アドビ「Lightroom」「Photoshop」を使ってあなたらしい物語を写真で表現する「“その一枚を物語に”フォトコンテスト・テーマ:麗」に入賞し取材対応いただいた15作品のRAW現像・画像編集のレシピを大公開! 作者の皆さんが作品を仕上げるのに、どんな意図で、どんなテクニックを駆使したかを、Before/Afterから読み解いていきましょう。入賞作品作者の思考と現像・画像編集テクニックを学べば、あなたの作品表現の引き出しはもっと広がるはずです。[取材・執筆:吉田浩章](提供:アドビ)
≫「“その一枚を物語に”フォトコンテスト・テーマ:麗」結果発表はこちら
≫Creative Cloudフォトプランの情報はこちらをチェック
全体のバランスを整えることに時間を割きました。このような前景を入れて星空を撮る場合、合成写真と思われたくないので、「麗」を意識しつつも無理のない範囲で調整したつもりです。そのため、何度もやり直しています。Camera Rawで細かくパラメーターを調整して基本的なイメージを作り上げ、その後Photoshopにてニケに対しては明るさや色を部分補正し、全体を[トーンカーブ]で微調整しています。また、台座の下部やコマフレアの目立つ上部はトリミングしてカットしています。
Camera Raw
色温度:2700
色かぶり補正:−30
露光量:+0.80
コントラスト:−5
ハイライト:−52
シャドウ:+61
白レベル:+29
黒レベル:+44
明瞭度:+4
かすみの除去:+35
自然な彩度:+1
Photoshop
トーンカーブ:ゆるいS字状
ニケの部分補正:金色に近づけるために色や明るさを調整
切り抜きツール:4:3になるように左右はそのままに上下をトリミング
嬉しいことにGANREFのメンバーさんからお誘いがあり、美ケ原高原美術館の特別許可を受けた夜間撮影会に参加してきました。イベントは2019年10月25日と26日の二晩あったのですが、私は仕事の都合もあり、26日の夜の撮影会に参加しました。大好きな「サモトラケのニケ像」をメインに撮影しました。
ニケは翼を持つ勝利の女神です。翼という共通項からまず「はくちょう座」がうまく配置するよう構図を作りました。また「はくちょう座」を入れると近くの「ケフェウス座」のガーネットスターも入ってきます。ガーネットは「勝利の石」ということで「翼と勝利」がモチーフになりました。
天の川は背景なので、コントラストは落として優しくふんわりとした感じにし、一方のニケは女神の神々しさを出すため、金色をイメージした色に調整しました。最初は赤みの強かった背景を青紫系にすることで、補色の金色系との対比で彩度を上げなくても互いを引き立てる効果が得られました。
【アドビ “新しい写真体験が始まる”】
Creative Cloudフォトプランの情報はこちらをチェック
https://www.adobe.com/jp/creativecloud/photography.html
作者:はねっちさん
肉眼で見えない北アメリカ星雲はデネブの位置を参考に、ニケ像の翼に隠れないように注意して構図を作っています。