アドビ「Lightroom」「Photoshop」を使ってあなたらしい物語を写真で表現する「“その一枚を物語に”フォトコンテスト・テーマ:麗」に入賞し取材対応いただいた15作品のRAW現像・画像編集のレシピを大公開! 作者の皆さんが作品を仕上げるのに、どんな意図で、どんなテクニックを駆使したかを、Before/Afterから読み解いていきましょう。入賞作品作者の思考と現像・画像編集テクニックを学べば、あなたの作品表現の引き出しはもっと広がるはずです。[取材・執筆:吉田浩章](提供:アドビ)
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仕上げのイメージは、背景を落とし蜘蛛の巣を引き立たせること。まずはレイヤーで「背景」を複製し[白黒]でモノクロ化しました。この段階で蜘蛛の巣がかなりハッキリしてきます。次に[シャドウ・ハイライト]や[露光量]で階調を整えたり、コントラストを調整したりしてより蜘蛛の巣が際立つようにしています。最後に、モノクロ化した枯れ葉の部分を消し、下層のレイヤーに残しておいたカラーの元画像の色が見えるようにしています。
白黒:[イエロー系]や[グリーン系]をマイナス調整し、その他はプラスに調整
シャドウ・ハイライト:蜘蛛の巣が際立つように特に[ハイライト]の[量]を多めにプラスに調整
露光量:わずかにプラス調整
レイヤー:[露光量]の処理をしたモノクロレイヤーの枯れ葉部分を[消しゴムツール]で消し、元のカラー画像である「背景」の色を出す
自宅の裏山での撮影です。我が家は山際にあり、食事中にいつも窓から見えるこの蜘蛛の巣が気になっていました。直径が1メートル近くもあるような蜘蛛の巣ですが、獲物がかからない不漁続き。かかっているのは落ち葉ばかりという姿に哀れさを感じ、ある日とうとう自宅の裏に出て三脚を据えました。
獲物はかからないのに日を追っても網は破れないまま…。そんな小さな世界での「生き様」や「哀れさ」を表現しようと思いました。背景がゴチャゴチャし、色もイメージと違っていたので当初からモノクロを意識しました。背景を落とし込むためにマニュアル露出でアンダー気味に撮っています。
毎日観察していましたが、肝心の蜘蛛は現れませんでした。しかし残骸のような蜘蛛の巣に惹かれ、それを強調したいと思い、撮影では露出をアンダー気味にして背景を暗く落としています。その後のモノクロ化により見事に蜘蛛の巣の模様が浮き出てきました。枯れ葉に色を残してアクセントとしています。
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作者:kawagarasuさん
カメラのモノクロモードよりもPhotoshopでモノクロにするほうが、より細かな調整ができてイメージ通りに仕上げることができますね。