アドビ「Lightroom」「Photoshop」を使ってあなたらしい物語を写真で表現する「“その一枚を物語に”フォトコンテスト・テーマ:爽」に入賞し取材対応いただいた15作品のRAW現像・画像編集のレシピを大公開! 作者の皆さんが作品を仕上げるのに、どんな意図で、どんなテクニックを駆使したかを、Before/Afterから読み解いていきましょう。入賞作品作者の思考と現像・画像編集テクニックを学べば、あなたの作品表現の引き出しはもっと広がるはずです。[取材・執筆:吉田浩章](提供:アドビ)
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星景写真では、一般的に天の川や星を目立たせるために強めの処理を行います。その強調処理によって、本当は強調したくない光害や不自然に感じられる部分が出てきてしまうため、そのような部分を馴染ませるために部分補正を行っています。[段階フィルター]や[円形フィルター]は、目立ちすぎた光害の抑制に使用し、[露光量]や[ハイライト]を調整しました。また、石塚桜に対しては[補正ブラシ]を使ってコントラストを下げたり[露光量]や[シャドウ]で光を補っています。
色温度:4950
色かぶり補正:+28
露光量:+0.43
自然な彩度:+4
彩度:−6
トーンカーブ:天の川部分を強調するため、ハイライトとシャドウを持ち上げた
円形フィルター:画像下部の明るさ色むらなどの光害を低減
段階フィルター:画面下部の光害を抑制
補正ブラシ;桜の暗部の明るさを補いながら、[明瞭度]をマイナスに調整して柔らかくふんわりとさせた
長野県飯田市の麻績の里石塚桜。さそり座と天の川が昇ってきたところを狙いました。地元の方からの、桜も見頃で月齢も天候もベストコンディションとの情報に、別の旅行先から数百キロを移動しての突然の撮影です。そのため小型カメラと小型三脚しかなかったことを覚えています。
桜の雄大さと、星座による季節の変わり目を表現するためにフレーミングに注意しました。不自然に見えるライトなどは使わず、街の地明かりだけで桜をきれいに表現するため、星の撮影としてはやや長めの露光を行っています。それで足りないところは現像で補おうと思いました。
季節の移り変わりを示す天の川とさそり座、そして雄大な石塚桜をしっかり見せることを意図しています。天の川を目立たせるように明るさを調整しながら、逆に強調されてしまうところは部分補正を行いました。桜は最終的には[明瞭度]を下げてふわっと優美な雰囲気にしています。
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作者:だいとしぃさん
このような星景写真は、桜の花と月齢、星の位置が揃わないと意図した写真になりません。さらに天候にも左右されますが、貴重な晴れに恵まれ作品にすることができました。