“その一枚を物語に”フォトコンテスト テーマ「麗」 入賞作品レシピ集

アドビ「Lightroom」「Photoshop」を使ってあなたらしい物語を写真で表現する「“その一枚を物語に”フォトコンテスト・テーマ:麗」に入賞し取材対応いただいた15作品のRAW現像・画像編集のレシピを大公開! 作者の皆さんが作品を仕上げるのに、どんな意図で、どんなテクニックを駆使したかを、Before/Afterから読み解いていきましょう。入賞作品作者の思考と現像・画像編集テクニックを学べば、あなたの作品表現の引き出しはもっと広がるはずです。[取材・執筆:吉田浩章](提供:アドビ)

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Lightroomで基本現像を行い、使い慣れたElementsでフィニッシュ
タイトル:孤高の鉄塔/作者:SK1954

Before Before
After After

詳細な編集内容

使用ソフト:Lightroom Classic、Photoshop Elements

最初にLightroomでRAW現像を行いました。[露光量]をわずかにプラス調整し、[コントラスト]はかなりマイナスに調整、[ハイライト]と[シャドー]は強めにプラス調整しています。ほかに[彩度]をマイナスにし、[明瞭度]はプラスに強調しています。その画像をElementsで開いて、空や周囲を焼き込んだり、色合いを微調整したり、コントラストの強調やシャープの処理をしています。最後にトリミングをして仕上げました。

Lightroomで行った基本的なRAW現像。矢印は調整したパラメータの方向
Lightroomで行った基本的なRAW現像。矢印は調整したパラメータの方向

編集項目

Lightroom Classic
露光量:プラス調整
コントラスト:マイナス調整
ハイライト:プラス調整
シャドー:プラス調整
彩度:マイナス調整
明瞭度:プラス調整

Photoshop Elements
切り抜きツール:トリミング
焼き込みツール:空や周囲を焼き込み
明るさ・コントラスト:コントラストを強調
色相・彩度:色みの調整
シャープ:シャープネスを強調

撮影時のエピソード

撮影した場所は自宅から歩いて10分ほどの住宅も広がる畑の片隅です。時期は10月中旬、時間は夕方頃に撮影しました。散歩がてらにカメラを持って出かけたのですが、この場所に来たらいつもと違う雰囲気を感じました。おそらく、台風が去ったあとの天候がそう感じさせたのだと思います。

撮影時のポイント

作品のイメージは「荒野に建つ一本の鉄塔」です。それをどう表現するかを考えながら撮影を工夫しました。前景にはススキをぼかして入れ、鉄塔は小さめに配置して周囲に広がる住宅が見えないようにローアングルで撮影しています。夕方でしたので露出はアンダー気味(−0.3EV)にして撮っています。

完成イメージについて

写真自体は思うように撮れたので、あとは画像処理です。最終的に色みを落としてセピアっぽく仕上げ、ポツンと建つ一本の鉄塔から晩秋や夕暮れの寂しさ、あるいはもの悲しさのようなものが表現できればいいなと思いました。「孤高の鉄塔」というタイトル通りのイメージに仕上がったと思います。

作者:SK1954さん
Lightroomだけで完成させるにはもう少し…。基本的な現像はLightroomで行い、使い慣れたElementsで最終的な仕上げをしています。


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