デジタルカメラマガジン 2013年5月号選考 デジタルフォト部門 選者:石橋睦美 先生

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お堂の天使
カメラ:キヤノン EOS-1D X  レンズ:キヤノン EF16-35mm F2.8L II USM  レタッチ:Photoshop CS6にてプラグイン[Topaz Adjust]でHDR化しレイヤー合成、露出、彩度を調整  撮影地:大分県豊高田市

優秀賞

お堂の天使
作者:raccoさん (福岡県)

【講評】天念寺の修正鬼会は、奈良時代の国東半島に起った六郷満山の山岳信仰に由来する行事です。この行事が行われるお堂に、ひときわ目立つ存在のイギリス人女性がいた。作者によると、この祭の神事である開白から参加していたというこのイギリス人女性が中央に写ったのは偶然だったとのこと。しかし、もうもうと煙が立ちこめる堂内、人々の群れのなかで光るこの女性に視点をあてた画面構成を、無意識に思い描かれたのかもしれません。電灯の灯りだけで撮影した映像はモノトーン調の色彩を生み、それが作品価値を高めています。作者のオリジナリティを追求しようとする強い気持ちが作品に現れているのです。

【アドバイス】女性へ目線が行く構成の構図がみごとです。ただ、気になるのは右端に写り込んだマスクをつけた男性の存在です。せっかく異次元空間を思わせる映像なのに、この男性によって現実の世に引き戻されてしまいます。ここをトリミングでカットすれば完璧です。

カムイの夜明け 其の十二 奔流
カメラ:ソニー α77  レンズ:シグマ 10-20mm F4-5.6 EX DC /HSM  レタッチ:SILKYPIX Developer Studio Pro 5にてRAW現像  撮影地:北海道中川郡 十勝川河口

準優秀賞

カムイの夜明け 其の十二 奔流
作者:水底の歌さん (北海道・50歳)

【講評】私の担当する3回目の選考で、すばらしいネイチャーフォトが現れました。厳寒の早朝に十勝川の河口に現れた、自然が作った風物をモチーフにした作品です。その情景を完璧な構図と色調で表現されています。海霧湧く海岸に打ち寄せる波の形状と、砕けた氷が打ち寄せられた海岸、これらがZラインを描くように配置されていて画面に変化を与えています。さらにスローシャッターにしたことで波の流動感も表現されました。撮影時の光線状態も良好で、なにひとつとして欠点は見出せません。その結果、今回の最優秀作品と最後まで競り合いました。

【アドバイス】作者は、この情景に出合い何枚も撮影したそうです。その努力と被写体を見出す感性が、この作品を生みだした最大要因です。準優秀にとどまった要因には、作者の撮影コンセプトが詳しく記されていなかったこともありました。ネイチャーフォトでは、自然の摂理を知り、伝えることも重要です。この現象はなにか、なぜ感動したのかの解説をぜひ加えてみてください。

熟練の極み
カメラ:キヤノン EOS 7D  レンズ:キヤノン EF70-300mm F4-5.6L IS USM  レタッチ:Digital Photo ProfessionalにてRAW現像、彩度、コントラストを調整  撮影地:奈良県奈良市 東大寺二月堂

準優秀賞

熟練の極み
作者:詩音君さん (奈良県)

【講評】東大寺二月堂で早春におこなわれる修二会(俗にいう“お水取り”)は、古都に住む人々にとって、春の訪れを告げる行事として古来より親しまれてきました。作者は松明を持つ童子さんに肉薄して、その躍動感を強調させる構図を描いたのです。なによりもすばらしいのは、撮影テーマを決定したあとに作者が考えた斬新な映像づくりです。その強い思いがあって、この作品が生まれたのだと思います。松明を持つ童子さんの画面上での位置がよく、安定した構図ができあがっています。

【アドバイス】回廊と童子さんと松明、構図を形作る3つの要素がバランスよく配置されていて、安定感のある構図です。ただし、松明の軸が回転しすぎていて、形がわかりづらくなってしまったのは残念。制約のあるなかでの手もち撮影のようなのでむずかしいかもしれませんが、作品としてはこの軸の形状が鮮明ならばもっとよかったですね。

大気圏突入!?
カメラ:パナソニック LUMIX DMC-GX1  レンズ:BORG77EDII+X1.4テレコン  レタッチ:Photoshop CS6にて彩度、明度、コントラスト調整、ノイズを軽減、トリミング  撮影地:石川県金沢市

入選

大気圏突入!?
作者:ウェザー・リポートさん (石川県)

【講評】飛行機のなかからこの情景を目にした作者がすぐに撮影活動を開始した。その結果、すばらしい作品が生まれました。飛行機をモチーフにした作品は多く応募されてきますが、この作品ほどロマンを感じさせる作品はまだありません。

【アドバイス】作者は飛行機にピントが合っていないことを気にしているようですが、この場合は月にピントが合っていることが必須です。ピントの合っていない飛行機と夕日に染まる飛行機雲が、かえって現実感を強調しています。

我に光を
カメラ:キヤノン EOS 40D  レンズ:キヤノン EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM  レタッチ:Photoshop Lightroom 4にてモノクロ化、コントラスト、ハイライト、明瞭度、色あい、彩度、粒子を調整  撮影地:山梨県北杜市

入選

我に光を
作者:ken!さん (神奈川県・45歳)

【講評】この作品を見てすぐに思い浮かんだのは、アンセル・アダムスが撮影したヨセミテでした。ヒマワリの群落がヨセミテにあるとは思いませんが、雲間からもれる日差しと広大な草原を思わせるヒマワリ畑を組み合わせた画面構成が、そんなイメージを抱かせたのです。

【アドバイス】もしカラーで表現した作品だったら入選ではなかったでしょう。モノクロ画像にしたことで現実感が削がれ、幻想的な風景映像になったのです。作者の作品づくりに対する考察が光る作品です。

explosion!!
カメラ:ニコン D800  レンズ:ニコン Ai Nikkor ED 400mm F3.5S(IF)  レタッチ:Photoshop Lightroom 4にてRAW現像  撮影地:兵庫県神戸市

入選

explosion!!
作者:nikutenさん (兵庫県)

【講評】暗雲のなかに沈みゆく太陽が気流によってゆがみ、燃え上がっているようです。このような自然の光景はそうあるものではありません。作者はその瞬間を目にして、走りゆくタグボートと重ね合う瞬間をねらって撮影しました。作者の撮影センスのよさを感じる作品です。

【アドバイス】画面中央に夕日を配し、それに重ね合わせるようにタグボートをおいたこの構図が正解でした。右奥の水平線上にあるふたつの物体も効果的で、構図構成にひと役買っています。ただ、この物体の存在感を増すには、少しだけ右にカメラを振ってもよかったように思います。

コタン コロカムイ
カメラ:ニコン D7000  レンズ:ニコン Ai AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D(IF)  撮影地:北海道目梨郡

入選

コタン コロカムイ
作者:matsutakeさん (東京都・53歳)

【講評】シマフクロウは道東から千島列島・サハリンに生息するフクロウで、アイヌは集落を守る神として崇め、コタンコロカムイと呼びました。個体数が減っているので、出合う機会がまれな絶滅危惧種です。作品からも、シマフクロウを撮影できた作者の喜びが感じられます。シマフクロウの形がとてもよいときにシャッターを切っていることで構図も整い、すばらしい作品に仕上がっています。

【アドバイス】水銀灯に照らされたためかシマフクロウが黄金色になっていますので、自然色に近い色補正を行えばネイチャー写真としての価値がさらに上がりました。

雨の思い出横丁
カメラ:キヤノン EOS 7D  レンズ:シグマ 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO  レタッチ:Photoshop Lightroom 4にてRAW現像、コントラスト、シャドウなどを調整、トリミング  撮影地:東京都新宿区 思い出横丁

入選

雨の思い出横丁
作者:110gx5さん (東京都)

【講評】昔ながらの立ち飲み屋やバーがならぶJR新宿駅西口の「思い出横町」。ギターの流しの歌声が聞こえてきそうな、なつかしい雰囲気がこの作品からも伝わってきます。きっと作者も一時代前の、そんな風景をなつかしんだのかもしれません。作者の心情が画面からしみ出てきます。

【アドバイス】大きな改善点はありません。雨の降る日に撮影したことでいっそう時代を感じさせます。まだ客がやってくる時間には早く、酒の配達人がひとりだけという状況もよかった。手前の「やきとりタロー」の看板も遠近感の描写に効果的です。

餌さがし  
カメラ:キヤノン EOS 7D  レンズ:タムロン SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD (A005)  レタッチ:Digital Photo Professionalにて明るさを調整  撮影地:新潟県阿賀野市

佳作

餌さがし  
作者:KAWAさん (新潟県・66歳)

【講評】近頃ではスズメがだいぶ少なくなったと報道されています。野原が減って、エサが得られない自然環境が広がってきたからでしょう。しかし、この作品にはスズメが群れていて、郷愁への思いを抱かせます。

【アドバイス】身近な自然環境の変化を、作者は敏感に感じ取っているのかもしれません。そんな意識が作品づくりに影響を与えています。確かな撮影コンセプトをもてば、なにげない風景でも感動を与えます。

Geminids 2012
カメラ:キヤノン EOS 5D Mark II  レンズ:キヤノン EF16-35mm F2.8L II USM  レタッチ:Photoshop Lightroom 3にてトーンカーブを調整  撮影地:山梨県南都留郡 西湖

佳作

Geminids 2012
作者:imarinさん

【講評】タイトルどおり、昨年12月のふたご座流星群の日に撮られた作品です。オリオン座と富士山を形よく入れながら、運よく流星も現れた。これは写真の神様が与えてくれた作者へのプレゼントなのでしょう。

【アドバイス】富士山の真上にオリオン座が輝き、それを切り裂くように流星が光の糸を引いている。GANREFに書かれているようなそのときの感動の気持ちを、ぜひ投稿時の作者コメントにも入れてください。基本的に選考は投稿されたデータで行っていますから、未記載だと不利ですよ。

談笑・羽子板市にて
カメラ:ニコン D3S  レンズ:コシナ ZEISS Distagon T * 2.8/25  撮影地:東京都台東区 浅草寺

佳作

談笑・羽子板市にて
作者:pinさん (埼玉県)

【講評】なによりもよいのは羽子板売りのおじさんの笑顔と、女性のたたずまいです。きっとふたりは羽子板について話が弾んでいるのでしょう。その場のなごやかな雰囲気が伝わってきます。

【アドバイス】とにかく画面構成と雰囲気描写がすばらしい作品です。それは人物と展示された羽子板の配置が的確だからです。裸電球も羽子板市の風情を伝えるのに効果的です。

躍 動
カメラ:ペンタックス K-5  レンズ:シグマ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM  レタッチ:Photoshp Elements 6にてライテングを調整  撮影地:広島県呉市

佳作

躍 動
作者:ムラカミ イズミさん (広島県・58歳)

【講評】呉市でおこなわれた「よしゃこい祭り」で撮影した作品だそうです。前景の3人の少女の表情がとてもいい。これは的確なシャッターチャンスによるものです。さらに陰を画面構成に加えたことで、作品の価値が上がりました。

【アドバイス】快晴の空のもとでおこなわれた祭りの踊り、その衣装の色彩のあざやかさが目を引きます。きっと何枚も撮影したなかでの1枚なのでしょう。動きと構図のよさが感じられる映像です。

翡翠 垂直降下
カメラ:キヤノン EOS-1D Mark IV  レンズ:キヤノン EF300mm F2.8L IS USM  撮影地:東京都調布市

佳作

翡翠 垂直降下
作者:水無月右近さん

【講評】このごろではカワセミも、都会の水辺で見かけるようになりました。作品は公園の樹上から垂直ダイブした瞬間を撮らえています。背景の木立のぼけぐあいがよく、臨場感があります。

【アドバイス】ベストショットです。きっと作者は樹上のカワセミの動きをつぶさに観察していたのでしょう。野鳥の写真は、この作品のように環境描写がされていると見ごたえがあります。

 ☂ Rainy day ☂
カメラ:キヤノン EOS Kiss X5  レンズ:キヤノン EF100mm F2.8L マクロ IS USM  レタッチ:Digital Photo Professionalで明るさ、色あいを調整、Pixelmatorにて彩度、コントラストを調整  撮影地:東京都

佳作

☂ Rainy day ☂
作者:b9さん

【講評】セイヨウタンポポの種子のように見えますが、確かなことはわかりません。どこからか飛んできた種子が雨に打たれ、その日の空気感が清々しく描写されています。写真を見たとき、背景の暗紫色の花が気になったのですが、コメントでガーベラだとわかりました。

【アドバイス】マクロ撮影の作品は多く応募されてきますが、技術的にはうまく撮れていても作者の思いが感じられる作品がなかなかありません。この作品は、自然の風物をみごとに描写しています。

Link
カメラ:キヤノン EOS 7D  レンズ:キヤノン EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM  レタッチ:Photoshop Elements 9にて彩度、コントラストを調整、鳥を合成  撮影地:大阪府大阪市

佳作

Link
作者:KOSHINさん

【講評】デジタル時代になって、この作品のような合成写真を制作して、自分のメッセージを伝えようとする方々も増えています。作者のコンセプトは人間と野生が共有する自然環境を訴えかける、ということでしょうか。映像表現は多種多様であっていいと思います。

【アドバイス】確固たる独自の理論があれば、私はこのコンテストでは、この作品のような写真アートも選定の対象にしたいと考えています。次の作品を楽しみにしています。

春色の戯れ
カメラ:リコー GR DIGITAL III  レンズ:N/A  レタッチ:Picasaにて明るさを調整  撮影地:神奈川県鎌倉市 神奈川県立フラワーセンター大船植物園

佳作

春色の戯れ
作者:ベンリーさん (神奈川県・31歳)

【講評】なによりも色彩が美しい作品です。スイトピーの淡い紅色がとてもやさしく、心に清涼感を運んでくれるようです。コーディネーターのセンスもいいのでしょうが、バックの淡い色調もその雰囲気を盛り上げています。

【アドバイス】フレーミングがとてもよい作品です。このような被写体から、一部をカットして撮影しようとすると、かなりしっかりした画面構成能力が問われます。これは作者の感性の敏感さによります。

家へ帰ろう
カメラ:ソニー α65  レンズ:ソニー DT 55-200mm F4-5.6 SAM  レタッチ:Photoshopにて彩度を調整  撮影地:神奈川県横浜市

佳作

家へ帰ろう
作者:Ansonyさん (東京都)

【講評】高層ビルの夕焼け色に染まる空間に一羽のトリが飛んでいる。とてもロマンチックな写真です。トリの種類はわかりませんが、現代の都市空間に生息域を見出した自然事情を感じます。

【アドバイス】高層ビルの切り取り方と鳥が飛ぶ空間の比率がとてもよく、構図に安定感があります。ビルを照らす日差しが、画面に変化を与えているのも、この作品を良質にしています。

夏の子
カメラ:ソニー α900  レンズ:タムロン AF28-300mm Ultra Zoom XR F/3.5-6.3 LD ASPHERICAL [IF] MACRO  撮影地:山口県岩国市

佳作

夏の子
作者:内山えいじさん (山口県・51歳)

【講評】海岸で、なにかの神事がおこなわれたのでしょうか。そのときに使われたと思える木組みのやぐらで下半身丸出しの男の子がかじりついて遊んでいる。もう一方の子どもは食べものに夢中です。そのけなげな子どものようすに思わず笑みがこぼれます。

【アドバイス】いまでもこんな無邪気な子どもがいることにうれしさを覚えます。そのようすをありのままの目線で作者は撮影した。この作品には構図や色調をとやかく言う必要はありません。それほどに純真な映像です。

焼き職人
カメラ:ペンタックス PENTAX Q  レンズ:8mm F1.2  レタッチ:Photoshop Lightroom 4にてRAW現像、色、トーンカーブなどを調整  撮影地:東京都

佳作

焼き職人
作者:INU+さん (神奈川県)

【講評】小さな居酒屋のひとときの情緒を描いていて、好感がもてる映像です。焼きとりでしょうか。作者は串を焼く職人の風情に焦点をあて、居酒屋に集う人々の賑やかな雰囲気を描写しました。

【アドバイス】撮影データを見ると、あまり解像度のよくないレンズを使用したとあります。確かに被写体の輪郭が粗雑でピントもよいとはいえません。しかし、この作品の場合は荒れた画像がかえって効果的で、臨場感を色濃くしています。

一瞬の出来事
カメラ:キヤノン EOS 50D  レンズ:SP AF17-50mmF2.8  レタッチ:Photoshop CS5にてコントラストを調整  撮影地:埼玉県川越市

佳作

一瞬の出来事
作者:SUNKOさん (埼玉県)

【講評】すごい雷の映像です。そのときのすさまじい状況が感じ取れます。また、屋根と電信柱の雷光の配置がよく、構図も整っています。作者の正確な観察眼が可能にした作品ですが、実際撮影していて恐ろしくはなかったのでしょうか。

【アドバイス】きっと自宅の窓から撮影したのでしょう。落雷の写真などというものは、そう簡単に撮影できるものではありません。作者の雷を撮ろうと思った強い意志が感じられます。

オンステージ
カメラ:キヤノン EOS 5D Mark II  レンズ:キヤノン EF70-200mm F2.8L IS II USM  レタッチ:Digital Photo Professionalにてコントラスト、彩度を調整  撮影地:滋賀県高島市

佳作

オンステージ
作者:ハニカミオヤジさん (大阪府・49歳)

【講評】この光はなんなのだろうか、と疑問が湧いたのですが、自動車のボンネットだったのですね。そこにテントウムシがとまっていた。反射のラインとテントウムシが同化して、フォトジェニックな映像になっています。

【アドバイス】じつはこの作品を選ぶのには、だいぶ迷いました。タイトルだけからでは状況が判断できず、昆虫をモチーフにしていながらどこか無機質な印象を持ったからです。しかし作者コメントを読んで、選んでおいてよかったと思いました。

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