“その一枚を物語に”フォトコンテスト テーマ「麗」 入賞作品レシピ集 | GANREF

“その一枚を物語に”フォトコンテスト テーマ「麗」 入賞作品レシピ集

アドビ「Lightroom」「Photoshop」を使ってあなたらしい物語を写真で表現する「“その一枚を物語に”フォトコンテスト・テーマ:麗」に入賞し取材対応いただいた15作品のRAW現像・画像編集のレシピを大公開! 作者の皆さんが作品を仕上げるのに、どんな意図で、どんなテクニックを駆使したかを、Before/Afterから読み解いていきましょう。入賞作品作者の思考と現像・画像編集テクニックを学べば、あなたの作品表現の引き出しはもっと広がるはずです。[取材・執筆:吉田浩章](提供:アドビ)

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寒色系に整えながら、部分補正で視線の中心となる萼を際立たせた
タイトル:萼の鎧/作者:ぇむ

Before Before
After After

詳細な編集内容

使用ソフト:Lightroom(iPad版)

ピント位置を意識しながら視線を導く中心となる部分を決め、まずはトリミングを行いました。全体的な調整では[露光量]でローキー調に、[色温度]で寒色系にし、さらに周辺を減光して仕上げています。視線の中心となる萼に対しては、部分補正で[明瞭度]や[露光量][コントラスト]などを使い、明るさやメリハリ感を調整しました。

寒色系に調整したiPad版Lightroomの調整画面
寒色系に調整したiPad版Lightroomの調整画面

編集項目

切り抜きと編集で切り抜きを実施
露光量:マイナス調整
ハイライト:+34
トーンカーブ:ゆるいS字状
WB 色温度:−32
彩度:+10
明瞭度:+40
周辺光量補正:マイナス調整
選択範囲を編集(ブラシ):視線を誘導した萼のコントラストが際立つように[露光量]と[コントラスト]および[ハイライト]をプラス側に調整し、[ノイズ]を軽減

撮影時のエピソード

彼岸花の撮影にでかけた際、色あせ枯れた紫陽花を見つけました。枯れた花もファインダーを通して写し出すと美しい作品になるはずと思い、自宅でテーブルフォトをするために持ち帰る途中、茎が折れその拍子に流れの速い用水路へと…( ; ; )。結局、撮れたのはテスト撮影したこの一枚のみでした。

撮影時のポイント

紫陽花は、梅雨の時期の青色や紫色の美しい姿が印象的ですが、夏の暑さで色彩を失った紫陽花を見たのは初めてでした。あとで調べて知ったのですが、花だと思っていた場所は「萼」という花を守る部分でした。その萼の葉脈に沿うように花柄が、形をそのまま残しながら佇んでいる姿に心を惹かれました。

完成イメージについて

持ち帰ろうと思った枯れた紫陽花は用水路に流れてしまったので、テスト撮影した1枚を後日現像しています。色彩については、萼に守られながらきれいに咲いていた頃の紫陽花の花を意識して寒色系をイメージしました。また花を守る萼ということで頑丈なイメージに仕上げようと思い葉脈を際立たせています。

作者:ぇむさん
視線を集める額の部分をいかに魅せるか、ということと、枯れてもなお美しいと感じられるように、という思いで画像編集を行っています。


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