“その一枚を物語に”フォトコンテスト テーマ「爽」 入賞作品レシピ集 | GANREF

“その一枚を物語に”フォトコンテスト テーマ「爽」 入賞作品レシピ集

アドビ「Lightroom」「Photoshop」を使ってあなたらしい物語を写真で表現する「“その一枚を物語に”フォトコンテスト・テーマ:爽」に入賞し取材対応いただいた15作品のRAW現像・画像編集のレシピを大公開! 作者の皆さんが作品を仕上げるのに、どんな意図で、どんなテクニックを駆使したかを、Before/Afterから読み解いていきましょう。入賞作品作者の思考と現像・画像編集テクニックを学べば、あなたの作品表現の引き出しはもっと広がるはずです。[取材・執筆:吉田浩章](提供:アドビ)

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思い通りの「緑」を描ききるため、敢えて彩度を強調した
タイトル:ルソーの森/作者:Mislin

Before Before
After After

詳細な編集内容

使用ソフト:Photoshop CC(Camera RAW)

左右の青空部分をカットして、全体が緑で覆われる構図としました。肉眼と異なり緑が色褪せ、光のまぶしさが失われたために平面的に見えるので、肉眼での印象に近づけるよう現像しました。特に重要な調整は暗部を起こすことと彩度の強調ですが、特に、画面左下から下中央への微妙は緑の変化は[キャリブレーション]にある[彩度]のプラス調整なしには表現できませんでした。

[Camera Rawフィルター]の[基本補正]タブでの調整内容
緑の表現に役立った[キャリブレーション]の調整

編集項目

プロファイル: カメラスタンダード
色温度:5300
色かぶり補正:+7
露光量: +0.25
コントラスト:-20
ハイライト: -50
シャドウ: -10
自然な彩度: +20
キャリブレーション/レッド色度座標値 彩度:+70、ブルー色度座標値 彩度:+60
切り抜き後の周辺光量補正/適用量:-20、中心点:50、丸み:0、ぼかし:50、ハイライト:0

撮影時のエピソード

奈良県の朝護孫子寺に妻と出かけました。私にとっては、観光するというよりも様々なイベントで活気のある「活きているお寺」です。当日の目的は、妻の姪っ子のために安産祈願のお守りをいただくことでしたが、石段を下っての帰り際、逆光に輝く緑の美しさに引きつけられたのがこの光景でした。

撮影時のポイント

人が通る場所で他の人の通行の妨げにならないよう気をつけながら、20mmの単焦点レンズでの撮影です。気を付けたのは、下草のランダムな色や形の混じり合いや左右の楓をバランスよく構図に取り入れること。キラキラした太陽の光の表現にも気を付け立ち位置を変えながら撮影したうちの1枚です。

完成イメージについて

もともと絵画を見るのが好きです。この光景を見たときに植物が混じり合ういくつかのルソーの絵(「異国風景、猿とオウム」「夢」)が浮かびました。それらの絵をイメージしながら仕上げています。また、力強く眩しい太陽の光ですが、数枚撮影した中からはっきりと光条が表現されたものを選んでいます。

作者:Mislinさん
イメージ通りの新緑や深い緑を表現するために、[キャリブレーション]にある[色度座標値]の「レッド」と「ブルー」の[彩度]を強調しています(結果的に黄色や緑が強まる)。


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