アドビ「Lightroom」「Photoshop」を使ってあなたらしい物語を写真で表現する「“その一枚を物語に”フォトコンテスト・テーマ:爽」に入賞し取材対応いただいた15作品のRAW現像・画像編集のレシピを大公開! 作者の皆さんが作品を仕上げるのに、どんな意図で、どんなテクニックを駆使したかを、Before/Afterから読み解いていきましょう。入賞作品作者の思考と現像・画像編集テクニックを学べば、あなたの作品表現の引き出しはもっと広がるはずです。[取材・執筆:吉田浩章](提供:アドビ)
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2つの写真はまず[レベル補正]で明るさを整えています。その上で紫陽花の写真は[カラーバランス]の[色温度]で青みを強め、[シャドウ]をプラス調整し、淡くブルーに仕上げています。白鷺の写真は左右変転してモノクロ化した後に紫陽花の写真と合成し、[コントラスト][シャドウ]をプラス調整して波紋を強調。さらに白鷺部分を[クイック選択ツール]で選択範囲を作成し、[ハイライト]の調整によって白飛びを抑えています。その他、不要な部分やゴミは[コピースタンプツール]で削除しました。最終的には、ベースとなる紫陽花の画像にトリミングした白鷺の画像レイヤーを配置し、そのレイヤーの[不透明度]を60%にしています。
紫陽花の写真
レベル補正:自動
カラーバランス/色温度:43
シャドウ:24
白鷺の写真
レベル補正:自動
コントラスト:−45
シャドウ:57
[切り抜きツール]にてトリミング
合成後
白鷺部分に対して、ハイライト:+8
上層にある白鷺のレイヤーの不透明度:60%
白鷺の写真は川越市の伊佐沼で2007年に撮ったもの。何千枚と撮った中から白鷺の捕食の姿と波紋の「静」と「動」の様子がお気に入りの一枚です。カワセミを待ちながら撮った紫陽花の写真は2016年、別の場所での撮影ですが「ここに蝶や鳥が来たら」という想像が今回の作品につながりました。
前後をぼかした紫陽花の写真は、テーマにしている絵画調の鳥景のイメージ化の素材として、画像処理がしやすいように撮影しています。自然のドラマと美しさをコンテストのテーマである「爽」と絡め、写真表現の中でいかにリアルにイメージ化できるかを心がけています。
「爽」とは自分にとっては「涼感」であり、自分のテーマの一つでもある「フォトセラピー」感にも通じると思います。「自然はドラマ」であるとの思いをレタッチでさらに表現すべく、具体的には「爽」のイメージを淡いブルーで、また水の波紋も重要な表現として意識しています。
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作者:ichiiさん
写真は機材や性能だけでなく、想いや出会い、そして編集力も大切と感じ、レタッチにも力を入れています。そこには古い写真を蘇らせる力もあります。