトラインであると理解されたい。なお、下にある画像は、左の画像の各番号部分を拡大したもの。

① ぼけの大きさ

大きい 大きい 小さい 小さい  ぼけの大小を示す評価基準。特に大きさについての規定は存在しないが、ほかと比較する上で用いられる。絞り値と密接に関係しており、開放F値が小さいほどぼけの大きさは大きくなる傾向がある。背景に設置した点光源のぼけの大きさを比較対象物にするとわかりやすい。

② ぼけの柔らかさ

柔らかい 柔らかい 硬い 硬い  ぼけの柔らかさとは、ぼけの描写がいかにソフトであるかを示す評価基準。ぼけの中心をピークとした場合、なだらかに周囲に溶け込むぼけが理想的といえる。ぼけのエッジに硬さがあるとざわついたイメージとなり、直線で構成される被写体では二線ぼけにつながりやすい。また絞りの形が出てしまうことも硬軟に影響する。

③ 口径食の影響

口径食が少ない 口径食が少ない 口径食が多い 口径食が多い  口径食とは入射する光がレンズの鏡胴部などに遮られる現象であり、周辺光の現象を引き起こす。ぼけにおいては点光源のぼけが真円ではなくラグビーボール状にゆがむことから、イルミネーションの撮影や玉ぼけを生かす撮影でしばしば問題となる。程度の差こそあれ口径食は発生するが、いかに低レベルであるかがポイントだ。

※以下の作例は絞り開放から3クリックごとの画像を掲載しています。

写真/レポート:高橋良輔(通称・カメ高)

APS-C機専用レンズ(使用ボディ:キヤノン EOS 7D)

F1.4 F1.4

F2 F2

F2.8 F2.8

F1.8以降点光源やや注意

F2.8 F2.8

F4 F4

F5.6 F5.6

点光源の描写も得意

F2 F2

F2.8 F2.8

F4 F4

90mm譲りの安定感

F2.8 F2.8

F4 F4

F5.6 F5.6

F3.2でベストなぼけ

フルサイズ対応レンズ(使用ボディ:EOS 5D Mark II)

F1.4 F1.4

F2 F2

F2.8 F2.8

開放時の柔らかさは必見

F2 F2

F2.8 F2.8

F4 F4

F2.5までが勝負どころ

F2 F2

F2.8 F2.8

F4 F4

ワイドだがぼけ味も良し

F2 F2

F2.8 F2.8

F4 F4

開放のぼけは50mmクラス

F1.2 F1.2

F1.8 F1.8

F2.5 F2.5

ぼけの重なりすら柔らか

F1.4 F1.4

F2 F2

F2.8 F2.8

開放で勝負して吉

F1.4 F1.4

F2 F2

F2.8 F2.8

ぼけの重なりに技アリ

F1.4 F1.4

F2 F2

F2.8 F2.8

F2まで幅広く使える

F1.8 F1.8

F2.5 F2.5

F3.5 F3.5

F2までで勝負を決めたい

F2 F2

F2.8 F2.8

F4 F4

F2.2で点光源が落ち着く

F2.5 F2.5

F3.5 F3.5

F5 F5

ぼけ狙いならば近接必要

F2.8 F2.8

F4 F4

F5.6 F5.6

絞っても点光源崩れず

F2.8 F2.8

F4 F4

F5.6 F5.6

ぼけ狙いなら近接せよ

F1.2 F1.2

F1.8 F1.8

F2.5 F2.5

大きさ、滑らかさ抜群

F1.4 F1.4

F2 F2

F2.8 F2.8

エッジの描写に自信アリ

F1.8 F1.8

F2.5 F2.5

F3.5 F3.5

開放で使って吉

F2.8 F2.8

F4 F4

F5.6 F5.6

絞ってもぼけ味良し

F2 F2

F2.8 F2.8

F4 F4

開放でさらに冴えるぼけ

F2 F2

F2.8 F2.8

F4 F4

絞っても点光源崩れず

F2.8 F2.8

F4 F4

F5.6 F5.6

絞っても点光源崩れず

F2.8 F2.8

F4 F4

F5.6 F5.6

ぼけの滑らかさはIS優位か

F2.8 F2.8

F4 F4

F5.6 F5.6

シャープだがぼけも美的

F2.8 F2.8

F4 F4

F5.6 F5.6

ぼけ狙いなら開放付近で

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この記事のURL:https://ganref.jp/items/lens/canon/75#imp_357

EF85mm F1.8 USMのマガジン記事

価格を超えたEF85mmの統一王座決定戦

公開日: 2009年05月18日

キヤノン EFレンズの85mmには、ご存じのように開放F値の違う2本のレンズが存在する。かたや20万円オーバー。もう1本は5万円台と価格に大きな違いがある。はたして価格差はどこに表れるのか。そしてその使い勝手とは。気になる2本を徹底比較したい。

写真・文:高橋良輔(通称:カメ高)

 

17年ぶりの更新となった中望遠の定番85mmとは

 久しく更新のなかったEFの単焦点レンズだが、ようやく中望遠の定番85mmのF1.2(以下F1.2)モデルが新型となった。先代の登場は1989年。じつに17年ぶりとなる。今回の更新は経年による定期的なものと考えられるが、いよいよデジタル一眼レフが本格的な多画素時代に突入し、単焦点レンズのシャープさが再評価されだしたことも無縁ではない。今回の改修はレンズコーティングの強化とAF環境の速度向上に重点がおかれている。さて最新のレンズに対して、庶民派の定番EF85mm F1.8 USM(以下F1.8)も黙ってはいない。定価で約4倍近い開きがあり、プライスではF1.8が一般的な入手の限界だ。プロとて同様であり、特別な思い入れがない場合には、手ごろなF1.8を選ぶケースは少なくない。それゆえにF1.2派 vs. F1.8派の論議は以前から盛んに行われて、まさに口角泡を飛ばす勢いでそれぞれの利点が語られている。今回は、デジタル対応という観点も加えて両者を比較する。なお、テストボディにはEOS-1D Mark Ⅱ Nを使用した。

キヤノン VS キヤノン

キヤノン EF85mm F1.2L Ⅱ USM
Ⅱ型の名称がつけられた新製品。美しい描写性能には以前から定評があったが、AF速度が絶望的に遅かった旧製品の汚名をどこまで返上できるかも見もの。デジタル対策としてコーティングも一新されている
◎標準価格:235,000円前後
◎実勢価格:21万円前後
◎発売時期:2006年3月
キヤノン EF85mm F1.8 USM
F1.2版に比べて「暗いほう」と呼ばれているが、F1.8でも一般的なズームレンズと比較すれば明るい。約425gの重量で機動性に優れる。F1.2と比較するとその重さは2分の1以下。AFの速さではEFレンズのなかでもトップクラス
◎標準価格:58,000円
◎実勢価格:51,000円前後
◎発売時期:1992年7月

レンズ繰り出し時

キヤノン レンズ繰り出し時
レンズがもっとも伸びるのは最短撮影距離時。全長はマウント面までの実測で約96mmだ。レンズの構造上、通電していないと繰り出しを戻せないので注意
キヤノン レンズ繰り出し時
リアフォーカスを採用しており、最短撮影時にもレンズの全長に変化はない。マウント面までの実測では約72mmである。フィルター枠は非回転で操作性もいい

レンズ構成図

キヤノン レンズ構成図
非球面レンズ
レンズ構成7枚8群
最短撮影距離0.95m
最大撮影倍率0.11倍
フィルター径72mm
最大径×全長φ91.5×84mm
重さ1,025g
キヤノン レンズ構成図

レンズ構成7群9枚
最短撮影距離0.85m
最大撮影倍率0.13倍
フィルター径58mm
最大径×全長φ75×71.5mm
重さ425g

MTF曲線

キヤノン MTF曲線
※S:放射方向、M:同心方向
※グラフの縦軸はコントラスト、横軸は画面中心からの距離(単位:mm)を表しています

絞り値F8での性能曲線はまさにレンズ設計の理想のよう。しかし開放ではややクセも認められる。これは実写で詳細に検証したいところ
キヤノン MTF曲線
※S:放射方向、M:同心方向
※グラフの縦軸はコントラスト、横軸は画面中心からの距離(単位:mm)を表しています

絞り値F8での数値はF1.2と同等と見ていい。また開放でも10/30本とも特性カーブがそろい、ぼけのよさを示している
 

レンズよもやま話

EFレンズにはかつてF1.0の開放F値をもつEF50mm F1.0L USMが存在した。1989年にデビュー、すでに絶版となり久しい。現在ネットオークションでは中古品が50万円近い値がつくこともある。

デジタルカメラマガジン2006年08月号掲載

解像力チャートテスト レンズの資質をテストチャートでひも解く

キヤノン EF85mm F1.2L Ⅱ USM キヤノン EF85mm F1.8 USM
キヤノン 解像力チャート 開放では周辺部がやや解像力が低下する。この傾向はしばらく続くが、F5.6からは見違えるようにシャープになった。被写体によって絞りをうまく使い分けたい キヤノン 解像力チャート 開放でも周辺部はシャープに立ち上がる。コントラストはやや低いが、絞っていくと改善されていくのは定説どおりだ。F4で全域において完璧な描写となる
85mm F1.2(開放) 85mm F1.2(開放) 85mm F1.8(開放) 85mm F1.8(開放)
85mm F8 85mm F8 85mm F8 85mm F8

ともに中心部では互角の戦い。その差は周辺部の描写に出る

 解像力チャートでの実写では、両者ともかなり高い光学性能をもっている。ともにF8時に中央部ではNo.5のターゲットまで完全に解像している。No.5は800万画素のカメラで解像するように作られたチャートだ。実写したEOS-1D Mark Ⅱ Nは820万画素なので、この結果は、ボディ側の実力が十分に発揮されているといえる。1,200万画素のカメラで解像されるように作られたNo.4を見ると、解像していない部分は増えていくが、解像している部分は十分にクリアだ。ゆえに、両者とも高い光学性能をもっていると考えられる。また、両者とも開放ではF8の数値にはおよばなかった。
 差が生じたのは画像周辺部での描写であり、収差の影響からF1.8の描写がF1.2の画質を上回った。今回の勝負、数値的にはややF1.8がリードする幕開けとなった。

チャートの読み方

レンズの歪みはそれぞれの水平・垂直線で、また解像力は全13カ所の四角いテストパターンで読み解く。テストパターンは斜め方向45度に傾きがつけられており、ローパスフィルターの角度を考慮しているため、目視しやすいほうをそれぞれ選ぶ。テストパターンの大きさはもっとも大きなもので600万画素の平均的な解像力を、またもっとも小さいものが2,000万画素での解像力限界を示す。ただしレンズ評価の場合にはあくまで客観的な指標として使用している。

チャート制作:小山壮二

逆光での実写テスト 激しい光にどこまで耐えられるのか

キヤノン EF85mm F1.2L Ⅱ USM キヤノン EF85mm F1.8 USM
撮影:キヤノン EF85mm F1.2L Ⅱ USM ゴーストはあるもののフレアはない
大口径レンズゆえに、光源に由来すると思われる弱いゴーストが発生しているが、フレアに対しては強い。これはF1.2の圧勝だ
撮影:キヤノン EF85mm F1.8 USM ゴーストがはっきりくっきり
絞りの形をした強いゴーストとともに、四角いゴーストが激しく発生している。また全体にややフレアっぽさもある

新型の強みを発揮したF1.2と複雑なゴーストが発生したF1.8

 逆光耐性を調べるため、トランスミッターで純正ストロボをワイヤレス発光させた。単焦点レンズとはいえ、この条件は過酷であり、双方ともゴーストが発生している。しかし発生の度合いと性質では両者に大きな差がある。さすがに大口径レンズだけにEF85mm F1.2L Ⅱ USMではゴーストは発生したが、内部反射も少なく、ゴーストそのものも弱い。光源の位置と強さによってはほぼ目立たない場合も考えられる程度だ。しかし、EF85mm F1.8 USMでは数個のゴーストが複合的に発生した。しかも、その発生位置と広がりが予想しにくい結果となっている。両者の差はレンズ構成の違いもあるが、やはりコーティングによるところが大きいだろう。とくにF1.8で発生した四角い形のゴーストはキヤノン EOS-1D Mark Ⅱ Nの撮像素子からの反射だと推察できる。一方で、F1.2ではその痕跡はない。

レンズよもやま話

MTF曲線図で使われる「サジタル=S」という言葉は、ギリシャ語の「矢」という意味に起因している。放射状に広がる焦点の形から名づけられたものだ。

デジタルカメラマガジン2006年08月号掲載

ぼけぐあいテスト きれいに背景をぼかす資質を探る

キヤノン EF85mm F1.2L Ⅱ USM キヤノン EF85mm F1.8 USM
撮影:キヤノン EF85mm F1.2L Ⅱ USM F1.2で撮影。さすがに大きな前玉の影響から口径蝕が発生。ラグビーボール状に光源が歪む。しかしボケの大きさは圧倒的 撮影:キヤノン EF85mm F1.8 USM F1.8で撮影。ほぼ理想的な形に光源がぼける。さすがに周辺部では歪みも見えるが、歪んだぼけときれいなぼけの比率としては十分優秀な範疇だ

ぼけの量ではF1.2が有利だが、描写の正確さではF1.8に軍配が

 光源のぼけの描写では、口径食の影響からF1.2の歪みが大きい。F1.8でも影響はあるものの、描写には大きな差が生じている。テスト作例のようなぼけの歪みは日中、夜間とも生じるもので、逆光撮影時でのハイライト部などに多少の影響はある。しかしそれは現象のひとつで、ぼけの美しさにストレートに響くとはいい切れない。むしろぼけ量の大きさ、描写のやわらかさなどが通常撮影では効き目がある。絞りの影響でF1.2のぼけは大きく、若干の収差をともなうこともあり、やわらかさもある。対するF1.8は、ぼけそのものの大きさは小振りであり、描写もカチッとしている。どちらのレンズにも長所と短所はある。自分の好みによって選択すればよいだろう。

最短撮影距離テスト 実写で被写体の大きさを確認する

キヤノン EF85mm F1.2L Ⅱ USM キヤノン EF85mm F1.8 USM
撮影:キヤノン EF85mm F1.2L Ⅱ USM 撮影:キヤノン EF85mm F1.8 USM

最短撮影距離の違いが出る結果に

 各レンズの最短撮影距離は、F1.2が0.95m、F1.8が0.85mと0.1mの差がある。左の実写画像もそれをストレートに反映したものとなり、ふたつを比べてみると、被写体の大きさの差はひと回り程度ある。また実写では0.1mの差は思った以上あり、テーブルトップの小物などはF1.2では撮影しにくい。

AFスピードテスト 旧型の欠点は克服したか

キヤノン EF85mm F1.2L Ⅱ USM 約0.8秒
キヤノン EF85mm F1.8 USM 約0.3秒

ユーザーからも改善要求が多かったF1.2のAF速度だが、今回の改修でスピードアップした。まだほかのレンズと比較すると遅いともいえるが、実計測で0.8秒は立派。対するEF85mm F1.8 USMはほぼ瞬時の0.3秒。EFレンズのなかでもきわめて俊足だといえる。

計測方法

秒針がなめらかにに動く時計を利用。秒針が12時の位置に到達したと同時に、アウトフォーカス位置からAFを駆動させて実写。その1枚目が記録されるまでの時間を10回計測し、平均化した。

質感・使用感テスト 実際に手にとって気になる各部をチェックする

質感・使用感テスト
ピントリング F1.2は幅広のゴムリングをもち、操作してみると、その動きは絹のようになめらかだ。対するF1.8もスムーズだが、さすがにF1.2にはかなわない。F1.2ではレンズ前方にピントリング部があり、重さをカバーするデザイン、配置となっている。
フィット感 フィット感ではさすがに巨大な鏡胴部をもつF1.2はけっして良好とはいえない。レンズの重さだけで1,025g。EOS-1D系での装着重量では2.5kg近くなる。手持ち撮影には相当な腕力が必要だ。ホールディング感で選ぶなら間違いなくF1.8だ。
フォーカス切替え ともにAF時でもフルタイムでMFに切り替えられるしくみになっている。しかし、F1.2では通電していないとMFができない独特の構造だ。重い光学系を動かすために、MF時にもモーターのアシストが働いている。F1.8はごく一般的な動きで別段注意は不要。

レンズよもやま話

EFレンズが誕生して約20年が経過するが、キヤノンのレンズの原点は1946年に登場した「セレナー50mm」。セレナーとは「澄んだ」という意味があり、社内公募で選ばれたものだった。

デジタルカメラマガジン2006年08月号掲載

カメ高のオレならこう使う!

キヤノン EF85mm F1.2L Ⅱ USM

撮影:キヤノン EF85mm F1.2L Ⅱ USM

光が乏しい条件で生きる。業界最高水準の開放値F1.2で使うことに意味がある

 光学設計に変更はないため、前作と同様にやや軸上色収差は出やすい。しかしF1.2開放の威力は凄まじく、作例のように撮影距離が離れる大きな被写体でも、背景と明確に分離させることができる。被写界深度が異常に浅く、撮影そのものの難易度は高いが、ピタッと決まったときの爽快感は別格だ。色収差に関しては絞り込みで改善できるが、そのためにこの爽快感を手放すのはもったいない。

◆撮影データ
撮影地東京都江東区
使用カメラキヤノン EOS-1D Mark Ⅱ N
撮影モード絞り優先AE
絞りF1.2
シャッター速度1/100秒
ISO感度400
ホワイトバランスオート
撮影画質RAW
 

キヤノン EF85mm F1.8 USM

撮影:キヤノン EF85mm F1.8 USM

深絞りせずに全域シャープ。夜間撮影のカメラぶれをレンズ性能で克服する

 遠景での撮影では、より解像力を高めるため大きな絞り値を使うことは王道だか、そのためにどうしてもシャッター速度が遅くなるのが難点。三脚を使った場合にでも、作例のような縦位置撮影では、カメラが不安定になりがちで、ぶれには細心の注意がいる。しかしこのレンズならばF8程度まで絞らなくても、像面の平坦性が良好なので比較的早期に全域でシャープとなる。

◆撮影データ
撮影地東京都港区
使用カメラキヤノン EOS-1D Mark Ⅱ N
撮影モード絞り優先AE
絞りF4
シャッター速度1/8秒
ISO感度100
ホワイトバランスオート
撮影画質RAW
 

結論!オレならここは85mm F1.8を選ぶ

価格差を感じない完成度。手持ち撮影にも対応できる

 結論として、どちらがいいかというのはF値違いの2本のレンズになにを求めるかによるところが大きい。描写性能ではほぼ互角であり、逆光のテストではF1.2がリードするものの、接写とAF速度ではF1.8に分があった。
 やはりふたつのレンズの好みを分けるのは、ぼけ量とそれにともなう描写のテイストということになろう。F1.2とF1.8では「ぼけ」に関しての性質がまるで異なる。その数値差は0.6段と1絞りにも満たないが、F1.2のもつ「ぼけ」は別格であり、その量と描写性は通常のレンズでは得られない味がある。キレとやわらかさが同居する独特の描写性をもち、デジタル時代になって設計されたレンズに多く見られるカリカリ感がない。この思想はF1.8にも共通するが、レンズユニットが小型であり、設計上で無理をしていないF1.8ではF1.2に見られるようなクセは影をひそめている。それがゆえに使いやすいレンズに仕上がっているわけだが、クセ玉を求めるのならばF1.2は魅力的だ。しかし実際に選ぶとなると、使いやすさというファクターは無視することはできない。またF1.2というAFセンサーの許容錯乱円を超えた開放F値は、使い手にかなりの習熟度を求めてくる。その意味において小型で軽量、シャープさも上位レンズと同等のF1.8は手堅い選択となってくる。ぼけに関してもF1.2ほどではないが、85mmの焦点距離もあって50mm F1.4クラスより期待できる。たしかにF1.2は優れたレンズだが、コストパフォーマンスを考慮するとF1.8で満足できる。F1.2の代用という意味ではなく、レンズとして使いやすく、かつ性能のよさをストレートに評価した。また話題の中心となることが多いF1.2の重さだが、ボディと組み合わせるとさらに倍加する。スナップユースもできなくはないが、基本的には三脚を使い、ていねいに撮影するのが基本になるだろう。

今月のWinner

キヤノン EF85mm F1.8 USM

キヤノン EF85mm F1.8 USM

日中でF1.8の明るさを使うには、カメラにISO感度拡張があれば「L」を選択するといい。ISO 50相当となり、シャッター速度の不足が多少改善できる。F1.2を使うならばなおさらだ

 

レンズよもやま話

撮影距離による収差の変動を補正するため、一部の光学系の間隔を移動させることを近距離収差補正機構=フローティング機構という。EF85mmではF1.2に採用されている。

デジタルカメラマガジン2006年08月号掲載

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