“その一枚を物語に”フォトコンテスト テーマ「爽」 入賞作品レシピ集 | GANREF

“その一枚を物語に”フォトコンテスト テーマ「爽」 入賞作品レシピ集

アドビ「Lightroom」「Photoshop」を使ってあなたらしい物語を写真で表現する「“その一枚を物語に”フォトコンテスト・テーマ:爽」に入賞し取材対応いただいた15作品のRAW現像・画像編集のレシピを大公開! 作者の皆さんが作品を仕上げるのに、どんな意図で、どんなテクニックを駆使したかを、Before/Afterから読み解いていきましょう。入賞作品作者の思考と現像・画像編集テクニックを学べば、あなたの作品表現の引き出しはもっと広がるはずです。[取材・執筆:吉田浩章](提供:アドビ)

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自分のイメージを表現するのに重要なのは、こだわりの現像手順
タイトル:蜘蛛の糸/作者:1.2.

Before Before
After After

詳細な編集内容

使用ソフト:Lightroom Classic CC

作品を仕上げる際、現像する手順に自分なりにこだわりを持っています。この順序が変わることで現像結果も変わってしまうためです。基本補正は下記の項目・順番です。

① コントラスト
② 明瞭度
③ ハイライトとシャドウ
④ かすみの除去
⑤ 自然な彩度と彩度

特に①~④はその順番と調整は必須であり、私の現像作業では一番重視している点となります。
下記の丸数字は現像作業に当たっての順番です。

Lightroomの[基本補正]パネルでの調整内容
Lightroomの[基本補正]パネルでの調整内容

編集項目

露光量:+0.21(⑫)
コントラスト:−49(①)
ハイライト:+11(④)
シャドウ:+9(⑤)
白レベル:−4(⑥)
明瞭度:−9(②)
かすみの除去:+2(③)
トーンカーブ/ハイライト:+12(⑦)
トーンカーブ/ライト:+16(⑧)
レッド色度座標値/彩度:+4(⑪)
グリーン色度座標値/彩度:+9(⑩)
ブルー色度座標値/彩度:+9(⑨)

撮影時のエピソード

富士山の撮影を目的に富士五湖周辺へ。こちらの写真は河口湖湖畔の大石公園で朝の光が差し始めてきた頃の富士山の出待ちがてらに撮った一枚です。ラベンダーの季節に朝露をまとった新しい蜘蛛の巣がきらきら輝いていました。結局富士山は見えず、蜘蛛の巣だけ撮って帰路につきました。

撮影時のポイント

蜘蛛の巣は光の当たる向きや加減、そして背景の被写体等々によって形や色の見え方が大きく変化します。初々しい蜘蛛の巣を明るめの植物の色と絡めることで、より柔らかく繊細に表現できるよう画面構成の安定した構図を意識し、じっくりと時間をかけて撮影しました。

完成イメージについて

100枚ほど撮った中から背景がラベンダーの鮮やかな茎の黄緑と青紫の花で埋め尽くされたものを10枚ほど選択。次に蜘蛛の巣の奥行き感や柔らかさ、優しい雰囲気が際立つものを3枚選んで現像し、見比べて残った一枚です。数ヶ月PCに保存したまま眺め返す中で最終的に180度回転しました。

作者:1.2.さん
撮影時は後処理のことは考えずにじっくりと構図を作って撮影に集中します。現像の際は自分らしい表現ができるよう、その手順にこだわっています。


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