アドビ「Lightroom」「Photoshop」を使ってあなたらしい物語を写真で表現する「“その一枚を物語に”フォトコンテスト・テーマ:麗」に入賞し取材対応いただいた15作品のRAW現像・画像編集のレシピを大公開! 作者の皆さんが作品を仕上げるのに、どんな意図で、どんなテクニックを駆使したかを、Before/Afterから読み解いていきましょう。入賞作品作者の思考と現像・画像編集テクニックを学べば、あなたの作品表現の引き出しはもっと広がるはずです。[取材・執筆:吉田浩章](提供:アドビ)
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昼のシーンを夜のシーンに変換して「違和感」や「非現実感」を表現したい。完成イメージは撮影時に着想できたので、それに従ってRAW現像を行う。具体的には月夜をイメージできるようにアクア以外の彩度を落とし、また、蝶や月を主役として据えるために、それらが真ん中に配置されるようトリミングをする。
大事にしたのは「現実でない感」です。色合いなども重要ですが、その表現を最も支えてくれたのは[粒子]だと思っています。カメラ自体がどんどん進化し、撮って出しの画像がますますクリアになるなかで、それと真逆の表現をしたい。そのような要求に[粒子]のような機能の必要性を強く感じました。
色温度:5850
ハイライト:−45
シャドウ:+20
白レベル:−30
HSL/彩度:アクア以外のパラメーターを−55〜−20程度に調整
粒子/適用量:30
当日はGANREFのオフ会。六本木ヒルズ付近で各々撮影をしていましたが、かなり暑い日で頭はボーッとし、撮影はどうでもいいやという感じに…。そこに現れた突然の蝶。都会の真ん中に蝶がいる違和感と朦朧とした頭で「これは現実なのか?」と思いながら11カットを撮りました。その1枚です。
撮影時に感じたのは、「違和感」であり「現実ではない感」です。それを表現するために意識したのは、そのとき置かれている太陽が照りつけている昼の状況ではなく、普段は見ることのできないであろう「月夜に蝶が飛んでいる」というシーンを表現することでした。
最初から「月夜の蝶」という完成イメージが浮かんでおり、全体的な雰囲気についてはブレることなく仕上げています。ただ、撮影時は「都会」と「蝶」の違和感を表現すべく、高いビルを取り入れたために空の面積も広くなりましたが、仕上げでは蝶の存在感を強めるために思い切ってトリミングしています。
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作者:katsucameraさん
普段はあまりないことですが、撮影のタイミングですでに「月夜の蝶」という本作のタイトルやイメージが確固としてありました。