アドビ「Lightroom」「Photoshop」を使ってあなたらしい物語を写真で表現する「“その一枚を物語に”フォトコンテスト・テーマ:麗」に入賞し取材対応いただいた15作品のRAW現像・画像編集のレシピを大公開! 作者の皆さんが作品を仕上げるのに、どんな意図で、どんなテクニックを駆使したかを、Before/Afterから読み解いていきましょう。入賞作品作者の思考と現像・画像編集テクニックを学べば、あなたの作品表現の引き出しはもっと広がるはずです。[取材・執筆:吉田浩章](提供:アドビ)
≫「“その一枚を物語に”フォトコンテスト・テーマ:麗」結果発表はこちら
≫Creative Cloudフォトプランの情報はこちらをチェック
Photoshopによる画像処理とレイヤー構成です。以前に撮った白いツツジの画像をハイキーにするなどして最下層のレイヤーに配しています。大山祇神社の画像は、セピアのペンで描いたように[輪郭検出]で線画に変換。全面をマスクした元画像をレイヤー間に配しマスク編集することで着彩して仕上げました。
背景の準備
以前に撮った白いツツジの画像をハイキーにし、[塗り]を[30%]にしてレイヤーの最下層に配置。さらに肌色(f2e6cb)にした[べた塗り]レイヤーを[描画モード]を[ディザ合成]、[塗り]を[20%]にして乗せ、和紙ふうの背景にする。
薄墨のセピアのペンで描いたような線画を得る
線画にしたい部分を[多角形選択ツール]などでラフに選択し、境界を大きくぼかした上で、[フィルター]→[表現手法]→[輪郭検出]で線画にする。その線をハッキリさせるため[イメージ]→[色調補正]→[2階調化]を行い、不要な部分は[消しゴムツール]で消去。セピア調にするために[トーンカーブ]でR/G/Bの各チャンネルごとに調整したら、その画像をレイヤーの最上層に配置して[描画モード]を[乗算]にする。
筆で色を塗ったように着彩する
背景と線画のレイヤーの間に元画像のレイヤーを配し、[描画モード]を[乗算]、[塗り]を[40%]にしてレイヤーマスクを追加し、そのレイヤーマスクをいったん黒で塗りつぶす。その後[ブラシツール]で好みの筆を選んで白で描画し、元画像の色をにじみ出させた。
ゴールデンウィークに家族でしまなみ海道を旅したのですが、途中の大三島で大山祇神社に寄りました。しかし夕方の5時を過ぎていたため参拝できず、神門とこの総門だけを見て帰りました。この大山祇神社は全国の山祇神社や三島神社、計1299社の総本社で国宝が8件、国の重要文化財が76件もあるそうです。
「大山祇神社」の読み方すら知らなかったのですが、この神社に立ち寄ってみると格式を感じ、荘厳な雰囲気に圧倒されました。できれば晴れた昼間に来て、ゆっくりとスケッチでもしたいほどの魅力的な場所ですが、このときは夕暮れで暗く、また雨も降ってきたので、瞬間的に構図を作り慌てて撮影した一枚です。
手書きの絵のように仕上げたく、最初はキャンソン紙を背景にし、鉛筆の線画で着彩はエアブラシで描いたように、と思っていましたが、結果的にツツジを使った和紙ふうの背景に、ペン画かつ筆による水彩画ふうの仕上がりとなりました。大山祇神社で感じた印象を写真をベースにしながら自分なりに表現しました。
【アドビ “新しい写真体験が始まる”】
Creative Cloudフォトプランの情報はこちらをチェック
https://www.adobe.com/jp/creativecloud/photography.html
作者:HIDEさん
線画に塗り絵をする感覚は、かなり楽しい工程です。デジタルゆえに何度でもやり直して好みの絵に仕上げることができました。