アドビ「Lightroom」「Photoshop」を使ってあなたらしい物語を写真で表現する「“その一枚を物語に”フォトコンテスト・テーマ:麗」に入賞し取材対応いただいた15作品のRAW現像・画像編集のレシピを大公開! 作者の皆さんが作品を仕上げるのに、どんな意図で、どんなテクニックを駆使したかを、Before/Afterから読み解いていきましょう。入賞作品作者の思考と現像・画像編集テクニックを学べば、あなたの作品表現の引き出しはもっと広がるはずです。[取材・執筆:吉田浩章](提供:アドビ)
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仕上げる際に重視したのは、ホワイトバランス(WB)の調整によって青みを強め爽やかさと涼感を出すこと。別の目的で[かすみの除去]も利用していますが、それによって黄色みが強まるため、WB調整はその抑制も兼ねています。ほかに光芒を強めたり鹿のテクスチャを出すために[ハイライト]や[シャドウ]をプラス補正し、さらに風景や光芒をシャープにするため[明瞭度]と[かすみの除去]も利用しました。最後に中央に視線を誘導するために周辺減光効果を与えています。
色温度:4400
色かぶり補正:0
露光量:+1.15
ハイライト:+50
シャドウ:+20
明瞭度:+20
かすみの除去:+25
切り抜き後の周辺光量補正/適用量:−10
切り抜き後の周辺光量補正/中心点:50
奈良公園の自然と光の中で「鹿のいる美しい風景」をテーマに春夏秋冬、季節ごとに撮影をしています。奈良公園の雄鹿はお盆の頃から角が切られますが、この朝はまだ角切りを免れている美しい角の鹿に出会いました。警戒心の強い鹿もいますがこの鹿は人懐こいようで、私についてきてくれました。
靄のかかった快晴の朝、太陽の光が射し始めると光芒があちこちに。普段は森の中で見ることが多い光芒ですが、緑の多い芝生でのそれはドラマチックなものでした。鹿の動きは緩慢ですが、微妙に動いているのでSSは1/500以上にし、明るい光芒や芝生を白飛びさせないためにマイナス補正をしています。
写真全体を包む緑と光を見て、夏から秋へ季節が移り始めた頃の涼しげな高原の朝を思い浮かべました。そこで、爽やかさと涼感をテーマにしています。ここでは30枚ほど撮りましたが、鹿が後ろを振り返り斜め上に頭を上げているカットを選択。秋の気配を察して空を見上げたような仕草が素敵だと感じます。
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作者:Mislinさん
鹿が振り返っているのは、実は血を狙う牛虻(うしあぶ)を追い払っているところですが、ちょうど良い具合にポーズが決まりました。